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排卵日はいつ?排卵日の正確な計算方法や最も妊娠しやすい日を解説

排卵日を予想して1日でも早く妊娠したいと考えている方も多いのではないでしょうか。実際、排卵日を予測して適切な時期に性行為をすれば20代で「25〜30%」、30代で「18〜30%」もの確率で妊娠するというデータもあります。

そこでこの記事では、妊活中の方向けに以下の内容を解説します。

  • ・排卵日の基礎知識
  • ・正確な排卵日の求め方
  • ・排卵日に関するよくある質問

最後まで読むことであなた自身の排卵日を求めて、妊娠率を高めるための性行為のスケジュールを立てられるようになります。ぜひ、ご活用ください。

排卵日とは?

排卵日とは成熟した卵子が卵巣外に排出される日のことです。生理周期や女性ホルモンと深く関係しており、特徴的な症状が現れることもあります。

妊活中の方にとって排卵日が予測できれば、妊娠目的の性行為のスケジュールが立てられるでしょう。ただし正しい排卵日を予測するには、排卵に関する基礎知識を理解しておく必要があります。

そこでこの章では、以下の内容について詳しく解説します。

  • ・排卵日と生理周期
  • ・排卵日に出やすい症状
  • ・排卵日から予測する妊娠しやすい日

妊活中の方は排卵に関する基礎知識を身につけつつ、妊娠率を高められるようになりましょう。

 

排卵日と生理周期

排卵日を考える上で生理周期は切っても切り離せません。排卵日とは卵巣から成熟した卵子が排出される日のことであり、生理周期の一部です。

脳下垂体から卵胞刺激ホルモンが分泌されると、成熟した卵胞から卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されます。そして卵胞ホルモンの分泌量がピークを迎えると脳下垂体から黄体化ホルモンが分泌され、卵巣を刺激することで排卵が行われます。

卵子を排出した卵胞は黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌して、基礎体温を高めるなど妊娠の準備を始めます。この時期に子宮内膜に受精卵が無事着床できれば妊娠成立です。

一方で受精に至らなかった場合、生理(月経)として卵子と子宮内膜は外に排出されます。つまり生理(月経)になるのです。

 

排卵日に出やすい症状

排卵日前後は女性ホルモンの分泌が盛んになるため、排卵日特有の様々な症状が現れます。

例えば、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が増えると基礎体温が上がり、全身の火照りや怠さ、眠気を感じます。風邪のような症状が悪化することなく、長期的に続くならホルモンの影響かもしれません。

排卵後は排卵痛や排卵出血がみられます。ただし、出血量が少ないことから不正出血と間違えるケースも稀ではありません。心配なら産婦人科で精査をしてもらいましょう。

また排卵日には、以下の症状が出ることもあります。

  • ・頭痛
  • ・めまい
  • ・吐き気
  • ・便秘
  • ・情緒不安定

黄体ホルモンは腸の動きを弱めるため、便秘傾向になります。また、ホルモンバランスが崩れると自律神経が乱れて、情緒不安定になります。ただし、症状の種類や程度は人それぞれです。症状と上手く付き合っていく方法を自分なりに考えましょう。

 

排卵日から予測する妊娠しやすい日

妊活中の方は排卵前48時間〜排卵後24時間に性行為をすると妊娠率を高められます。

卵子と精子の生存時間が下記の通りだからです。

  • ・卵子:排卵後24時間
  • ・精子:射精後48〜72時間

つまり長い生理周期のうち、たったの72時間しか妊娠できるチャンスはありません。排卵日に合わせて性行為を行った場合の妊娠率は20代で「25〜30%」、30代で「18〜30%」、40代以降は「5%未満」と言われています。

そのため、正確な排卵日を予測して適切な時期に性行為ができないと、妊娠率は下がる一方です。また無事受精できたとしても、子宮内膜に着床しない限り妊娠することはありません。

次章以降で、正確な排卵日を予測する方法について詳しく解説します。ぜひ、ご覧ください。

自動計算ツールで排卵日を予測する

排卵日を自分で計算するのは面倒という方は、自動計算ツールを利用すると良いでしょう。

以下の事項を入力するだけで自動的に計算をしてくれるため、排卵日を簡易的に求めるのに向いています。

  • ・生理周期
  • ・前回の生理開始日

また生理不順の方もおおよその排卵日を求められるようになっています。そのため、「自分は生理不順だから計算は難しい」と諦める前に挑戦してみましょう。

※参考資料:ROHTO/ドゥーテスト

正確な排卵日を求めるための4つの方法

正確な排卵日を求められると、妊娠率を高めるための効果的な性行為のスケジュールが立てられるようになります。

そこでこの記事では、正確な排卵日を求めるための以下の4つの方法について解説します。

  • ・基礎体温
  • ・オギノ式による計算方法
  • ・おりものの変化
  • ・排卵検査薬

自分に合った排卵日の求め方を選ぶための参考にしていたければ幸いです。

 

方法①:基礎体温

長期的に基礎体温を記録すると、ある程度の排卵日を予測できます。

基礎体温は排卵直前から分泌が盛んになる黄体ホルモン(プロゲステロン)により変化します。黄体ホルモンは受精卵が着床・成熟しやすいように子宮内膜を温めることが役割です。

基礎体温の変化と黄体ホルモンの関係については、厚生労働省の資料をご覧ください。

生理周期リズム

厚生労働省ヘルスラボ/基礎体温より画像引用)

基礎体温は黄体ホルモンがあまり分泌されていない「低温期」と、排卵直前から急激に分泌される「高温期」の二層性に分類されます。つまり基礎体温が高温期であるということは、排卵前後のサインになります。

※参考資料:厚生労働省ヘルスラボ/基礎体温

 

方法②:オギノ式による計算方法

オギノ式とは、産婦人科医である荻野久作が1924年に医学誌に発表した排卵日を予測する計算方式のことです。世界的に認められた方式であり、自分で排卵日を予測する最もメジャーな計算方法でもあります。

例えば、生理周期が30日の方に当てはめて考えてみましょう。

通常、排卵日の14日後に生理が始まります。そのため、生理周期から14日を引いた数を次回生理の初日に足すと、次回排卵日を求められます。

  • ・30日(生理周期)−14日=16日
  • ・今回の生理初日:1/1 → 次回排卵日:1/17

また、厚生労働省によるとオギノ式で排卵日を予測して妊娠する確率は「25%」というデータがあります。ただし生理不順がある方は、オギノ式で排卵日を求めにくいでしょう。そのため、基礎体温や排卵検査薬などを合わせて予測することで、より確実に排卵日を求められます。

また、男性も含めて不妊症や生殖器関連の病気などがあれば、妊娠率はさらに低下することも予測されるので注意しましょう。

※参考資料:厚生労働省 ヘルスケアラボ/避妊

 

方法③:おりものの変化

排卵日におりものがでる理由は、精子の活動性を上げるために頸管粘液と呼ばれるアルカリ性の分泌物が増えるからです。

膣内は細菌などの感染症の侵入を防ぐために酸性に保たれています。しかし、酸性の環境下では精子の活動性が落ちて、受精率が下がるため、アルカリ性に傾ける必要があります。

通常、おりものは以下の3つから構成されます。

  • ・子宮頸部・内膜、膣からの分泌液
  • ・劣化した細胞
  • ・汗腺からの老廃物

そして、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量に比例して増減します。

具体的には、以下の資料をご覧ください。

生理周期

アカチャンホンポ/妊娠超初期のおりものの特徴とは?より画像引用)

おりものの量からおおよその排卵日を予測できることが分かります。

排卵日のおりものについて詳しく知りたい方は「排卵日とは?注意すべきおりものの変化や排卵日の予測方法を合わせて解説」の記事が参考になります。ぜひ、ご覧ください。

※参考資料:アカチャンホンポ/妊娠超初期のおりものの特徴とは?

 

方法④:排卵検査薬

尿中に分泌されるLHホルモン(黄体形成ホルモン)で妊娠の有無を判定する排卵検査薬も、排卵日を予測する手段として有効です。

LH ホルモンは脳の視床下部から分泌される性腺刺激ホルモンにより、脳下垂体が刺激されて分泌されるホルモンのことです。卵巣を刺激して排卵を促すとともに、卵胞を黄体化させる働きがあります。

LHホルモンを検知できる排卵検査薬は、排卵の40時間前から陽性判定を示します。そして卵子は24時間、精子は48〜72時間が生存期間です。そのため、陽性反応後からできるだけ早く複数回にわたり性行為を行うことで妊娠率を高められます。

また排卵検査薬を使うメリットは、以下の通りです。

  • ・精度が高い
  • ・手技が簡単
  • ・15分程度で結果が分かる
  • ・簡単に手に入る

排卵検査薬と基礎体温・おりものの変化などを合わせて総合的に排卵日を予測できれば、精度を格段に上げられるでしょう。

排卵検査薬の使用方法や注意点について詳しく知りたい方は「今すぐ妊娠したい方へ!排卵検査薬の正しい使用方法や注意点・よくある質問に回答」の記事が参考になります。ぜひ、ご覧ください。

※参考資料:厚生労働省/般用黄体形成ホルモンキットのリスク区分及び適正使用に関する情報提供の徹底について

【妊活中】妊娠率を高めるための4つのセルフケア

妊活中の方にとって1日でも早い妊娠するために、何か自分にできることはないかと考えるのは当然の流れです。

そこでこの章では、妊活中の方を対象に妊娠率を高める以下の4つのセルフケアを紹介します。

  • ・禁煙・禁酒
  • ・適度な運動
  • ・栄養バランスの整った食事を摂取する
  • ・ストレスを溜め込まない

医学的な根拠に基づきながら今すぐ始められる具体的な方法をお伝えします。ぜひご覧ください。

 

セルフケア①:禁煙・禁酒

妊活中のタバコ・アルコールは健康被害だけでなく、妊娠率を下げる原因にもなります。

例えば、タバコに含まれるニコチンは脳や卵巣の血管を収縮させます。脳や卵巣に十分な酸素が送れないと排卵の指令が遅れたり、卵巣機能の低下により卵子が作られなかったりします。

アルコールは妊娠後に母胎へ健康被害を及ぼします。

具体的には、胎児性アルコール症候群・スペクトラム障害(精神発達遅滞や先天異常などが発症)、妊娠高血圧症候群、早産などが挙げられます。アルコールは依存性が強いため、妊娠したからすぐに禁酒できるというものではありません。妊活中から徐々に禁酒した生活を習慣化しておきましょう。

また、タバコやアルコールは非妊娠期でも健康維持のため禁止するのに越したことはありません。約10ヶ月におよぶ長い妊娠期を母子ともに無事乗り越えるためにも、禁煙・禁酒してみてはいかがでしょうか?

※参考資料
厚生労働省/ -たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう-
公益社団法人 日本産婦人科医会/飲酒、喫煙と先天異常

 

セルフケア②:適度な運動

適度な運動は脳や卵巣を活性化させて妊娠率を高めます。

全身の臓器には無数の血管が張り巡らされています。そして脳や卵巣も例外ではありません。運動により血液循環が改善すると脳や卵巣機能が活性化されます。

具体的には、排卵は脳下垂体から分泌されるLHホルモン(黄体形成ホルモン)により促がされます。脳や卵巣の血流循環が改善すると、ホルモンの分泌が整って正常な排卵を迎えたり、卵巣機能が活性して無排卵症や排卵障害の予防をしたりが可能です。

また適度な運動は基礎代謝を上げ、健康な体型を維持できます。痩せすぎや太りすぎなど極端な体型は、妊娠中・後で母子への健康被害が報告されているのです。そのため、適度な運動で標準体型を維持できることが重要です。

 

セルフケア③:栄養バランスの良い食事を摂取する

栄養バランスの良い食事を摂ることで妊娠率を高められます。

まず大前提として栄養バランスの良い食事は、妊娠期を乗り越えるための体作りの土台です。そして不健康よりも健康的な食生活をしている方が、妊娠率が高いというデータもあります。

加えて、バランスの良い食生活で適正体重・体型を維持できると、早産や妊娠高血圧症候群などの合併症も予防できるでしょう。

その上で、妊活中に積極的に摂取すべき栄養素は、以下の2つです。

  • ・葉酸
  • ・鉄分

葉酸は赤血球を作る働きがあり、鉄分と合わせて摂取すると貧血予防になります。生理による出血や妊娠後の胎児循環を確保するなら、妊娠前から貧血予防をしていくことが重要だと分かります。

また葉酸はDNA合成をサポートする働きもあり、二分脊椎など胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを予防できます。

葉酸や鉄分を多く含む食品については、厚生労働省の資料をご覧ください。

※参考資料:厚生労働省/妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~解説要領 P11

 

セルフケア④:ストレスを溜め込まない

ストレスを溜め込まないことで妊娠に関わる女性ホルモンのバランスを整えられます。

過度なストレスは自律神経を乱して、女性ホルモンのバランスを崩します。

例えば、卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)などのホルモンは、視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン(GnRH)によりコントロールされます。

しかし、過度なストレスを感じると視床下部から副腎皮質刺激ホルモン(CRH)が分泌されて自立神経が乱れるため、性腺刺激ホルモン(GnRH)が上手く分泌されなくなります。結果として、妊娠ができない体質になってしまうのです。

そこで以下の2つを意識しましょう。

  • ・ストレス源を減らす
  • ・十分な睡眠時間の確保

睡眠中はセロトニンという物質が活性化します。セロトニンとは視床下部や大脳基底核・延髄に多く分布する神経伝達物質の一種で、精神の安定を保ち、ストレスを軽減させる効果があります。

別名「ストレス軽減ホルモン」とも呼ばれ、医学的にも十分な睡眠時間を確保することで活性化するのも分かっています。

また、ストレスの原因自体を避けることも必要でしょう。自分ではどうしようもできないストレス源は断ち、ストレスを溜め込まない生活スタイルに変化させていくのも、ストレスを溜め込まない手段の一つです。

※参考資料:厚生労働省 e-ヘルスネット/セロトニン(せろとにん)

排卵日に関するよくある2つの質問

排卵日に関してよくある質問は、以下の2つです。

  • ・排卵日に性行為をしても妊娠しない場合の対処法はありますか?
  • ・生理不順でも排卵日の予測はできますか?

なかなか妊娠できない方や生理不順に悩んでいる方が参考にできる内容になっているため、ぜひご覧ください。

 

質問①:排卵日に性行為をしても妊娠しない場合の対処法はありますか?

排卵検査薬など適切な方法で排卵日を予測しても妊娠しないなら、一度産婦人科に相談しましょう。

産婦人科では排卵検査薬に加えて、採血やエコー検査など、排卵日を予測するためのより高度な検査を受けられます。例えば、採血で排卵に関する女性ホルモンを、エコー検査で卵胞の大きさを観察できます。これらの結果をもとに、より正確な排卵日を予測できます。

また、産婦人科なら排卵自体が行われていない無排卵症などの病気も精査できます。妊娠できないと一人で悩んでいても解決する糸口は見つかりません。専門家に相談して、妊娠率を高めるための具体的な行動を一緒に考えてもらいましょう。

 

質問②:生理不順でも排卵日の予測はできますか?

生理不順の方でも排卵日の予測はできます。ただし、オギノ式では難しいため基礎体温の記録と排卵検査薬を使いましょう。

基礎体温は卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用により変化し、低温期と高温期の二層性からなります。

生理以降から排卵前までは黄体ホルモンがほとんど分泌されないため「低温期(平常時の体温)」で経過します。一方で排卵直前から生理前までは黄体ホルモンの分泌が盛んになり、基礎体温が平均で0.3〜1℃上がる「高温期」になります。

つまり、基礎体温が高温期になった時は排卵直前・後であるため、最も妊娠しやすい時期であると言えるでしょう。

このように生理不順の方であっても、ある程度排卵日を予測できるのです。

まとめ: 正確な排卵日を求められると妊娠率を高める

ハートマークを保持している若いアジア女性

以上、排卵日に関する基本的な考え方について詳しく解説しました。

排卵日とは成熟した卵子が卵巣外に排出される日のことでしたね。そして排卵痛や排卵出血など排卵に伴う症状や、火照りや全身の怠さなど女性ホルモンの影響で現れる症状がありました。

また、正確な排卵日を求める方法は、以下の4つがありました。

  • ・基礎体温
  • ・オギノ式による計算方法
  • ・おりものの変化
  • ・排卵検査薬

あなた自身の状況に合わせて必要な検査を選ぶための参考にしていただけると嬉しいです。

最後に妊娠をするためには健康的な体作りが重要です。そのために、日頃から以下のセルフケアを行い、約10ヶ月におよぶ妊娠生活に耐えられる体作りをしましょう。

  • ・禁煙・禁酒
  • ・適度な運動
  • ・栄養バランスの整った食事を摂取する
  • ・ストレスを溜め込まない

この記事が排卵日の理解と妊娠率を高めるための参考になれば幸いです。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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