目次
NIPTは何週がベスト?
8週がおすすめな4つの理由【医師解説】
📍 クイックナビゲーション
Q. NIPTは妊娠何週で受けるのがベストですか?
A. 結論から言うと、妊娠8週がベストタイミングです。
多くのクリニックは「10週から」としていますが、当院では妊娠6週から検査可能です。ただし、精度と余裕のバランスを考えると8週が最適。胎児DNA濃度(FF)3%以上で精度を保証しつつ、陽性時も12週までに確定診断→初期中絶が可能になります。
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8週推奨の理由① → 再検査率がわずか5%(6週は15〜20%) -
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8週推奨の理由② → 早期ほど偽陽性率が低い(2024年国際エビデンス) -
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8週推奨の理由③ → 陽性でも12週までに確定診断が間に合う -
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8週推奨の理由④ → 中期中絶(身体的・心理的負担大)を回避できる -
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ミネルバの強み → 絨毛検査・羊水検査まで院内ワンストップ対応
1. 結論:NIPTは妊娠8週がベストタイミング
【結論】 NIPTを受けるベストタイミングは妊娠8週です。6週でも検査可能ですが、再検査率が高くなります。10週以降では陽性時の対応に余裕がなくなります。8週なら精度と時間的余裕の両方を確保できます。
「NIPTって何週から受けられるの?」「いつ受けるのがいいの?」そんな疑問を抱えてこのページにたどり着いた方も多いでしょう。ネットで調べると「10週から」という情報ばかりで、もっと早く受けたいのに…と感じていませんか?
実は、NIPTを受けるタイミングは検査精度だけでなく、陽性だった場合のその後の選択肢にも大きく影響します。臨床遺伝専門医として日々多くの妊婦さんを診療してきた経験から、私が自信を持っておすすめするのは妊娠8週です。
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妊娠6週:検査可能だが再検査率15〜20%(胎児DNA濃度が低いため)
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妊娠8週:再検査率約5%、陽性時も12週までに確定診断可能 → ベスト
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妊娠10週:多くのクリニックの基準、再検査率低いが陽性時の余裕が少ない
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妊娠14週以降:確定診断→中期中絶になる可能性が高い
💡 用語解説:胎児DNA濃度(FF:Fetal Fraction)とは?
NIPTは母体の血液中に含まれる胎児由来のDNA断片(cell-free DNA)を分析する検査です。胎児DNA濃度(FF)とは、母体血液中の全DNA量に対する胎児由来DNAの割合のこと。FFが3%以上あれば十分な精度で検査が可能です。妊娠週数が進むにつれてFFは上昇しますが、8週でも多くの方が3%以上に達します。
2. 8週をおすすめする4つの理由
【結論】 8週がベストな理由は、①再検査率が低い(約5%)、②早期ほど偽陽性率が低い、③12週までに確定診断が可能、④中期中絶を回避できる、の4点です。
「なぜ8週なの?6週でも10週でもダメなの?」という疑問にお答えします。それぞれの理由を詳しく見ていきましょう。
理由①:再検査率がわずか5%
NIPTで「判定保留」や「再検査」となる主な原因は、胎児DNA濃度(FF)が基準値(3%)を下回ることです。妊娠週数が早すぎると、胎児から母体血液中に放出されるDNA量がまだ十分でないことがあります。
妊娠6週の場合
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再検査率:15〜20%
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FFが3%未満になる可能性がある
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再検査になると1〜2週間待つ必要
妊娠8週の場合
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再検査率:約5%
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ほとんどの方がFF3%以上に達する
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1回の検査で結果が出やすい
理由②:早期ほど偽陽性率が低い(2024年国際エビデンス)
これは意外に思われるかもしれませんが、妊娠週数が進むほど偽陽性率が上がるという研究結果があります。
妊娠週数が進むと、胎盤モザイク(CPM:Confined Placental Mosaicism)の影響を受けやすくなります。
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胎盤モザイクとは:胎盤だけに染色体異常があり、胎児は正常な状態
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NIPTへの影響:NIPTは胎盤由来のDNAを見ているため、「偽陽性」となることがある
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早期検査のメリット:妊娠週数が早いほど胎盤モザイクの影響を受けにくい
理由③:12週までに確定診断が可能
NIPTで陽性だった場合、絨毛検査や羊水検査による確定診断が必要です。8週でNIPTを受ければ、以下のようなスケジュールが可能になります。
| 時期 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 妊娠8週 | NIPT受検 | 採血のみ、流産リスクなし |
| 妊娠9〜10週 | NIPT結果判明 | 約1〜2週間で結果 |
| 妊娠10〜11週 | 絨毛検査(陽性の場合) | 当院で院内実施可能 |
| 妊娠11〜12週 | 確定診断結果 | 絨毛検査の結果判明 |
| 〜妊娠12週 | 選択肢の検討・決断 | 初期中絶が可能な時期 |
理由④:中期中絶を回避できる
これが8週を強くおすすめする最も重要な理由です。中期中絶(妊娠12週以降)は、初期中絶と比べて身体的にも心理的にも負担が大きいのです。
初期中絶(〜12週未満)
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手術時間:10〜15分程度
- •
入院:不要(日帰り可能)
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身体への負担:比較的軽い
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死産届:不要
中期中絶(12週以降)
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方法:陣痛を起こして分娩
- •
入院:2〜3日必要
- •
身体への負担:大きい
- •
死産届:必要(役所への届出)
⚠️ 労働基準法の視点から:中期中絶の場合、労働基準法上は「出産」扱いとなり、産後8週間の休業が必要になります。働く女性にとって、この点も大きな影響があります。
🩺 院長コラム【なぜ私が8週を勧めるのか】
日々の診療で、「もっと早く受ければよかった」と後悔される方を何人も見てきました。10週でNIPTを受け、12週で陽性結果、羊水検査は15週から…となると、確定診断が出るのは17〜18週。すでに中期中絶しか選択肢がない状況です。
私が8週を強くおすすめするのは、「選択肢を最大限残すため」です。陽性だった場合でも、絨毛検査による早期確定診断で初期中絶という選択肢を残せます。もちろん、産むという選択をされる方もいらっしゃいます。どちらを選ぶにしても、十分な時間と情報を持って判断できることが大切なのです。
3. 妊娠週数別:NIPTを受けた場合のシミュレーション
【結論】 NIPT受検週数によって、陽性だった場合のスケジュールが大きく変わります。8週なら初期中絶、14週以降だと中期中絶になる可能性が高くなります。
具体的に、各妊娠週数でNIPTを受けた場合、その後どのようなスケジュールになるかをシミュレーションしてみましょう。
| NIPT受検 | 結果判明 | 確定検査 | 確定診断 | 中絶の種類 |
|---|---|---|---|---|
| 8週 | 9〜10週 | 10〜11週(絨毛) | 11〜12週 | 初期中絶可能 |
| 10週 | 11〜12週 | 12〜13週(絨毛) | 13〜14週 | ギリギリ |
| 12週 | 13〜14週 | 15週〜(羊水) | 17〜18週 | 中期中絶 |
| 14週以降 | 15〜16週 | 16週〜(羊水) | 18〜20週 | 中期中絶のみ |
💡 絨毛検査と羊水検査の違い
絨毛検査は妊娠11〜14週に実施可能で、結果も3日〜1週間程度で判明します。一方、羊水検査は妊娠15週以降にならないと実施できません。8週でNIPTを受ければ絨毛検査という選択肢があるため、早期に確定診断を得ることができます。
4. 胎児DNA濃度(FF)と検査精度の関係
【結論】 NIPTの精度を左右するのは胎児DNA濃度(FF)です。当院ではFF3%以上を精度保証の基準としており、8週であればほとんどの方がこの基準をクリアします。
「早く受けて精度は大丈夫?」という心配はもっともです。NIPTの検査精度を理解するために、胎児DNA濃度(FF)について詳しく解説します。
妊娠週数とFFの関係
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妊娠6週:FF 2〜4%(3%未満の可能性あり)
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•
妊娠8週:FF 4〜8%(ほとんどの方が3%以上)
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•
妊娠10週:FF 6〜12%
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•
妊娠12週以降:FF 10%以上
FFが低くなりやすい要因
妊娠週数以外にも、FFが低くなりやすい要因があります。以下に該当する方は、検査時期について特にご相談ください。
FFが低くなりやすい要因
- •
BMI30以上の肥満
- •
妊娠週数が早い(6週以前)
- •
双胎妊娠
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体外受精による妊娠(一部)
当院の対応
- •
FF3%以上で精度保証
- •
FF低値の場合は再検査
- •
再検査時は追加費用なし
- •
個別の状況に応じた相談可能
5. 早期NIPT検査のエビデンス
【結論】 早期NIPTの安全性と有効性は国際的な研究で実証されています。当院のスーパーNIPTは偽陰性ゼロの実績があります。
「本当に早い週数で受けて大丈夫なの?」という疑問にお答えするため、早期NIPT検査に関するエビデンスをご紹介します。
2024年の国際研究が示す早期検査のメリット
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①
早期検査ほど偽陽性率が低い
妊娠週数が進むと胎盤モザイク(CPM)の影響を受けやすくなり、偽陽性のリスクが上昇します。早期検査ではこの影響が少なくなります。 -
②
8週でもFF3%以上が確保可能
多くの妊婦さんが8週時点でFF3%以上に達し、十分な検査精度が得られます。 -
③
早期診断による心理的メリット
早期に結果が得られることで、十分な時間をもって意思決定ができ、心理的負担が軽減されます。
当院のNIPT検査の精度
当院では、第3世代NIPTであるスーパーNIPTと、最新のCOATE法を採用しています。
| 検査項目 | 検出率 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 21トリソミー(ダウン症) | 99%以上 | 偽陰性ゼロの実績 |
| 18トリソミー | 99%以上 | 偽陰性ゼロの実績 |
| 13トリソミー | 99%以上 | 偽陰性ゼロの実績 |
| 微細欠失(COATE法) | >99.9% | 従来法(70%台)と比較して飛躍的向上 |
💡 「偽陰性ゼロ」とは?
偽陰性とは、本当は陽性なのに「陰性」と判定されてしまうことです。当院のスーパーNIPTは、これまで偽陰性がゼロという実績があります。「陰性」と出た場合は、安心してよいということです。詳しいエビデンスはこちらのページでご確認いただけます。
6. NIPT陽性だった場合のスケジュール
【結論】 NIPTが陽性だった場合、確定診断が必要です。当院では絨毛検査・羊水検査まで院内で完結できるため、転院の必要がなく、スムーズに確定診断を受けられます。
NIPTはスクリーニング検査です。陽性だった場合でも、確定診断が必要となります。ここでは、陽性だった場合の流れを詳しくご説明します。
8週でNIPTを受けた場合の流れ
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①
妊娠8週:NIPT受検
採血のみで検査完了。流産リスクはありません。 -
②
妊娠9〜10週:結果判明
臨床遺伝専門医が結果を丁寧にご説明します。 -
③
妊娠10〜11週:絨毛検査(陽性の場合)
当院で院内実施可能。転院不要で心理的負担を軽減。 -
④
妊娠11〜12週:確定診断結果
絨毛検査の結果は3日〜1週間程度で判明。 -
⑤
意思決定と対応
妊娠12週未満なら初期中絶が可能。継続される場合も、専門医療機関との連携をサポートします。
⚠️ 重要:出生前診断の対象は、自立生活に支障が出るレベルの重篤な疾患です。出生前診断を受けるかどうか、結果をどう受け止めるかは、ご夫婦でよく話し合ってお決めください。当院では臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを通じて、意思決定をサポートいたします。
7. 中期中絶を避けることの重要性
【結論】 中期中絶は初期中絶と比べて身体的・心理的負担が格段に大きいです。8週でNIPTを受けることで、中期中絶を回避できる可能性が高まります。
NIPTの結果を受けて妊娠を継続しない選択をされる方もいらっしゃいます。その場合、いつ決断するかによって、身体的・心理的な負担が大きく異なります。
初期中絶と中期中絶の違い
| 項目 | 初期中絶(〜12週未満) | 中期中絶(12週以降) |
|---|---|---|
| 方法 | 手術(吸引法) | 陣痛を起こして分娩 |
| 所要時間 | 10〜15分程度 | 数時間〜1日以上 |
| 入院 | 不要(日帰り) | 2〜3日必要 |
| 身体への負担 | 比較的軽い | 大きい |
| 心理的負担 | 負担あり | 非常に大きい |
| 死産届 | 不要 | 必要(7日以内に届出) |
| 火葬・埋葬 | 不要 | 必要 |
| 産後休業 | 法的義務なし | 8週間の産後休業(労働基準法) |
🩺 院長コラム【中期中絶の現実をお伝えする理由】
中期中絶の詳細をお伝えするのは、決して脅かすためではありません。正確な情報を知った上で、ご自身で判断していただきたいからです。
中期中絶では、陣痛を起こして胎児を娩出します。その過程で胎動を感じることもあり、心理的な負担は計り知れません。私はこれまで多くの患者さんを診てきましたが、中期中絶を経験された方のトラウマは深く、長く続くことが多いです。
だからこそ、私は8週でのNIPT受検を強くおすすめしています。結果がどうであれ、選択肢を最大限残すことが、患者さんの心を守ることにつながると信じています。
8. ミネルバクリニックの体制
ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医の専門性を活かした診療体制を整えています。NIPTから確定診断まで、一貫してサポートいたします。
🔬 妊娠6週から検査可能
多くのクリニックは10週からですが、当院では妊娠6週から検査をお受けいただけます。8週をおすすめしていますが、ご状況に応じて柔軟に対応いたします。
🏥 院内で確定検査まで対応
2025年6月より産婦人科を併設し、絨毛検査・羊水検査も院内で実施可能に。転院の必要がなく、心理的負担を軽減できます。
💰 互助会で費用面も安心
互助会(8,000円)に加入いただくと、陽性時の確定検査費用を全額カバー。上限なしで安心です。
検査プランのご紹介
当院では、ご希望に応じて複数の検査プランをご用意しています。
💎 ダイヤモンドプラン(COATE法)
米国4大遺伝子検査会社が担当する次世代NIPT技術。微細欠失の陽性的中率>99.9%を実現。
検査対象:6種のトリソミー、4種の性染色体異数性、12領域の微細欠失、56遺伝子(症候性自閉症の原因を含む)
💡 検査費用について
検査会社ごとに使用している技術やシーケンサー、解析するバイオインフォマティクスの専門家の有無が異なり、これが価格に反映されています。当院が採用しているダイヤモンドプランは米国トップ4の検査会社が担当しており、精度と信頼性が違います。
また、当院では遺伝カウンセリング料金33,000円が検査費用に内包されています。これは当日の説明だけでなく、陽性になった時に何度でもカウンセリングを受けられる、妊娠経過中の心配事にいつでも相談できる、といったサポートまで含まれています。お金がかかるから相談しにくい、ということを避け、なるべく安心して日常生活が送れるよう配慮しています。
9. NIPT施設選びで失敗しないために
【結論】 NIPTを受ける施設を選ぶ際は、「陽性だった場合のサポート体制」を最も重視してください。検査を受けて終わりではなく、その後のフォローが重要です。
NIPTは多くのクリニックで受けられるようになりましたが、どこで受けるかで、その後の体験が大きく変わります。特に陽性だった場合、適切なサポートを受けられるかどうかが重要です。
施設選びのチェックポイント
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臨床遺伝専門医が常駐しているか → 結果の正しい解釈と適切なカウンセリングに必須
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確定検査(絨毛・羊水検査)が院内で可能か → 陽性時の転院不要で心理的負担軽減
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陽性時のサポート体制が明確か → 「陽性になったらどうなるか」を事前に確認
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検査会社の精度・実績が明示されているか → 偽陰性ゼロなどの実績を確認
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遺伝カウンセリングが十分に受けられるか → 検査前後のカウンセリング体制を確認
⚠️ 他院で陽性になった方へ:他院で検査を受けて陽性になった場合のフォローは、本来その施設の責任です。当院では当院でNIPTを受けられた方へのサポートを優先しておりますが、ご相談は可能です。ただし、これからNIPTを受ける方は、事前に施設選びを慎重に行ってください。
よくある質問(FAQ)
🏥 一人で悩まないでください
NIPTを受けるタイミング、検査結果の意味、その後の選択肢…
どんなことでもお気軽にご相談ください。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。
参考文献
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- [10] International Society for Prenatal Diagnosis (ISPD). Position statement on cell-free DNA analysis for prenatal aneuploidy screening. [ISPD]


