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出生前診断を受けることで、赤ちゃんがおなかにいるうちからダウン症の可能性を調べることができます。事前に把握することで、お母さんの心の準備、赤ちゃんが育っていく環境を整えておくことができるでしょう。そこで気になるのがダウン症の可能性がわかるタイミングです。
今回は、ダウン症の可能性がわかる出生前診断の種類と、結果がわかるタイミング、またエコー検査でダウン症を告知されるタイミングをご紹介します。
ダウン症とは
まずはダウン症の特徴や原因をご紹介します。
ダウン症の特徴
ダウン症は600〜800人に1人の割合で出生するといわれ、ダウン症特有の共通した特徴があります。顔の特徴は以下のとおりです。
●頭…やや小さめで絶壁 ●目…少し離れていて、ややつりあがっている・斜視 ●鼻…小さくて低い ●舌…大きめ ●耳…少し低めの位置 |
顔以外に現われる身体的な特徴は低身長なことです。特に幼児は背が低いことが多く見られ、筋肉量も少なく、自分の体を支えるための筋肉の張りが弱い状態です。そのため、ハイハイや歩けるようになるまでに時間を要する場合があります。
また、精神的な特徴として個人差はありますが、ダウン症児は大人しく、健康な子よりも知能が低い傾向にあります。言語発達もゆっくりで、不明瞭だったり、抑揚のない話し方をします。行動面では注意欠如や自閉的行動などが見受けられます。
幼児期や青年期にうつ病になるリスクが高いため、早い段階から精神的なサポート体制を整えてあげることが必要です。
ダウン症の原因
ダウン症(ダウン症候群)は、22本の染色体が1本多いことによって起きる先天性異常疾患です。母親(妊婦)の年齢と共にダウン症の発生頻度が高まることがわかっています。
日本産婦人科医会によると、年齢別のダウン症の発生頻度は、20歳の妊婦さんの場合は1,667人に1人、30歳の場合は952人に1人、41歳の場合は86人に1人(*1)という確率であると報告されています。父親に関しては加齢と共にダウン症発生頻度が高まることがほとんどないとされています。
*1 日本産婦人科医会 15.超音波検査と染色体検査との関連(出生前診断について)
妊娠初期にダウン症を調べる方法
ここでは、ダウン症の可能性を調べることができる「エコー検査」「母体血清マーカー検査」「コンバインド検査」「NIPT検査」をご紹介します。この4つは非確定診断と呼ばれており、検査結果は100%確定の診断となるわけではありませんのでご注意ください。
エコー検査(超音波検査)
超音波とは、一般的に20kHz以上の「人の耳には聞くことのできない高い音」のことです。超音波エコーはこの音を体に照射して超音波が反射し、反射した超音波を解析・画像化します。
超音波を使用して生成した子宮内の胎児の画像は、赤ちゃんの成長と発達を評価したり、妊娠を管理したりするのに役立てられます。ダウン症の可能性もこの画像から、赤ちゃんの身体的な特徴をもとに判定します。
エコー検査で見るポイントについては、妊娠中のエコー写真21枚で指摘できる、ダウン症の予兆 | 東京・ミネルバクリニックで詳しく解説していますので参考にしてみてください。
母体血清マーカー検査
母体から採血した血液に含まれる特定の成分を調べる検査が母体血清マーカーです。検査が実施できる時期は妊娠15~18週と、妊娠中期に差し掛かります。検査精度も約83%と非確定診断の中でも低い方に入ります。
コンバインド検査
超音波エコーと妊婦さんから採取した血液を用いて行う血清マーカー検査の2つを組み合わせてダウン症かどうかを調べます。精密超音波検査の結果及び2つの血清マーカーの血中濃度の増減と、妊娠週数・体重・家族歴・1型糖尿病の有無などをかけ合わせ、対象となる疾患の確率を調べます。
NIPT
NIPT(新型出生前診断)は、母体の採血のみで胎児の染色体異常を高い精度で見つけることができます。先天異常は高齢出産と関連する場合もあり、近年は受検する妊婦さんが増えてきている検査です。
日本でNIPTが導入されたのは2013年。日本医学会と日本産婦人科学会により3つの染色体異常を調べられるようになりました。NIPTの特徴は、検査対象が胎児ではなく母体であるという点です。母体の血液を採取して胎児の異常を判定できれば、確定検査(羊毛検査や絨毛検査)のためにお腹に針を刺す必要がありません。非確定的検査の中で最も精度が高く、検査を原因とした流産などのリスクを避けられる点がNIPTの魅力です。
ダウン症の赤ちゃんが生まれる確率
赤ちゃんがダウン症になる確率は年齢が上がるごとに高くなっていきます。20歳代におけるダウン症の妊娠率は1667〜1000人に1人と低確率なのに対して、35歳になると385人に1人となり、40歳だと108人に1人にまで上昇します。
※NIPT Japanより画像を引用
出産年齢が上がるとダウン症になる確率が高くなるのは卵子劣化によるものが原因です。
35歳を過ぎると量も質も下がってしまうことがわかっています。
ダウン症はいつわかる?エコー検査で告知されるのか
ここからは出生前診断でダウン症の可能性がわかる時期を解説します。エコー検査でダウン症が示唆されるタイミング、また出生前診断を受けずにエコー検査のみでダウン症の有無を判定してもよいのかといった疑問についての答えとなる内容を記載していますので参考にしてみてください。
出生前診断では妊娠10週からわかる
ダウン症の有無を最も早く検査できるのは妊娠初期から受けられる出生前診断の「NIPT」です。NIPTは一般的に妊娠10週目以降から受けることが可能で、結果が出るまで10日前後と妊娠初期の間で判定ができます。しかも検査の精度が99%と他の検査と比べて高いのが特徴です。
しかし、NIPTの陽性後にダウン症だと確定させるためには最終的に羊水検査、または絨毛検査を受ける必要があります。結果が出るまで約2週間〜3週間かかり、ダウン症だと確定するのはその結果次第となります。
エコー検査では妊娠11週〜13週目6日くらい
最近では4dエコー検査といって、赤ちゃんを立体的な動画で見ることができる超音波検査を実施してくれるクリニックが増えました。そのため、赤ちゃんのダウン症の可能性が判定しやすくなったかもしれませんが、概して超音波検査ではっきりした所見が見つかるのは妊娠中期以降です。
エコーによって必ずしも妊娠11週~13週くらいに示唆されるのではなく、指摘されない可能性もあるため、妊婦健診のエコー検査で十分だという考えは間違いでしょう。ミネルバクリニックを受診された妊婦さんの中で、NIPTでダウン症(21トリソミー陽性)、その後、確定した方の9割以上はエコーで異常を指摘されませんでした。また、21週を超えてからダウン症候群の特徴的な所見を告知された妊婦さんもいます。
エコーは確実ではないことと、感度特異度がNIPTに比べて圧倒的に低いことを知っておきましょう。妊婦健診のエコーの役割は、赤ちゃんが週数に応じて大きくなっているかなどをチェックすることです。ダウン症の発見が目的ではなく、出産後に初めてダウン症と言われるケースもあります。
エコー検査で胎児の様子をチェックするポイントについては、妊娠中のエコー写真21枚で指摘できる、ダウン症の予兆 | 東京・ミネルバクリニックで詳しく解説していますので参考にしてみてください。
ダウン症を早期に判定できるのはミネルバクリニックのNIPT
NIPTをつかってダウン症の有無を判定できるのは、NIPTの認証施設で一般的に10週目以降です。それよりも先に、ダウン症の可能性を知っておきたいという方にはミネルバクリニックでのNIPTがおすすめです。ここからはダウン症の可能性を判定するためのNIPTをミネルバクリニックで受けていただきたい理由をご紹介していきます。
ミネルバクリニックでは6週から受けられる
ミネルバクリニックでは、妊娠6週からNIPT検査を実施しています。妊娠6週で検査できるメリットとしては、妊娠して非常に早い段階でお子さんの染色体異常がわかることです。赤ちゃんを出産するのかどうかの判断、また出産してからの環境を十分に整えるまでの時間を有することができます。
デメリットは胎児のDNA比率が低くて再検査になる可能性があることですが、胎児のDNA比率さえクリアしていれば、正確性は担保されます。そのため、妊娠6週からのNIPT検査に不安な方も安心してお受けいただけます。胎児のDNA比率(胎児分画)が足りない場合の再検査は無料で行っておりますので、ご安心ください。
>>ダウン症の子どもの合併症や成長発達は?ダウン症児との接し方と社会的支援をご紹介!
国内最高の精度であるスーパーNIPTを提供
第3世代スーパーNIPTは、これまでのNIPTとは異なり、胎児と母体のDNAを区別して検査できる世界特許技術の「DMRエンリッチメント法」を使用しています。その結果、高い精度を実現し、現在のところ最も正確性の高いNIPTです。
偽陰性(染色体異常があるのに検査では陰性であること)の報告は、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーといった基本検査だけでなく、微細欠失症候群に関してもゼロです。また、偽陽性の報告も18トリソミー、21トリソミーでゼロです。
ミネルバクリニックのスーパーNIPTはいくつかのメニューがあり、それぞれのメニューに特徴があります。どのメニューを受けるかは、遺伝カウンセリングで相談しながら決めることもできます。
まとめ
ダウン症の可能性は、NIPTで早期に判定することが可能です。ミネルバクリニックでは妊娠6週〜、認証施設は一般的に10週から判断することができます。エコー検査は、最も手軽に判定できる手段ではありますが、エコー検査の目的はダウン症の発見ではなく、赤ちゃんが週数に応じて大きくなっているかなどをチェックすることです。そのため、妊娠11週〜13週くらいに必ずしも示唆されるわけではありません。ダウン症の可能性を正確に判定した方は、NIPTを受けて陽性の判定が出た後に羊水検査や絨毛検査の確定的検査を受けるようにしましょう。
ミネルバクリニックでは、NIPT陽性後の羊水検査の費用全額を互助会が負担し、安心して検査を受けていただける総合病院の紹介を行っております。NIPT検査をご希望の方は、検査からアフターフォローまで妊婦さんの気持ちに寄り添っているミネルバクリニックをぜひご検討ください。
この記事の著者:仲田洋美(医師)
ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。