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つわりの症状とは?代表的される5つの体の変化と妊娠悪阻を解説

妊娠後は、新しい家族が増えることを段々実感していくことになりますが、妊娠初期から「つわり」というさまざまな体の変化が起こるようになります。

つわりは妊娠を知らせるサインともいわれていますが、人によって症状が著しく異なり、立っていられないほどの吐き気に見舞われる妊婦さんもいます。

この記事では、妊婦さんの多くが経験することになるつわりの代表的な5つの症状と、気をつけるべき妊娠悪阻についてご紹介していきます。

妊娠したばかりの妊婦さんにとってとても役立つ情報となりますので、是非お役立てください。

つわりの症状とは?

つわり

産婦人科で正式に妊娠していることと妊娠週数を伝えられた後は、いよいよつわりが始まる時期に突入していきます。

そもそもつわりは何が原因で引き起こされているのかをご存じない方もいるので、つわりの概念や発生時期などを交えて具体的な症状をご説明していきます。

つわりの概念

つわりは妊婦さんだけに発生するものですが、実は根本的な原因は未だに解明されていません。

しかし、「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」という妊娠ホルモンがつわりを引き起こしている説が有力となっています。

妊娠すると徐々に胎盤が形成されていきますが、ある程度胎盤が形成されると胎盤組織である絨毛から「hCG」が活発に分泌されるようになります。

「hCG」は妊娠4週〜5週頃から分泌し始めて8週〜12週頃にはその量がピークとなり、その後、減少していきます。

妊婦さんの大半は妊娠5週頃からつわりが現れ、妊娠9週前後をピークとして症状が重くなる傾向にあります。「hCG」の増減に伴ってつわりの症状もピークを迎えるため、妊娠ホルモンがつわりを誘発しているのでは、と考えられています。

ピークを越えた後は徐々に症状も楽になり、妊娠11週くらいでつわりが治まるのが一般的です。

つわりの症状

妊娠5週頃から現れるつわりですがその症状は多様で、必ずしも全ての症状が現れるとは限りません。つわりだと確信できるくらい症状が現れるのは、妊婦さんの6割〜7割くらいといわれています。

それでは、代表的なつわりの症状を説明していきます。

食べづわり

つわりの出始めによくみられる「食べづわり」は、何かを口にしていないと気持ち悪くなってしまうつわりの代表的な症状です。

空腹になると急に気持ち悪くなり、とりあえず何かを食べると気持ちが落ち着くという特徴があります。

特に気をつけたいのが朝起きた後です。胃の中がからっぽの場合は朝食を取るまで体調不良が続くことがあります。

食べづわりはしっかりしたご飯を食べるだけではなく、水分・クラッカー・ゼリーなどを食べても落ち着くことがあるので、栄養が偏らないように食材や飲料水を冷蔵庫の中に揃えておきましょう。

吐きづわり・においづわり

妊娠に伴う生理現象である吐きづわりは、何か食べるとすぐに吐いてしまったり、においをかいだだけで吐いてしまったりします。

吐きづわりによって食欲不振も起こり、1日に必要な栄養を十分に摂ることができずに栄養不足になってしまうこともあります。

食べられるものをゆっくり見つけながら、妊娠中に栄養がしっかり摂れる献立を決めることはとても大事です。

1日の中で比較的体調が楽になる時間帯はありますが、そこで一気にカロリーを摂りすぎてしまうことには注意しましょう。

食事を1日3食から5食に増やして、1回の食事の量を減らすなどの対策がおすすめです。

頭痛

頭痛もつわりの症状のひとつだということを知らない妊婦さんは多く、実は妊娠初期に特に発生しやすい症状となっています。

つわりが疑われる頭痛は2種類あります。

「偏頭痛」の場合は頭の片側だけズンズンという痛みが発生し、においづわりに誘発されて偏頭痛が起こることもあります。

「緊張型頭痛」の場合は、頭を強く圧迫されるような痛みが発生し、肩こりを伴う方もいます。妊娠中に欝気味になったりストレスを過度に溜め込んでしまうことでも緊張型頭痛は発生します。

頭痛は幹部を冷やすことで痛みを緩和できるので、保冷剤を包んだタオルなどで対策しましょう。

眠気

妊娠することで妊娠ホルモンの「hCG」が活発に分泌されることに触れましたが、ステロイドホルモンである「エストロゲン」や「プロゲステロン」も急激にその数が増加します。

つわりの症状である眠気は「プロゲステロン」の増加によってホルモンバランスが崩れて発生するといわれています。

十分に睡眠をとっても眠気に襲われてしまうためお仕事をされている方は大変ですが、こまめに外の空気を吸ったり体を動かしたりすることで上手に対策しましょう。

ストレス

「プロゲステロン」の増加は精神面にも影響があり、妊娠初期に常にイライラしてしまうことも珍しくありません。

普段は気にならなかったことも急に気になってしまい、時にはパートナーや家族との喧嘩に繋がることあります。

「妊婦の辛さを全く理解してくれない」と情緒不安定になることもありますが、「プロゲステロン」は妊娠中期になると分泌量が減少し、それに伴ってイライラも治まってくるのでご安心ください。

妊娠悪阻とは?

つわり

つわりの代表的な症状をご説明しましたが、ここからは気をつけておきたい「妊娠悪阻(にんしんおそ)」についてご紹介していきます。

妊娠悪阻の症状について

「妊娠悪阻」は、つわりの症状が酷くなって重篤化した状態を指します。

妊娠に伴ってホルモンバランスが崩れるとさまざまな症状のつわりが発生しますが、その症状は人によって著しく異なります。

症状が重い場合、激しい吐き気や嘔吐に見舞われて急激に体重を減らしてしまったり、脱水症状が起こったりします。

つわりは基本的に仕事や家事も体を休ませながらであれば行うことがありますが、妊娠悪阻の場合は1日に何度も吐いて目眩が起こるほど酷い症状になります。

1日3回以上の嘔吐があった場合で、体重が一気に5%以上減少して尿からケトン体が検出されると妊娠悪阻と診断されます。

妊娠悪阻は妊娠20週目以降になると少しづつ良くなるといわれていますが、出産を終えるまで継続するケースもあるため注意が必要です。

妊娠悪阻が発生する原因

つわりが重症化した妊娠悪阻が発生する原因は明らかではありませんが、以下が原因になっている可能性があるといわれています。

  • 双子や三つ子の赤ちゃんの妊娠
  • 妊婦の肥満
  • 摂食障害
  • 妊娠性絨毛性疾患
  • 自身に妊娠悪阻の既往歴がある
  • 家族に妊娠悪阻の既往歴がある

つわりの発生自体を完全に防止することはできませんが、妊娠悪阻は妊婦さんの体調管理によって発生する原因を減らすことが可能です。

肥満と摂食障害は胎児の健康に悪影響を与える可能性があるため、健康的な食事の管理を妊娠前からしておくことをおすすめします。

妊娠悪阻の対処法

つわりの対処法として欠かせないのが水分補給です。

日常的にこまめに水分補給を心掛けて、献立に汁物を意識的に入れることも忘れないようにしましょう。飲料水はミネラルたっぷりで水分を効率よく吸収してくれるイオンドリンクが特におすすめです。

つわりの症状が酷くなって妊娠悪阻が疑われた場合は、すぐに病院で診察を受けるようにしましょう。適切な治療が施され、場合によっては入院が必要になることもあります。

妊娠悪阻は早産のリスクを高めるため、赤ちゃんを守るためにつわりの症状をしっかり理解し、体調に合わせた対処を行うことを忘れないようにしましょう。

まとめ

妊娠に伴って発生するつわりの症状と気をつけなければならない妊娠悪阻をご紹介しました。

赤ちゃんが授かったことを知らせるサインでもあるつわりですが、妊娠5週頃に発生し、妊娠9週くらいでピークを迎えます。

代表的な症状である「吐きづわり」や「食べづわり」は酷い時には嘔吐を伴い、1日に何度も吐いてしまうと脱水症状になる可能性もあります。

つわりの症状が重症化した場合は「妊娠悪阻」となり、治療が必要となるためすぐに病院に足を運びましょう。

また、つわりが発生し始める妊娠初期には、胎児の健康状態を検査できる出生前診断を受けておくことをおすすめします。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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