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皆さんは、「破水と尿もれを間違えてしまった!」と書かれた口コミを、妊婦さん向けのサイトなどで目にすることはありませんか?
尿もれは妊娠中のマイナートラブルとしてはとてもメジャーで、実際、出産を経験した先輩ママの中でも、破水と尿もれを間違えてしまった方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、破水と尿もれを見分ける5つの方法や破水のタイミング、破水に備えておきたい5つの対策など、破水について詳しく解説していきます。
破水するタイミングはいつ?
子宮内の圧力が上昇することで胎児を包んでいる卵膜が破れ、中の羊水が外に流れ出てくる状態が破水です。
通常であれば陣痛が始まり、子宮口が全開になった後に破水しますが、妊娠期間中であれば妊娠初期の段階から破水する可能性があります。
たとえば陣痛は始まっているけど子宮口がまだ全開ではないうちに破水をする「早期破水」や、陣痛が始まる前に破水する「前期破水」があります。
前期破水で重要なのが、妊娠何週で破水が起きたかです。出産へのリスクに差が出るため必ず確認しなくてはいけません。
破水したタイミングが妊娠37週以降であれば、正期産となり出産への影響はありません。
しかし、妊娠37週未満で破水した場合、週数が早ければ早いほど胎児の成長が十分ではないため、出産や胎児へのリスクを考慮する必要があります。
妊娠37週未満で前期破水した場合、下記のようなリスクを負う可能性があります。
- 絨毛膜羊膜炎のような感染症を発症し、胎児へ感染の可能性もあり
- 臍帯圧迫や臍帯脱出によって、お腹の中の胎児が苦しくなる
- 羊水の量が減ることで胎児が圧迫され、胎児の成長に支障をきたす
とくに胎児の肺の成長がまだ未熟である妊娠34週未満の場合、すぐに出産させるのか、もう少しお腹の中で胎児の成長を待つのかを判断しなければなりません。
妊娠34週未満の前期破水の場合は、胎児がお腹の外の環境でも耐えられるかどうかを、医師が胎児の成長度や感染症の有無を常に確認しながら、今後の出産計画を立てていきます。
妊娠週数が早い段階での前期破水は、胎児の成長を促す薬や子宮の収縮を抑制する薬などを使用して、胎児とお母さんの状況を把握し、一番適した方法で出産まで導いていく必要があります。
羊水はお腹の中の胎児を守ったり成長させたりと、とても重要な役割を担っています。
一度破水をすると、羊水は外に排出され量が減っていくため、いつどのようなタイミングで破水するかどうかが、胎児の成長や出産にとって大切になるのです。
破水と尿もれを見分ける5つのポイント
出産を経験した先輩ママからは「破水か尿もれなのかわからなかった!」という意見を聞くことがよくあります。
妊娠週数が経ち、お腹がどんどんと大きくなると子宮の近くにある膀胱が圧迫されるので、尿もれを起こしやすくなります。
とくに、出産を間近に控えた状態だと、少し動いただけで尿もれを起こしてしまう方も少なくありません。
それでは、破水と尿もれにはどのような違いがあるのでしょうか。
ここからは、破水と尿もれを見分ける5つのポイントを解説します。
色
尿の場合は黄みがかった色をしていますが、破水してでてきた羊水は無色透明であるか、白濁色です。
また、少量の血液が混ざることでピンク色のようになることもあります。
におい
尿もれの場合はアンモニア臭、羊水は無臭であるか、酸っぱさや生臭さを感じる方もいます。
流れ出る量
尿もれの場合、尿が出るのは少量であることが多く、出るタイミングはお腹に力が入った時や動きはじめの時などです。
しかし、破水の場合はどの位置で破水したかによって、羊水が流れ出る量に差があります。
まず、通常の破水である「低位破水」の場合は、子宮口近くで破水が起こるため、羊水が一気に流れ出てきます。
尿もれとはまったく違う感覚で羊水が流れるので、破水したことに気づきやすいです。
また、低位破水は破水する時に「パンッ」と弾けたような音がした方も、中にはいらっしゃいます。
一方、破水した位置が子宮口近くではない「高位破水」の場合は、羊水が少量ずつちょろちょろ流れ出るので尿もれと感覚が似ており、比較がとても難しくなります。
自分の意思でコントロールできるかどうか
尿もれは、「尿が漏れてしまった!」という感覚があった後、ご自身の意思で尿を止められます。
しかし破水の場合は、羊水がでていたとしてもご自身の意思で流れ出るのを止めることはできず、少量であっても羊水が流れ出し続けます。
そのため、高位破水のように量は尿もれの時と変わらなかったとしても、とめどなく流れ続けているかどうかで破水か尿もれかを判断ができます。
かかりつけ医を受診する
上記の4つの方法でも見分けが付きづらく、尿もれか破水か判別できない時には、かかりつけ医を受診して内診をしてもらいましょう。
とくに高位破水の場合は尿もれとの判別は付きづらいものの、放置してしまうと羊水が流れ続けてしまい、羊水量の減少や感染症を引き起こしてしまう危険性もあります。
先輩ママの中にも、破水かと思って受診したら尿もれであった方も多くいるため、気になる違和感があったら尿もれだったとしても問題ないので、必ずかかりつけ医を受診しましょう。
破水に備える5つの対策
いざ出産が近づいて来ると、陣痛か破水のどちらが先にくるのか気になりますよね。
これまで、破水について解説しましたが、突然破水した時に慌てないためには、事前にどのような備えをしておけばいいのでしょうか。
ここからは、破水に備えておきたい5つの対策をご紹介します。
大きめのナプキンを常備しておく
出産が近づいてきたら突然の破水に備えて、大きめのナプキンを常備しておいてください。
低位破水だと羊水が大量に流れ出るので出産が近づいてきたら、大きめのナプキンを持ち歩いていると便利です。
とくに外出する際にはトイレが近くにあるとは限らないので、慌てないためにも事前に下着にナプキンを装着しておくのがオススメです。
また、大きめのナプキンであったとしても漏れてしまう可能性があるので、心配な方はパンツ型の生理用ナプキンや大人用のおむつも検討してみましょう。
就寝時は防水シーツかバスタオルを敷く
就寝時にも破水が起こる可能性はあります。
ご自身の布団やベッドを濡らさないためにも、防水シーツやバスタオルを敷いてから寝ると、万が一破水したとしても安心です。
少し小さめにはなりますが、赤ちゃん用の防水シーツを腰回りに使用すれば、出産後も使えるので便利です。
入院セットは玄関に
破水しても冷静に行動できるように、事前に入院セットを準備しておき、玄関に置いておきましょう。
破水したら、羊水をなるべくお腹の中に留めておけるように、必要以上に動き回らず必ず安静にしておかなければなりません。
玄関に置いておけば、入院セットを玄関まで運ぶ必要がなくなり、すぐに外に出られます。
また荷物の場所だけではなく、衣類などの出産後の入院中に追加で必要になるかもしれないものは、必ずパートナーの方にも収納してある場所を伝えておきましょう。お互いに共有しておくのが何よりも大切です。
陣痛タクシーに登録しておく
病院に向かう移動手段は、破水後は安静にしなければいけません。徒歩や公共交通機関は控え、乗用車やタクシーを利用してください。
とくにタクシーの場合は、1社だけではなく3社以上のタクシー会社の電話番号を登録しておかないと、いざという時に配車に時間がかかってしまい、病院に行くのが遅くなってしまいます。
破水してしまうと、羊水の量が減るだけではなく感染症のリスクも高まるため、スムーズに移動することがとても重要になるのです。
スムーズな移動のためにも、妊婦さんが検診や出産する病院までの送迎を頼める「陣痛タクシー」の利用がオススメです。
陣痛タクシーは普通のタクシーとは異なり、後部座席にビニールシートを敷いてあったりバスタオルが用意してあったりと、乗車する時に気になるシートの汚れを防ぐ配慮がされています。
また、事前に出産先の病院やご自宅の住所など、個人情報を登録しておけば、乗車後すぐに登録した病院へ向かってくれます。
陣痛タクシーの運転手は、妊婦さんへの対応など専門的な講習をうけているので、通常のタクシーよりも安心して乗車できます。
コンタクトやアクセサリーははずしておく
破水している状況や陣痛の有無、胎児の状態などによっては、病院到着後すぐに分娩準備に入ります。
分娩時には、コンタクトやアクセサリーは必ず外しておかないといけません。コンタクトの方は手に取りやすい位置にメガネを置いておき、破水したらすぐに対応できるようにしましょう。
まとめ
今回は、破水した時の見分け方や破水に備えておきたい対策などを解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
破水は尿もれと見分けるのが難しく、とくに高位破水の場合は尿もれと症状があまり変わらないので、見落としてしまう方も中にはいらっしゃいます。
今回の記事で見分け方を解説しましたが、少しでも破水かな?と思うところがあった場合は、躊躇せずかかりつけ医に受診をして、診断を受けてください。