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「NIPTは10週からと聞いたけれど、もっと早く受けられないの?」。結論からお伝えすると、ミネルバクリニックでは妊娠9週からNIPTを受けられ、妊娠6〜8週でも臨床研究として受けられる体制を整えています。ただし、週数が早いほど血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。この記事では、早期NIPTの時期、早い時期の検査を始めた理由、胎児分画(胎児ゲノム率)と再検査の関係、研究でわかっていることを、臨床遺伝専門医の立場から解説します。
- ➤NIPTは何週から受けられるのか(一般的な目安と当院の体制)
- ➤早い時期に結果を知りたい方がいる理由(中期中絶と労働基準法)
- ➤胎児分画(胎児ゲノム率)とは何か、週数が早いと再検査が増える理由
- ➤10週未満のNIPTについて研究でわかっていること
- ➤陽性だったときの確定検査と、一部の自閉症・発達障害の原因まで調べられること
⏱️ 30秒でわかる要約
📅 Q. 早期NIPTは何週から受けられますか?
一般的にNIPTは妊娠10週ごろから受ける検査ですが、当院では妊娠9週から受けられます。妊娠6〜8週は臨床研究として受けられる体制を整えています。
🧪 Q. 早い週数だと精度は下がりますか?
結果が出た場合の読み方は変わりませんが、週数が早いほど赤ちゃん由来のDNA(胎児分画)が少なく、判定できずに再採血になることがあります。当院では胎児分画が基準(プランにより3%または3.5%)に届いた検体だけを判定します。
🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?
一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。陰性でも、これらがすべて否定されるわけではありません。
🏥 Q. 陽性だったらどうなりますか?
NIPTは確定検査ではないため、陽性なら確定検査で確かめます。当院では絨毛検査・羊水検査まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。
ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。
\ 妊娠9週から受けられるNIPT /
早期NIPTとは?NIPTは何週から受けられるのか
NIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAの断片を調べ、染色体の数の変化などがある可能性を推定する検査です。採血だけで受けられ、検査そのものによる流産のリスクはありません。「早期NIPT」は決まった医学用語ではありませんが、一般的な目安である妊娠10週より前に受けるNIPTを指して使われています。
一般的には「妊娠10週ごろから」とされる理由
米国産婦人科学会(ACOG)は、NIPTを含むセルフリーDNA検査は妊娠9〜10週以降であればいつでも受けられるとしています[1]。日本でも「妊娠10週ごろから」と案内されることが多いのは、この時期になると血液中の赤ちゃん由来のDNAが多くの方で判定に十分な量に達するためです。
10週という数字は「これより前は検査が成り立たない」という線ではなく、週数が早いほど判定できずに採血をやり直す人が増えるため、安全側に置かれた区切りです。週数の確かめ方は妊娠週数の数え方(超音波による確認)で解説しています。
当院は妊娠9週から、妊娠6〜8週は臨床研究として
一般的にNIPTは妊娠10週ごろから受ける検査ですが、当院では、できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠9週から通常の検査として、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられる体制を整えています。臨床研究として受ける場合は、研究の内容をご説明し、同意をいただいたうえで行います。
どの週数でも、まず超音波で心拍と大きさを確認してから採血します。理由はNIPTにおいて胎児の心拍を確認してから検査をすることの重要性で解説しています。
📅 妊娠週数ごとのNIPTの扱い(ミネルバクリニック)
| 妊娠週数 | 当院での扱い | 知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 6〜8週 | 臨床研究として受けられる | 赤ちゃん由来のDNAが少なく、再採血になる可能性が高め |
| 9週 | 通常の検査として受けられる | 多くの方で判定できるが、再採血になることもある |
| 10週以降 | 通常の検査として受けられる | 一般的な目安の時期 |
※再採血の可能性は、週数だけでなく体重などにも左右されます(次の章で説明します)。
💡 用語解説:セルフリーDNA(せるふりーDNA)
血液中を流れるDNAの断片です。妊娠中は、お母さん自身のものに加えて、胎盤(赤ちゃん側の組織)から流れ出たDNAが混ざっています。NIPTはこの赤ちゃん側のDNAの量のわずかな偏りを読み取ります。詳しくはセルフリーDNA(cfDNA)とはをご覧ください。
なぜ早い時期に結果を知りたいのか ― 中期中絶と労働基準法
結果を知るのが遅くなるほど、確定検査を受けて考える時間は短くなります。
妊娠12週以降の中絶(中期中絶)は身体への負担が大きく、労働基準法でも出産と同じ扱いになり、産後6週間の休業が義務づけられます。NIPTで陽性となり、中期中絶を経験したたくさんの患者さんが、そのつらさを教えてくれました。その声から、もっと早い時期に結果がわかる検査が必要だと考え、当院では妊娠6〜8週でも臨床研究として早期NIPTを受けられるようにしました。
厚生労働省は、妊娠4か月(妊娠12週)以上の流産・死産は、人工妊娠中絶を含めて産後休業の対象になると説明しています。出産の翌日から8週間は働くことができず、産後6週間を過ぎてから本人が請求し、医師が認めた業務に限って就業できる、という扱いです[2]。体の回復に加えて、職場に事情を伝える必要が出てくることを心配される方もいます。
早期NIPTは中絶を前提にした検査ではありません。陰性であれば、その後の妊娠期間を落ち着いて過ごす材料になり、陽性であれば、確定検査を受け、結果をもとに考える時間を、より早い時期から持てるようになります。
🩺 院長コラム【「早く知りたい」は、急ぎたいという意味ではない】
妊娠6〜8週の検査を始めたのは、技術的に可能だからではなく、中期中絶を経験された患者さんの声があったからです。同じ結論にたどり着くとしても、どの時期にどんな方法でそれを迎えるかによって、体への負担も、その後の生活も大きく変わります。
早期NIPTは、決断を急がせるための検査ではないと考えています。早く結果がそろえば、そのぶん確定検査を受け、ご家族で話し合い、考える時間を確保できます。一方で、週数が早いほど再採血になりやすいという限界もあります。その両方を知ったうえで、受ける時期を選んでいただくことが大切だと考えています。
早い週数のNIPTで気をつけること ― 胎児分画(胎児ゲノム率)と再検査
早期NIPTを考えるとき、いちばん大切なのが「胎児分画」という考え方です。NIPTの結果が出るかどうかは、週数そのものよりも、採った血液の中に赤ちゃん由来のDNAがどれだけ含まれているかで決まります。
胎児分画(胎児ゲノム率)とは
胎児分画とは、お母さんの血液中を流れるセルフリーDNAのうち、赤ちゃん側(胎盤)に由来するDNAが占める割合のことで、「胎児ゲノム率」「胎児DNA濃度」とも呼ばれます。英語ではfetal fraction(FF)といいます。NIPTは、特定の染色体に由来するDNAがわずかに多いか少ないかを読み取る検査です。赤ちゃん由来のDNAが少なすぎると、その差が背景の揺らぎに埋もれてしまい、正しく判定できなくなります[3]。
💡 用語解説:胎児分画(たいじぶんかく)
血液中のセルフリーDNA全体を100としたとき、赤ちゃん側のDNAがいくつ含まれるかを示す割合です。たとえば胎児分画が10%なら、DNAの断片10個に1個が赤ちゃん側のものです。ここでいう「赤ちゃん側」は、実際には胎盤の細胞から流れ出たDNAで、多くの場合は赤ちゃん本人と同じ染色体をもっています。
胎児分画は週数や体重で変わる
胎児分画は、妊娠週数が進むにつれて少しずつ増えていきます。一方で、お母さんの体重が多いほど低くなることが知られています。体重が多い方では脂肪組織などから出るお母さん自身のDNAが多くなり、相対的に赤ちゃん側の割合が下がるためです[3][4]。このほか、体外受精による妊娠、双子の妊娠、ヘパリン注射などの治療も胎児分画に影響することがあります[3]。不育症の治療でヘパリンを使っている方はヘパリン注射とNIPTもご覧ください。
妊娠9週から13週の単胎妊娠9,708例を調べたベトナムの研究では、胎児分画の平均は10週未満で15.1%、10週以降で16.64%と、10週以降のほうがやや高い結果でした。それでも、判定できなかった割合は10週未満で3.78%、10週以降で3.76%とほとんど差がありませんでした[5]。この研究は9週以降を対象にしたもので、体外受精の妊娠は除かれています。妊娠6〜8週ではこれより胎児分画が低い方が増えると考えられ、同じ数字をそのまま当てはめることはできません。
当院の基準と、足りないときの再採血
当院では、胎児分画が一定の基準に届いた検体だけを判定し、届かない検体は無理に判定しません。基準は、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンドプランで3%、インペリアル・双子マックスプランで3.5%です。基準に届かなかった場合は、週数が進むのを待って採血をやり直します。
胎児分画が低いまま判定すると、異常を見逃す偽陰性につながるおそれがあります[3]。再採血は検査がうまくいかなかった証拠ではなく、不確かな結果を出さないための手順です。胎児分画の基準と再検査の考え方は胎児ゲノム率が低い=異常?4%基準と再検査の考え方で、判定保留になる原因はNIPT結果が出ない原因と対処法で詳しく解説しています。
⚠️ 注意:判定できないこと自体が手がかりになる場合もある
胎児分画が低いことの多くは、週数が早い・体重が多いといった理由で説明できます。ただし、13トリソミー・18トリソミー・三倍体などでは胎児分画が低くなりやすいことが報告されています[3]。再採血でも判定できない場合は、超音波検査の所見とあわせて、確定検査を含めた次の方法を考えます。
再検査の前に流産したら ― 安心検査結果保障制度
早い週数で受けるほど、再採血を待つあいだに自然流産となる可能性も残ります。妊娠初期の流産の多くは赤ちゃん側の染色体の偶然の変化で起こるもので、検査とは関係がありません。そこで当院では、安心検査結果保障制度(1回のNIPTにつき6,000円)を設けています。再検査が必要になったのに、流産して再検査ができず結果が出なかったときに、諸費用を除く検査代金を返金する制度です。費用の詳細はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。
10週未満のNIPTについて、研究でわかっていること
「本当に結果が出るのか」「信頼できるのか」について、現時点の研究で言えることを整理します。
9週台でも判定できない割合は10週以降とほぼ同じ
前の章で紹介した9,708例の研究では、9週台を含む10週未満のグループでも、判定できなかった割合は10週以降と変わりませんでした。著者らは、胎児分画が十分であれば週数そのものは判定の失敗と独立して関係しておらず、10週という区切りは厳密な線ではない可能性があると述べています[5]。
📊 10週未満と10週以降のNIPTの比較(9〜13週の単胎9,708例)
| 項目 | 10週未満 | 10週以降 |
|---|---|---|
| 胎児分画の平均 | 15.1% | 16.64% |
| 判定できなかった割合 | 3.78% | 3.76% |
出典:Sonら(The Application of Clinical Genetics, 2026)[5]。ベトナムの1施設での後ろ向き研究で、体外受精の妊娠と多胎妊娠は対象外です。判定できなかった主な理由は胎児分画が4%未満だったことでした。
妊娠6〜9週の研究はまだ少人数
さらに早い妊娠6〜9週については、ギリシャで30例の単胎妊娠を対象にした研究があります。6〜9週(中央値8.1週)に採血したところ、30例中29例(97%)で結果が得られ、11〜14週にもう一度検査して比べられた例では、赤ちゃんの性別がすべて一致していました[6]。
ただし、この研究では対象者の中に13・18・21トリソミーの赤ちゃんがいませんでした。そのため著者ら自身も、トリソミーを見つける力については、さらに研究が必要だとしています[6]。人数も30例と少なく、研究で使われた検査方法は当院のプランとは異なります。当院が6〜8週の検査を臨床研究として行っているのは、このためです。
まとめると、胎児分画が基準に届けば、9週台でも10週以降と同じように判定できることは示されつつありますが、6〜8週については大規模なデータがまだありません。当院では6〜8週でも胎児分画の基準を下げず、届かなければ判定せずに再採血します。
陽性だったら ― 確定検査まで院内で受けられる
NIPTはスクリーニング検査で、陽性は「可能性が高い」という意味です。陽性の結果だけで、妊娠についての大きな判断をしてはいけません。赤ちゃん本人と胎盤の染色体が異なる胎盤限局性モザイクなどで、NIPTの結果と赤ちゃんの実際が一致しないことがあるためです(胎盤限局性モザイクが偽陽性・偽陰性を起こすしくみ)。必ず確定検査で確かめます。
確定検査には、胎盤のもとになる組織を採る絨毛検査(じゅうもうけんさ)と羊水検査があり、絨毛検査は一般に妊娠10〜13週ごろ、羊水検査はそれより後に行われます[7]。早期NIPTで早く結果が分かれば、確定検査を受ける時期も前に進められる可能性があります。どちらの検査を選ぶかは、陽性になった項目や週数によって変わり、その考え方は絨毛検査と羊水検査の違いで解説しています。
当院では2025年6月から産婦人科を併設しています。陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。転院先を探す必要がなく、結果を待つ時間も短くできます。陽性後のカウンセリングは何度でも無料で受けられます。
費用の面では、羊水検査互助会(カトレア会)があります。1回のNIPTにつき8,000円で、陽性時の確定検査費用を補助し、補助の上限はありません(NIPT羊水検査互助会|カトレア会)。院内で確定検査を始めた理由はミネルバクリニックが羊水・絨毛検査を自院で始めた理由にまとめています。
自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること
「何週から受けられるか」と同じくらい大切なのが、「何を調べるか」です。自閉症や発達の遅れの原因はさまざまですが、その一部は染色体や遺伝子の変化によるものだと分かっています。当院のNIPTは、その原因の一部を調べられます。
90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、プランごとに調べられる範囲をご説明します。
ダウン症候群だけを調べればよいわけではない
出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんの命や発達、そしてご家族の暮らしに大きくかかわるものです。ただ、その中身は病気によって大きく異なります。
ダウン症候群は、医療や支援の進歩で平均寿命が50〜60歳まで延び[9][10]、成人して働いたり地域で暮らしたりする方も多い病気です。知的障害のあるお子さんを比べた研究では、ダウン症候群のお子さんは、自閉症や原因不明の発達の遅れのあるお子さんに比べて、行動の問題が少ないと報告されています[11]。自閉スペクトラム症を伴う割合も、出生前検査で調べるほかの病気と比べて少ないことが分かっています[12]。
一方、18トリソミーや13トリソミーでは、1歳まで生きられる赤ちゃんは約1割にとどまります(1年生存率は18トリソミー13.4%、13トリソミー11.5%)[8]。また、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、重い知的障害やてんかんに加えて、自閉スペクトラム症を高い割合で伴い、ご家族の見守りや介護の負担が大きくなりやすい病気も少なくありません。自閉スペクトラム症を伴う割合は、レット症候群61%、コルネリア・デ・ランゲ症候群43%、アンジェルマン症候群34%、CHARGE症候群30%と報告されています(ダウン症候群は16%、22q11.2欠失症候群は11%)[12]。ダウン症候群だけでなく、こうした病気まで調べられるかどうかは、検査を選ぶうえで大切なポイントです。
子育てのストレスを左右する「行動の問題」
知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いと報告されています[13]。ストレスを最も強く左右していたのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷などの行動の問題、睡眠の問題でした[13]。アンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群では他人への攻撃的な行動が、コルネリア・デ・ランゲ症候群やスミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群では自傷が多いことが分かっています[14]。
こうした病気はどれも当院のNIPTで調べられます(スミス・マゲニス、プラダー・ウィリー、アンジェルマン症候群は全プラン、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンド・インペリアルプラン、ウィリアムズ症候群はインペリアル・双子マックスプラン)。ダウン症候群だけを調べればよいのか、検査を選ぶ前に考えていただきたい点です。
22q11.2欠失症候群を調べる意味
22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)は、妊娠中の赤ちゃんのおよそ1,000人に1人にみられ、微小欠失症候群の中で最も多い病気です[15]。多くは親から受け継いだものではなく新しく起こる変化で、母親の年齢とは関係がありません[15]。心臓の病気、免疫の働きの低下、低カルシウム血症、口蓋裂、発達の遅れなどを伴うことがあり、自閉スペクトラム症を伴う割合も一般より高いと報告されています[12][15]。
米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、年齢にかかわらずすべての妊婦さんに、22q11.2欠失症候群のNIPTを提供することを提案しています[16]。生まれる前に分かっていれば、出産する施設の選び方や、生まれてすぐの心臓・カルシウム・免疫の検査など、赤ちゃんを迎える準備ができます。当院では、スタンダードプランから22q11.2欠失症候群を調べられます。なお、微小欠失の陽性的中率は数の異常より低め(項目によって60〜70%程度)のため、陽性なら必ず確定検査で確かめます。くわしくは22q11.2欠失症候群のNIPTを受ける前に知っておきたいポイントをご覧ください。
性染色体の数の異常は、分けて考える
性染色体の数の異常(クラインフェルター症候群[47,XXY]、トリプルX[47,XXX]、47,XYY、ターナー症候群[45,X]など)は、ほかの染色体の病気とは事情が大きく異なります。知的障害を伴うことは少なく、成人の多くは自立して生活しています[17]。ただし、言葉の発達がゆっくりだったり、読み書きなど学習面に苦手さが出たりすることがあり、自閉スペクトラム症などの発達特性がみられる割合も一般より高いと報告されています(XYYで19%、XXYで11%)[17][18]。早く分かっていれば、ことばの支援や学習の支援を早めに始めることができます(NIPT性染色体異常の解説)。
プラン別に調べられる範囲と、正直にお伝えしたい限界
知的障害の遺伝的な原因で最も多いのはダウン症候群です。さらに、発達の遅れ・知的障害・自閉症のあるお子さんでは、染色体の微細な欠失・重複が原因として見つかることがあり、マイクロアレイ検査では約15〜20%と報告されています[19]。また、一つの遺伝子の変化による単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[20][21]。これは、ダウン症候群の出生頻度(全体で約700人に1人)を上回る数字です。当院のインペリアルプランでは、最大155遺伝子のde novo変異を対象にしています(ダイヤモンドプランは56遺伝子)。
🧬 プラン別:自閉症・発達障害・知的障害の原因に関わる検査範囲
| プラン | 微小欠失・重複 | 単一遺伝子 | 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な疾患 |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 6種類7疾患 | なし | 22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、スミス・マゲニス症候群 |
| プレミアム | 12種類13疾患 | なし | 上記に加え、ジェイコブセン症候群、ランガー・ギーディオン症候群など |
| ダイヤモンド | 12種類13疾患 | 56遺伝子 | 上記に加え、レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群 |
| 双子マックス | 92種類+5Mbを超える構造異常 | なし | 16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群、22q11.2欠失症候群など(双子にも対応) |
| インペリアル | 92種類+5Mbを超える構造異常 | 最大155遺伝子 | 上記に加え、フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群、レット症候群など |
※プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルは単胎のみ、スタンダードと双子マックスは単胎・双胎に対応します。微小欠失の詳しい対象は微小欠失症候群とは、単一遺伝子疾患はNIPTと単一遺伝子疾患をご覧ください。
一方で、正直にお伝えしたい限界もあります。陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。脆弱X症候群のように、NIPTでは調べられない原因もあります。陽性の場合も、症状の重さまでは予測できません。また、ここで挙げた病気は、多くのお子さんには当てはまらないものです。こうした点を含めた解説は自閉症はNIPTでわかりますか?にまとめています。
🩺 院長コラム【「いつ受けるか」と「何を調べるか」は、セットで考える】
早期NIPTというと、受ける時期ばかりに目が向きがちです。けれども、早く受けても、調べる範囲が三つのトリソミーだけでは、知りたかったことに答えられない場合があります。
臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、検査で分かることと分からないことを、受ける前に正確に知っていただくことです。そのうえで、時期と範囲の両方を選んでいただきたいと考えています。
早期NIPTを受ける前に確認したいこと
- ➤心拍と週数:超音波で心拍と大きさを確かめてから採血します。
- ➤双子の可能性:片方の赤ちゃんが育たなくなるバニシングツインは結果に影響することがあります(バニシングツインとは)。
- ➤再採血と調べる範囲:週数が早いほど再採血になりやすいこと、時期とあわせてプランを選ぶことを知っておいてください。
「何週に受けるのがいちばんよいか」はNIPTは何週がベスト?で、受けられる期間の全体はNIPTはいつからいつまで?で、16週以降に受ける場合のスケジュールは妊娠16週のNIPTは手遅れ?で解説しています。施設を選ぶときは、陽性のときに誰が説明し、確定検査をどこで受けられるのかまで確認してください(NIPTクリニックの選び方)。
🏥 妊娠9週から、確定検査まで院内で
ミネルバクリニックは臨床遺伝専門医が運営し、NIPTの遺伝カウンセリングから結果の説明、確定検査まで、終始責任をもって支援します。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要項目は3日以内に結果が出ます。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 早期NIPTは何週から受けられますか?
一般的にNIPTは妊娠10週ごろから受ける検査ですが、ミネルバクリニックでは妊娠9週から通常の検査として受けられます。妊娠6〜8週は臨床研究として受けられる体制を整えています。いずれも、超音波で赤ちゃんの心拍と大きさを確認してから採血します。
Q2. 早期NIPTと通常のNIPTの違いは何ですか?
仕組みは同じです。違いは、週数が早いほど胎児分画が少なく、再採血になる可能性が高いことです。当院では胎児分画が基準に届いた検体だけを判定するため、結果の読み方は変わりません。
Q3. 妊娠9週でNIPTを受けるのは早すぎますか?
早すぎることはありません。米国産婦人科学会は妊娠9〜10週以降であれば受けられるとしており、約9,700例の研究でも、判定できなかった割合は10週未満と10週以降でほぼ同じでした(3.78%と3.76%)。
Q4. 胎児ゲノム率(胎児分画)とは何ですか?
お母さんの血液中のDNAの断片のうち、赤ちゃん側(胎盤)に由来するものの割合です。週数が早いほど、体重が多いほど低くなります。当院の基準は、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンドプランで3%、インペリアル・双子マックスプランで3.5%です。
Q5. 早い週数で再検査になり、その前に流産したらどうなりますか?
当院の安心検査結果保障制度(1回のNIPTにつき6,000円)では、再検査が必要になったのに、流産して再検査ができず結果が出なかったときに、諸費用を除く検査代金を返金します。
Q6. 早期NIPTで赤ちゃんの性別はわかりますか?
当院のNIPTの料金には性別判定が含まれており、早期NIPTでも胎児分画が基準に届けば性別をお伝えできます。ただし、週数が早いほど再採血になる可能性があります。
Q7. 早期NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?
一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる微小欠失や単一遺伝子の変化の一部を、プランに応じて調べられます。受ける週数による違いはありません。ただし、陰性でもこれらがすべて否定されるわけではなく、脆弱X症候群などNIPTで調べられない原因もあります。
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参考文献
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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。妊娠6〜8週の早期NIPTは臨床研究として行っています。






