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NIPTとは?出生前診断の新たな選択肢とそのメリット・デメリット

NIPTとは?出生前診断の新たな選択肢とそのメリット・デメリット

この記事の要点
  • NIPTは妊婦の血液検査のみで実施できる非侵襲的な出生前診断です
  • 染色体異常を高精度で検出でき、妊娠10週から検査可能です
  • 検査結果により早期の医療準備と心理的準備が可能になります
  • 費用負担や心理的影響などのデメリットも十分に理解することが重要です
ミネルバクリニックのNIPT検査

臨床遺伝専門医による最新COATE法NIPT・オンライン対応・24時間サポート

出生前診断とは何か

出生前診断の目的と重要性

出生前診断は、お腹の赤ちゃんの健康状態や発育状況を妊娠中に調べる検査です。2025年現在、厚生労働省の指針のもと、産科医療において重要な選択肢として位置づけられています。

この診断の主な目的は、胎児の染色体異常や先天性疾患を早期に発見することです。お母さんは妊婦健診の一環として、生まれてくる赤ちゃんについて事前に知ることができます。特に35歳以上の高齢出産では、染色体異常のリスクが高まるため、産婦人科では積極的な検査の提案が行われることがあります。

診断結果は、親が胎児の健康に関する重要な決定を下すために必要な情報を提供します。しかし、この情報は時として中絶という選択肢も含むため、心理的な影響を与えることがあります。そのため、検査を受ける前に十分な理解とカウンセリングが重要とされています。

早期に医療的選択肢を考慮することで、適切な治療計画の立案や、出産後に育てるための環境整備、専門的なサポート体制の構築が可能になります。これらの準備により、生まれる赤ちゃんとお母さんの両方にとって最適な医療環境を整えることができるのです。

ミネルバクリニックの特徴
  • COATE法:最新の次世代NIPT技術により自院採用検査のなかで最高精度を実現
  • 臨床遺伝専門医常駐:専門医による遺伝カウンセリング
  • オンライン対応:全国どこからでも受検可能
  • 24時間サポート:陽性時の手厚いフォロー体制
  • 確定検査対応:2025年6月より産婦人科併設で羊水・絨毛検査も自院で実施可能

出生前診断と出生前検査の違い

出生前診断と出生前検査は、産婦人科医療において異なる概念として監修されています。この違いを理解することは、妊娠中の適切な医療選択において重要です。

出生前診断は、18トリソミーやダウン症候群などの特定の疾患や異常を確定的に診断することを目的としています。羊水検査や絨毛検査などの侵襲的な方法により、診断的確度の高い結果を得ることができます。

一方、出生前検査は、より広範な健康状態を評価するためのスクリーニング手法です。超音波検査や血液検査など、妊婦への負担が少ない方法で行われ、異常の可能性を示唆する結果を提供します。

検査を受ける時期についても違いがあります。多くの出生前検査は妊娠初期から実施可能ですが、確定診断である出生前診断は特定の週数以降に実施されます。不妊治療を経て妊娠した子どもや、35歳以上での妊娠では、産婦人科医師との十分な相談のうえで、どちらの検査を選択するかを決定することが推奨されています。

電話での事前相談も多くの医療機関で実施されており、分娩予定日や妊娠週数に応じた最適な検査タイミングについてアドバイスを受けることができます。

出生前診断でわかる先天異常の具体例

代表的な先天異常の種類

出生前診断では、赤ちゃんに生じる可能性のある様々な疾患を調べることができます。特に多いのは染色体異常で、これらは遺伝子の変化により引き起こされます。

  • 1 ダウン症候群(21トリソミー):最も頻度の高い染色体異常の一つです。21番染色体が通常の2本ではなく3本存在する状態で、知的障害や特徴的な顔貌を伴います。
  • 2 18トリソミー(エドワーズ症候群):18番染色体の異常により生じる症候群です。重篤な心疾患や発育障害を伴い、生存期間が限られることが多い疾患です。
  • 3 13トリソミー(パトウ症候群):13番染色体の異常によるもので、口唇口蓋裂や重度の知的障害を引き起こします。

性染色体異常では、ターナー症候群(X染色体の欠失)やクラインフェルター症候群(XXY)なども診断可能です。これらの疾患は比較的症状が軽く、適切な治療により通常の生活を送ることができる場合が多くあります。

遺伝子レベルでの異常についても、技術の進歩により詳細な分類と診断が可能になっています。たくさんの細胞を詳しく調べることで、症候群の種類を特定し、適切な医療対応を準備することができます。

最新技術情報

ミネルバクリニックでは、国内最大12か所13疾患の微小欠失症候群を検査可能(2025年8月2日ミネルバクリニック調べ)。また、国内唯一父親の高齢化により精子に生じる突然変異による疾患を56遺伝子検査可能(2025年8月2日ミネルバクリニック調べ)です。
→ NIPTで検査できる12種類の症候群について詳しく見る

先天異常の発見がもたらす影響

先天異常の発見は、家族にとって大きな影響をもたらします。検査により何らかの異常が判明した場合、その後の妊娠継続について重要な決断を迫られることになります。

日本では、妊娠初期から後期にかけて段階的な検査が行われます。侵襲的な検査では流産のリスクも伴うため、十分な説明と同意のもとで実施されます。異常が見つかった場合、専門医による詳細な診断と説明が行われ、治療可能な疾患については適切な医療計画が立案されます。

心理的な影響も重要な要素です。診断結果を知ることで、家族は様々な感情を経験します。不安や困惑、時には安堵感など、複雑な気持ちを抱くことが一般的です。このような状況では、遺伝カウンセリングや心理的サポートが不可欠となります。

年齢による発症リスクの変化についても理解が必要です。特に高齢出産では染色体異常の頻度が上昇するため、事前の情報収集と準備が重要になります。しかし、若い年齢でも先天性疾患は発生する可能性があり、全ての妊婦が検査の対象となり得ます。

検査開始の時期や方法についても、個々の状況に応じた適切な選択が求められます。発見された異常の種類により、その後の対応や支援体制も大きく変化するため、専門的な医療チームでのサポートが重要となります。

オンラインNIPT対応

全国どこからでもオンライン診療でNIPT検査が可能です

オンラインNIPT詳細

出生前診断の検査方法

新型出生前診断(NIPT)の概要

新型出生前診断(NIPT)は、お腹の赤ちゃんの染色体異常を調べる革新的な検査方法です。妊婦の採血のみで実施でき、胎児への直接的なリスクがない非侵襲的検査として注目されています。

NIPTの基本的な仕組みは、母体の血液中に含まれる胎児由来のDNA断片を分析することです。妊娠10週頃から検査が可能で、一般的には妊婦健診の一環として説明されます。採血により得られた血液サンプルから、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーの3つの主要な染色体異常を検出できます。

検査の精度は非常に高く、感度(病気がある場合に正しく検出する確率)は99%以上とされています。しかし、あくまでスクリーニング検査であるため、陽性結果が出た場合は羊水検査などの確定診断が必要になります。

この検査は、特に35歳以上の妊婦や、過去に染色体異常の妊娠歴がある場合に推奨されることが多いです。しかし、年齢に関係なく希望する妊婦も検査を受けることができます。検査結果は通常1-2週間で判明し、その頻度と精度から多くの医療機関で管理体制が整備されています。

目次に含まれる説明事項として、NIPTは新生児スクリーニングとは異なる検査であることも重要な点です。妊娠中に行う出生前診断として、適切な時期での実施が推奨されています。

重要:認証制度について

日本医学会の出生前検査認証制度が2022年より運用されています。ミネルバクリニックは非認証施設ですが、非認証で唯一、臨床遺伝専門医がNIPTを行っているクリニックとして、高品質な検査とカウンセリングを提供しています。

羊水検査とその詳細

羊水検査は、胎児の染色体や遺伝子異常を確定診断するための侵襲的検査です。超音波検査で胎児の位置を確認しながら、お腹の赤ちゃんを包む羊水を採取し、その中に含まれる胎児の細胞を詳細に分析します。

検査の流れとしては、まず超音波で胎児と胎盤の位置を確認します。その後、局所麻酔を行い、細い針を腹部から子宮内に挿入して羊水を採取します。採取量は通常20ml程度で、この中に含まれる胎児の細胞を培養して染色体分析を行います。

羊水検査により分かることは多岐にわたります。染色体数の異常(ダウン症候群、18トリソミー、13トリソミーなど)や染色体構造異常、さらには特定の遺伝子疾患の診断も可能です。検査結果の精度は100%に近く、確定診断として位置づけられています。

しかし、この検査にはリスクも伴います。最も重要なリスクは流産で、検査後の流産率は約0.1-0.3%とされています。また、感染や出血などの合併症も稀に報告されています。

検査を受ける期間は通常妊娠15-18週頃が適切とされ、この時期であれば十分な羊水量が確保でき、胎児への影響も最小限に抑えられます。検査結果の報告までは約2週間程度を要し、この間の心理的負担も考慮する必要があります。

検査に関する疑問やわからない点については、事前に十分な説明を受け、検査体制の整った医療機関での実施が推奨されます。

ミネルバクリニックの安心サポート

陽性時の確定検査を自院で可能:NIPT検査から陽性時の確定検査(羊水検査・絨毛検査)までワンストップで対応いたします。2025年6月より産婦人科併設により、より安心してNIPTを受けていただけるようになりました。

その他の検査方法と特徴

出生前診断には、NIPTや羊水検査以外にも様々な検査方法があります。それぞれに特徴があり、妊娠時期や目的に応じて選択されます。

1

絨毛検査:胎盤の一部である絨毛を採取して行う検査で、妊娠10-13週の早期に実施可能です。

2

母体血清マーカー検査:母体の血液中のタンパク質や酵素の濃度を測定する検査です。

3

胎児超音波検査:妊娠中期に実施される詳細な画像診断です。

これらの検査は、単独で実施されることもあれば、組み合わせて実施されることもあります。各検査の精度、リスク、実施時期を総合的に考慮し、個々の妊婦の状況に最も適した検査計画を立案することが重要です。

検査方法 実施時期 精度 リスク 費用目安
NIPT(COATE法) 妊娠10週〜(臨床研究として6週~) 99.9%以上 なし 15〜30万円
羊水検査 妊娠15〜18週 99.9%以上 流産リスク 0.1〜0.3% 10〜15万円
絨毛検査 妊娠10〜13週 99.9%以上 流産リスク 0.2〜0.5% 10〜15万円
母体血清マーカー 妊娠15〜20週 60〜80% なし 2〜3万円

出生前診断のメリット

早期発見による選択肢の拡大

出生前診断の実施により、胎児の健康状態を早期に把握することで、妊娠中および出産後の選択肢が大きく拡大します。この早期発見は、適切な医療計画の立案と準備を可能にする重要な要素です。

異常が発見された場合、専門的な治療を早期に開始できる可能性があります。心疾患などの一部の先天性疾患では、胎児期からの治療や出生直後の緊急手術の準備が可能となり、赤ちゃんの予後を大きく改善できます。また、出産方法についても、帝王切開が良いか自然分娩が可能かなど、最適な選択肢を検討する時間的余裕が生まれます。

医療体制の準備においても、早期発見は大きなメリットをもたらします。新生児集中治療室(NICU)のある施設での出産や、小児外科医との事前連携、さらには長期的な療育体制の構築など、包括的なサポート体制を整えることができます。

家族にとっては、心理的な準備期間を十分に確保できることも重要です。希望する場合には適切なカウンセリングを受け、家族全体で今後の方針を検討する時間を持つことができます。また、経済的な準備や生活環境の整備についても、早期から計画的に進めることが可能になります。

予約制での専門医への相談や、追加の詳細検査を活用することで、より精密な診断と治療計画の立案も可能です。この過程で得られる情報は、家族が納得できる選択をするための重要な基盤となり、早くから適切な準備を進めることで、大きく異なる結果をもたらすことができます。

心理的準備とサポートの重要性

出生前診断による早期の情報獲得は、妊婦や家族の心理的準備において極めて大切な役割を果たします。診断結果を事前に知ることで、不安を軽減し、しっかりとした心の準備を整えることができます。

適切な知識を得ることで、漠然とした不安から具体的な理解へと変化します。専門医からの詳しい説明により、疾患の特徴や治療可能性、長期的な見通しについて正確な情報を得られます。このような理解は、必要以上に心配することなく、現実的な対応策を検討する基盤となります。

サポート体制の充実も重要な要素です。遺伝カウンセリングセンターでの専門的なフォローアップや、同じ経験を持つ家族との交流、医療ソーシャルワーカーによる生活支援など、多角的なサポートを受けることができます。これらの支援により、孤立感を避け、安心して妊娠期間を過ごすことが可能になります。

家族間のコミュニケーションも、診断結果を共有することで円滑になります。事前に情報を共有することで、パートナーや両親、きょうだいとの間で今後の方針について建設的な話し合いを行うことができます。このプロセスは、家族の絆を深め、共通の目標に向かって協力する基盤を作ります。

心理的準備には時間が必要です。診断結果を受け入れ、今後の生活について具体的なイメージを持つまでには、十分な期間と適切なサポートが不可欠です。専門的なフォローアップを受けながら、気持ちの変化に伴う様々な感情を受け入れ、最終的に家族にとって最適な選択ができる環境を整えることが重要です。

最新技術COATE法について

従来検査の陽性的中率70%台から99.9%へ大幅向上

COATE法の詳細
技術進歩の歴史

出生前診断のデメリット

検査結果による心理的影響

出生前診断の結果は、予想以上の心理的影響を妊婦や家族に与えることがあります。検査結果に対する不安感や心理的負担は、診断を受ける際に十分に検討すべき重要な要素です。

診断結果が陽性だった場合、自分自身や胎児の健康状態について深刻な不安を抱くことになります。特に初めての妊娠や、これまで健康上の問題を経験したことがない場合、突然の診断結果は大きな衝撃となります。この不安感は、妊娠期間中の生活の質や精神的な安定に大きく影響を与える可能性があります。

選択のジレンマも重要な問題です。検査結果を受けて、妊娠を継続するか中絶するかという困難な選択を迫られることがあります。エドワーズ症候群やクラインフェルター症候群などの診断を受けた場合、それぞれの疾患の特徴や予後について十分に理解した上で決断する必要があります。このような選択は、個人の価値観や倫理観、家族の状況など多くの要因が複雑に絡み合い、正しい答えを見つけることが難しい状況を生み出します。

検査結果の解釈についても心理的負担を生じる場合があります。確率的な結果や、偽陽性・偽陰性の可能性について説明を受けても、実際にその結果を受け入れることは困難な場合があります。特に中期での診断では、胎動を感じ始めた時期での結果発表となるため、より一層の心理的負担を伴います。

環境的な影響も考慮する必要があります。家族や友人からの意見、社会的な偏見、経済的な状況など、様々な外的要因が心理状態に影響を与えます。安心して検査を受け、結果を受け入れるためには、十分な心理的サポートと認証された専門機関での適切なフォローアップが不可欠です。

経済的負担と費用について

出生前診断には相当の費用がかかり、この経済的負担は多くの家族にとって重要な検討事項となります。特に複数の検査を組み合わせる場合や、継続的な管理が必要な場合には、高い費用負担が生じることがあります。

具体的な検査費用は施設により異なりますが、NIPTは約10-20万円、羊水検査は約10-15万円程度が一般的です。これらの検査は基本的に保険適用外のため、全額自己負担となります。さらに、検査前後のカウンセリング費用や、異常が発見された場合の追加検査費用も考慮する必要があります。

家族の経済状況によっては、検査を受けたくても費用の問題で断念せざるを得ない場合があります。このような状況は、医療へのアクセスの平等性という観点から問題となることがあります。いずれの検査を選択するかについても、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

長期的な経済的影響についても考慮が必要です。診断結果によっては、出産後も継続的な医療費や療育費用が発生する可能性があります。特別な支援や教育が必要な場合には、これらの費用も含めた総合的な経済計画を立てる必要があります。

担当医師や医療機関との相談により、必要最小限の検査を効率的に実施することで費用を抑える方法もあります。また、一部の自治体では検査費用の助成制度を設けている場合もあり、事前に関連する支援制度について調べることが重要です。

パートナーとの十分な話し合いのもと、家族の経済状況を踏まえた現実的な検査計画を立案することが、継続的な医療サポートを受ける上で重要な課題となります。経済的な問題を抱えることなく適切な医療を受けられる体制の整備が、今後の課題として提供されるべき支援の一つと言えるでしょう。

出生前診断の種類とそれぞれのメリット・デメリット

各種検査の比較

出生前診断には複数の検査方法があり、それぞれに異なる特徴があります。適切な選択をするために、各検査の種類とその精度、メリット・デメリットを比較することが重要です。

1

非侵襲的検査(NIPT):母体への負担が少ない検査として多くの妊婦に選択されています。血液検査のみで実施でき、流産リスクがないことが大きなメリットです。

2

侵襲的検査:羊水検査や絨毛検査は、確定診断としての高い精度を持ちます。染色体異常の診断においては100%に近い正確性があります。

3

母体血清マーカー検査:費用が比較的安く、多くの医療機関で実施可能な検査です。しかし、精度はNIPTと比較すると低くなります。

4

超音波検査:形態異常の発見に優れており、心疾患や脳の異常など、染色体検査では発見できない疾患も調べることができます。

これらの検査は、単独で実施することもあれば、さまざまな組み合わせで実施することもあります。同じ疾患でも、複数の検査を組み合わせることで、より高い検出率を得ることができる場合があります。検査の割合や実施時期を適切に組み合わせることで、よい結果を得ることができるでしょう。

各検査の特徴を理解し、自分の状況に最も適した検査方法を選択することが、比較的良い結果を得るための重要なポイントです。コンテンツとして提供される情報を参考に、医師との十分な相談のもとで検査方法を決定することをお勧めします。

検査精度の比較

従来のNIPT:微細欠失症候群の陽性的中率 70%台
COATE法NIPT:微細欠失症候群の陽性的中率 >99.9%

ミネルバクリニックでは6年前にスーパーNIPTを採用しましたが、現在は最新のCOATE法による全く別次元のNIPTを提供しています。より高精度な検査で安心をお届けします。

選択肢の検討と意思決定

出生前診断の結果を受けて行う選択肢の検討は、妊婦と家族にとって人生における重要な意思決定の一つです。この過程では、様々な要素を総合的に考慮し、慎重に判断することが求められます。

検査結果に基づく選択肢を整理する際には、まず診断の確定度を確認することが重要です。スクリーニング検査の結果であれば、確定診断のための追加検査を検討する必要があります。確定診断の結果であれば、その疾患の具体的な特徴や治療可能性について詳しく調べることになります。

相談できる専門家との連携も選択において重要な要素です。産婦人科医、遺伝医学専門医、遺伝カウンセラー、小児科医など、多角的な視点から意見を聞くことができます。これらの専門家は、疾患の具体的な症状や治療選択肢、長期的な予後について正確な情報を提供してくれます。

家族内での検討も不可欠です。パートナーとの十分な話し合いはもちろん、場合によっては両親や他の家族メンバーとの相談も必要になるかもしれません。ただし、最終的な判断は妊婦本人とパートナーが行うものであり、他者からの意見は参考程度に留めることが大切です。

確率的な情報の解釈にも注意が必要です。検査結果が示すリスクの程度や、確定診断における確率をどのように判定するかは、個人の価値観によって異なります。同じ結果でも、それを受け入れる人もいれば、受け入れ難いと感じる人もいます。

意思決定のプロセスでは、時間をかけて慎重に検討することが重要です。急いで決断する必要はなく、十分に質問し、解説を受け、様々な選択肢について考える時間を確保することが大切です。場合によっては、セカンドオピニオンを求めることも有効な選択肢の一つです。

最終的な決断は、医学的な情報だけでなく、家族の価値観、経済状況、社会的サポートなど、様々な要因を組み合わせて行われます。どのような選択をするにしても、後悔のない決めをするための十分な検討期間と適切なサポートを利用することが重要です。

臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング

ミネルバクリニックでは遺伝カウンセラーではなく、臨床遺伝専門医が常駐してNIPT検査に対応いたします。医師による専門的なカウンセリングで、より深い理解とサポートを提供いたします。

出生前診断を受けるべきかの検討

受診の流れと準備

出生前診断を受ける際の受診の流れを理解し、適切な準備を行うことは、安心して検査を受けるために重要です。検査の方法や内容を事前に確認し、医師との十分な相談を通じて納得のいく検査計画を立てることが大切です。

まず、どのような検査を行うかを明確にする必要があります。妊娠週数や年齢、家族歴などの状況に応じて、最適な検査方法が異なります。かかりつけの産婦人科医と相談し、自分の状況に適した検査を選択することから始まります。通常、妊婦健診の一環として説明が行われ、希望に応じて詳しい情報提供がなされます。

受診前の準備として、検査に関する基本的な情報収集を行うことが推奨されます。インターネットや医療機関で提供される資料を参考に、検査の制度や内容について理解を深めておきましょう。また、検査にかかる費用や期間についても事前に確認しておくことが重要です。

医師との事前相談では、自分の不安や疑問をしっかりと伝えることが大切です。検査の必要性、リスク、結果の解釈方法など、気になる点について遠慮なく質問してください。この段階で十分な説明を受け、納得した上で検査を受けるかどうかを決定することが重要です。

検査当日の準備も必要です。採血による検査の場合は特別な準備は不要ですが、羊水検査などの侵襲的検査では、検査前の食事制限や休養の確保が必要な場合があります。また、検査後の安静期間についても事前に確認し、仕事や家庭の都合を調整しておくことが大切です。

検査を受ける施設選びも重要な準備の一つです。認定された遺伝医学の専門施設や、十分な経験を持つ医療機関を選択することで、より安心して検査を受けることができます。ドックのような総合的な検査体制が整った施設では、検査前後のフォローアップも充実していることが多く、継続的なケースサポートを受けることができます。

院長や担当医師との診療においては、検査結果に応じた今後の方針についても事前に話し合っておくことが重要です。様々な状況に合わせた対応策を準備しておくことで、結果が判明した際にスムーズな対応が可能になります。アクセスの良い医療機関を選び、継続的な通院が可能な環境を整えることも大切な準備の一つです。

医療機関の選び方と遺伝カウンセリング

適切な医療機関の選択と専門的な遺伝カウンセリングの受講は、出生前診断において極めて重要な要素です。染色体異常の診断や遺伝学的評価には高度な専門知識が必要であり、経験豊富な医療機関での受診が推奨されます。

医療機関選択の際には、まず遺伝医学の専門性を重視することが大切です。日本人類遺伝学会や日本産科婦人科学会などの専門学会から認定された施設や、遺伝カウンセリングの体制が整った病院・クリニックを選択することが理想的です。これらの医療機関では、最新の検査技術と豊富な経験を持つ専門医によるサポートを受けることができます。

遺伝カウンセリングの重要性は特に強調したい点です。遺伝カウンセラーや遺伝医学を専門とする医師によるカウンセリングでは、疾患の遺伝的背景、再発リスク、家族への影響など、包括的な情報提供が行われます。このカウンセリングは検査前だけでなく、結果判明後にも継続的に受けることができ、夫婦や家族全体でのサポートが可能です。

専門医の資格についても確認することが重要です。産婦人科専門医に加えて、遺伝専門医や臨床遺伝専門医の資格を持つ医師がいる施設では、より専門性の高い診療を受けることができます。これらの専門医は、複雑な遺伝学的問題についても適切な判断と指導を提供してくれます。

医療機関の評判や実績についても情報収集することが大切です。同じような検査を受けた他の患者の体験談や口コミ、医療機関のホームページ(home)での情報公開状況などを参考にすることで、信頼できる施設を見つけることができます。また、検査件数や結果の精度、フォローアップ体制についても事前に確認することをお勧めします。

家庭での継続的なサポートも考慮して医療機関を選択することが重要です。検査結果によっては長期的な管理が必要になる場合があり、育児や家族のサポートについても相談できる体制が整っていることが望ましいです。遺伝カウンセリングでは、将来の妊娠計画や家族計画についても包括的な指導を受けることができ、家族全体での長期的な健康管理に役立ちます。

出生前診断に関するよくある質問

検査を受けた人の体験談

実際に出生前診断を受けた多くの妊婦から、様々な体験談が報告されています。これらの体験談は、検査を検討している方にとって貴重な情報源となります。

ある妊婦は、「妊娠中期に入って、お腹の赤ちゃんの健康状態について知りたいと思い、血液検査を受けました」と語ります。35歳での初産で、病気のリスクについて先生から十分な説明を受けた後、検査を決断したそうです。「検査結果が判明するまでの期間は不安でしたが、結果が正常範囲内であることが分かり、安心して残りの妊娠期間を過ごすことができました」とのことです。

別の体験談では、羊水検査を受けた妊婦の声があります。「超音波検査で何らかの異常の可能性が指摘され、確定診断のために羊水検査を受けることになりました。検査自体は思っていたよりも短時間で、十分な説明を受けていたので落ち着いて臨めました。幸い結果は正常でしたが、検査を受けたことで母体への負担も少しありました。でも、確実な情報を得られたことで、出産に向けての準備を具体的に進めることができました」

高齢出産を経験した妊婦は、「最初はNIPTを受け、その結果陽性となったため、さらに詳しい検査を受けました。診断結果を受けて家族で話し合い、専門のカウンセリングも受けました。最終的に妊娠を継続することを選択し、現在は元気な子どもを育てています。検査を受けたおかげで、出産前から必要な医療体制を整えることができ、実際に大きな助けになりました」と振り返ります。

これらの体験談に共通するのは、事前の説明とサポートの重要性です。多くの妊婦が「先生からの説明が分かりやすく、質問にも丁寧に答えてもらえた」「検査前後のフォローが充実していた」と感じているようです。また、コラム形式で紹介される体験談の一部では、「家族との話し合いの時間を十分に取れたことが良かった」という意見も見られます。

ただし、すべての体験が肯定的なものばかりではありません。「検査結果を受け取った時の症状として、一時的に強い不安を感じた」「血液検査だけでは判断が難しく、追加検査が必要になった」という声もあり、受検者それぞれが異なる経験をしていることがわかります。

受けなかった人の理由と考え方

出生前診断を受けない選択をした妊婦も多く存在し、その理由は多様で個人的な価値観に基づいています。これらの考え方を理解することは、検査の選択について包括的な視点を持つために重要です。

最も多い理由の一つは、「検査結果に関係なく、お腹の赤ちゃんを受け入れたいと思った」というものです。ある妊婦は「もし何らかの異常があったとしても、それも含めて自分の子どもだと考えています。検査を受けて結果を知ることで、余計な不安を抱えたくありませんでした」と説明します。

時間的な制約を理由に挙げる方もいます。「仕事が忙しく、検査のための時間を確保することが困難でした。また、検査結果が出るまでの期間、余計な心配をするよりも、普通に妊娠生活を送りたいと思いました」という声があります。

経済的な理由も重要な要因の一つです。「検査費用が高額で、家計への負担を考えると受けない選択をしました。その分、妊婦健診をしっかり受け、必要な栄養管理に費用をかける方が良いと判断しました」と語る妊婦もいます。

検査のデメリットを重視した判断もあります。「羊水検査のリスクについて説明を受け、わずかでも流産の可能性があることを知りました。健康な妊娠経過をたどっているのに、あえてリスクを取りたくないと思いました」という考え方です。

宗教的・倫理的な信念に基づく選択もあります。「生命に関わる判断を人間が下すことについて、宗教的な観点から疑問を感じました。自然の流れに任せたいと思い、検査は受けませんでした」という体験談があります。

パートナーや家族の意見も影響することがあります。「夫と話し合った結果、検査の有無に関係なく子どもを大切に育てていくという結論に達しました。両親からも『昔は検査なんてなかったけれど、みんな元気に育った』という意見をもらい、検査を受けない決断をしました」

これらの考え方はすべて尊重されるべき選択であり、検査を受ける・受けないという選択に正解はありません。重要なのは、十分な情報を得た上で、自分たちの価値観に基づいて納得できる決断をすることです。どちらの選択をした場合でも、妊娠期間中の適切な医療管理と心理的サポートを受けることが、母子の健康にとって最も重要な要素となります。

NIPTはいつから受けられますか?

妊娠10週0日から受検可能です。ミネルバクリニックでは最新のCOATE法により、より早期かつ高精度な検査を提供しています。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも受検いただけます。

NIPTの検査精度はどの程度ですか?

ミネルバクリニックのCOATE法NIPTでは、21トリソミー(ダウン症候群)で99.9%以上の感度・特異度を実現しています。特に微細欠失症候群では、従来法の70%台から99.9%以上へと大幅に精度が向上しています。

陽性結果が出た場合はどうなりますか?

ミネルバクリニックでは陽性結果に対する24時間サポート体制を整えています。2025年6月から産婦人科併設により、確定検査(羊水検査・絨毛検査)も自院で実施可能となり、NIPTから確定検査までワンストップで対応いたします。

認証施設と非認証施設の違いは何ですか?

日本医学会の認証制度は2022年に開始されました。ミネルバクリニックは非認証施設ですが、非認証で唯一臨床遺伝専門医が常駐してNIPTを行っているクリニックとして、高品質な検査とカウンセリングを提供しています。

検査できる疾患の種類は?

ミネルバクリニックでは国内最大級の検査範囲を提供しています:
・基本の3つのトリソミー(21、18、13)
・性染色体異常
12か所13疾患の微小欠失症候群(国内最大)
父親高齢化による56遺伝子の突然変異(国内唯一)

費用はどのくらいかかりますか?

検査内容により異なりますが、基本検査で約15万円から、最も包括的な検査で約30万円程度です。詳細な費用については、遺伝カウンセリング時にご説明いたします。陽性時の確定検査も自院で対応可能です。

オンライン診療の流れを教えてください。

オンラインNIPTでは、以下の流れで検査を進めます:
1. オンライン遺伝カウンセリング
2. お近くの提携医療機関での採血
3. オンラインでの結果説明
4. 必要に応じて24時間サポート

ミネルバクリニックでのNIPT検査

臨床遺伝専門医による最高精度COATE法NIPT・全国対応・確定検査まで自院完結

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プロフィール
仲田洋美医師

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。特に遺伝カウンセリング分野では15年以上の経験を持ち、全国初のオンライン遺伝カウンセリングを確立して、地方在住の方々にも質の高い遺伝医療を提供しています。


仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

   

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