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胎児の健康状態を羊水を分析して検査する羊水検査は、主にダウン症候群などの染色体異常症の有無を調べる最後の手段として実施されています。
NIPTで陽性反応が出てしまった場合に最後の望みとなる羊水検査ですが、流産になる可能性があるということを理解しておかなければなりません。
この記事では、羊水検査で流産になる確率と侵襲的検査と呼ばれる理由についてご紹介していきます。
流産になる可能性がゼロのおすすめの出生前診断もご紹介しているので参考にしてみてください。
流産になるリスクを伴う羊水検査とは?
赤ちゃんが生まれるまでに受けておくべき出生前診断には、流産のリスクを伴う侵襲的検査もあります。
侵襲的検査の一種である羊水検査の基本情報を説明していきます。
羊水検査が侵襲的検査と呼ばれる理由
「侵襲的」というのは、母体や胎児の体を傷つける可能性があるという意味です。
羊水検査では極細の針を妊婦さんのお腹に刺して、子宮の中にある羊水の採取が行われます。超音波検査で針を刺しても問題がない場所のチェックが行われ、局所麻酔を打ってから穿刺針によって羊水が採取されて分析に移ります。(麻酔なしでも羊水穿刺は可能)
子宮に穿刺針を挿入するという行為が怖い、痛いのが苦手だという妊婦さんはたくさんいますが、羊水を採取する時間は僅か30秒ほどです。
検査後は40分前後の安静が必要となるため、検査と安静の時間を含めると1時間前後かかることになります。
ダウン症候群などの染色体異常を検査可能
羊水検査は、ダウン症候群などの染色体異常を持っているか持っていないかをほぼ確実に検査することができます。
穿刺で採取した羊水の中にある細胞を培養することで、細胞が持つ染色体を分析することができ、本来持っている染色体数よりも多かった場合に染色体異常と診断されます。
染色体異常は、何番目の染色体に異常があったかで診断される症候群も変わってきます。
21番染色体だった場合は21トリソミー(ダウン症候群)であると診断され、その他にも18トリソミー、13トリソミーの有無が診断結果でわかるようになります。
また、染色体異常だけではなく遺伝子疾患なども同時に検査できます。
陽性が出た場合はほぼ確実に疾患を持っていることになるため、産後に障がいを持った赤ちゃんを育てるための環境づくりを進めるなどの準備が必要になってきます。
羊水検査で流産になる確率は?
検査を受ける上で絶対に知っておかなければならないのが、流産になる確率です。
羊水検査は子宮に針を挿入するという侵襲的な検査であるため、流産のリスクを絶対に避けることはできません。
流産になる確率は約0.3%(1,000人に3人程度)とされています。これは羊水検査以外が原因である流産も含まれた確率となっています。
また、羊水穿刺が羊水漏出や破水を引き起こす可能性もあります。アメリカ国立小児保健発達研究所では、羊水検査を受けた妊婦さんの1.2%に1週間以内に羊水漏出がみられたことを報告しています。
羊水検査は一般的に妊娠16週目以降に実施されますが、結果が出るまでに2週間〜3週間という時間を要します。
結果次第で出産を中断することを考える場合は、できるだけ早めに検査を受けておく必要があります。
羊水検査以外に流産のリスクのある検査は?
流産になる可能性がある検査は、他にも羊水検査と同じ侵襲的検査に分類される「絨毛検査」があります。
絨毛検査は穿刺で子宮内にある胎盤の絨毛という部分を採取し、細胞を培養した上で染色体異常を検査します。
妊婦さんに針を刺すという侵襲的な検査により、流産になる確率は羊水検査よりも高い約1%(100人に1人)とされています。
妊娠11週目〜14週目頃に行われる検査ですが、手技が難しいということで実施している施設は限られています。
染色体異常の有無を確定させる検査は絨毛検査よりもリスクの低い羊水検査があるため、絨毛検査を受けない妊婦さんはたくさんいます。
流産のリスクがない出生前診断とは?
羊水検査で流産になる可能性があること知り、検査を受けることが怖くなってしまう妊婦さん方もいますが、流産に繋がる可能性が0%の出生前診断もあります。
ここからは、羊水検査の前に受けるべき非確定的検査についてご説明していきます。
非確定的検査について
出生前診断の中でも流産になるリスクがない検査を、非確定的検査(非侵襲的検査)といいます。
非確定的検査 |
検査の特徴 |
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NIPT | 母体血漿中のDNA断片を解析して21・18・13トリソミーである可能性を検査する。 |
超音波検査 | 超音波機器を用いて胎児の状態を2D・3D・4Dで写し出して、21・18・13トリソミーである可能性を検査する。 |
クアトロテスト 母体血清マーカー検査 |
母体血中の4種類の成分を解析して、21・18・13トリソミーである可能性を検査する。 |
コンバインド検査 | 超音波検査と母体血清マーカー検査を掛け合わせて、21・18・13トリソミーである可能性を検査する。 |
非確定的検査は染色体異常を持っている可能性を確率で知らされることになり、疾患の有無を確定させることまではできません。
これらの検査で陽性反応が出た場合は、羊水検査、または絨毛検査で実際に赤ちゃんが染色体異常を持っているか検査が行われることになります。
「初めから羊水検査を受ければいいのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、いきなり流産のリスクのある検査を受けるのは特別な理由がない限り考えられません。
そこで皆さんにおすすめしたい検査が「NIPT」となります。
安心安全かつ高精度の「NIPT」とは?
NIPTはこの数年で一気に需要が高まった出生前診断であり、母体採血だけで済む検査のため流産になる可能性は0%です。
妊婦さんの血液を注射で採取して母体血漿中に浮遊するセルフリーDNAの断片を集めて観察が行われ、染色体数に異常がないか、染色体の形態に異常がないかを調べます。
検査は感度・特異度ともに99%で、出生前診断の中でもダントツで精度の高い検査となっています。
あくまでスクリーニング検査のため、陽性反応が出た場合は羊水検査を受ける流れが一般的です。
陽性・陰性ともにどちらも非常に高い的中率を誇る検査のため、妊娠初期にまずはNIPTを受けてから次の検査を受けるという妊婦さんは多くなっています。
NIPTはいつから受けられるのか?
流産の心配がないということで1日も早くNIPTを受けたい方は多いと思います。
一般的にNIPTは、妊娠10週0日目から実施している医療施設で受けることができます。ただし、認定施設と認定外施設で受検できる条件が異なるので注意しましょう。
認定施設でNIPTを受けられる条件
日本産婦人科医会が設けた厳正なる審査をクリアした医療施設はNIPTの「認定施設」と呼ばれています。施設には臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーが複数名在籍しているという特徴があります。
しかし、妊婦さんなら誰でも受検できるというわけでないのが認定施設の不便な点となります。検査条件は以下のとおりです。
- 母体血清マーカー検査(クアトロテスト)で何らかの染色体異常を持っていると示唆された
- 胎児超音波検査でで何らかの染色体異常を持っていると示唆された
- 染色体異常を持った子どもの妊娠経験がある
- 35歳以上の妊婦である
- 父親・母親のどちらかが均衡型ロバートソン転座を持ち、赤ちゃんが21・13トリソミーの可能性がある
認定施設は妊娠10週目以降かつ、上記のいずれかの条件を満たす必要があるため受検したくてもできないという妊婦さんも少なくありません。
認定施設の受検条件に満たない場合は、認定外施設でNIPTを受けることとなります。
認定外施設でNIPTを受けられる条件
認定外施設は認定施設にあるようなハードルの高い条件をクリアする必要はなく、妊娠10週0日目以降であれば年齢に関わらず誰でもNIPTを受検できるというメリットがあります。
しかし、日本産婦人科医会の厳正なる審査をクリアしていないため、施設によっては認可施設と環境の差がかなりある場合もあります。
認可外施設を選ぶ場合は、臨床遺伝専門医・認定遺伝カウンセラーが在籍しているかどうか、NIPTに関する医療実績が豊富なのかどうかを事前に調べてから受検するようにしましょう。
まとめ
染色体異常を持っているか持っていないかをほぼ100%の確率で調べられる羊水検査は、1,000人に3人程度に流産のリスクが伴う侵襲的検査です。
検査精度は高くても、羊水穿刺によって母体や胎児を傷つけてしまう可能性があるため、まずはNIPTを始めとした非確定的検査を受検することが推奨されています。
NIPTであれば流産になる確率は0%なので、施設選びさえ間違えなければ安心して受検することができます。
東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍する認定外施設で、妊娠9週0日目から年齢制限なしでNIPTを受けていただくことができます。
世界最新鋭のNIPT技術を導入した遺伝子専門のクリニックで、認定外施設とは思えないほど質の高い検査とカウンセリングをご提供できます。
羊水検査を受ける前にNIPTをまずは受けたいという方は、この機会に是非「ミネルバクリニック」までお問い合わせください。