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18トリソミーの原因は母親?年齢と遺伝の誤解|東京青山・ミネルバクリニック

18トリソミーの原因は母親?年齢と遺伝の誤解|東京青山・ミネルバクリニック

18トリソミーの原因は母親?
年齢と遺伝の誤解を臨床遺伝専門医が解説

この記事でわかること
📖 読了時間:約8分
🩺 染色体異常・出生前診断
臨床遺伝専門医監修

Q. 18トリソミーの原因は母親ですか?

A. いいえ、母親のせいではありません。
多くは染色体不分離という偶発的な現象で起こります。年齢は「責任」ではなく、あくまで確率に影響する要因です。18トリソミー(エドワーズ症候群)について詳しくはこちら。


  • 18トリソミーの直接原因染色体不分離(偶発的な分配ミス)

  • 母体年齢との関係 → 年齢は「責任」ではなく「確率」に影響する要因

  • 卵子側で起こりやすい理由長期間の待機やコヒーシン低下など生物学的仕組み

  • 遺伝性 → 大多数は遺伝しない(転座型など一部例外あり)

  • 出生前診断NIPT妊娠10週から可能性を知り、確定検査で確認

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妊娠中は、少しの言葉でも胸が苦しくなります。特に「原因」「母親」「年齢」という言葉は、心を強く揺さぶりますよね。
臨床遺伝専門医として日々ご相談をお受けする中でも、まず最初にお伝えしたいのは、「あなたのせいではありません」ということです。ここでは、医学的に正しい理解へ一緒に進んでいきましょう。

1. 染色体不分離とは何が起きているのか

【結論】 18トリソミーの直接的な原因は、卵子や精子が作られる過程で染色体が正しく分かれなかった「染色体不分離」です。これは偶発的な現象であり、誰のせいでもありません。

本来、卵子や精子が作られるときには、染色体は1本ずつに分かれて配られます。ところが、たまたまこの分配がうまくいかず、2本まとめて入ってしまうことがあります。これが「染色体不分離」です。

🧬 染色体不分離のしくみ
  • 正常な分裂:染色体が1本ずつ卵子・精子に分配される
  • 不分離が起きると:2本まとめて同じ細胞に入ってしまう
  • 結果:受精後、18番染色体が3本(トリソミー)になる
  • 重要:これは偶発的な分配ミスであり、努力や行動では防げない
正常なら1本ずつに分離されるところ、分離不全が起きてトリソミーとなる

(正常な分離と、分離不全によってトリソミーが生じる仕組みを示したイメージ)

大切なこと:この図は「誰かのせい」を示すためのものではありません。起こり得る生物学的な分配ミスを、理解しやすい形にしたものです。

2. 母体年齢との関係をどう考えるか

【結論】 母体年齢が上がると、18トリソミーの確率が高くなることは事実です。しかしそれは、「年齢=責任」ではなく、「年齢=確率」という話です。

「高齢出産だから私のせい?」そんな風に自分を責めていませんか。年齢と染色体異常の関係は確かに存在しますが、それは「責任」という概念とは全く別のものです。

📊 年齢と確率の関係
  • 20代:18トリソミーの確率は非常に低い
  • 35歳以降:確率が徐々に上昇していく
  • 40代以降:確率はさらに上昇するが、それでも大多数は健康な赤ちゃん
  • 重要:若い方でも18トリソミーは起こり得る(年齢は確率の一要因に過ぎない)
母体年齢とT18/T21の発生確率を示すグラフ

(母体年齢とトリソミーの発生確率を示す統計的なイメージ)

ここが一番大切:このグラフは「高齢出産が悪い」と言っているのではありません。卵子が長い時間をかけて成熟・待機するという、人間の生物学的構造の結果として、確率のカーブが変わることを示しています。

3. なぜ卵子側で起こりやすいのか

【結論】 18トリソミーでは、追加の18番染色体が母親由来であるケースが多いと報告されています。ただし、これは「母親のせい」という意味ではありません。卵子が長期間体内で待機するなど、仕組みとして影響を受けやすい事情があるためです。

「卵子側で起こりやすい」という話を聞くと、「やっぱり私のせい?」と思ってしまうかもしれません。しかし、これは卵子の成り立ちが”長い時間の影響”を受けやすい、という話です。誰かの性格や努力で防げるものではありません。

卵子の特徴

  • 胎児期に作られ、排卵まで何十年も待機
  • 年齢とともにコヒーシンなどが弱くなる
  • 減数分裂時に分配ミスが起こりやすくなる

精子の特徴

  • 常に新しく作られ続ける
  • 長期間待機することがない
  • 不分離は起こりにくい(ゼロではない)

💡 用語メモ:コヒーシン(cohesin)

染色体を正しく分けるために、姉妹染色分体を「ほどけないように支える」仕組みの一つです。年齢とともにその働きが弱くなり得ることが指摘されています。

補足:「卵子で起こりやすい」という話は、個人の努力で防げるタイプの原因ではありません。だからこそ、正確な情報と専門家の説明が、心の負担を軽くします

ネットの情報だけで悩んでいませんか?

「私の場合はどうなの?」という疑問には
臨床遺伝専門医と直接お話しするのが最も確実な解決策です。


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4. 18トリソミーは遺伝しますか?

【結論】 18トリソミーの大多数は遺伝しません。ただし、一部の型(例:転座型)では例外があり得ます。

「次の妊娠でも同じことが起きたら…」という不安は当然です。ネットの断片情報だけで判断せず、状況に合わせて遺伝カウンセリングで整理することが、安心につながります。

タイプ 頻度 遺伝性 次回妊娠のリスク
標準型(フルトリソミー) 約94% 遺伝しない 一般と同程度〜やや高い
モザイク型 約5% 遺伝しない 一般と同程度
転座型 約1% 親が保因者の場合あり 要検討(遺伝カウンセリング推奨)

💡 転座型とは?

染色体の一部が別の染色体にくっついている状態です。親御さんが「均衡型転座」の保因者の場合、ご本人は健康でも、次の妊娠で染色体異常が起こる可能性が高まることがあります。転座型かどうかは染色体検査でわかります。不安な場合は遺伝カウンセリングでご相談ください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「原因」を知ることは「責める」ことではない】

18トリソミーの原因について調べているあなたは、きっと今、とても辛い状況にいらっしゃるのではないでしょうか。「なぜ私の赤ちゃんが」「何かできることはなかったのか」そう自問自答されているかもしれません。

臨床遺伝専門医として断言します。18トリソミーは、あなたのせいではありません。染色体不分離は、どんなに健康に気をつけていても、どんなに若くても、起こり得る偶発的な現象です。

「原因を知る」ことの意味は、自分を責めるためではなく、正しく理解して前に進むためです。次の妊娠のこと、今後の選択肢のこと、一緒に考えていきましょう。

5. 検査と次の一歩

【結論】 原因が偶発的である以上、妊娠中にできることは、正確に状況を把握し、必要なら次の手を準備することです。NIPTで「可能性」を知り、必要なら確定検査で確認します。

「何を受ければ安心できますか?」というご質問をよくいただきます。NIPTは確定診断ではありません。あくまで「可能性」を知るスクリーニング検査です。陽性の場合は確定検査で確認することが推奨されます。

検査 位置づけ 検査時期 特徴
NIPT スクリーニング 妊娠10週〜 採血のみ・流産リスクなし・高精度
羊水検査 確定検査 妊娠15〜18週 確定診断が可能・わずかな流産リスク
絨毛検査 確定検査 妊娠11〜14週 より早期の確定診断が可能

⚠️ 重要なお知らせ:NIPTはスクリーニング検査です。陽性の場合は必ず羊水検査・絨毛検査などの確定検査を受けていただく必要があります。当院では確定検査も含め、相談しながら進められます。

ミネルバクリニックのサポート体制

🔬 高精度な検査技術

スーパーNIPT(第3世代)とCOATE法を採用。18トリソミーの検出率99%以上の高精度な検査を提供しています。

🏥 院内で確定検査まで対応

2025年6月より産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査も院内で実施可能に。転院の必要がなく、心理的負担を軽減できます。

👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が常駐

臨床遺伝専門医が検査前後の遺伝カウンセリングを担当。結果の説明から今後の選択肢まで、専門家が寄り添います。

💰 互助会で費用面も安心

互助会(8,000円)に加入いただくと、陽性時の確定検査(羊水検査)費用を全額カバー上限なしで安心です。

情報の整理と支援で不安は軽くできます

(「情報の整理」と「支援」で、不安は軽くできます。ひとりで抱え込まないでください)

一人で悩まず、専門医を頼ってください

不確かな情報で不安になる前に、
医学的根拠に基づいた「正しい選択肢」を知りましょう。


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※オンライン診療も対応可能です

よくある質問(FAQ)

Q1. 18トリソミーの原因は母親ですか?

A. いいえ。母親のせいではありません。多くは染色体不分離という偶発的な現象です。年齢は「責任」ではなく「確率」に影響する要因です。

Q2. 卵子側で起こりやすいのは、母親の体質のせいですか?

A. 体質や性格のせいではなく、生物学的な仕組みの影響です。卵子は長期間待機し、年齢とともに分配ミスが起こりやすくなる要因(コヒーシン低下など)が整理されています。

Q3. 父親側(精子)由来で起こることはありますか?

A. ありますが、統計的には卵子由来が多いとされています。「父親が悪い/母親が悪い」という話ではなく、ヒトの減数分裂の特徴として理解するのが大切です。

Q4. 18トリソミーは遺伝しますか?

A. 大多数は遺伝しません。ただし転座型など一部の例外があります。不安が強い場合は遺伝カウンセリングで整理することが大切です。

Q5. NIPTで陽性なら、必ず18トリソミーですか?

A. NIPTは確定診断ではありません。陽性の場合は確定検査(羊水検査・絨毛検査)で確認します。当院の確定検査もご参照ください。

Q6. 次の妊娠でも18トリソミーになりますか?

A. 標準型(約94%)の場合、次の妊娠で再発するリスクは一般と同程度〜やや高い程度です。ただし、転座型の場合は要検討ですので、遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。

Q7. 遠方ですが検査を受けられますか?

はい、オンラインNIPTにより全国どこからでも受検可能です。臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングもオンラインで受けていただけます。

🏥 一人で抱え込まないでください

原因が偶発的だからこそ、
正確な検査と、心を守る説明が必要です。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。

参考文献

  • [1] Fisher JM, Harvey JF, Morton NE, Jacobs PA. Trisomy 18: studies of the parent and cell division of origin and the effect of aberrant recombination on nondisjunction. Am J Hum Genet. 1995;56(3):669-675. [PubMed]
  • [2] Nagaoka SI, Hassold TJ, Hunt PA. Human aneuploidy: mechanisms and new insights into an age-old problem. Nat Rev Genet. 2012;13(7):493-504. [PubMed]
  • [3] Hassold T, Hunt P. To err (meiotically) is human: the genesis of human aneuploidy. Nat Rev Genet. 2001;2(4):280-291. [PubMed]
  • [4] Dungan JS, Klugman S, Engel K, et al. Noninvasive prenatal screening (NIPS) for fetal chromosome abnormalities in a general-risk population: An evidence-based clinical guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med. 2023;25(2):100336. [PubMed]
  • [5] Bugge M, Collins A, Petersen MB, et al. Non-disjunction of chromosome 18. Hum Mol Genet. 1998;7(4):661-669. [PubMed]
  • [6] Cereda A, Carey JC. The trisomy 18 syndrome. Orphanet J Rare Dis. 2012;7:81. [PubMed]
  • [7] International Society for Prenatal Diagnosis (ISPD): Professional Communications / Position Statements. [ISPD]
  • [8] American College of Obstetricians and Gynecologists. Practice Bulletin No. 226: Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed]
  • [9] 厚生労働省. 出生前検査に関する情報提供. [厚生労働省]
  • [10] 日本産科婦人科学会. 出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解. [日本産科婦人科学会]


プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科・腫瘍学を軸に、
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。
出生前診断・遺伝学的検査においては、検査結果そのものだけでなく
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。

2025年、国際誌『Global Woman Leader』および『Medical Care Review APAC』の2誌で立て続けに表紙(Cover Story)に抜擢。
「日本のヘルスケア女性リーダー10名」や「アジア太平洋地域のトップ出生前検査サービス」として、世界的な評価を確立しています。


▶ 仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

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