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双子妊娠のNIPT:学会の推奨とそのほかの出生前検査

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として遺伝医療に携わっています。

双子妊娠のNIPTは、2015年ごろには「推奨しない」とする学会もありましたが、現在は主要な学会がダウン症候群(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミーの検査として推奨しています。双子でのデータが積み重なり、21トリソミーの検出率が単胎とほぼ同じ水準であることが確かめられたためです。ただし、性染色体の数の異常と三つ子以上の妊娠は、いまも推奨の対象外です。このページでは、各学会の推奨がどのように変わってきたのか、双子でNIPTと組み合わせるそのほかの出生前検査(コンバインド検査・クアトロ検査・超音波検査)、NIPTの技術で調べる胎児のRhD血液型と性別について解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約14分
👶👶 双子の出生前診断・学会の推奨
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 双子でもNIPTは学会で推奨されていますか?

A. はい。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は2023年のガイドラインで、双子妊娠のトリソミー検査として、従来の方法よりもNIPTを強く推奨しています。米国母体胎児医学会(SMFM)も2025年に、双子の21トリソミーの一次スクリーニングとしてNIPTを推奨しました。一方で、双子の性染色体の数の異常と三つ子以上の妊娠については、データが足りないとして推奨していません。

  • ➤推奨の変化 → 2015年ごろは慎重論が多数。双子のデータが増え、2020年代に「推奨」へ
  • ➤推奨の範囲 → 21・18・13トリソミー。性染色体の数の異常と三つ子以上は対象外
  • ➤従来の検査 → 双子ではコンバインド検査・クアトロ検査の精度が単胎より落ちる
  • ➤RhD・性別 → 「少なくとも1人がRhD陽性(男の子)か、2人とも陰性(女の子)か」が分かる

⏱️ 30秒でわかる要約

📋 Q. 双子のNIPTについて、学会の推奨はどう変わった?

2015年ごろは、米国産科婦人科学会(ACOG)が「多胎妊娠には推奨しない」としていました。その後、双子での成績を集めた解析で21トリソミーの検出率が約98%と示され、2023年のACMG、2025年のSMFMが双子のトリソミー検査としてNIPTを推奨する立場に変わりました。

🚫 Q. 双子では何が推奨されていないの?

性染色体の数の異常(ターナー症候群など)と、三つ子以上の妊娠です。どちらも精度を確かめるデータが足りないためです。双子の片方が育たなくなったバニシングツインがある場合は、結果が不正確になりうることを説明したうえで検査を検討します。

🌸 Q. 双子ではNIPTのほかにどんな検査を組み合わせる?

妊娠初期の超音波検査で膜性(胎盤と羊膜の数)を確かめることが出発点です。コンバインド検査やクアトロ検査は双子では精度が下がるため、NIPTが一次スクリーニングとして位置づけられるようになりました。NIPTの技術で、胎児のRhD血液型や性別を調べることもできます。

NIPTの教科書シリーズ:双子妊娠のNIPTと学会の推奨

1. 双子のNIPTに対する推奨は「慎重」から「推奨」へ

双子妊娠のNIPTに対する学会の姿勢は、この10年ほどで大きく変わりました。NIPTが臨床に広まり始めた2010年代前半、研究のほとんどは単胎妊娠を対象としていました。双子では、2人の胎児(正確には2つの胎盤、または1つの共有胎盤)から母体の血液にDNAが流れ込むため、単胎と同じ考え方で結果を読んでよいのかが分かっていなかったのです。

双子のNIPTが難しいのは、主に次の点です。母体の血液中にある胎盤由来のDNAの割合を胎児分画(胎児ゲノム率)と呼びます。二卵性の双子では、2人のうち片方だけが染色体異常をもつことが多く、2人の胎児分画の寄与には2倍近い差が出ることもあります[1]。全体の胎児分画が十分に見えても、異常をもつ子の分だけを取り出すと検出の閾値を下回り、見逃されるおそれがあるのです。この仕組みについては、双子でNIPTが難しくなる理由で詳しく解説しています。

2015年前後:多くの学会が慎重だった理由

2015年前後の主要な学会の見解は、ばらばらでした。米国産科婦人科学会(ACOG)は2015年に「多胎妊娠の女性にはcfDNAスクリーニングは推奨しない」としました。理由はデータの不足です。英国王立産科婦人科学会(RCOG)は2014年の見解で、多胎妊娠では未解決の問題と追加の複雑さがあると述べ、2016年のガイドラインでは、一絨毛膜双胎(胎盤を共有する双子)では有望だが症例数がごく少ないとしました。カナダ産婦人科学会(SOGC)も2017年に、双子では単胎より検証データが少ないため慎重に行うべきだとしています[1]。

一方で、国際出生前診断学会(ISPD)は2015年の見解で、結果が判定可能であれば、2人とも同じ異常をもつ双子での性能は単胎と同等と考えられ、片方だけが異常をもつ双子でも感度は単胎と同程度だったとするメタ解析を紹介していました。ただし、2人の胎児分画を別々に測って低いほうで判定する方法をとると、判定不能の割合は単胎より高くなるとも注意しています[2]。

当時の慎重論は「双子では精度が低い」という証拠に基づくものではありませんでした。「精度を判断できるだけの症例がない」という理由です。実際、2015年に報告された双子のメタ解析は5研究・430検査で、21トリソミーの検出率は93.7%でした。2017年の更新では5研究・1,135検査で、検出率100%と報告されています[1]。ただ、異常をもつ症例そのものは数十例にとどまっていました。

推奨が変わった根拠:双子のデータの蓄積

推奨が変わった直接の理由は、双子での症例が集まり、21トリソミーの検出率が単胎とほぼ同じであることが確かめられたことです。2019年に英国の胎児医学財団(FMF)のグループが行ったメタ解析では、双子の21トリソミー56例について、検出率98.2%(95%信頼区間83.2〜99.8%)、偽陽性率0.05%(同0.01〜0.26%)でした。18トリソミーは18例で検出率88.9%(同64.8〜97.2%)でした[3][4]。

2021年には、妊娠10〜14週の双子を対象にした前向きコホートとメタ解析が報告されました。21トリソミー20例で感度95.0%、偽陽性率0.08%です[4]。18・13トリソミーは症例数が少なく信頼区間が広いままですが、21トリソミーについては、検出率95〜98%台、偽陽性率0.1%未満という結果が繰り返し示されました。

ここで押さえておきたいのは、「単胎と同等」とは主に21トリソミーについての評価だという点です。感度や陽性的中率の考え方は陽性的中率とはで、双子での精度の詳しい数字は双子妊娠でのNIPTの精度で解説しています。

💡 用語解説:一絨毛膜双胎と二絨毛膜双胎

双子は、胎盤を共有しているかどうかで分けられます。胎盤を1つ共有する双子を一絨毛膜双胎(MD双胎・MM双胎)、胎盤が別々の双子を二絨毛膜双胎(DD双胎)といいます。一絨毛膜双胎は原則として一卵性ですが、二絨毛膜双胎には二卵性と一卵性の両方が含まれます。NIPTの結果の意味は、この膜性と卵性によって変わります。

2. 現在の主要な学会の推奨

2020年代に入ってから、米国の主要な学会は双子のNIPTを「受けられる」から「推奨する」へと一歩進めています。ただし、推奨の強さや範囲は学会ごとに少しずつ違います。下の表に整理しました。

📋 双子妊娠のNIPTに関する主な学会の見解

学会(年) 双子のトリソミー検査 対象外・注意点
ACOG(2015) 多胎妊娠には推奨しない データ不足が理由
ISPD(2015) 判定可能なら単胎と同等の性能と考えられる 低いほうの胎児分画で判定すると判定不能が増える
ACOG(2020) 双子でも実施できる。21トリソミーの成績は良好だが、異常例の数は少ない 一児死亡・バニシングツイン・形態異常があると結果が不正確になりうる
ACMG(2023) 従来法よりNIPTを強く推奨(確実性の高いエビデンス) 双子の性染色体は限定的、または検査できない
SMFM(2025) 21トリソミーの一次スクリーニングとして推奨。18・13トリソミーも推奨 双子の性染色体と三つ子以上は推奨しない

※ACOG 2015とRCOG・SOGCの見解は[1]、ISPD 2015は[2]、ACMG 2023は[5]、SMFM 2025は[6]、ACOG 2020は[7]による。

ACMG(米国臨床遺伝・ゲノム学会)2023年

ACMGは2023年のガイドラインで、双子妊娠のトリソミー検査について、従来の方法よりもNIPTを推奨しました。推奨の強さは「強い推奨」、根拠となるエビデンスの確実性は「高い」と評価されています。ガイドラインは、双子での21トリソミーに対するNIPTの成績を感度98.2%・特異度99.9%とし、単胎と同等のスクリーニング性能だと結論しています[5]。

このガイドラインは、一般のリスク集団(年齢などで高リスクと決まっていない妊婦さん)全体を対象にしたものです。つまり「高齢だから」「従来の検査で陽性だったから」といった条件をつけず、双子であればトリソミー検査としてNIPTを第一の選択肢にしてよい、という考え方です。

一方で、ACMGは双子での性染色体の検査について、検査法や膜性によって「限定的、または利用できない」としています。また、双子の片方が妊娠初期に育たなくなったバニシングツインが分かっている妊娠についても触れています。NIPTの選択肢を変える根拠は見つからなかったものの、精度に影響しうることを説明すべきだという立場です[5]。

SMFM(米国母体胎児医学会)2025年

SMFMは2025年に公表した見解で、双子の21トリソミーの一次スクリーニングとしてcfDNA検査(NIPT)を推奨しました(推奨度1B)。18・13トリソミーについても、異常例の数は限られるものの双子での検出率が一貫して高いとして、検査を推奨しています(1B)[6]。

推奨度の「1」は「利益が不利益を明らかに上回る」強い推奨、「B」はそれを支えるエビデンスが中程度の質であることを示します。データの量がまだ単胎には及ばないことを、推奨度の表記にも反映させているわけです。

同じ見解は、双子の性染色体の異数性(数の異常)と三つ子以上の妊娠については、データ不足を理由にcfDNA検査を推奨しないとしています(1C)。さらに、SNP(一塩基多型)を使うNIPTでは双子の卵性を評価できること、バニシングツインが判定不能や不正確な結果の原因になることにも触れています[6]。卵性の判定についてはSNPベースのNIPTの仕組みが関わります。

💡 用語解説:推奨度とエビデンスの確実性

ガイドラインの推奨には、「どのくらい強く勧めるか(推奨の強さ)」と「その根拠がどのくらい確かか(エビデンスの質)」の2つの物差しがあります。SMFMの「1B」は、強く勧めるが根拠の質は中程度、という意味です。同じ「推奨」でも、根拠の質によって将来見直される可能性が異なります。

ACOG・ISPDの立場

ACOGは2020年の診療指針で、2015年の「推奨しない」を改め、双子妊娠でもcfDNAスクリーニングを実施できるとしました。双子での21トリソミーの成績は良好だとしながらも、報告された異常例の総数が少ないことを注意点として挙げています。同時に、血清マーカーを使う検査はどれも、単胎ほどには双子で正確でないとしています[7]。

ACOGの指針でとくに重要なのは、多胎妊娠で一児の死亡、バニシングツイン、形態異常が見つかった場合の扱いです。このときは、血清マーカー検査でもNIPTでも、結果が不正確になる危険が大きいと明記しています[7]。育たなくなった胎児の胎盤からも、しばらくDNAが母体の血液に流れ込み続けるためです。

ISPDは2021年に、多胎妊娠でのダウン症候群のcfDNAスクリーニングに絞った見解を公表しました[8]。双子への適用を認めたうえで、検査室はすべての結果の解釈で卵性を考慮すべきだとしています[4]。一卵性なら2人の染色体は原則として同じで、二卵性なら別々だからです。英国でも、国の検診制度にNIPTを段階的に導入する際、2019年に双子妊娠でもNIPTを提供できると決められています[9]。各国の制度の違いはNIPT導入後の従来スクリーニングの行方でまとめています。

日本の状況

日本では、NIPTの施設認証の指針に、双子・多胎妊娠についての特別な規定はありません。2022年2月に示された「NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針」には、多胎妊娠を対象とするかどうかについての記載がありません[10]。実際に双子でNIPTを受けられるかどうか、どの項目まで調べられるかは、施設や検査会社によって異なります。

国内のデータとしては、NIPTコンソーシアムに属する22施設の後方視的研究があります。2015年1月から2022年3月までに、双子1,013人とバニシングツイン225人の妊婦さんを解析しました。双子では97.3%が陰性、1.3%が陽性、1.4%が判定不能でした。バニシングツインでは90.2%が陰性、4.9%が陽性、4.9%が判定不能で、追跡できた例に偽陰性はありませんでした[11]。

バニシングツインでは陽性と判定不能がそれぞれ双子の3倍以上になっていて、消えた胎児の影響がうかがえます。ただし、日本人の双子でも海外と同じように検査が成り立つことを示した点で、国内の判断材料になる研究です。NIPTコンソーシアムと現在の認証制度の関係はNIPTコンソーシアムと認証制度の違いで解説しています。

\ 双子妊娠のNIPTは、膜性を踏まえた説明から始まります /

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3. 学会が双子で勧めていないこと

双子のNIPTが推奨されるようになったといっても、その範囲は21・18・13トリソミーに限られます。学会がはっきり対象外としているもの、注意を求めているものを整理しておくと、検査で何が分かり、何が分からないのかを正しく理解できます。

性染色体の数の異常

ターナー症候群(45,X)やクラインフェルター症候群(47,XXY)といった性染色体の数の異常について、SMFMは双子妊娠でのcfDNAスクリーニングを推奨していません。SMFMはデータ不足を理由に推奨せず、ACMGも双子の性染色体の検査は検査法や膜性によって限定的、または利用できないとしています[5][6]。

理由は仕組みにあります。NIPTは母体の血液中のDNAを数え、X染色体やY染色体の量が期待値からずれていないかを見ます。二卵性の双子で、男の子と女の子の組み合わせだった場合を考えてみてください。Y染色体由来のDNAは男の子1人分、X染色体由来のDNAは2人分が混ざっています。X染色体の量が少し少なく見えたとき、それが片方の子のX染色体が1本しかないためなのか、2人の胎児分画の違いによるものなのかを区別するのは難しくなります。

双子の胎児性別判定では、cfDNAからY染色体の有無を調べる方法が用いられます。ミネルバクリニックの双子向けのNIPTでは、性染色体の数の異常は検査の対象外で、分かるのはY染色体の有無のみです。単胎での性染色体の検査の精度はNIPTにおける性染色体検査の精度で解説しています。

三つ子以上の妊娠

三つ子以上の妊娠では、NIPTの精度を判断できるだけのデータがありません。SMFMは三つ子以上のcfDNA検査を推奨しないとしています[6]。胎児が3人以上になると、1人あたりの胎児分画はさらに小さくなり、異常をもつ子の分を取り出して判定することが一段と難しくなります。減胎手術(胎児の数を減らす処置)のあとのNIPTについても、まとまったデータは乏しいのが現状です[1]。

従来の血清マーカーを使う検査も、三つ子以上では使えません。ISPDは2015年の見解で、三つ子以上の妊娠では、リスクの評価は超音波のマーカーだけに基づいて行うべきだとしています[2]。三つ子以上では、妊娠初期の超音波で胎児一人ひとりの首の後ろのむくみ(NT)や形態を確かめることが、出生前のスクリーニングの中心になります。

三つ子以上で染色体を確かめたい場合は、超音波で所見を確認したうえで、羊水検査や絨毛検査といった確定検査を検討する流れになります。ただし、胎児ごとに検体を採る必要があり、手技の難しさも増すため、専門施設での相談が前提になります。

バニシングツインがあるとき

双子の片方が妊娠初期に育たなくなるバニシングツインがある場合、NIPTは「受けられない」わけではありませんが、結果が不正確になりうることを前提に考えます。ACMGは、バニシングツインが分かっている妊娠でNIPTの選択肢を変える根拠はないとしつつ、精度に影響しうることを説明すべきだとしています[5]。ACOGは、一児の死亡やバニシングツインがあると結果が不正確になる危険が大きいとしています[7]。

育たなくなった胎児に染色体異常があった場合、その胎盤から出たDNAが母体の血液に残っていると、生きている胎児は正常でもNIPTが陽性になることがあります。妊娠14週以降に採血したほうが結果がよいという報告もあります[4]。国内の研究でも、バニシングツインの陽性率は4.9%で、双子の1.3%より高くなっていました[11]。

バニシングツインそのものの頻度や、消えた胎児のDNAがいつまで残るのかについては、NIPTの偽陽性の原因:バニシングツインで詳しく扱っています。

全染色体・微小欠失の検査

学会が双子で推奨しているのは、21・18・13トリソミーの検査です。1〜22番すべての常染色体のトリソミーや、染色体の一部が欠けたり重複したりする微小欠失・重複を双子で調べることについては、推奨の対象になっていません。双子での精度を確かめたデータが、トリソミー21に比べてはるかに少ないためです。

単胎でも、まれなトリソミーの多くは胎盤だけに異常がある胎盤限局性モザイクで、陽性的中率が低くなります。双子ではそこに「どちらの胎盤か」という問題が加わるため、陽性になった場合の解釈はさらに複雑になります。こうした項目を検査に加えるかどうかは、分かることと分からないこと、陽性になったときの確定検査の流れを理解したうえで判断することになります。全染色体の検査の考え方はNIPT全染色体検査の真実で解説しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「推奨されている範囲」を知ってから選ぶ】

双子のNIPTが学会で推奨されるようになったのは、21トリソミーを中心に、双子でも単胎と同じように検査が成り立つことが確かめられたからです。逆にいえば、性染色体の数の異常や三つ子以上の妊娠は、その確認がまだ済んでいない領域です。

検査項目を増やせば安心が増えるとは限りません。双子では、陽性になったときに「2人のうちどちらか」「胎盤だけの異常ではないか」を確かめる手間も増えます。推奨されている範囲とその外側をはっきり分けて理解したうえで、項目を選ぶことが大切だと考えています。

4. 双子のNIPTとそのほかの出生前検査の比較

双子でNIPTが一次スクリーニングとして位置づけられるようになった背景には、従来のスクリーニング検査が双子では精度を落としやすいという事情もあります。NIPTが登場する前から使われてきたコンバインド検査、クアトロ検査、超音波検査は、双子ではそれぞれどのように働くのでしょうか。

📊 双子妊娠での21トリソミーのスクリーニング検査の比較

検査 双子での成績 双子での特徴
NIPT 検出率98.2%・偽陽性率0.05%(56例の解析) 一卵性・二卵性とも実施可能。判定不能は単胎より多い
コンバインド検査 感度89.3%・特異度94.6%(5研究・6,397検査) NTは胎児ごとに測れる。血清マーカーは2人分が混ざる
クアトロ検査 検出率:一絨毛膜で約80%、二絨毛膜で30〜50% 血清マーカーのみで、胎児ごとの評価ができない
超音波検査 膜性診断は妊娠初期に99%を超える精度 形態異常の発見には限界があるが、すべての検査の土台になる

※NIPTは[3]、コンバインド検査・クアトロ検査・膜性診断の数値は[1]による。研究ごとに対象集団やカットオフ値が異なるため、数値は直接の比較ではなく目安です。

コンバインド検査

コンバインド検査は、妊娠11〜13週の超音波で測る首の後ろのむくみ(NT)と、母体の血液中のホルモンやタンパク質(血清マーカー)を組み合わせてリスクを計算する検査です。双子での成績をまとめた解析では、感度89.3%、特異度94.6%と報告されています[1]。特異度94.6%とは、異常のない妊娠でも約5%が「リスクが高い」と判定されることを意味します。

双子でコンバインド検査が不利になるのは、血清マーカーのためです。母体の血液中のマーカーは2人分の胎盤から出たものが混ざっているので、片方の子だけに異常があっても、もう片方の正常な値に薄められてしまいます。一方、NTは胎児一人ひとりについて測れるため、双子でも胎児ごとの情報が得られます。体外受精などの生殖補助医療による妊娠では、血清マーカーの値が変わりやすく、偽陽性率がさらに高くなることも知られています[1]。

NIPTが普及した現在でも、妊娠初期のNTの測定には独自の価値があります。NTの肥厚は染色体異常だけでなく、心臓の形態異常などの手がかりにもなるからです。双子では、NTの差が一絨毛膜双胎に特有の合併症の手がかりになることもあります。コンバインド検査の詳しい仕組みはコンバインド検査とはで解説しています。

クアトロ検査

クアトロ検査(母体血清マーカー検査)は、妊娠15〜18週ごろに母体の血液中の4つのマーカーを測ってリスクを計算する検査です。超音波の情報を使わず血清マーカーだけで判定するため、双子ではコンバインド検査以上に精度が落ちます。

21トリソミーの検出率は、一絨毛膜双胎では単胎に近い約80%でしたが、二絨毛膜双胎では30〜50%にとどまるとされています[1]。一絨毛膜双胎は原則として一卵性であり、2人とも同じ染色体構成をもつことが多いため、異常があれば2人分の影響がそろってマーカーに表れます。二卵性が大半を占める二絨毛膜双胎では、片方だけの異常がもう片方の正常な値に薄められ、見逃されやすくなるのです。

このように、血清マーカーを使う検査の成績は膜性によって大きく変わります。NIPTも血液を調べる検査ですが、マーカーの濃度ではなく染色体ごとのDNAの量を直接数えるため、二卵性での影響は相対的に小さくなります。クアトロ検査とNIPTの違いはクアトロテストとNIPTの違いで詳しく解説しています。

超音波検査と膜性診断

双子の出生前検査で、どの検査よりも先に行うべきなのが妊娠初期の超音波検査です。妊娠初期の超音波による膜性診断(胎盤と羊膜の数の判定)は、感度・特異度とも99%を超えるとされています[1]。膜性が分かっていないと、NIPTの結果が出ても「2人に共通する結果なのか、片方だけなのか」を考える出発点がありません。

NIPTの前の超音波には、ほかにも役割があります。胎児が2人とも生きているか、バニシングツインがないかを確かめること、そしてNTや大きな形態異常の有無を確認することです。妊娠初期の超音波で形態異常を見つける力には限界がありますが、所見がある場合はNIPTよりも確定検査を先に考える場面もあります。

また、胎児の性別を超音波で正確に判定できるのは妊娠17週以降とされています[1]。二絨毛膜で同性の双子の場合、超音波だけでは一卵性か二卵性かを決められないことがあります。超音波でできることとできないことは胎児超音波検査とはでまとめています。

妊娠初期の超音波膜性・生存・NTを確認
▶
NIPT21・18・13トリソミー
▶
陽性・判定不能膜性に応じて解釈
▶
確定検査羊水検査・絨毛検査

陽性になった場合の確定検査は、膜性によって進め方が変わります。一絨毛膜双胎で2人の成長や形態がそろっていれば片方の羊膜腔だけで足りることがありますが、二絨毛膜双胎や膜性がはっきりしない場合は、2人それぞれの検体を採ります[1]。確定検査の選び方は双子でNIPT陽性だったときの対応で扱います。

5. NIPTの技術で調べるそのほかの項目:RhD血液型と胎児の性別

母体の血液中の胎児由来のDNAを調べる技術は、染色体の数の異常だけでなく、胎児のRhD血液型や性別を知るためにも使われます。どちらも、母体がもっていない遺伝子(RHD遺伝子やY染色体)が母体の血液から見つかるかどうかで判定する点が共通しています。双子に特化した指針はありませんが、仕組みを知ると、双子で何が分かり、何が分からないのかが見えてきます[1]。

双子での胎児RhD判定

RhD陰性のお母さんの血液からRHD遺伝子の配列が見つかれば、少なくとも1人の胎児がRhD陽性だと判定できます。母体はRHD遺伝子をもっていないので、見つかったRHD配列は胎児由来だと考えられるからです。この判定の原理は双子でも変わらないため、精度は単胎と同じになると考えられています[1]。

RhD陰性のお母さんがRhD陽性の赤ちゃんを妊娠すると、赤ちゃんの赤血球に対する抗体(抗D抗体)がつくられることがあります。この抗体は次の妊娠で赤ちゃんの赤血球を壊し、胎児・新生児溶血性疾患の原因になります。これを防ぐのが、妊娠中や分娩後に投与する抗D免疫グロブリンです。胎児のRhD血液型が分かれば、陽性の赤ちゃんを妊娠しているお母さんに絞って投与を考えることができます。Rhマイナスの妊娠についてはRhマイナスの出産のリスクと予防で解説しています。

一絨毛膜双胎は一卵性なので、2人のRhD血液型は一致します。二絨毛膜双胎で陽性と判定された場合は、2人とも陽性なのか1人だけなのかは分かりません。それでも、対応は同じです。1人でもRhD陽性なら、お母さんには予防的な抗D免疫グロブリンの投与が必要になるからです。双子での報告をまとめると、「少なくとも1人がRhD陽性」または「2人ともRhD陰性」の判定は、56検査で感度・特異度とも100%、妊娠初期の62検査でも同じ結果でした[1]。

双子ではむしろ、血液の検査のほうが侵襲的な検査より確実だった例も報告されています。母体の血液から少なくとも1人がRhD陽性と判定されたのに、技術的に難しい羊水検査では2人とも陰性という結果になり、出生後に1人がRhD陽性と確認されました。同じ羊膜腔を2回穿刺したためと考えられています[1]。母体の血液には2人分のDNAがまとめて含まれているという性質が、双子では強みになる場面です。

💡 用語解説:胎児・新生児溶血性疾患

お母さんの血液中にできた赤血球への抗体が胎盤を通って赤ちゃんに移り、赤ちゃんの赤血球を壊してしまう病気です。重くなると、胎児に貧血やむくみ(胎児水腫)が起こります。原因として最も多いのがRhD血液型の不適合で、抗D免疫グロブリンの投与によって予防できるようになりました。

医学的理由での胎児の性別判定

胎児の性別は、母体の血液からY染色体の配列が見つかるかどうかで判定します。双子では、Y染色体が見つかれば「少なくとも1人は男の子」、見つからなければ「2人とも女の子」と分かります[1]。二絨毛膜双胎でY染色体が見つかった場合、男の子が1人なのか2人なのかは、この方法では区別できません。

医学的な理由で胎児の性別が問題になるのは、主にX連鎖性の遺伝性疾患の家系です。たとえば、お母さんがX連鎖潜性(劣性)の病気の保因者であれば、病気を発症する可能性があるのは主に男の子です。胎児が女の子だと分かれば、侵襲的な検査を避けられることがあります。X連鎖遺伝の仕組みはX連鎖遺伝とはで解説しています。

「男の子が1人か2人か」をY染色体の量から推定できないかを調べた研究もあります。55組の双子を調べた研究では、二絨毛膜で男の子2人の双子は、単胎の男の子よりシグナルが有意に強くなりました。しかし、一絨毛膜の男の子2人、二絨毛膜の男の子2人、二絨毛膜の男女の間には差がありませんでした。65組の双子を調べた別の研究でも、同じ傾向でした[1]。

これに対して、SNP(一塩基多型)を使う検査では、2人の遺伝子の型の違いから卵性を判定できます[6]。卵性の判定については、まとめた報告で感度・特異度とも100%とされています[4]。二卵性と分かれば、2人の胎児分画を別々に推定できる検査もあります[1]。NIPTでの性別判定が外れる原因はNIPTにおける胎児の性別の不一致で、一般の方向けの解説はNIPTの性別判定の精度と外れる原因で扱っています。

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6. 双子の出生前検査をどう選ぶか

学会の推奨を踏まえると、双子の出生前検査は「妊娠初期の超音波で膜性を確かめる」ことから始まり、トリソミーのスクリーニングとしてNIPTを考える、という順番が基本になります。そのうえで、双子に特有の考え方として、結果の意味が膜性と卵性で変わること、判定不能が単胎より起こりやすいことを知っておく必要があります。

膜性・卵性で結果の意味が変わる

一卵性の双子ではNIPTの結果は原則として2人に共通し、二卵性の双子では陽性の結果は多くの場合どちらか1人についてのものです。一絨毛膜双胎は原則として一卵性なので、陽性なら原則として2人ともが対象になります。ただし、一卵性でも受精後の細胞分裂の誤りなどによって、2人の染色体が異なるまれな例も報告されています[1]。

二絨毛膜双胎では、二卵性か一卵性かを超音波だけで決められない場合があります。異性の双子なら二卵性と分かりますが、同性の二絨毛膜双胎はどちらの可能性もあるからです。卵性によって結果の読み方が変わるため、ISPDは検査室が卵性を考慮して結果を解釈すべきだとしています[4]。膜性と卵性の関係は双子の卵性・膜性とNIPTで、それぞれの双子の成り立ちは一卵性双胎と二卵性双胎で解説しています。

二卵性で陽性になった場合、超音波で特徴的な所見がなければ、どちらの子に異常があるのかはNIPTだけでは分かりません。確定検査で2人それぞれを調べる必要があり、その結果によって、妊娠をどう続けるかの選択肢も変わってきます。

判定不能(判定保留)が起こりやすい理由

双子のNIPTでは、結果が出ない「判定不能」が単胎より起こりやすくなります。双子での判定不能の割合は研究によって1.6〜13.2%(中央値3.6%)と幅があり、二絨毛膜双胎では11.3%と高い報告もあります[4]。胎児分画の中央値は、一卵性で14.0%、二卵性で7.9%とされています[4]。

二卵性で判定不能が多いのは、偽陰性を防ぐために、2人のうち胎児分画が低いほうの子を基準に判定する考え方があるからです[2]。全体としては十分なDNAがあっても、低いほうの子の分が足りなければ結果を出さない、という慎重な判定です。母体の体重が多いことや、体外受精による妊娠も胎児分画を下げる要因として知られています[1]。

判定不能は「異常がある」という意味ではありませんが、18・13トリソミーでは胎盤が小さく胎児分画が低くなりやすいことも知られています。判定不能になった場合は、再採血や超音波での詳しい評価、確定検査などを、膜性と妊娠週数を踏まえて検討します。胎児分画の考え方は胎児ゲノム率(胎児分画)で詳しく解説しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【双子のNIPTは、結果を読むための準備が半分】

双子のNIPTは、採血そのものは単胎と変わりません。違うのは結果の読み方です。膜性が分かっているか、卵性はどうか、片方が育たなくなっていないか。これらによって、同じ「陽性」でも次にとるべき行動が変わります。

双子の出生前検査では、検査を受ける前に膜性を確かめ、陽性や判定不能になった場合の流れまで見通しておくことが欠かせないと考えています。学会の推奨が「受けられる」から「推奨する」に変わったいまだからこそ、検査の意味を正しく理解したうえで選んでいただきたいと思います。

よくある質問(FAQ)

Q1. 双子でもNIPTは受けられますか?

受けられます。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は2023年に、双子妊娠のトリソミー検査として従来の方法よりもNIPTを強く推奨しました。米国母体胎児医学会(SMFM)も2025年に、双子の21トリソミーの一次スクリーニングとしてNIPTを推奨しています。ただし、性染色体の数の異常と三つ子以上の妊娠は推奨の対象外です。

Q2. 双子のNIPTの精度は単胎と同じですか?

21トリソミーについては、ほぼ同じ水準と評価されています。2019年のメタ解析では、双子の21トリソミーの検出率は98.2%、偽陽性率は0.05%でした。18・13トリソミーは症例が少なく、まだ確かな数字を出しにくい状況です。また、結果が出ない判定不能は単胎より起こりやすくなります。

Q3. NIPTで双子の性別はわかりますか?

「少なくとも1人は男の子」か「2人とも女の子」かは分かります。Y染色体の配列が母体の血液から見つかるかどうかで判定するためです。二絨毛膜双胎(胎盤が2つの双子)で男の子が1人なのか2人なのかは、Y染色体の量からは区別できません。

Q4. 双子でターナー症候群などの性染色体の異常は調べられますか?

双子の性染色体異数性に対するcfDNAスクリーニングは、データ不足のためSMFMでは推奨されていません。2人分のX染色体・Y染色体のDNAが混ざるため、結果の解釈が複雑になることも理由の一つです。ミネルバクリニックの双子向けのNIPTでは、性染色体の数の異常は検査の対象外で、分かるのはY染色体の有無のみです。

Q5. バニシングツインがあってもNIPTは受けられますか?

受けることはできますが、結果が不正確になりうることを理解したうえでの検査になります。育たなくなった胎児の胎盤からDNAが母体の血液に残り、生きている胎児が正常でも陽性になることがあるためです。国内の研究では、バニシングツインの妊婦さんの陽性率は4.9%で、双子の1.3%より高くなっていました。

まとめ

双子妊娠のNIPTは、2015年ごろには「推奨しない」とする学会もありました。その後双子での症例が集まり、21トリソミーの検出率が単胎とほぼ同じ約98%であることが確かめられました[3]。現在は、ACMGが2023年に従来法よりNIPTを強く推奨し[5]、SMFMも2025年に21・18・13トリソミーの検査として推奨しています[6]。一方で、性染色体の数の異常と三つ子以上の妊娠は推奨の対象外で、バニシングツインがある場合は結果が不正確になりうることに注意が必要です。

双子では、コンバインド検査やクアトロ検査といった血清マーカーを使う検査の精度が単胎より落ちるため、NIPTが一次スクリーニングとして位置づけられるようになりました。どの検査を選ぶ場合も、出発点は妊娠初期の超音波による膜性診断です。NIPTの技術では胎児のRhD血液型や性別も調べられますが、双子では「少なくとも1人が陽性(男の子)か、2人とも陰性(女の子)か」という形で結果が出ます。第6章のほかのページとあわせて、双胎妊娠におけるNIPTの役割の目次からご覧ください。

👶👶 双子妊娠のNIPTをお考えの方へ

ミネルバクリニックでは、常駐する臨床遺伝専門医が、双子で分かること・分からないこと、膜性による結果の意味の違い、判定不能や陽性になった場合の流れを含めて、検査前の遺伝カウンセリングを行ったうえでNIPTを実施しています。陽性の結果が出た場合の確定検査についても、事前に流れをご説明しています。

参考文献

  • [1] Mackie FL, Kilby MD. The Role of Cell-Free DNA-Based Prenatal Testing in Twin Pregnancy. In: Page-Christiaens L, Klein HG, eds. Noninvasive Prenatal Testing (NIPT): Applied Genomics in Prenatal Screening and Diagnosis. Academic Press (Elsevier); 2018:83-95. ISBN 978-0-12-814189-2.
  • [2] Position statement from the Chromosome Abnormality Screening Committee on behalf of the Board of the International Society for Prenatal Diagnosis. Prenat Diagn. 2015. [PubMed 25970088]
  • [3] Screening for trisomies by cfDNA testing of maternal blood in twin pregnancy: update of The Fetal Medicine Foundation results and meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2019. [DOI 10.1002/uog.20284]
  • [4] Cell-free DNA screening in twin pregnancies. Obstet Gynecol Sci. 2024;67(2):160-168. [DOI 10.5468/ogs.23135]
  • [5] Noninvasive prenatal screening (NIPS) for fetal chromosome abnormalities in a general-risk population: An evidence-based clinical guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med. 2023. [PubMed 36524989]
  • [6] Society for Maternal-Fetal Medicine Consult Series #74: Cell-free DNA screening for aneuploidies: Updated guidance. Pregnancy. 2025;1(6):e70139. [PMC13344640]
  • [7] Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020. [PubMed 32804883]
  • [8] International Society for Prenatal Diagnosis Position Statement: cell free (cf)DNA screening for Down syndrome in multiple pregnancies. Prenat Diagn. 2021. [DOI 10.1002/pd.5832]
  • [9] Update on NIPT implementation, microarray testing technology and twins. Public Health England Screening blog. 2019. [GOV.UK]
  • [10] 日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会. NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針(令和4年2月). 第7回NIPT等の出生前検査に関する専門委員会 資料1. [厚生労働省]
  • [11] Significance of noninvasive prenatal testing using massively parallel sequencing in women with twin or vanishing twin pregnancies. J Hum Genet. 2025;70:297-305. [DOI 10.1038/s10038-025-01332-2]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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