InstagramInstagram

双子(双胎)で受けられるNIPT|スタンダードと双子マックスの違い|ミネルバクリニック

双子(双胎妊娠)のご夫婦から「双子でもNIPTは受けられますか」「どこまで詳しく調べられますか」というご相談を多くいただきます。ミネルバクリニックでは、双胎妊娠でも受けられるNIPTを2つご用意しています。基本の染色体を調べるスタンダードNIPTと、双胎専用でより広く調べる双子マックスプランです。このページでは、2つの違いと選び方、そして「なぜ双子はプランが限られるのか」を分かりやすく解説します。

なぜ双子はプランが限られるのか

双胎妊娠では、単胎妊娠と比べてNIPTの選択肢が限られがちです。これは技術的な理由によるものです。

NIPTは、母体の血液中に含まれる赤ちゃん由来のDNA(胎児フラクション)を解析します。双子の場合、母体血液中のDNA総量は単胎より多いものの2倍には届かず、赤ちゃん1人あたりのDNAは単胎より薄まりやすいのが特徴です。

とくに二卵性では、通常どちらか一方だけに異常があり、その1人分のシグナルが2人分のDNAに埋もれて検出が難しくなります。小さな異常(微小欠失や単一遺伝子疾患)ほどこの影響を強く受けるため、双胎で確実に調べられる範囲は単胎より狭くなります。一卵性は二人がほぼ同じ遺伝型のため、単胎と同等に近い精度で調べられます。

また、双胎では性染色体の「数」の判定が難しく、ターナー症候群やクラインフェルター症候群などの性染色体の数の異常は検査できません。分かるのはY染色体の有無のみです。これも二人分のDNAが混在することによる、双胎特有の制約です。

このため、一般的な双胎NIPTでは13・18・21トリソミーと性別までにとどまることが多いのが現状です。そうしたなかでも「双子でもできる限り広く調べておきたい」というご夫婦のために、当院は双胎対応の範囲を広げたプランをご用意しています。解析技術による精度の違いについては、NIPTの解析技術を徹底比較(WGS法・SNP法・ターゲット法・COATE法)もご覧ください。

双子で受けられる2つのプラン

スタンダードNIPT

基本の染色体(13・18・21トリソミー)+微小欠失症候群6種類7疾患。単胎・双胎の両方が対象で、はじめての方にも選びやすい基盤プランです。
220,000円(当日割引・税込)

双子マックスプラン

双胎専用の包括プラン。全常染色体(1〜22番)+92種類の微小欠失・重複+5Mb超の全染色体スキャン+偶発的所見まで、双胎で最大級の範囲をカバーします。
440,000円(当日割引・税込)

比較表でみる違い

※表は左右にスクロールできます。

項目 スタンダード 双子マックス
対象 単胎・双胎の両方 双胎(双子)専用
常染色体トリソミー 13・18・21の3種類 13・18・21+9・16・22+全常染色体(1〜22番)
性染色体 Y染色体の有無のみ
(双胎では性染色体の数の異常=ターナー症候群などは検査できません)
Y染色体の有無のみ
(双胎では性染色体の数の異常=ターナー症候群などは検査できません)
微小欠失・重複症候群 6種類7疾患(主要なもの) 92種類
5Mb超の全染色体スキャン ― 対象(リスト外の大きな欠失・重複も検出)
偶発的所見(稀なトリソミー等) ― 対象(2・7・20トリソミーなど)
検査方法 母体採血のみ/NGS 母体採血のみ/欧州CE-IVD認証ラボ
検査時期 妊娠9週0日〜 妊娠10週0日〜
結果 約10〜14日 約10〜14日
料金(税込・当日割引) 220,000円(通常231,000円) 440,000円(通常473,000円)

全染色体異数性(トリソミー)の違い

染色体の「数」の異常(トリソミー=1本多い状態)についても、2つのプランでカバー範囲が異なります。

一般的なNIPTや基本プランで調べるのは、13・18・21の3つのトリソミーが中心です。これらは頻度が高く臨床的にも重要ですが、トリソミーはこの3種類だけではありません。

スタンダード

13・18・21トリソミー(パトウ/エドワーズ/ダウン症)の3種類。頻度が高い主要なトリソミーを押さえます。

双子マックス

13・18・21に加え、9・16・22トリソミー、さらに全常染色体(1〜22番)の異数性まで対象。2・7・20トリソミーなどの稀な常染色体トリソミーも偶発的所見として報告します。

全常染色体まで見に行くことには意味があります。9・16・22トリソミーや、2・7・20トリソミーなどの稀な常染色体トリソミーは、流産や胎児発育不全の原因となることがあり、妊娠経過の管理に役立つ情報になります。多くは頻度が低いものの、「13・18・21以外は分からない」検査と「全常染色体まで見る」検査とでは、把握できる情報の幅が変わります。この全染色体スキャンは、双子マックスプランの大きな特徴の一つです。

6種類7疾患と92種類の違い ― どれくらい変わるのか

「6種類と92種類では、リスクの捕捉がどれくらい変わるのか」というご質問をよくいただきます。まず、スタンダードが対象とする主要な微小欠失症候群の発生頻度は以下の通りです。

疾患(スタンダード対象の主なもの) 発生頻度の目安
22q11.2欠失(ディジョージ症候群) 約1/4,000〜6,000
1p36欠失症候群 約1/5,000〜10,000
アンジェルマン症候群(15q) 約1/12,000〜20,000
プラダー・ウィリー症候群(15q) 約1/10,000〜30,000
スミス・マゲニス症候群(17p11.2) 約1/25,000
猫鳴き症候群(5p欠失) 約1/15,000〜50,000
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群(4p16.3) 約1/20,000〜50,000

スタンダードの6種類7疾患は、このように頻度が高く重要なものを押さえています(22q11.2欠失は微小欠失のなかで最も頻度が高い疾患です)。双子マックスの92種類は、これに加えて個々には稀な多くの症候群まで対象を広げます。

なお、「6種類の頻度を足すと合計いくつ」「92種類なら何倍」といった単純な足し算はできません。各症候群は頻度の定義や浸透率(変異があっても症状が出るとは限らない度合い)が異なるためです。参考として、神経発達に関わる反復性の微小欠失・重複をまとめると、合わせておよそ1/200(約0.48%)という母集団の報告があります(大規模新生児研究より)。対象を広げるほど、こうした幅広い異常を網に入れられる、とお考えください。

スタンダード(6種類7疾患)

約 1/1,300

対象7疾患の報告頻度を合算した上限見積もり(約0.08%)

双子マックス(92種類・広域)

約 1/200

反復性微小欠失・重複の母集団合算(約0.48%)

※スタンダードの数値は対象7疾患について報告されている頻度(上限側)を単純合算した概算で、頻度の定義や浸透率の違いにより実際とは差が出ます。双子マックス側の約1/200は、神経発達に関わる反復性の微小欠失・重複を母集団で観測した合算値(Zhu et al., 2020)で、算出方法が異なるため両者を直接引き算するのは適切ではありません。いずれも参考値としてご覧ください。

5Mb全染色体スキャンについて

双子マックスプランには、5メガベース(500万塩基)を超える大きな染色体の欠失・重複を、リストの有無を問わず全染色体・全領域から探すスキャンが含まれます。あらかじめ決めた症候群だけでなく、染色体のどこに起きた大きな異常でも捉えに行くのが特徴です。

これらは多くが発達遅滞や先天奇形をともなう、臨床的に重い異常です。また、2・7・20トリソミーなどの稀な常染色体トリソミー(流産や胎児発育不全の原因となりうる)も偶発的所見として報告されます。

5Mb全染色体スキャンで何が分かるのか、なぜ臨床的に重要なのかは、5Mb全染色体スキャンの詳しい解説ページをご覧ください。

どちらを選べばよいか

STANDARD

スタンダードが向いている方

  • ✓はじめてNIPTを受ける方、まず基本をきちんと確認したい方
  • ✓ダウン症などのトリソミーと、頻度の高い微小欠失を押さえられれば十分と考える方
  • ✓検査範囲と料金のバランスを重視したい方

TWINS MAX

双子マックスが向いている方

  • ✓双子でも「できる限り広く調べておきたい」方
  • ✓92種類の微小欠失・重複や全常染色体まで確認したい方
  • ✓リスト外の大きな異常(5Mb超)や偶発的所見も把握しておきたい方

どちらが合うか相談・予約する

よくあるご質問

双子でもNIPTは受けられますか?
はい。双胎妊娠でもNIPTはお受けいただけます。ミネルバクリニックでは、基本の染色体を調べるスタンダードNIPT(単胎・双胎とも対象)と、双胎専用でより広く調べる双子マックスプランの2つをご用意しています。ただし、双胎では単胎と異なる技術的な留意点があるため、検査前の遺伝カウンセリングで詳しくご説明します。
なぜ双子は検査できるプランが限られるのですか?
双胎では、母体血液中の赤ちゃん由来DNA(胎児フラクション)が1人あたりでは薄まりやすいためです。とくに二卵性では、通常どちらか一方だけに異常があり、その1人分のシグナルが2人分のDNAに埋もれて検出が難しくなります。小さな異常ほどこの影響を受けるため、双胎で対応できる検査は単胎より限られます。それでも当院の双子マックスプランは、双胎で最大級の範囲をカバーできるよう設計されています。
スタンダードと双子マックスは何が違いますか?
調べる範囲と料金です。スタンダードは13・18・21トリソミー+性染色体異常+微小欠失症候群6種類7疾患を、双子マックスは全常染色体(1〜22番)の異数性+92種類の微小欠失・重複症候群+5Mb超の全染色体スキャン+偶発的所見までをカバーします。料金はスタンダードが220,000円(当日割引・税込)、双子マックスが440,000円(当日割引・税込)です。
6種類7疾患と92種類では、どのくらい違うのですか?
スタンダードの6種類7疾患は、22q11.2欠失(最も頻度の高い微小欠失、約1/4,000〜6,000)など、頻度が高く重要なものを押さえています。双子マックスの92種類は、これに加えて個々には稀な多くの症候群まで対象を広げます。なお、各症候群は頻度の定義や浸透率が異なるため、単純に足し合わせて何倍という計算はできません。参考として、神経発達に関わる反復性の微小欠失・重複をまとめると、合わせておよそ1/200(約0.48%)という母集団の報告があります。
5Mb超の全染色体スキャンとは何ですか?
あらかじめリスト化された症候群だけでなく、染色体のどこに起きた5メガベース(500万塩基)を超える大きな欠失・重複でも、全領域から探しに行くスキャンです。これらは多くが発達遅滞や先天奇形をともなう臨床的に重い異常です。双子マックスではこのスキャンが含まれます。詳しくは5Mb全染色体スキャンの解説ページをご覧ください。
双子で一児だけの異常もわかりますか?
基本的には分かります。主要な染色体異常については、双子でも高い精度で検出できることが分かっています。たとえば21トリソミー(ダウン症)の検出率は、双胎を対象とした2021年のメタアナリシスで99.0%(95%信頼区間92.0〜99.9%)と報告され、単胎(約99.7%)とほぼ同等です。複数の大規模研究でも、双胎の21トリソミー検出感度は100%・特異度99.9%と報告されています。ただし、二人の赤ちゃんのDNAが混ざって解析されるため、一児のみに異常がある場合や、微小欠失のような小さな異常については、単胎より検出感度がやや下がることがあります。この点は検査前のカウンセリングで丁寧にご説明します。
陽性だった場合はどうなりますか?
NIPTはスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。陽性の場合は確定検査(羊水検査・絨毛検査)が必要です。当院は2025年6月より産婦人科を併設し、陽性後の確定検査まで臨床遺伝専門医が一貫して伴走します。
何週から受けられますか?
スタンダードは妊娠9週0日から、双子マックスは妊娠10週0日を目安にお受けいただけます。妊娠週数やご状況により最適な時期が異なる場合があるため、ご予約時にご相談ください。

各プランの詳細はスタンダードNIPTのページ、双子マックスプランのページをご覧ください。陽性の場合の確定検査(羊水検査・絨毛検査)や結果の受け止め方については、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングで丁寧にご説明します。ご夫婦の保因状態まで調べるファミリーセーフティ プラスの併用もご検討いただけます。

参考文献

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。