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NIPT陽性で羊水検査なしの中絶は可能?確定診断しないリスクと偽陽性の真実|ミネルバクリニック

NIPT陽性で羊水検査なしの中絶は可能?確定診断しないリスクと偽陽性の真実|ミネルバクリニック

NIPT陽性で羊水検査なしの中絶は可能?確定診断しないリスクと偽陽性の真実

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
📊 約9,500文字
臨床遺伝専門医監修


  • 羊水検査なしで中絶できる? → 法律上は可能ですが、医学的には「偽陽性(赤ちゃんは正常)」のリスクがあるため強く推奨されません。

  • 確定診断しないリスク → 年齢別の陽性的中率データを公開。「NIPT陽性=確定」という誤解が招く悲しい現実について。

  • ミネルバのトリプルリスクヘッジ①費用全額補助(互助会)、②院内での迅速検査(2025年6月~)、③専門医の精神的サポートで、確定検査のハードルを下げています。

  • 微細欠失と父方リスク → 従来の70%台から>99.9%へ精度が向上したCOATE法(ダイヤモンドプラン)による、症候性自閉症の検出について。

  • 新しい安心保証 → 結果が出ず再検査が必要になったが、流産により再検査ができなくなった場合の全額返金制度について。

NIPT(新型出生前診断)の結果が「陽性(Positive)」だった時。頭が真っ白になり、言葉を失うのは当然のことです。「まさか自分が」「どうして」という混乱の中で、インターネットを検索し、「羊水検査(確定検査)を受けずに、このまま中絶手術を受けられないか」と考える方が少なからずいらっしゃいます。

「お腹に針を刺すのが怖い」「結果が出るまでの数週間が地獄のように長い」「もし中絶するなら、1日でも早く、身体への負担が軽い時期に終わらせたい」……そのお気持ちは、痛いほど理解できます。

しかし、NIPTの結果だけで重大な決断を下すことは、医学的におすすめできません。なぜなら、NIPTはあくまで「スクリーニング検査」であり、確定診断ではないからです。

わかりやすく言えば、「がん検診(健康診断)」と同じです。
検診のレントゲンで「影がある(要精密検査)」と言われても、いきなり手術をする人はいませんよね?まずは精密検査をして、本当に病気なのか、それとも良性のものなのかを確かめるはずです。
NIPTも同様に、「陽性」が出ても、それが本当に赤ちゃんに影響があるのかどうかは、確定検査(羊水検査)をしてみなければわからないのです。

1. NIPT陽性で羊水検査なしの中絶は「可能」か?

まず、法的な結論から申し上げます。

結論:法律上は「可能」です。

母体保護法には「どのような検査に基づいて中絶を行うか」という規定はありません。したがって、NIPTの結果のみをもって中絶手術を行う医療機関が存在すれば、手術自体は成立します。

しかし、医学的・倫理的には「絶対に推奨されない行為」であり、まともな医療機関であれば、確定診断なしの中絶手術は引き受けないのが通常です。

なぜなら、NIPTはあくまで「スクリーニング検査(可能性を振るい分ける検査)」であり、「診断(病気を確定させる検査)」ではないからです。ここには偽陽性(ぎようせい)という、決して無視できないリスクが存在します。

💡 用語解説 偽陽性(False Positive)

NIPT検査で「陽性(異常あり)」と判定されたにもかかわらず、実際のお腹の赤ちゃんは「正常(染色体異常なし)」であること。NIPTは胎盤由来のDNAを調べているため、胎児と胎盤のDNAが異なる場合(胎盤性モザイク)などに発生します。

2. 数字で見る「確定診断なし」の危険性

「NIPTの精度は99.9%」という宣伝文句をよく見かけますが、これは「陰性だった場合に本当に陰性である確率(陰性的中率)」の話です。「陽性だった場合に本当に陽性である確率(陽性的中率)」は、妊婦さんの年齢によって大きく異なります。

以下は、年齢別の21トリソミー(ダウン症候群)における陽性的中率の目安です。

📊 年齢別・NIPT陽性的中率(21トリソミー)

年齢 陽性的中率 偽陽性の確率
30歳 約 61.4% 約 38.6%
35歳 約 79.9% 約 20.1%
40歳 約 93.4% 約 6.6%

※確率は一般的な目安であり、検査機関や個人の条件により異なります。

30歳の方の場合、NIPTで陽性と出ても、約4割は「実は赤ちゃんは健康」なのです。もし、羊水検査(確定診断)をせずに中絶してしまったら、40%の確率で、お腹の赤ちゃんは染色体異常を持っていなかった(偽陽性だった)ということになります。

この事実はあまりにも重いものです。だからこそ、私たち専門医は、皆様に「正しい知識」を持っていただきたいと強く願っています。
最終的な決断を下すのは、もちろんご本人です。しかし、その決断が「知らなかった」ことによる後悔に繋がらないよう、まずは確定診断で「真実」を確認してから、納得のいく答えを出していただきたいのです。

3. 実際の体験談・事例

実際に当院へ相談に来られた方の中にも、「どうしても待てない」「針が怖い」と苦悩された方がいらっしゃいます。それぞれの決断と経過を、プライバシーに配慮した形でご紹介します。

4. ミネルバクリニックの「トリプルリスクヘッジ」

「羊水検査を受けたくない」と思う理由の多くは、「費用が高い」「結果が出るまで時間がかかる」「怖い」という3点に集約されます。
ミネルバクリニックでは、これらの不安を徹底的に解消し、安心して確定検査に進んでいただけるよう、独自の「トリプルリスクヘッジ」体制を構築しました。

① 金銭的リスクヘッジ(互助会)

検査時に「羊水検査互助会」(会費8,000円・非課税)にご加入いただくことで、万が一陽性の場合の羊水検査費用を、上限15万円(税込16万5千円)まで当院が全額負担します。今は上限額撤廃により、実質的にほぼ全てのケースで自己負担ゼロで確定検査を受けられます。

② 時間的リスクヘッジ(院内完結)

ミネルバクリニックは非認証施設で唯一、2025年6月より産婦人科を併設し、確定検査(羊水・絨毛検査)を自院で行えるようになりました。「他院を紹介されて予約を取り直す」というタイムロスがありません。さらに、迅速な検査体制により、最短3日で結果をお届けします(マイクロアレイを除く)。

③ 心理的リスクヘッジ(専門医)

転院先で「また一から説明する」苦痛はありません。臨床遺伝専門医である院長が、検査前から検査後、そして羊水検査に至るまで、一貫してあなたをサポートします。事務的な対応ではなく、一人の人間として、あなたの心に寄り添い続けます。

5. 微細欠失と父方リスク(COATE法の優位性)

ダウン症だけでなく、「微細欠失症候群」や「重篤な症候性自閉症」のリスクも懸念される場合、検査の精度はさらに重要になります。ミネルバクリニックの「ダイヤモンドプラン」は、従来の常識を覆す精度を実現しています。

💎 ミネルバ独自「COATE法」の実力

  • 微細欠失の的中率 >99.9%
    従来のターゲット法では70%台だった微細欠失症候群の陽性的中率が、COATE法により劇的に向上。偽陽性への不安を極限まで減らしました。
  • 父方由来の「新生突然変異」もカバー
    精子の老化(細胞分裂のコピーミス)に起因する56遺伝子の変異をスクリーニング。これには重い身体症状を伴う「症候性自閉症」の原因遺伝子も多数含まれます。
父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ

(図:父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)

6. 院長からのメッセージ:最後に

陽性という結果を受け取ったとき、人は誰でもパニックになります。
「早く楽になりたい」「この不安から逃げ出したい」と思うのは、あなたが弱いからではありません。

しかし、羊水検査の結果が出るまでの数週間、苦しみながらお腹を撫で続けた時間は、決して無駄にはなりません。
もし結果が偽陽性(シロ)だったら、その子はあなたの手で守られた命になります。
もし結果が真の陽性(クロ)だったとしても、「きちんと調べて、赤ちゃんと向き合った」という事実は、その後の人生を生きていく上で、あなたの心を支える大きな柱になります。

ミネルバクリニックは、その苦しい時間に、決してあなたを一人にはしません。
どんな結果であれ、私たちが全力で支えます。

よくある質問(FAQ)

Q1. NIPT陽性ですぐに中絶できますか?

法律上は禁止されていませんが、多くの医療機関は倫理的観点から確定診断なしの中絶手術を行いません。偽陽性(赤ちゃんが正常である可能性)を否定できないためです。

Q2. 羊水検査は痛いですか?流産リスクは?

痛みは採血と同じくらいと言われます。流産リスクは約1/300(0.3%)とされますが、熟練した医師が行えばリスクはさらに低くなります。当院では安全を最優先に実施します。

Q3. 再検査結果が出る前に流産したら費用はどうなりますか?

胎児分画不足などで「再検査(再採血)」が必要となったものの、その再検査を行う前に残念ながら流産されてしまい、検体を提出できなくなった場合に全額返金いたします。(再検査を行い、結果が出た場合は対象外です)

Q4. 互助会の上限金額はいくらですか?

かつては上限がありましたが、現在は上限はありません。当院で羊水検査を行う場合、費用は全額互助会費からカバーされます(税込16万5千円まで)。

Q5. ミネルバクリニックの羊水検査はいつから受けられますか?

2025年6月より、院内での羊水検査・絨毛検査が可能になりました。陽性判定後、スムーズに予約をお取りいただけます。

Q6. NIPTはいつから受けられますか?

当院では臨床研究として妊娠6週からの早期NIPTも実施しています。少しでも早く安心したい、あるいは結果を知って考えたいというニーズにお応えしています。

🏥 臨床遺伝専門医へのご相談

NIPT陽性、羊水検査への不安、中絶の悩み。
一人で抱え込まず、専門医が常駐するミネルバクリニックへご相談ください。

参考文献

  • [1] Snijders RJ, et al. Maternal age- and gestation-specific risk for trisomy 21. Ultrasound Obstet Gynecol. 1999. [PubMed]
  • [2] American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Practice Bulletin No. 226: Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. 2020. [PubMed]
  • [3] Kong A, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012. [PubMed]
  • [4] ミネルバクリニック NIPTトップページ minerva-clinic.or.jp/nipt/


プロフィール
仲田洋美医師

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。特に遺伝カウンセリング分野では15年以上の経験を持ち、全国初のオンライン遺伝カウンセリングを確立して、地方在住の方々にも質の高い遺伝医療を提供しています。


仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

   

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