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妊活のタイミングについて|妊娠の確率を上げるコツや回数

「子どもは授かり物」とは言え、「妊娠率を上げる具体的な方法を知りたい」と、妊活について関心をもつ人は少なくありません。
妊娠率を上げるには、妊娠の仕組みについて詳しく知っておくことが大切です。妊娠の仕組みを理解したうえで、時期を見計らって性交する妊活をタイミング法といいます。

本記事では、タイミング法による妊活を成功させるポイントについてわかりやすく解説いたします。

妊活を始める前に知っておくべきこと

妊活の予定をチェックしている女性

まずは、妊活を始める前に知っておきたい妊娠の仕組みについて確認しておきましょう。

妊娠とは、受精卵が着床してから胎児が産まれてくるまでの状態のことをいいます。受精卵が着床することで、妊娠が成立したと判断できます。

性交によって射精された精子は、子宮頸管から子宮、卵管へと進んでいきます。卵管まで到達できる精子は、射精されたもののうちほんの一部です。射精された精子は、女性の体内でおよそ72時間生きます。

女性は、1ヵ月に1回の頻度で卵巣から卵子を排出します。これが排卵です。卵巣内から成熟した卵胞から飛び出した卵子は、卵管采へ取り込まれます。排卵後の卵子の寿命はおよそ24時間とされており、精子と比較すると3分の1程度しか生きられません。

卵管内で卵子に精子が入ると、受精卵となります。こうしてできた受精卵は、細胞分裂を何度も繰り返しながら次は子宮へと移動します。
やがて子宮まで辿り着いた受精卵は、子宮内膜に潜り込みます。こうして、妊娠は成立するのです。

着床すると、極めて少ない量の出血が見られる着床出血が見られる場合があります。生理とは別に、極めて少ない出血が短い期間続きます。
着床出血は着床したことを示すサインともいえますが、この現象は誰にでも見られるわけではありません。この現象が見られる確率は、全体に対して25%程度とされています。

着床が完了した後、妊娠を継続させるために女性の体内のホルモンに大きな変化が見られます。また、なかには着床から10日程度経った頃、わずかに体の変化を感る人もいるようです。

妊活におけるタイミング法とは?

妊娠検査薬で陰性反応が出て落ち込んでいる妊活中の女性

先述した妊娠の仕組みを踏まえてみると、精子および卵子には寿命があることがわかります。生きている精子が同じく生きている卵子まで辿り着かなければ、妊娠は始まりません。

精子と卵子に寿命があることから、妊娠にはタイミングが重要となります。これがタイミング法と呼ばれるものです。
なかなか子どもを授かれない場合、不妊外来ではいくつもの検査を行って不妊の原因を探ります。タイミング法は、検査をしたうえでどこにも異常が見られない場合などに、医師からすすめられることが多いでしょう。

タイミング法は、一般的な知識として排卵日に合わせて性交を行うのではなく、詳しい検査を行い、その結果に基づいてより最適なタイミングを図る方法です。
排卵日を予測するには、超音波を用いた検査によって卵胞のサイズを確認したり、尿検査や血液検査によって排卵前に増えるホルモンの値を見たりといった方法が検討されます。

妊娠しやすいタイミング

妊活アプリ

妊娠は、排卵日の1〜2日前がもっとも成立しやすいタイミングだとされています。精子が女性の体内で生きられる寿命はおよそ72時間とされていますが、排卵してからの卵子はおよそ24時間しか生きられません。加えて、卵子の受精可能時間は、排卵から6〜8時間ともいわれています。

また、排卵日は早くなることもあれば、遅くなることもあります。よって、これまでの傾向から予測し、排卵が予測される日の数日前から2日置きに性交することで、妊娠の確率が高まるとされています。

排卵日を予測する4つの方法について、それぞれ見てみましょう。

月経周期から予測する方法

月経周期から、排卵日を予測することができます。この場合、前回ではなく次回の月経が起こるタイミングを基準として予測するのがポイントです。

排卵日は、次回の月経の開始日から数えて2週間前後とされています。そのため、定期的に決まったタイミングで月経が起こるのであれば、そこから逆算することが可能です。

基礎体温から予測する方法

女性は、体の変化によって体温も上下します。そのため、普段から体温を計測しておけば、基礎体温の確認によって排卵日を予測することが可能です。

基礎体温とは、生きていくために必要なエネルギーのうち最低限の量だけを消費している状態で測る体温です。基礎体温を測るときは一般的な体温計ではなく、婦人体温計を使用します。朝起きてすぐ、寝たままの状態で測ります。

基礎体温は、ちょっとしたことで微妙に変わってしまいます。朝起きてからそのままの状態で測ることが大切です。
測ったあとは、その結果を紙や専用のアプリなどを用いて必ず記録するようにしましょう。

基礎体温の変化から、以下3つのポイントで排卵日を判断します。

  • ・低温期の最終日前日で体温ががくっと下がった日
  • ・低温相最終日
  • ・高温相最終日

LH checkerで予測する

尿に含まれている黄体形成ホルモンの変化を確認して、排卵日を調べる方法です。LHを調べるには、ドラッグストアなどで販売されている排卵日予測薬を使用します。

使用してみると、排卵日の前日から陽性であることがわかります。そのため、予測されている排卵日の数日前から使い始めることで、陽性に切り替わるタイミングが確実にわかるようになります。
検査の結果、陽性となった日の翌日が排卵日です。

超音波検査で予測する

超音波検査を用いて卵胞の大きさを計測することで予測する方法です。先述した3つの方法とは違い、クリニックなどで専門的な機械を用いてみてもらう必要があります。クリニックなどで専門的にみてもらう分、コストはかかりますが確実な方法です。

おりものと排卵痛について

妊活の最中に気にしたいのがおりものと排卵痛についてです。

排卵日が近づくと、おりものの量が多くなります。これは、おりものに受精を手助けする働きがあるためです。
ですが、おりものの量には個人差があるため、増えたからといって必ずしも排卵日が近いとは限りません。

排卵日の前後で生じる腹痛が排卵痛です。卵巣から卵子が排出されるときに生じる痛みだとされています。人によっては腹痛ではなく腰痛を感じるケースもあります。参考程度ではあるものの、予想する排卵日の前後に腹痛や腰痛があった際は、タイミングの目安とするとよいでしょう。

妊活でタイミング法を行うときのポイント

タイミング法による妊活を成功させるポイントをわかりやすく解説

タイミング法を行うときのポイントを3つ解説いたします。

排卵日を予測して性交しているがなかなか妊娠しない場合がある

月経周期や基礎体温などを用いて排卵日を予測できたものの、性交してもなかなか妊娠しない場合があります。
もし、医院ではなくアプリやネットの知識のみで排卵日を予測している場合、妊娠可能な日について間違った解釈をしていることが考えられます。

排卵日の5日前からその日までの合計6日間が妊娠が見込めるタイミングだとされています。よって、性交のタイミングを図るのは、予測される排卵日から5日前からです。たとえば、月経が28日周期なのであれば、前の月経が始まってから8日目からタイミングをとります。

基礎体温を記録していたり、LH checkerを用いていたりするのであれば、とくに妊娠しやすいとされる排卵日の前々日と前日にタイミングをとりましょう。

タイミングをとることで性交が億劫になってしまう

妊活に必死になり過ぎるあまり、性交が億劫になってしまうケースは珍しくありません。タイミング法の場合、緻密に予測を立てたうえで性交を行うことになるでしょう。しかし、そのために義務感にかられて性交を行っているという場合があります。
ほかにも、男性側がプレッシャーに感じすぎるあまり、タイミングEDや排卵日EDともいえるような状態に陥ってしまうこともあるのです。

妊活中は、カップル同士の性交も多くなるでしょう。妊活に必死に取り組んでいるからこそ、性交の質を上げることも大切となるのです。

規則正しい生活習慣を大切にする

タイミング法だけに限らず、妊娠のために生活習慣を整えることを大切にしましょう。妊娠の際に必要となるホルモンは、ストレスや働きすぎによって簡単にバランスが乱れてしまいます。
受精産の着床をスムーズにさせるホルモンや排卵を促すホルモンについても同様です。

規則正しい生活習慣は、女性だけでなく男性にとっても大切です。妊娠するには、力強い精子が欠かせません。睡眠不足が続いていたり、暴飲暴食を繰り返していたりすると、精子の質が低下する恐れがあります。

普段の食事はバランスよく、適度な運動を交えながら十分に休息が取れるように普段の生活を見直してみましょう。

【まとめ】タイミング法のポイントを押さえて妊活を成功させましょう

妊活アプリをみている夫婦

タイミング法のポイントを押さえることで、妊活を成功させられるかもしれません。しかし、妊活に励むあまり必死になり過ぎてしまうと逆効果となる可能性があります。

最初に触れたように、子どもは授かりものです。タイミングを図ったからこの日に必ず性交しなければならない、と考えすぎるとかえってプレッシャーとなってしまうかもしれません。

過度に張り切り過ぎるのではなく、ポジティブな心持ちで妊活に挑むようにしましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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