InstagramInstagram

18トリソミーとは?(エドワーズ症候群)原因・症状・寿命・予後とNIPT検査を専門医が解説|東京・ミネルバクリニック

18トリソミー(エドワーズ症候群)とは?原因・症状・予後・寿命と検査を専門医が解説|東京・ミネルバクリニック

18トリソミー(エドワーズ症候群)とは?
原因・症状・予後・寿命と検査を専門医が解説

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🩺 染色体異常・出生前診断
臨床遺伝専門医監修

Q. 18トリソミー(エドワーズ症候群)とはどんな状態ですか?

A. 18番染色体が通常2本のところ3本ある染色体異常です。
「突然この言葉を聞いて頭が真っ白になった」「寿命や将来が心配」そんなお気持ちの方も多いでしょう。専門医の視点でお伝えすると、18トリソミーは重い合併症を伴うことが多い一方で、症状の幅が広く、出生前に予後を確定することはできません。だからこそ、情報の整理と、結果を受け止めるための支援が大切なのです。

  • 原因 → 多くは偶発的な染色体不分離で起こり、ご両親の行動が原因ではありません
  • 症状 → 心疾患・成長障害・呼吸や栄養の課題など、多臓器に影響することがあります
  • 寿命・予後 → 統計は参考になりますが、個人差が大きく「数字だけ」で決めつけない視点が必要です
  • 診断 → 出生後は採血でのCMA(染色体マイクロアレイ)が中心、出生前はNIPTと羊水・絨毛検査+CMAで確定診断します
  • ミネルバの姿勢 → 速さよりも正確性を重視し、陽性後のトラウマを防ぐための心理的・医学的ケアを大切にしています

\ 臨床遺伝専門医が直接担当します /

📅 臨床遺伝専門医の診療を予約する

※オンライン診療も対応可能です

1. 18トリソミー(エドワーズ症候群)とは

【結論】18トリソミーは、18番染色体が3本になることで起こる染色体異常です。医学的には「エドワーズ症候群」と呼ばれます。

「この病名を聞いた瞬間から、時間が止まったように感じた」そうお話しされる方は少なくありません。妊娠中はホルモンバランスの影響もあり、不安が強くなりやすい時期です。まずお伝えしたいのは、不安になるのは当然で、あなたが弱いわけではないということです。

💡 用語解説:トリソミーとは、「ある染色体が2本ではなく3本になる」状態のことです。代表的なものに21トリソミー(ダウン症候群)13トリソミー、そして18トリソミーがあります。

18トリソミーは、妊娠経過の中で超音波所見が見つかったり、出生前検査で疑われたりして知ることがあります。ただし、ここで大切なのは出生前に「将来の自立」や「どこまで成長するか」を断定できる検査は存在しないという事実です。検査は「可能性」や「確定診断」に役立つ一方で、不確実性も残ります。ミネルバクリニックでは、その不確実性を隠さず、意思決定を支えることを重視しています。

18トリソミーのタイプ(完全型・モザイク型・転座型)

18トリソミーには、染色体の状態により複数のタイプがあります。タイプにより症状の幅が異なることがあり、説明の前提が変わるため、遺伝カウンセリングではここを丁寧に確認します。

タイプ 概要 特徴
完全型(標準型) 多くの細胞で18番染色体が3本 重い合併症を伴うことが多い
モザイク型 正常細胞と18トリソミー細胞が混在 症状が比較的軽いことがある(個人差が大きい)
転座型 18番染色体の一部が他の染色体に付着 ご両親の染色体検査が必要になることがある

2. 18トリソミーの原因

【結論】18トリソミーの多くは、卵子や精子が作られる過程で起こる染色体不分離による偶発的な変化です。

「私のせいでしょうか」「何かしてしまったのでは」そう自分を責めてしまう方もいらっしゃいますが、ご両親の行動が原因で起こるものではありません。母体年齢が上がると発生リスクが上がることは知られていますが、これは“年齢のせい”という責める話ではなく、細胞分裂のエラーが起こりやすくなるという生物学的な背景の話です。

🧬 染色体不分離とは

卵子や精子が作られるとき、染色体は半分に分かれて23本になります。この分かれる過程で、18番染色体がうまく分かれず2本が同じ細胞に入ってしまうことがあります。これが「染色体不分離」です。その卵子(または精子)が受精すると、受精卵の18番染色体が3本になり、18トリソミーが起こります。

3. 18トリソミーの症状・特徴

【結論】18トリソミーでは、先天性心疾患をはじめとする多臓器の合併症や成長障害が見られることが多い一方、症状の組み合わせや重さには大きな個人差があります。

「赤ちゃんはどんな状態になるの?」「何が起こるの?」と、先の見えない不安を抱えやすいテーマです。ただ、ここで一つ大切なことをお伝えします。症状は“すべて揃う”わけではなく、予後も一律ではありません。だからこそ、情報は“リスト”として整理しつつ、個別性を尊重して考える必要があります。

出生前に見られることがある所見

  • 胎児発育不全(IUGR)
  • 心臓の構造異常(例:心室中隔欠損など)
  • 指の重なり、手の形の特徴
  • 羊水量の異常、臍帯ヘルニアなど

⚠️ 大切なポイント:これらの所見は18トリソミーに限らず、他の原因でも起こり得る非特異的な所見です。所見がある=必ず18トリソミー、とは限りません。

出生後に見られることがある特徴

全身・成長

  • 成長障害、体重増加の課題
  • 筋緊張低下、呼吸の不安定さ
  • 感染への注意が必要になること

心臓・呼吸

  • 先天性心疾患
  • 肺高血圧、呼吸補助が必要になること
  • 哺乳で疲れやすいこと

消化器・その他

  • 胃食道逆流、栄養管理の工夫
  • 腎・泌尿器の形態異常が見つかること
  • 医療的ケアが長期化すること

4. 18トリソミーの寿命・予後

【結論】統計としては、生後1年の生存率が10〜30%程度と報告されています。一方で、医療の進歩により長期生存例も報告されています。

数字を見ると胸が締め付けられると思います。ここでお伝えしたいのは、統計は「全体の傾向」を示すもので、目の前の赤ちゃんの未来をそのまま決めるものではない、ということです。合併症の種類や重症度、医療介入の内容、モザイク型かどうかなど、多くの要素が関わります。

📌 予後を左右しやすい要素
  • 心疾患や呼吸障害の重症度
  • 栄養の確保(哺乳・経管栄養など)
  • 医療的ケアや手術の適応とタイミング
  • モザイク型である可能性
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【“数字”の前に、心を守る説明が必要です】

18トリソミーの予後を調べると、厳しい数字が目に入りやすく、心が追い詰められてしまう方がいます。私は臨床遺伝専門医として、正確な情報を隠さず伝えることと同時に、その情報がトラウマにならないよう、受け止め方を一緒に整えることが医療だと考えています。

「短期間で結果を出すこと」よりも「正確性」が重要ですし、結果が出たあとに支えがない状態が一番つらいのです。だからこそ、検査前の段階から、結果の意味やその後の選択肢を丁寧に整理しておくことを大切にしています。

5. 18トリソミーの治療・ケア

【結論】18トリソミーそのものを「治す」治療はありませんが、合併症への治療やケアは可能で、ご家族の意思を尊重しながら方針を組み立てます

治療方針は、「積極的治療」か「緩和ケア中心」か、二択で単純に割り切れるものではありません。お子さんの状態、合併症の内容、そしてご家族が大切にしたい価値観によって、選択肢は変わります。私たちの役割は、どの選択をしても医療として支えることです。

合併症への治療

  • 心疾患の評価と治療(手術の検討を含む)
  • 呼吸管理(必要に応じた補助)
  • 栄養管理(哺乳支援・経管栄養など)

緩和ケア・支持療法

  • 痛みや呼吸苦の緩和
  • ご家族の心理的支援
  • 在宅ケアの調整(可能な場合)

6. 診断方法(出生後診断/出生前診断)

「診断=出生前」と思われがちですが、診断には出生後診断出生前診断があります。混同しないことが大切です。

出生後診断(確定診断の中心は採血CMA)

【結論】出生後は、採血によるCMA(染色体マイクロアレイ)が確定診断の中心になります。Gバンド法では微小な欠失は検出が難しいため、CMAが重要です。

💡 用語解説:CMA(染色体マイクロアレイ)は、染色体の「本数」だけでなく、Gバンド法では見えない小さな欠失・重複(コピー数変化)を検出する検査です。

出生前診断(スクリーニングと確定診断の区別)

【結論】出生前のNIPTはスクリーニング検査で、確定診断ではありません。確定診断は羊水検査・絨毛検査で行います。

出生前診断の選択には、国際的にも継続した議論があります。特に、生命予後に直ちに重大な影響を与えない可能性がある所見や、表現型の幅が広い所見では、VUS(意義不明)や偶発所見による心理的負担も問題になります。ミネルバクリニックでは、知る権利/知らないでいる権利を尊重し、非指示的(中立)な支援を徹底します。

検査 位置づけ 特徴 注意点
NIPT スクリーニング 採血で調べる。結果は「可能性」 確定診断ではない
羊水検査 出生前の確定診断 胎児細胞で染色体を直接評価 侵襲があるため適応と説明が重要
羊水検査+CMA 確定診断 Gバンド法では検出できない微小欠失を確定診断可能 ※学会指針では、原則として超音波での構造異常がある場合などが対象とされています
絨毛検査 出生前の確定診断 妊娠早期に確定診断が可能 侵襲があるため適応と説明が重要

⚠️ 重要:出生前診断は「どの検査を選ぶべきか」を医師が誘導するものではありません。どこまで調べ、どこまで知りたいかは、ご家族の価値観によって変わります。遺伝カウンセリングで、検査の意味と限界を理解した上でお決めください。

(父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【検査は“結果”より、その後の支えが重要です】

出生前検査は、結果が出た瞬間から、ご家族の時間の流れが変わります。だから私は、「早く結果が出ること」より「正確であること」、そして陽性後の心理的ケアが途切れないことを最優先に考えています。

ミネルバクリニックでは、検査前に十分な遺伝カウンセリングを行い、結果の意味、陽性だった場合の確定検査、そしてその後の選択肢まで整理してから検査に進みます。迷いながらでも受ける、という形ではなく、理解して納得して受けることが大切なのです。

7. ミネルバクリニックのサポート体制(検査前から結果後まで)

ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が遺伝子検査を行うために開業したクリニックとして、専門性を活かした診療体制を整えています。認証/非認証という枠組みだけで質が決まるわけではありません。大切なのは、検査前の説明、結果の解釈、陽性後の対応が一貫していることです。

🔬 技術と正確性を重視

当院では、検査会社や技術差が精度に影響することを前提に、正確性を重視した検査を採用しています。スーパーNIPTのエビデンスはこちら、COATE法のエビデンスはこちらです。

🏥 院内で確定検査まで対応

2025年6月より、羊水検査・絨毛検査も院内で実施できる体制を整えています。転院が不要なことは、医学面だけでなく心理面でも大きな意味があります。

👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が一貫担当

検査前の遺伝カウンセリング、結果説明、陽性時の次の検査や選択肢の整理まで、一貫して支援します。遺伝カウンセリング料33,000円は「当日の説明」だけでなく、妊娠経過中の不安に対する相談も含め、相談の心理的ハードルを下げるための設計です。

💰 互助会制度で費用面も支える

互助会制度(8,000円)により、陽性時の羊水検査費用が全額補助されます(上限なし)。詳細は公式ページをご確認ください。

一人で抱え込まないでください

ネットの情報に疲れたら、
医学的根拠に基づいた「わかること/わからないこと」を一緒に整理しましょう。

📅 臨床遺伝専門医の診療を予約する

※オンライン診療も対応可能です

よくある質問(FAQ)

Q1. 18トリソミーは遺伝しますか?

多くは偶発的な染色体不分離で起こるため、基本的に「遺伝する」という形ではありません。ただし転座型の場合、ご両親の染色体に均衡型転座がある可能性があり、必要に応じて染色体検査を検討します。

Q2. NIPTで18トリソミー陽性=必ず18トリソミーですか?

NIPTはスクリーニング検査で、確定診断ではありません。陽性の場合は、羊水検査または絨毛検査による出生前の確定診断が必要です。

Q3. 羊水検査でCMA(染色体マイクロアレイ)を行う意味は?

羊水検査+CMAは確定診断として、Gバンド法では検出できない微小欠失を確定診断可能です。※学会指針では、原則として超音波での構造異常がある場合などが対象とされています。

Q4. 18トリソミーの寿命はどのくらいですか?

統計としては生後1年の生存率が10〜30%程度と報告されていますが、個人差が大きく、合併症や医療介入の内容で大きく変わります。数字だけで未来を決めつけないことが大切です。

Q5. ミネルバクリニックの互助会制度とは何ですか?

互助会制度(8,000円)はNIPT受検者全員に適用され、陽性時の羊水検査費用が全額補助されます(上限なし)。詳細は公式ページをご確認ください。

Q6. 遠方ですが相談や検査は可能ですか?

オンラインNIPTにより全国どこからでも対応可能です。詳しくはオンラインNIPTをご確認ください。

関連記事

参考文献

  • [1] Cereda A, Carey JC. The trisomy 18 syndrome. Orphanet J Rare Dis. 2012;7:81. [PubMed]
  • [2] Meyer RE, et al. Survival of children with trisomy 13 and trisomy 18: A multi-state population-based study. Am J Med Genet A. 2016;170A(4):825-837. [PubMed]
  • [3] Bruns DA. Neonatal experiences of newborns with full trisomy 18. Adv Neonatal Care. 2015;15(5):E3-E14. [PubMed]
  • [4] Gil MM, et al. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for fetal aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. [PubMed]
  • [5] ACOG. Cell-free DNA screening for fetal aneuploidy. [ACOG]
  • [6] ISPD. Position statements on prenatal screening and diagnosis. [ISPD]
  • [7] ACMG. Clinical practice resources and policy statements. [ACMG]
  • [8] 厚生労働省. 出生前検査に関する情報. [厚生労働省]


プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科・腫瘍学を軸に、
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。
出生前診断・遺伝学的検査においては、検査結果そのものだけでなく
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。

2025年、国際誌『Global Woman Leader』および『Medical Care Review APAC』の2誌で立て続けに表紙(Cover Story)に抜擢。
「日本のヘルスケア女性リーダー10名」や「アジア太平洋地域のトップ出生前検査サービス」として、世界的な評価を確立しています。


▶ 仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

関連記事