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妊娠したい女性にとって重要な指標となるのが「生理」です。生理は女性の体が妊娠するのに適した環境になっていく大切な周期です。そのため生理の仕組みを知っておくことは妊活をする上で欠かせない知識です。 今回の記事では生理のメカニズム、妊娠との関係性について詳しくご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
「生理前は安全日」は間違い
「妊娠したくない」と考えていた頃は「生理の前は安全日」という話を耳にしたことがあるかもしれません。しかしながら、不妊症でない限り、避妊具なしでセックスしていればいつかは妊娠します。そもそも女性の体は「この日は安全」「この日は危険」ときっちり分かれているわけではありません。いつ排卵しているのかわからないため完全な安全日というのはわかりません。
基礎体温を調べていれば、過去にいつ排卵したのかはわかるので予測はできます。しかしながら、女性の体はデリケートなので排卵日がずれる場合もあるのです。したがって「生理前は安全日」というウワサは成り立たないのです。
「安全日」とは
そもそも安全日とは避妊具なしで性行為をしても妊娠しにくい日を指すようですが、先述したようにそんな日はありません。排卵日以外でも妊娠したケースはあります。だからこそ妊活中のご夫婦は希望を持って取り組んでほしいと思います。
「危険日」とは
「安全日」の反対で「避妊具なしでセックスすると妊娠しやすい日」というのが危険日です。妊娠は精子と卵子が出会って受精をし、着床したことで成立をします。つまり卵子が排出をされる前後が妊娠しやすいため排卵日の約1~3日前と排卵日、そして排卵が終わった後の1日を含む数日間(一週間前後)になるといえます。
そもそも生理とは
女性は生まれたときから、赤ちゃんをつくるために必要な卵子を約200万個持っています。思春期以降は、ホルモンの働きによって、この卵子を排出していきます。この働きが排卵です。
生理は妊娠しなかった場合、子宮内膜が体外に脱落・排出される現象です。女性の体は、思春期の頃からは生理周期に合わせて女性ホルモンが大きく変化していきます。生理初日から次月の生理開始日までを1つの生理周期とし、排卵もその中に含まれています。
排卵した後はまた新しい内膜が育ち、次の排卵まで子宮内幕が成長していきます。そこで妊娠成立しなかったら子宮内膜は排出されます。
生理周期のメカニズム
生理周期は以下の4段階に分かれており、体内で様々な変化が起こっています。
(※ネオクリニック|安全日と危険日っていつのこと?妊娠の確率は?排卵の仕組みを知ろう!より画像引用)
- 月経期
- 卵胞期
- 排卵期
- 黄体期
月経期
生理が起こっている時期です。子宮内膜が剥がれ落ち、血と共に体外へ排出されていきます。
生理周期の中で最も妊娠しにくいタイミングです。なぜなら妊娠に適した胎内環境を作るための黄体ホルモンと卵子を育てる卵胞ホルモンの量が低下しているからです。
一般的には3日から7日ほど続きます。
卵胞期
月経期が終わって新しい卵子を育てている時期です。子宮内では、卵子の成長と共に子宮内膜を分厚くして妊娠の準備をしています。卵胞期の平均は13日から14日です。
排卵期
成熟した卵子が卵胞から飛び出す時期のため最も妊娠しやすい時期です。特に排卵日の2日前から前日にかけてが妊娠しやすいと言われています。排卵期は通常16~32時間続き、黄体形成ホルモンが急上昇した10~12時間後に排卵が行われます。排卵した精子が受精できるのは約12時間と言われています。
黄体期
排卵後、妊娠に備えて子宮内膜を厚くする時期です。14日ほど続き、妊娠が成立しない場合月経期に移って生理がスタートします。
卵子が受精機能を失っていれば妊娠の可能性は低いものの、万が一受精していた場合には最も着床に適した時期です。
生理中である月経期を除いた場合、卵胞期なら妊娠の可能性が低く安全日だと思いそうですが、排卵が早まる可能性もあるため安全とは言えません。
妊娠しやすい時期はいつ? 生理前? それとも生理後?
ここまで生理のメカニズムを知ってくると生理前のほうが妊娠しにくいというのがおわかりいただけるかと思います。なぜなら排卵から14日ほどで次の生理が起きることを考えると、生理前に性行為をしてもすでに卵子の寿命が尽きている可能性が高いからです。
生理後の場合、精子の寿命は72時間ほどあるため、体内である程度排卵を待つこと可能ですので、排卵期の予測がつけば、その付近を狙って精子を待たせておくことができるため妊娠しやすいといえます。基礎体温を測っているご夫婦ならば、基礎体温表から排卵日の予測が可能です。排卵は、基礎体温が低温期から高温期へ移行する2~3日の間に起こるといわれています。
卵子と精子の寿命から考えると高温期に入って4日ほど経つと卵子に受精する力がなくなっていると考えられます。生理が順調に来ているならば過去の基礎体温表から低温期から高温期に移るタイミングが予想できるため妊活には基礎体温表が欠かせないのです。
ただし、排卵日だけを狙って性行為をしても妊娠できるとは限りません。排卵日前後は子宮内膜が異物を排除する仕組みを持っているためセックスレスだと精子を異物として認識する恐れがあるからです。
その他、妊娠しやすさと生理との関係については下記の記事にも詳しく説明していますのでご参照ください。
生理直後に排卵することはあるのか
規則的な月経周期であれば、生理直後に排卵をすることはありません。そもそも排卵は、次回の生理予定日の2週間前が目安と言われています。
生理後の分泌期(黄体期)は、卵胞刺激ホルモンの働きで卵巣にある原始卵胞が働き始めます。卵胞が発育すると卵胞ホルモンが分泌されます。すると子宮内膜が厚くなり、卵胞ホルモンの分泌がピークになると卵胞から卵子が飛び出してきます。これが排卵をする仕組みです。
その後卵胞が黄体という組織に変化し、黄体ホルモンが分泌されます。受精卵が着床するための準備として子宮内膜が柔らかくなります。生理後に分厚くなった子宮内膜に受精卵が着床すれば妊娠成立です。しかしながら妊娠しなかった場合、その子宮内膜は必要なくなるので次の排卵に向けて子宮内膜が剥がれ落ちます。これが生理です。
この仕組みを知っていれば生理直後に排卵することはないとご理解いただけるでしょう。ただし、精子の生存日数は3~5日のため、生理の終わりかけが生理直後から約5日程度経過していると、妊娠する確率は上がります。
まとめ
ここまで生理前と生理後のどちらが妊娠しやすいのかを解説していきました。妊娠直後は、体が妊娠するため準備をしているためなので生理周期の中で一番授かりにくい時期です。
生理周期や仕組みを知っていると妊娠しやすい時期が見えてくると思います。生理が安定している方なら基礎体温を図ることで把握しやすくなりますので始めてみてください。
もし生理不順で妊活をするならば、その前に産婦人科の医師に相談をしてみるといいでしょう。また排卵日だけに囚われず性行為の回数を増やすことで子どもが授かりやすい体になります。後、妊活をする際に注意をしてほしいのがストレスを溜めないことです。ストレスが溜まるとホルモンの分泌に影響を及ぼす恐れがあります。妊活の大敵ですので、できるだけ早めにストレスを解消するようにしましょう。