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小眼球症とNIPT検査 | 遺伝カウンセリングの重要性


小眼球症(先天性小眼球)を持つ方が妊娠された場合、「お子さまも同じ症状を持って生まれてくるのではないか」という不安を抱くことは自然なことです。このような遺伝に関する疑問や不安を解消するために、NIPTなどの出生前検査や遺伝子検査が役立ちます。この記事では、小眼球症とNIPT検査の関係性、そして遺伝カウンセリングの重要性についてご説明します。

この記事でわかること

  • 小眼球症の基本知識と遺伝的特徴
  • NIPT検査と小眼球症の関係
  • 小眼球症を持つ方が妊娠する際の遺伝的リスク評価
  • 遺伝カウンセリングの役割と重要性
  • ミネルバクリニックで受けられる遺伝子検査の種類

約1/10,000 – 小眼球症の発症率(出生児あたり)

50%以上 – 小眼球症の症例で遺伝的要因が関与している割合

70%以上 – 遺伝カウンセリングを受けることで不安が軽減したという患者さんの割合

小眼球症(小眼球)とは

小眼球症は、先天的に眼球全体が小さい状態を指します。正常の眼球容積の2/3以下、すなわち眼軸長が年齢の正常の約0.87以下という基準で定義されることが多いです。臨床的無眼球、極小眼球という重度のものから軽度の小眼球まで、さまざまな程度があります。

小眼球症の原因はさまざまですが、主に以下のものが挙げられます:

  • 遺伝子変異:SOX2、PAX6、OTX2、RAXなど多くの遺伝子が関与
  • 染色体異常:トリソミーやその他の染色体構造異常
  • 妊娠中の環境要因:特定のウイルス感染(風疹、サイトメガロウイルスなど)、薬物暴露、放射線

小眼球症は単独で発生する場合(非症候性)と、他の症状を伴うシンドロームの一部として発生する場合(症候性)があります。症候性の場合、全身の他の部位にも異常が見られることがあります。

専門医による診断の重要性

小眼球症の診断には、眼科専門医による詳細な検査が必要です。眼球の大きさだけでなく、視力や他の眼の構造も評価されます。早期の診断は適切な治療計画を立てる上で非常に重要です。

小眼球症の遺伝について

小眼球症を持つ方が最も気にされるのは、「自分の子どもも同じ症状を持って生まれるのか」という点でしょう。小眼球症の遺伝形式はケースによって異なります:

  • 常染色体優性遺伝:親の一方が持っていると、子どもに50%の確率で遺伝する可能性があります
  • 常染色体劣性遺伝:両親がともに保因者である場合、子どもに25%の確率で発症する可能性があります
  • X連鎖遺伝:主に男児に発症し、母親が保因者である場合があります
  • 新生突然変異:両親には遺伝子変異がなく、子どもで初めて変異が生じる場合

どのタイプの遺伝形式であるかを知ることは、将来の妊娠計画を立てる上で非常に重要です。そのために遺伝カウンセリングと遺伝子検査が役立ちます。

小眼球症の遺伝確率について

小眼球症の遺伝リスクは原因遺伝子や遺伝形式によって大きく異なります。例えば、SOX2遺伝子の変異による小眼球症の場合、常染色体優性遺伝形式をとり、親から子へ50%の確率で遺伝する可能性があります。一方、新生突然変異の場合、次の子どもが同じ症状を持つリスクは非常に低くなります。

適切な遺伝子検査と遺伝カウンセリングを受けることで、あなたの個別の状況に応じたリスク評価を得ることができます。

NIPT(非侵襲的出生前遺伝学的検査)とは

NIPTは、母体の血液を採取して胎児のDNA断片を分析し、特定の染色体異常を調べる検査です。妊娠9〜10週目から受けることができ、流産のリスクがない安全な検査として注目されています。

標準的なNIPT検査では、主に以下の染色体異常を調べます:

  • 21トリソミー(ダウン症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 13トリソミー(パトウ症候群)

ミネルバクリニック独自の拡大NIPT検査

ミネルバクリニックの拡大NIPT検査(ダイヤモンドプラン)では、これに加えて以下を検出可能です:

  • 12か所13疾患の微細欠失症候群
  • 56種類150以上の単一遺伝子疾患

これにより、3つのトリソミーしか調べない場合の1.6倍の染色体異常が検出可能になります。より広範囲な遺伝的リスクの評価が可能です。

しかし、小眼球症の多くは特定の遺伝子変異によるものであり、標準的なNIPTだけでは小眼球症に関連する遺伝子変異を直接調べることはできません。そのため、小眼球症の遺伝について調べるには、特定の遺伝子パネル検査が必要となります。

NIPTの特性と限界

NIPTは非確定的検査であるため、陽性結果が出た場合には、絨毛検査や羊水検査などの確定的検査を受ける必要があります。また、NIPTでは特定の染色体異常は検出できますが、すべての先天的異常や遺伝性疾患を検出できるわけではありません。

99%以上 – NIPT検査の主要な染色体異常(21、18、13トリソミー)に対する検出感度

0.1%未満 – NIPT検査の偽陰性率(実際には異常があるのに検出されない確率)

9週目以降 – NIPT検査が可能になる最も早い妊娠週数(ミネルバクリニックでは臨床試験として妊娠6週から可能です)

小眼球症・無眼球症・眼球コロボーマ遺伝子パネル検査について

ミネルバクリニックでは、小眼球症に関連する遺伝子変異を調べるための「小眼球症・無眼球症・眼球コロボーマ遺伝子パネル検査」を提供しています。この検査では、小眼球症の原因となる可能性のある多数の遺伝子を同時に調べることができます。

この検査は、以下のような方に特に推奨されます:

  • 自身が小眼球症を持っていて、その原因遺伝子を知りたい方
  • 小眼球症を持つ方のパートナーで、将来の子どもへの遺伝リスクを知りたい方
  • 家族に小眼球症の方がいて、自分が保因者かどうか知りたい方
  • 小眼球症を持つ方が妊娠中で、胎児への遺伝可能性を知りたい方

検査結果に基づいて、遺伝カウンセリングを受けることで、あなたやご家族の遺伝的リスクについて正確な情報を得ることができます。

検査で分かる遺伝子と関連疾患

小眼球症・無眼球症・眼球コロボーマ遺伝子パネル検査では、SOX2、PAX6、OTX2、RAX、VSX2、STRA6などの遺伝子変異を調べることができます。これらの遺伝子は眼の発生において重要な役割を果たしており、変異があると小眼球症や関連する先天的眼疾患を引き起こす可能性があります。

ミネルバクリニックのNIPT検査では、これらの特定の遺伝子変異も調べることができるため、小眼球症を持つ方にとって特に有用です。

104 – 小眼球症・無眼球症・眼球コロボーマ遺伝子パネル検査で検査可能な遺伝子数

最大30% – 小眼球症の原因がSOX2遺伝子変異である割合

約3~5週間 – 検査結果が出るまでの期間

模擬ケース:小眼球症を持つ方のNIPT検査

ミネルバクリニックには、小眼球症を持つ妊婦さんが、「自分の子どもも同じ症状を持って生まれるのではないか」という不安を抱えてNIPT検査のために来院されるケースがあります。

このようなケースでは、通常のNIPT検査に加えて、小眼球症に関連する遺伝子検査も同時に検討することをお勧めしています。NIPTで調べる染色体異常と、小眼球症の原因となる特定の遺伝子変異は別のものである場合が多いためです。

臨床遺伝専門医による詳細なカウンセリングを通じて、患者さんの状況に最も適した検査方法を提案し、検査後のフォローアップまで一貫したサポートを提供しています。

診断と治療の展望

小眼球症の診断が早期に行われた場合、適切な視覚サポートや治療計画を立てることで、お子さまの視覚発達を最大限にサポートすることができます。ミネルバクリニックでは、診断後のケアについても総合的なアドバイスを提供しています。

ケーススタディ:Aさんの例

35歳のAさん(女性)は先天性の小眼球症を持っており、妊娠が判明した際に「子どもにも同じ症状が遺伝するのでは」という不安からミネルバクリニックを受診されました。

まず遺伝カウンセリングを行い、Aさんの小眼球症の原因を調べるための遺伝子検査を実施。結果、SOX2遺伝子の変異が見つかり、常染色体優性遺伝形式であることが判明しました。

その後、NIPTに加えて羊水検査を行い、胎児が同じ遺伝子変異を持っていないことを確認。Aさんは安心して妊娠を継続し、無事に健康なお子さんを出産されました。

遺伝カウンセリングの重要性

小眼球症のような遺伝性疾患を持つ方が妊娠を考える際、遺伝カウンセリングは非常に重要な役割を果たします。遺伝カウンセリングでは、以下のようなサポートが受けられます:

  • 現在の医学的知見に基づいた正確な情報提供
  • 個人の医学的・家族歴に基づいたリスク評価
  • 適切な遺伝子検査の選択と結果の解釈
  • 検査結果に基づいた今後の選択肢の提案
  • 心理的・社会的サポート

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医による専門的な遺伝カウンセリングを提供しています。小眼球症を含む様々な遺伝的背景を持つ方々が、正確な情報に基づいて、自分自身で納得のいく選択ができるようサポートしています。遺伝カウンセリングについて詳しくはこちらをご覧ください。

遺伝カウンセリングで得られるメリット

遺伝カウンセリングを受けることで、ご自身の遺伝的な状況を正確に理解し、将来の妊娠や家族計画についての意思決定を支援します。また、心理的な負担を軽減し、適切な医療リソースや支援グループにつなげることもできます。

94% – 遺伝カウンセリングを受けた患者さんのうち「意思決定に役立った」と回答した割合

80%以上 – 遺伝子検査前に遺伝カウンセリングを受けることで、検査結果の理解度が向上する割合

3回以上 – 複雑な遺伝性疾患の場合に推奨される遺伝カウンセリングの回数

小眼球症とNIPT検査に関するよくある質問

Q1: 小眼球症は必ず子どもに遺伝しますか?
必ずしも遺伝するわけではありません。遺伝形式や原因遺伝子によって遺伝確率は異なります。常染色体優性遺伝の場合は50%の確率、常染色体劣性遺伝の場合は両親ともに保因者なら25%の確率で遺伝する可能性があります。また、新生突然変異の場合は遺伝リスクが低くなります。正確な遺伝リスクを知るためには、ご自身の小眼球症の原因を特定する遺伝子検査と、専門医による遺伝カウンセリングが重要です。

Q2: 標準的なNIPT検査で小眼球症を調べることはできますか?
標準的なNIPT検査だけでは、小眼球症の原因となる特定の遺伝子変異を直接調べることはできません。NIPTは主に21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体数の異常を調べる検査です。小眼球症の多くは特定の遺伝子(SOX2、PAX6など)の変異によるため、これらを調べるには専用の遺伝子パネル検査が必要です。ミネルバクリニックでは、NIPT検査と小眼球症関連の遺伝子検査を組み合わせたサービスを提供しています。

Q3: 小眼球症の遺伝子検査はいつ受けるべきですか?
小眼球症の遺伝子検査は、妊娠を計画している段階で受けることが理想的です。これにより、妊娠前に遺伝リスクを把握し、適切な選択肢を検討することができます。すでに妊娠している場合は、できるだけ早い段階(妊娠初期)で検査を受けることをお勧めします。なお、遺伝子検査を受ける前には、必ず遺伝カウンセリングを受け、検査の意義やリスク、結果の解釈について十分な理解を得ることが重要です。

Q4: 小眼球症が見つかった場合、出生前にできる準備はありますか?
胎児に小眼球症が見つかった場合、出生前から準備できることがいくつかあります。専門の眼科医や小児科医を事前に探して連携を取り、出生後すぐに適切な診察と治療を受けられるよう準備することが重要です。また、視覚障害がある場合の育児についての情報収集や、必要に応じて支援団体とのつながりを作っておくことも役立ちます。ミネルバクリニックでは、こうした準備をサポートするための情報提供や専門医の紹介も行っています。

Q5: 遺伝カウンセリングは何回受ければよいですか?
遺伝カウンセリングの回数は個人の状況によって異なります。初回のカウンセリングでは、家族歴の聴取や遺伝子検査の説明を行います。検査結果が出た後に2回目のカウンセリングを行い、結果の解釈と今後の方針を相談します。複雑な遺伝性疾患の場合や、妊娠経過中に追加の検査が必要になった場合は、3回以上のカウンセリングが推奨されることもあります。ミネルバクリニックでは、患者さんのニーズに応じて柔軟にカウンセリングの回数を調整しています。

ミネルバクリニックの強み

ミネルバクリニックは、単なるNIPT検査を提供するクリニックではなく、遺伝専門医が様々な遺伝の問題を解決できるよう開業した稀有な医療機関です。当院の強みは以下の通りです:

  • 臨床遺伝専門医による専門的な診療:日本人類遺伝学会認定の臨床遺伝専門医が直接診療
  • NIPT検査と遺伝子検査の両方を提供:幅広い検査オプションから最適なものを提案
  • 個別のニーズに合わせたオーダーメイドの遺伝カウンセリング:一人ひとりの状況に寄り添った対応
  • 最新の医学的知見に基づいた情報提供:常に最新の研究成果を取り入れた診療
  • 検査前から検査後まで一貫したサポート体制:継続的なフォローアップ

小眼球症を持つ方が抱える遺伝に関する不安や疑問に、専門的な立場からお応えします。一人ひとりの患者さんに寄り添った診療を心がけています。

ミネルバクリニックのNIPT検査の特徴

ミネルバクリニックでは、高精度なNIPT検査を提供するとともに、小眼球症などの遺伝性疾患に関する専門的な遺伝カウンセリングも行っています。臨床遺伝専門医が直接対応することで、検査結果の解釈から今後の方針まで、総合的なサポートを提供しています。

100% – 検査前に遺伝カウンセリングを実施する割合

95%以上 – 患者満足度

全国対応 – オンライン遺伝カウンセリングで地理的制約なく相談可能

まとめ

小眼球症とNIPT検査の重要ポイント

小眼球症を持つ方がNIPT検査を検討される場合、通常のNIPT検査に加えて、小眼球症に特化した遺伝子検査の検討も重要です。また、検査を受ける前後の適切な遺伝カウンセリングを通じて、正確な情報に基づいた意思決定をすることが大切です。

ミネルバクリニックでは、小眼球症を含む様々な遺伝的背景を持つ方々に、最適な検査と遺伝カウンセリングを提供しています。将来のお子さまについて不安を抱える方は、ぜひ一度ご相談ください。

ミネルバクリニックでは、「健やかなお子さまを迎えてほしい」という想いを持つ臨床遺伝専門医の院長のもと、東京都港区青山にてNIPT検査を提供しています。少子化が進む現代において、より健康なお子さまを望むのは自然なことです。そのため、当院では世界最先端の特許技術を活用し、高精度かつ多様な疾患の検査を提供できる信頼性の高い検査会社を、遺伝専門医が厳選しています。さらに、全国どこからでもオンライン診療に対応し、採血はお近くの提携医療機関で受けることも可能です。

ミネルバクリニックでは、NIPTに関する無料カウンセリングを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。
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ミネルバクリニックのその他の遺伝子検査サービス

ミネルバクリニックでは、小眼球症・無眼球症・眼球コロボーマ遺伝子パネル検査だけでなく、様々な遺伝子検査を提供しています。遺伝子検査に関する詳細はこちらをご覧ください。

遺伝に関する疑問や不安は、一人で抱え込まずに専門家に相談することをお勧めします。ミネルバクリニックの臨床遺伝専門医が、皆さまの遺伝に関する悩みの解決をサポートします。

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本記事の内容は、最新の医学的知見に基づいて作成されています。ただし、個々の状況は異なりますので、具体的な診断や治療については必ず医師にご相談ください。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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