一定の周期で来ていた生理がこなくなると、不安になってしまう方は多いはずです。
「もしかして妊娠したかも」と思うかもしれませんが、妊娠以外の理由で生理がこなくなってしまうこともあります。
生理がこないことは、体からの何らかの警告の可能性もあります。
そこで今回は生理がこない理由や、生理がこないときの対処法について詳しく解説します。
体の異変に早く気づくためにも、生理がこない理由を知っておきましょう。
そもそも正常な生理周期とは?
ご自分の生理周期はご存知でしょうか。
近年では生理周期がチェックできるアプリもあるため、生理周期の把握がしやすくなりました。
生理周期には個人差がありますが、一般的には25〜38日程度が正常です。
また、生理で出血がある期間も個人差があり、一般的には3〜7日程度であれば正常と言えます。
生理周期は毎月一定であることが望ましいですが、数日から1週間程度の誤差が出ることは珍しくありません。
ご自分の体の変化に気づくためにも、生理周期を把握するようにしておきましょう。
生理がこない理由
生理がこない場合、さまざまな理由が考えられます。
生理が遅れているのなら、思い当たることはないかチェックしてみましょう。
1. 妊娠
生理がこない場合にまず考えられる理由が妊娠です。
妊娠の可能性が考えられる場合で生理がこないのであれば、市販の妊娠検査薬を使用して検査してみましょう。
避妊をしていた場合でも、妊娠している可能性はありますので、できるだけ早く検査してみてください。
妊娠検査薬の中には、生理予定日頃に検査ができる早期妊娠検査薬もあります。
検査の結果陽性になった場合は、できるだけ早く病院を受診して、詳しく検査してもらいましょう。
2. 過度のダイエット
厳しい食事制限を伴う過度なダイエットをしている場合は、ダイエットが生理がこない理由かもしれません。
過度なダイエットは栄養不足になって体が飢餓状態に陥りやすく、本来なら栄養が送られる卵巣に十分な栄養が行き渡らなくなります。
その結果、女性ホルモンのバランスが乱れてしまったり、卵子が育たなくなったりしてしまうのです。
飢餓状態にある体は妊娠できる状態ではないと脳が判断するため生理が止まってしまいます。
過度なダイエットを長期間続けてしまうと、女性ホルモンの分泌が止まってしまう可能性もあるので、食事制限を伴う急激なダイエットには気をつけましょう。
3. 過度の運動
筋トレによるボディメイクが流行していますが、過度なトレーニングやスポーツをして、体が強い負担を感じたり、体脂肪が急激に減少したりすると、生理がこなくなることがあります。
この場合も過度なダイエットと同様で、体は生命を維持するために脳や心臓への栄養を優先します。
その結果、卵巣に十分な栄養が送られず、卵子が育たなくなってしまうのです。
体脂肪を極端に減らすボディメイクをしている方や、部活やプロアスリートで激しい運動をしている方は、過度なトレーニングやスポーツが原因かもしれません。
4. 過度のストレス
日常生活や仕事などで過度のストレスを感じると、女性ホルモンのバランスが乱れて、生理がこなくなってしまいます。
過度のストレスを感じているときは、イライラしたり、情緒不安定になったり、睡眠不足になったりしていることが多いです。
また、引越しや転職など、環境の変化によって、知らず知らずのうちに体がストレスを感じていることもあります。
ストレスを感じて食事が疎かになり、栄養が不足している可能性もありますので、バランスのいい食事も意識しましょう。
5. 生理不順
正常な生理周期は25〜38日程度で、前後した場合でも数日から1週間程度です。
この周期よりも早く生理が来過ぎてしまったり、遅すぎる場合は生理不順の可能性が考えられます。
ストレスやダイエットなどで一時的な生理不順になる場合や、更年期で正常だった周期が乱れてしまうことはありますが、常に生理周期が安定しないケースもあります。
子宮の病気が原因のこともあるので、ずっと生理不順が続いているのなら注意が必要です。
ピルを処方してもらったりホルモン治療をすれば、正常な生理周期に改善できます。
6. 無月経
妊娠していない状態で3ヶ月以上生理がこない状態を無月経と言います。
これまで生理が来ていたのに、急に生理が止まってしまった場合は続発性無月経、18歳を超えても一度も生理がこない場合は原発性無月経です。
続発性無月経はストレスやダイエット、激しい運動が原因で起こることがあります。
無月経が続いている状態を放置していると、生理がこなくなってしまうこともあり得ます。
7. 早期閉経
通常閉経があるのは50歳前後ですが、40歳未満で閉経してしまうことを早期閉経と言います。
早期閉経になると妊娠できなくなってしまいますから、妊娠を望んでいる場合は早めに対応することが重要です。
また、早期閉経を迎えるとイライラや火照り、めまい、動悸、疲れやすくなるなどの更年期障害の症状が出ることもあります。
8. 子宮の病気
子宮筋腫、子宮内膜症、子宮頸管ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんなどの病気が原因で、生理がこなくなってしまうこともあります。
子宮系の病気は初期症状を感じにくいため、そのまま放置してしまって、重症化したり不妊になったりすることも珍しくありません。
生理がくる・こないを別として、子宮の検査は定期的に行っておくことをおすすめします。
9. 甲状腺の病気
バセドウ病や橋本病など、のどぼとけの下にある甲状腺が何らかの病気にかかってホルモン分泌量がバランスを崩すと、生理が止まってしまうことがあります。
バセドウ病や橋本病は20〜40歳代の女性に多い病気です。
甲状腺の病気を患うと、生理不順以外に体温の上昇や、火照り、下痢などの症状が出たり、脈が速くなったり、情緒不安定になったりといった症状が出てきます。
生理がこないことに加えて、これらの症状があるのであれば、できるだけ早く内分泌内科や内分泌代謝科を受診しましょう。
10. 低用量ピルを飲んでいる
低用量ピルを飲んでいる方であれば、低用量ピルの服用が生理がこない原因かもしれません。
低用量ピルを飲むと、子宮内膜に血液のクッションが蓄積されなくなるため、生理がこなくなったり、生理が来てもすぐに止まってしまうことがあります。
医師からも説明があるかと思いますが、この場合は生理がこなくても不安に思う必要はありません。
ただ、低用量ピルを飲んでいる場合でも時々妊娠してしまうケースがあります。
体調の変化を感じる場合は、検査薬で確認してみましょう。
生理がこないときの5つの対処法
妊娠以外で生理がこない場合、病気の疑いもありますが、日々の生活習慣が影響している可能性も高いです。
過度のダイエットや運動、ストレスなどに心あたりがある場合にできる対処法を紹介します。
1. 睡眠をしっかりとる
睡眠不足が原因で体がストレスを感じ、ホルモンバランスが崩れて生理がこなくなっている可能性があります。
睡眠をしっかりとるように心がけましょう。なかなか寝付けない方は、ぬるめのお湯で入浴をしたり、アロマを取り入れたり、寝る前にヨガやストレッチをしたりするのもおすすめです。
また、寝る直前にスマホを見る習慣がある方は控えましょう。
2. 規則正しい生活をする
毎日生活時間がバラバラで不規則な生活を送っていると、ホルモンバランスが乱れてしまいます。
たまの夜更かしはあるかもしれませんが、基本的には規則正しい生活ができるように心がけましょう。
3. バランスのいい食事を心がける
バランスのいい食事を心がけて、体に必要な栄養をしっかり摂ることも大切です。
ご飯などの主食、良質なタンパク質を含む主菜、野菜やキノコ類、海藻などをたっぷり取り入れた副菜や汁物などの組み合わせて、栄養バランスを心がけてみましょう。
4. ストレスを発散する
私たちは日々何らかのストレスにさらされていますが、過度のストレスは生理だけでなく自律神経などにも影響します。
自分なりにストレスを発散する方法を見つけて、適度に発散するようにしましょう。
過度のストレスを感じることが日常的になって、その状態に慣れてしまう人もいます。
自分としっかり向き合って、ストレスをどの程度感じているか把握しておくことも大切です。
5. 過度なダイエットや運動を見直す
過度なダイエットや運動に取り組んでいる場合は、内容を見直すことも大切です。
食事制限だけでダイエットをしているのであれば、必要な栄養を摂れる食事に切り替え、運動も取り入れてみましょう。
過度の運動が原因の場合も、練習量やトレーニング量を調節してみてください。
生理がこないときは受診すべき?
生理がいつもの周期よりも数日〜1週間程度遅れて来たのであれば病院を受診する必要はありませんが、生理予定日から1〜2週間経っても生理がこないのであれば病院の受診をおすすめします。
生理がこない理由はさまざまなものがありますが、何らかの病気だった場合、早く対処しなければ重症化してしまう可能性も少なくありません。
また無月経を放置すればするほど回復が難しくなるため、早めの対処が必要です。
病院を受診して生理がこない理由が分かれば、正しい対処ができます。
【まとめ】生理が1〜2週間遅れたら病院を受診しよう
今回紹介したように、生理がこなくなる理由はさまざまなものがあります。
生活習慣や食事を見直せば改善するものもありますが、重大な病気の可能性もあるため、原因を知ることは非常に大切です。
もし生理予定日よりも1〜2週間遅れているのであれば、婦人科を受診して検査してもらいましょう。