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ファイファー・クルーゾン・アペール症候群の遺伝子検査|FGFR1・FGFR2・FGFR3でわかる原因・遺伝・寿命の見通し

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

ファイファー・クルーゾン・アペール症候群の遺伝子検査

ファイファー症候群・クルーゾン症候群・アペール症候群は、頭蓋骨のつなぎ目(縫合)が早く閉じる「頭蓋骨縫合早期癒合症」のうち、FGFR遺伝子の変化で起こる病気です。この遺伝子検査では、原因となるFGFR1・FGFR2・FGFR3の3つの遺伝子を一度に調べます。原因がわかれば、お子さんの合併症への備えだけでなく、次のお子さんで同じことが起こる可能性と、次の妊娠でどう備えられるかを具体的に考えられるようになります。このページでは、病気の違い・遺伝のしかた・寿命の見通し・妊娠中にわかるかと、この検査でわかることを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

ファイファー症候群・クルーゾン症候群・アペール症候群・ムエンケ症候群などの原因となるFGFR1・FGFR2・FGFR3の3遺伝子に、病気の原因となる変化があるかを調べます。一塩基の変化や小さな挿入・欠失に加え、欠失・重複も調べます。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

これらの病名を言われた方・疑われている方、手足の指の所見を伴う頭蓋骨縫合早期癒合症の方、ご家族にこれらの病気の方がいる方、次の妊娠に向けて原因を知っておきたいご両親です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は330,000円(税込)、結果までは2〜3週間です。検体は唾液・頬の内側の粘膜・血液などで、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因の変化が見つかれば、その変化をもつ方のお子さんに受け継がれる確率は2分の1です。ご家族の検査や、意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、次の計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | 頭蓋骨縫合早期癒合症(狭頭症)の遺伝子パネル検査

1. ファイファー症候群・クルーゾン症候群・アペール症候群とは:FGFR遺伝子の変化で起こる頭蓋骨縫合早期癒合症

ファイファー症候群・クルーゾン症候群・アペール症候群は、FGFR(線維芽細胞増殖因子受容体)遺伝子の変化によって、頭蓋骨のつなぎ目が早く閉じてしまう病気です。どれも常染色体顕性(優性)遺伝の病気で、手足の所見や重さが病気ごとに違います。同じグループには、FGFR3遺伝子の変化で起こるムエンケ症候群も含まれます。

頭蓋骨のつなぎ目が早く閉じると何が起こるか

赤ちゃんの頭蓋骨は、いくつもの骨が「縫合」と呼ばれるつなぎ目でつながっていて、脳の成長に合わせて広がっていきます。この縫合が早く閉じると、頭や顔の骨が育つ方向が変わり、頭の形が変わったり、頭の中の圧(頭蓋内圧)が上がったりすることがあります。そのため、診断がついたあとは、頭蓋内圧が上がっていないかを定期的に確かめることが勧められています[10]。

頭蓋骨縫合早期癒合症のすべてが遺伝子の変化で起こるわけではありません。英国の頭蓋顔面センターのお子さんを調べた研究では、遺伝子・染色体の変化が原因とわかったのは全体の21%でした。遺伝の原因のなかで最も多かったのはムエンケ症候群の原因であるFGFR3遺伝子のP250Rという変化(遺伝の原因の24%)で、この研究は、FGFR3 P250RとFGFR2遺伝子の一部(エクソンIIIa/c)の検査を勧めています[9]。頭の形の病気全体の検査については、頭蓋骨縫合早期癒合症(狭頭症)の遺伝子パネル検査もご覧ください。

なお、縫合が閉じていない頭の形のゆがみ(寝るときの向きぐせなど)では、この検査は必要ありません。頭の形が気になるときは、まず小児科や脳神経外科などで、縫合が閉じているかどうかを確かめてもらいます。

4つの病気の違い

クルーゾン症候群とアペール症候群はどちらもFGFR2遺伝子の変化で起こりますが、クルーゾン症候群では手足に大きな異常がなく、アペール症候群では両手両足に複雑な合指がみられる点が大きな違いです[10]。ファイファー症候群は型(1〜3型)によって重さが大きく違います[7]。

🧬 FGFR遺伝子で起こる代表的な4つの病気

病気 主な原因遺伝子 特徴 頻度の目安 指定難病(2026年10月時点)
クルーゾン症候群 FGFR2(黒色表皮腫を伴う型はFGFR3) 手足に大きな異常はない[10][11] 出生100万あたり約16.5[5] 181
アペール症候群 FGFR2(Ser252Trp・Pro253Arg)[1] 両手両足の複雑な合指[10] 出生100万あたり約15.5[6] 182
ファイファー症候群 1型:FGFR1またはFGFR2
2型・3型:FGFR2[7]
1〜3型で重さが大きく違う[7] 約10万人に1人[7] 183
ムエンケ症候群 FGFR3(Pro250Arg) 症状の幅が大きく、縫合が早く閉じない方もいる[8] 頭蓋骨縫合早期癒合症の遺伝の原因で最も多い(英国の研究で24%)[9] 指定難病の索引には見当たらない

※頻度は海外の出生統計などによる目安で、日本の頻度ではありません。指定難病の番号は難病情報センターで確認(2026年10月時点)。

アペール症候群の多くは、FGFR2遺伝子の隣り合う2か所の変化(Ser252TrpとPro253Arg)のどちらかで起こります。最初にこの変化を報告した研究では、血縁のない40例のアペール症候群のすべてが、このどちらかでした[1]。また、黒色表皮腫を伴うクルーゾン症候群は、FGFR2ではなくFGFR3遺伝子のAla391Gluという変化で起こることが、3家系の研究で示されています[4]。日本では、ファイファー症候群の年間の発症数は約6人程度と予想されています(難病情報センター、2026年10月時点で確認)。

2. 遺伝する?原因は?:親に症状がなくても起こる理由

これらの病気は常染色体顕性(優性)遺伝で、親が同じ変化をもっていればお子さんへは2分の1の確率で受け継がれます。一方で、ご両親に変化がなく、精子のもとになる細胞で新しく起きた変化によって起こることも多い病気です。

常染色体顕性遺伝:お子さんに受け継がれる確率は2分の1

常染色体顕性(優性)遺伝では、2本ある遺伝子のうち1本に変化があれば発症しうるため、変化をもつ親から子へ伝わる確率は、お子さん1人ごとに2分の1です。ファイファー症候群の総説も、患者さんのお子さんが受け継ぐ確率を50%としています[7]。性別には関係せず、上のお子さんが受け継いだかどうかで、下のお子さんの確率が変わることもありません。

新しく起きた変化(de novo)と父親の年齢

ご両親に変化がなくても、お子さんの代で新しく遺伝子の変化が起こることがあります。これを新しく起きた変化(de novo変異)といいます。

アペール症候群の57家系を調べた研究では、新しく起きた変化はすべて父親から受け継いだ染色体の上にありました[2]。散発のクルーゾン症候群・ファイファー症候群でも、情報が得られた例はすべて父親由来で、父親の年齢は対照より高い傾向でした[3]。ファイファー症候群の2型・3型は、ほぼすべてが新しく起きた変化によるもので、父親の年齢が高いことが指摘されています[7]。父親の年齢と遺伝子の変化の関係は、父親の加齢でも解説しています。

つまり、ご家族にこれらの病気の方がいなくても起こりうるということです。家族歴だけでは備えられないため、当院では妊娠中にこうした新しく起きた変化を調べるNIPTも行っています(第4章)。考え方はNIPTと単一遺伝子疾患|父親の年齢リスク(デノボ変異)とはで詳しく解説しています。

次のお子さんで同じ病気が起こる確率

次のお子さんの確率は、原因の変化がどこから来たかで大きく変わります。

  • ●ご両親のどちらかが同じ変化をもっている場合:お子さん1人ごとに2分の1です。
  • ●ご両親に変化がなく、お子さんで新しく起きた変化の場合:ご両親の血液などで変化が見つからなくても、確率はゼロにはなりません。親御さんの卵子や精子のもとになる細胞の一部にだけ変化がある「性腺モザイク」の可能性が残るためです。

性腺モザイクの場合、変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。

⚠️ 「自分に症状がないから大丈夫」とは言えない病気もあります

ムエンケ症候群は、同じ変化をもっていても症状の重さに大きな幅があり、縫合が早く閉じない方もいます。106人・71家系を調べた国際研究では、ご両親を調べた51家系のうち5家系で、症状のない親御さんが同じ変化をもっていました[8]。お子さんがムエンケ症候群とわかったときは、ご両親も検査を受けることで、次のお子さんの確率が正しくわかります。

お子さんで新しく起きた変化とわかれば、ご両親のせいではないことがはっきりします。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

3. 寿命と見通し:病型で大きく違います

寿命の見通しは病気と型によって大きく違い、「何歳まで」と一律に言えるものではありません。合併症(呼吸・頭蓋内圧・水頭症など)にどう備え、治療するかで見通しは変わります。

ファイファー症候群1型・2型・3型の見通し

ファイファー症候群の総説によると、1型は神経や知的な発達が保たれ、多くは経過が良好とされています。2型はクローバーリーフ頭蓋と呼ばれる強い頭の形の変化と、目が強く前に出ることによる視力の障害を伴うことがあります。3型は2型に似ていますがクローバーリーフ頭蓋を伴わない型で、2型と3型は、重い神経の障害や呼吸の問題で早くに亡くなる危険が高いとされています[7]。

小児慢性特定疾病情報センターも、軽い症状の場合は適切な時期に手術を受けることで予後は良好になる一方、重症例では多くの手術が必要で、呼吸の障害を合併し予後が悪いこともある、としています(2026年10月時点で確認)。くわしくはファイファー症候群の解説をご覧ください。

クルーゾン症候群・アペール症候群・ムエンケ症候群の見通し

クルーゾン症候群では、知的な能力や子どもを持つ力は通常保たれるとされています。ただし、頭蓋内圧が高い状態が続くと、脳の発達に影響することがあります[11]。アペール症候群では、知的な発達に幅があることが知られています。ブラジルの小規模な研究では、知能検査の値(全検査IQ)はアペール症候群の8人で47〜108、クルーゾン症候群の6人で82〜102でした[12]。

ムエンケ症候群の国際研究では、発達の遅れが66.3%(多くはことばの遅れ)、知的障害が35.6%、難聴が70.8%にみられました[8]。症状の幅が大きいため、病名がわかったあとの聴力や発達の確認が大切です。

また、遺伝子の変化が原因の頭蓋骨縫合早期癒合症のお子さんでは、58%で頭や顔の手術をもう一度受ける必要がありました[9]。手術は一度で終わらないことが多く、成長に合わせた長い見通しで治療を計画します。手術の方法の一例は後頭蓋部延長術・骨延長で解説しています。

4. 妊娠中にわかる?:エコー・NIPT・確定検査

ファイファー症候群は、ふつう生まれてから見つかり、妊娠中にわかるのは目立つ所見があるときが中心です。一方、原因となるFGFR1・FGFR2・FGFR3は、当院のNIPT(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)で調べられます。

エコーで気づかれる時期と限界

ファイファー症候群の総説は、この病気は通常、新生児期以降に見つかり、妊娠中に見つかることは多くないとしています。妊娠中の診断は主にクローバーリーフ頭蓋の所見によるもので、3次元の超音波検査でていねいに見ることで、早くに見つかる場合もあるとされています[7]。別の総説は、手足の所見を確かめるのに超音波検査が使えること、ご家族に病気の方がいるなどリスクの高い妊娠ではFGFR2遺伝子の検査が適応になることを挙げています[10]。

当院のNIPT(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)でFGFR1・FGFR2・FGFR3を調べられます

この検査で調べるFGFR1・FGFR2・FGFR3の3遺伝子は、3つとも当院のNIPTのダイヤモンドプランとインペリアルプランの対象に入っています。第2章のとおり、これらの病気は新しく起きた変化で起こることが多いため、ご家族に病気の方がいなくても、妊娠中に赤ちゃんの遺伝子の変化を調べる意味があります。対象の遺伝子の一覧は56遺伝子de novo変異NIPTでご確認いただけます。

当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。NIPTはお母さんの血液で調べるスクリーニング検査なので、陽性の場合は確定検査(羊水検査・絨毛検査)で確かめます。当院では確定検査も院内で受けられます。NIPTの詳しい内容はNIPTトップをご覧ください。頭の形の病気をNIPTで調べるときの限界については、頭蓋骨癒合症候群はNIPTで検査できる?原因遺伝子と診断の限界で解説しています。

ご家族で変化がわかっているとき:絨毛・羊水で赤ちゃんを確かめる

ご家族の誰かで原因の変化がわかっていれば、妊娠したときに羊水検査・絨毛検査で赤ちゃんに同じ変化があるかを直接確かめられます。お母さんご自身がクルーゾン症候群などの当事者の場合は、軟骨無形成症・クルーゾン病などのあるお母さんへ|NIPTと確定検査でわかることもご覧ください。エコーで頭や顔の形の変化を指摘されたものの原因の見当がつかない場合は、出生前全エクソーム(WES)検査が選択肢になることがあります。

5. この遺伝子検査を受けるとよい方・別の検査が向いている方

ファイファー症候群・クルーゾン症候群・アペール症候群・ムエンケ症候群などのFGFR関連の病気が疑われるなら、まずこの検査です。病名が決まると、受けるべき検査、手術の計画、気をつける合併症、使える制度が決まります。

受けるとよい方

  • ●これらの病名を言われた方、または疑われている方(病名を遺伝子で確かめたい)
  • ●手足の指の所見(合指など)を伴う頭蓋骨縫合早期癒合症の方
  • ●冠状縫合(頭の前のほうを左右に走る縫合)が、片側または両側で早く閉じている方
  • ●ご家族にこれらの病気の方がいて、ご自身やお子さんが同じ変化をもっているか知りたい方
  • ●お子さんがこれらの病気で、次の妊娠に向けて原因と確率を知っておきたいご両親
  • ●ご本人が大人になり、結婚や妊娠を考えている当事者の方

見た目や家族歴だけでは、どの遺伝子が原因かは決められません。ムエンケ症候群のように、症状のないご家族が同じ変化をもっていることもあります[8]。検査を受けてはじめて、次の計画が立てられます。

別の検査が向いている場合

🔍 状況に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
FGFR関連の病気が疑われる(指の所見・冠状縫合の早期癒合など) このページの検査(FGFR1・FGFR2・FGFR3)
縫合が早く閉じているが、どの病気か見当がつかない 頭蓋骨縫合早期癒合症(狭頭症)の遺伝子パネル検査
頭の形だけでなく、骨全体の病気が疑われる 骨系統疾患の遺伝子パネル検査(521遺伝子)
妊娠中のエコーで頭や顔の形の変化を指摘された 羊水検査・絨毛検査、出生前全エクソーム(WES)検査
縫合が閉じていない頭の形のゆがみ(向きぐせなど) 遺伝子検査は必要ありません

※どの検査が合うかは、症状・画像検査・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングでご相談ください。

\ 妊娠の前に原因を知れば、選べることが増えます /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

当院では、羊水検査・絨毛検査を院内で受けられます(2025年6月から産婦人科を併設)。海外でPGT-Mを考えている方には、英語の検査結果をお渡しできます(検査の時にお申し出ください)。

妊娠中に調べたい方へ(NIPTダイヤモンドプラン) | どの検査がよいか迷う方へ

6. 調べる3つの遺伝子と、わかる病気

この検査では、FGFR1・FGFR2・FGFR3の3つの遺伝子をまとめて調べます。どれも、骨の細胞が増えたり育ったりする合図を受け取る「受容体」をつくる遺伝子です。

FGFR1・FGFR2・FGFR3で起こる頭蓋骨縫合早期癒合症

🧬 頭の形に関わる病気(遺伝子ごと)

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
FGFR1 ファイファー症候群(1型)、ジャクソン・ワイス症候群、三角頭蓋1型 常染色体顕性
FGFR2 アペール症候群、クルーゾン症候群、ファイファー症候群(1〜3型)、ジャクソン・ワイス症候群、ベア・スティーブンソン脳回状皮膚症候群、アントレー・ビクスラー症候群(FGFR2関連)、ゼーツレ・コッツェン症候群、マクギリブレイ型家族性舟状頭症候群、単独の冠状縫合早期癒合症 常染色体顕性
FGFR3 ムエンケ症候群、黒色表皮腫を伴うクルーゾン症候群、単独の冠状縫合早期癒合症 常染色体顕性

※病名はOMIM(NCBI Gene経由で確認)による。アペール症候群の原因変化は文献[1]、黒色表皮腫を伴うクルーゾン症候群は文献[4]、ファイファー症候群の型と遺伝子は文献[7]による。

同じ遺伝子の変化で起こる、頭の形以外の病気

FGFR1・FGFR2・FGFR3の変化は、頭の形の病気だけでなく、骨の成長や性腺などに関わる病気も起こします。この検査はこれらの遺伝子全体を調べるため、次の病気の原因となる変化が見つかることもあります。

🦴 同じ遺伝子で起こるそのほかの病気

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
FGFR1 オステオグロフォニック異形成症、カルマン症候群(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症2型)、ハーツフィールド症候群 主に常染色体顕性。ハーツフィールド症候群には常染色体潜性もあります。
FGFR2 屈曲骨異形成症、LADD症候群1型 常染色体顕性
FGFR3 軟骨無形成症、軟骨低形成症、致死性骨異形成症1型、致死性骨異形成症2型、SADDAN症候群、CATSHL症候群、LADD症候群2型 主に常染色体顕性。CATSHL症候群には常染色体潜性もあります。

※病名はOMIM(NCBI Gene経由で確認)による。カルマン症候群が疑われるときは、カルマン症候群遺伝子検査のほうが向いています。

7. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、FGFR1・FGFR2・FGFR3の3遺伝子にある、病気の原因となる変化です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

わかること

次世代シークエンサーで3遺伝子のタンパク質をつくる部分(コード領域)と、その境目(スプライス部位)を読み、一塩基の変化や小さな挿入・欠失を調べます。欠失・重複の解析も料金に含まれています。

わからないこと

  • ●3つの遺伝子以外の原因:ほかの遺伝子が原因の頭蓋骨縫合早期癒合症は、この検査では見つかりません。
  • ●モザイク:体の一部の細胞にだけ変化がある状態を見つけることは、この検査の目的に入っていません。
  • ●検査で読めない種類の変化:染色体の一部が入れ替わる転座や逆位、繰り返し配列の伸び、遺伝子のスイッチの部分(プロモーター)やエクソンから離れたイントロンの変化は検出できません。
  • ●小さな欠失・重複:エクソン1つだけの欠失・重複は、見つかることはあっても、いつも検出できるわけではありません。

「変化が見つからない=病気ではない」ではありません/VUSのこと

原因の変化が見つからなくても、病気を完全に否定することはできません。臨床的にこれらの病気と診断されている方でも、この3遺伝子に変化が見つからないことがあります。また、病気の原因かどうかまだ判断できない変化(VUS)が見つかることもあります。

🔬 検査の技術的な情報(くわしく知りたい方へ)

・読み取りの範囲と深さ:調べる範囲の99%以上を、同じ場所を20回以上読み取って確かめます(≥99% at 20x)。何度も読むほど、読み間違いによる誤りを減らせます。

・確認の方法:読み取りの質が十分でない変化は、サンガー法という別の方法で読み直して確かめます。欠失・重複が見つかったときは、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。

・欠失・重複の範囲:遺伝子全体の欠失・重複(頬の粘膜・血液の検体)と、2つ以上続くエクソンの欠失・重複(血液の検体のみ)を見つけられます。

・よく似た配列:遺伝子によく似た配列(偽遺伝子など)があると、まれに判定が難しくなることがあります。

8. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。原因の変化が見つかったとき・見つからなかったとき・VUSのときで、次にできることが違います。

病名が決まると、次の一手が決まる(原因の変化が見つかったとき)

遺伝子で病名がはっきりすると、何に気をつけて過ごせばよいかが決まります。頭蓋内圧が上がっていないかを定期的に確かめ、上がっているときは早めの手術を考えます[10]。遺伝子の変化が原因の頭蓋骨縫合早期癒合症では再手術が必要になることが多く[9]、ムエンケ症候群のように難聴や発達の遅れが多い病気では[8]、聴力や発達の確認も計画に入ります。病気によっては水頭症やキアリ奇形を伴うことがあり、病名がわかることで確かめるべき検査がはっきりします。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)の系統的レビューでは、エクソーム・ゲノム検査の研究167件のうち95%で、患者さんまたはご家族の診療方針に何らかの変化があったと報告されています(変化の中身や大きさは研究ごとに違います)[13]。指定難病などの制度を使うときにも、病名がはっきりしていることが手がかりになります(第9章)。

ご家族の検査

原因の変化が見つかったら、ご両親が同じ変化をもっているかを調べると、新しく起きた変化か、親から受け継いだ変化かがわかり、次のお子さんの確率が変わります。ムエンケ症候群では、症状のない親御さんやきょうだいが同じ変化をもっていた例が報告されており、研究者は症状のないご家族も調べることの大切さを指摘しています[8]。ご家族の検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。

変化が見つからなかったとき・VUSのとき

変化が見つからなかった場合は、ほかの遺伝子が原因の可能性を考えて、頭蓋骨縫合早期癒合症の遺伝子パネル検査などの、より広い検査を考えます。VUSは、それだけで診断や出生前診断の判断の根拠にはしません。ただし、その変化の意味を評価するために、ご家族の検査を行うことがあります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。

次の妊娠に向けて

ご家族で原因の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。出生前診断ができるかは、病気や状況をふまえて個別に考えますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。原因がわかっていないままでは、出生前に何を調べるかの的を決められません。

海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます

PGT-Mは、体外受精でできた受精卵(胚)の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない胚を選んで子宮に戻す検査です。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。当院でできるのは、原因遺伝子の確定、英語の検査結果のご用意、遺伝カウンセリング、ご家族の遺伝子検査、妊娠したあとの絨毛検査・羊水検査です。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。

欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)の指針[14]によると、PGT-Mの準備には、①病気の原因と確かめられた遺伝子の変化があること、②その変化が書かれた元の報告書、③ご家族の検体、が必要です。受精卵から取れるDNAはごくわずかで、変化を直接読むだけでは判定を誤るおそれがあるため、変化の近くにある目印をたどって「変化をもつ染色体」を家系の中で確かめる方法(ハプロタイプ解析)を組み合わせます。そのため、顕性遺伝の病気では、ご夫婦に加えて、患者さん少なくとも1人(できれば2人)、および/または発症していない方1人の検体が目安とされています。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。血縁者がいない場合は、受精卵や精子を調べて変化の乗った染色体を決める方法も挙げられていますが、施設や家系の状況によっては受けられないこともあります。

この病気のグループで特に大切なのは、新しく起きた変化(de novo)で、これまでに妊娠歴のないご夫婦では、一般的なハプロタイプ解析の方法は使えないとされていることです[14]。考え方はPGT-Mはなぜ本人だけでは検査できないのかで詳しく解説しています。海外でPGT-Mを考えている方は、ご本人の検査の段階から、検査に協力していただけるご家族(とくに同じ変化をもつ方)がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。

臨床遺伝専門医としての判断では、意義がまだわからない変化(VUS)は病気の原因と確かめられていないため、そのままPGT-Mの対象にするのは難しいと考えます。また、海外の施設によって求められる書類や検体は違うので、受ける予定の施設にも前もってご確認ください。

⚠️ PGT-Mは診断ではなく、スクリーニング検査です

PGT-Mは受精卵のごく一部の細胞を調べる検査で、結果が赤ちゃんの状態と食い違うことがあります。ESHREの指針は、多くの施設で誤った結果になる割合は全体で1〜3%まで下げられているとしたうえで、PGTのあとに妊娠したすべての方に出生前診断を提案すべきとしています[15]。当院では、PGT-Mで選んだ胚で妊娠した場合も、妊娠中に赤ちゃんそのものを調べる確定検査(絨毛検査・羊水検査)で確かめることが望ましいと考えています。絨毛検査・羊水検査は院内で行っており、海外でPGT-Mを受けたあとの妊娠でもご相談いただけます。

日本では、日本産科婦人科学会の「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する指針」(2026年9月改定)にもとづき、症例ごとに学会の審査を受け、実施施設の倫理委員会の承認を経て行われます。この指針の「重篤」は、原則として、成人に達する前に日常生活が著しく損なわれる、または生存が危ぶまれる状態になる疾患で、申請の時点で有効な治療法がないか、治療法があっても高度かつ侵襲度の高いもの、とされています。成人に達する前に生存が危ぶまれるわけではないが日常生活が著しく損なわれる状態が現れる疾患では、その病気の専門医の意見書などを追加で出す仕組みになっています。審査が続いている申請も多く、学会の発表では、2025年7月〜2026年6月の1年間に審査した73件のうち37件が審査継続中でした(2026年9月発表)。

英国では公的機関(HFEA)がPGT-Mを使える病気の一覧を公表しており、2026年9月17日更新の一覧には2,067の病気が載っています。一覧にない病気は、施設を通じて申請し、HFEAが審査します。米国については、2022年の論文で、PGTを直接規制する連邦や州の法律はなく、主に医師・施設の判断で行われていると報告されています[16]。米国生殖医学会(ASRM)の倫理委員会は2024年、大人になってから発症する病気に対するPGT-Mも倫理的に許容されうるとする意見を出しています[17]。どの病気がPGT-Mの対象になるかは、国や制度、施設によって違います。同じ病気でも、ある国では対象になり、別の国では個別の審査が必要になることがあります。受ける国の制度と、施設の条件を前もって確かめてください。くわしくは遺伝性疾患をお持ちで海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へをご覧ください。

💡 結果の報告書の言語

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたをご覧ください。

9. 日本の制度:指定難病・小児慢性特定疾病(2026年10月時点)

クルーゾン症候群は指定難病181、アペール症候群は指定難病182、ファイファー症候群は指定難病183です(難病情報センター、2026年10月時点で確認)。ファイファー症候群は、小児慢性特定疾病(大分類「染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」)の対象疾病としても掲載されています(小児慢性特定疾病情報センター、2026年10月時点で確認)。

医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

10. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は330,000円(税込)、結果までは2〜3週間です。唾液や頬の内側の粘膜、血液で検査でき、オンライン診療でもお受けできます。

ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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検体の採取キットはお支払い後に発送
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
対象遺伝子 FGFR1、FGFR2、FGFR3(3遺伝子)
検査費用 330,000円(税込)
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 2〜3週間
至急オプション 55,000円(結果までの期間が約7日短くなります)
含まれる解析 塩基配列の解析、欠失・挿入の解析(料金に含まれます)
VUS除外 無料(VUS=病的な意義がまだよくわかっていない変化)
検体 血液(EDTA採血管4ml×2本・紫色のキャップ)、抽出したDNA(3μg)、頬の内側の粘膜、唾液(ご希望により採取キットをお送りします)
オンライン診療 唾液・頬の粘膜・血液のいずれでも可能。血液の場合は全国の提携医療機関で採血をお願いします

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。

オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいた後にお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つため、ご自身の判断で検体を採取しないでください。この検査は、腫瘍の組織での検査には対応していません。

遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

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11. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【原因を知ることは、次の一歩を選べるようにすること】

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

ファイファー症候群・クルーゾン症候群・アペール症候群は、ご両親に変化がなくても、新しく起きた変化で起こることが多い病気です。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。原因がはっきりすれば、ご両親が自分を責める理由がないこともわかりますし、次のお子さんの確率や、次の妊娠でどう備えるかを具体的に考えられるようになります。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで次の妊娠を考えたい方には、NIPTや絨毛検査・羊水検査による出生前診断まで、当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. ファイファー症候群・クルーゾン症候群・アペール症候群は遺伝しますか?次の子の確率は?

いずれも常染色体顕性(優性)遺伝の病気で、親が同じ遺伝子の変化をもっている場合、お子さん1人あたり2分の1の確率で受け継がれます。ご両親の検査で変化が見つからず、お子さんで新しく起きた変化と考えられる場合も、親御さんの卵子や精子のもとになる細胞の一部にだけ変化がある可能性(性腺モザイク)が残るため、次のお子さんで同じことが起こる確率はゼロにはなりません。どちらに当たるかは、お子さんとご両親の遺伝子検査で確かめます。

Q2. 親に症状がないのに、なぜ起こるのですか?

精子のもとになる細胞で、新しく遺伝子の変化が起こることがあるためです。アペール症候群の研究では、新しく起きた変化は調べた57家系すべてで父親由来でした。散発のクルーゾン症候群・ファイファー症候群でも父親由来で、父親の年齢が高い傾向が報告されています。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

Q3. 妊娠中にわかりますか?いつわかりますか?

ファイファー症候群は、ふつう生まれてから見つかり、妊娠中にわかるのはクローバーリーフ頭蓋など目立つ所見があるときが中心とされています。当院のNIPT(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)では、原因となるFGFR1・FGFR2・FGFR3を調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。ご家族で原因の変化がわかっている場合は、絨毛検査・羊水検査で赤ちゃんを直接確かめられます。

Q4. ファイファー症候群の寿命はどれくらいですか?

型によって大きく違います。1型は神経や知的な発達が保たれ、多くは経過が良好とされています。2型と3型は、重い神経の障害や呼吸の問題で早くに亡くなる危険が高いとされています。何歳までと一律に言えるものではなく、合併症への備えと治療で見通しが変わります。

Q5. 何人に1人くらいの病気ですか?

海外の出生統計では、クルーゾン症候群は出生100万あたり約16.5、アペール症候群は出生100万あたり約15.5と報告されています。ファイファー症候群は約10万人に1人とされています。日本では、ファイファー症候群の年間の発症数は約6人程度と予想されています(難病情報センター)。

Q6. クルーゾン症候群とアペール症候群の違いは何ですか?

どちらもFGFR2遺伝子の変化で起こる頭蓋骨縫合早期癒合症ですが、手足の所見が違います。クルーゾン症候群では手足に大きな異常はなく、アペール症候群では両手両足の複雑な合指(指がくっついている状態)がみられます。アペール症候群の多くは、FGFR2の決まった2か所の変化(Ser252Trp・Pro253Arg)のどちらかで起こります。

Q7. 検査で変化が見つからなかったら、病気ではないのですか?

そうとは言い切れません。この検査は3つの遺伝子だけを調べるため、ほかの遺伝子が原因の頭蓋骨縫合早期癒合症は見つかりません。また、体の一部の細胞にだけ変化がある状態(モザイク)を見つけることはこの検査の目的に含まれておらず、検査で読めない種類の変化も検出できません。症状に合わせて、より広い遺伝子パネル検査などを考えます。

Q8. 海外でPGT-Mを受けたいのですが、英語の検査結果はもらえますか?

はい。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。ただし、ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。ご家族の検体が必要になることが多く、新しく起きた変化(de novo)の場合は一般的な解析方法が使えないこともあります。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。

🧬 一度の検査で、お子さんとご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。ファイファー症候群・クルーゾン症候群・アペール症候群の原因がわかれば、合併症への備えだけでなく、ご家族の検査や、次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、NIPTや羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768 | 診療時間・アクセス

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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