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排卵日後におりものの特徴から妊娠しやすい日を予測したいと考える方も多いのではないでしょうか。
実際、排卵日後のおりものの変化がわかれば、およその排卵日を予測できます。
そこでこの記事では、今すぐにでも妊娠したい方向けに、以下の内容をお伝えします。
- ・排卵日後のおりものの変化
- ・生理周期や年齢によるおりものの正常な変化
- ・危険なおりものの変化
- ・排卵日・後のおりものに関するお悩みと解決策
おりものについて正しい知識を身につけ、1日でも早く妊娠できるようになりましょう。
排卵後のおりものの特徴|妊娠率を高めるために重要!
排卵日のおりものの特徴は、以下のとおりです。
- ・分泌量の増加
- ・粘り気が強くなる
排卵日が近づくと子宮頸管から頸管粘液の分泌が増えるため、おりものの量は増えます。おりものの量を増やすことで、精子が卵子のいる卵管までスムーズに進み、受精率を高めるサポートができるからです。
そして、子宮から膣にかけてアルカリ性に傾ける効果もあり、精子の活動性を高める役割もあります。
排卵日が近づくと、おりものの粘り気が強くなります。よく「卵白」や「ゼリー」に例えられることがあり、無色透明で指で引っ張ると数センチほど糸を引くのが特徴です。このような粘り気は生理周期を通して排卵日付近だけに現れます。
つまり、これらの特徴があれば排卵日が近づいている証拠であり、妊娠しやすい時期であると言えます。
そもそも「おりもの」って何?
おりものは子宮・膣・汗腺から分泌物や古くなった細胞で構成されており、女性のカラダの下側に「おりてくるもの」という意味から名付けられた言葉です。
初潮前(小学3〜4年生ぐらい)から始まり、成熟した女性なら誰にでもある正常な生理反応です。そして、女性のカラダのちょっとした変化にも影響されるおりものは、あなたのカラダの状態を知る重要な手がかりになります。
では「おりものの役割」と「正常なおりものの特徴」について詳しくみていきましょう。
おりものの役割
おりものの役割は、以下のとおりです。
- ・自浄作用を促す
- ・受精をサポートする
自浄作用とは、膣内を保湿して粘膜を守るとともに 、PHを酸性に傾けて外部からの細菌の侵入や繁殖を予防することです。子宮や膣の古い細胞を排出して、新しい細胞でキレイな状態に保ちます。また免疫細胞が含まれており、性感染症の発症を抑えることも役割です。
一方、排卵期になると量が増えて、PHをアルカリ性に傾けることで精子の活動性が保てるようにしたり、 卵子のところまで精子がスムーズに進める潤滑油として活躍したりもします。
つまり、おりものは受精のサポートという意味でも重要な役割を担っているのです。
では、次に正常なおりものの特徴について詳しく見ていきましょう。
参考資料:公益社団法人 日本産婦人科医会/おりものについて教えてもらえますか?
正常なおりものの特徴
正常なおりものの特徴は、以下のとおりです。
- ・量:下着に付着する程度
- ・色:透明~乳白色
- ・ニオイ:気にならない
正常なおりものの量は下着に付着する程度で、おりものシートで漏れる心配はありません。
ただし、排卵前や人によっては下着が汚れるほど多い方もいます。また、女性ホルモンや体調の変化に影響されるため、常に一定量ではないことも知っておきましょう。
色については、透明〜乳白色で、下着に付着して時間が立つと黄〜クリーム色に変色します。というのも、おりものの中には古い細胞や老廃物が含まれており、空気に触れると酸化するからです。
ごく稀にですが、排卵時に少量出血する排卵出血があるとうっすらピンク色になることもあります。ただし、その場合は一過性であり、ピンク色のおりものが続くことはありません。
ニオイについては、ほとんどありません。生理前に酸っぱいニオイが強くなる方もいますが、おりものシートをしておけばある程度ニオイをなくすこともできます。
キツいニオイが続き、かゆみや出血が混じるなどあれば、病気や衛生面に問題がある可能性が高いため、一度産婦人科で相談することをおすすめします。
生理周期によるおりものの変化
この章では以下の4つの生理周期に分けて、おりものの変化を解説します。
- ・生理直後~卵胞期
- ・排卵期
- ・黄体期
- ・生理直前
(アカチャンホンポ/妊娠超初期のおりものの特徴とは?より画像引用)
「今あるおりものの変化」と「生理周期の同時期のもの」とを比較するための参考にしていただけると幸いです。
参考資料:アカチャンホンポ/妊娠超初期のおりものの特徴とは?
生理直後~卵胞期
生理直後〜卵胞期の変化は、以下のとおりです。
- ・無色透明でサラサラ
- ・ピンク色や茶褐色が混じる
- ・量は徐々に減少していく
基本的には無色透明でサラサラした状態です。しかし、生理直後であり、多少血が混じることもあるため、時にピンク色や茶褐色になります。しかし、血混じりであったとしても一過性なのでご安心ください。
ピンク色や茶褐色のおりものが続くようであれば、病気が疑われるため早急に産婦人科を受診しましょう。
量は減り、排卵期が近づくと徐々に増えます。
生理直後でおりものトラブルも減ることから、ストレスが減る時期でもあります。
排卵期
排卵期のおりものの変化は、以下のとおりです。
- ・透明でゼリー状
- ・よく伸びる
- ・量がピーク
- ・たまに出血が混じる
- ・ニオイは気にならない
卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌量が増えて、成熟した卵子が卵巣から排出されます。そして、卵管で待つ卵子のもとに精子が来やすいようにゼリー状でよく伸びる潤滑油的な状態に変化します。
また、生理周期を通して量のピークであり、受精率をあげるためにカラダが変化しているとわかるのではないでしょうか。
たまに出血が混じることがありますが「中間期出血」という生理現象の一つなので、ご安心ください。
参考資料:公益社団法人 日本産婦人科医会/月経周期と女性ホルモンのメカニズム
黄体期
黄体期のおりものの変化は、以下のとおりです。
- ・色は白く濁る
- ・粘り気が強くなる
- ・量は減る
排卵期が終わるとおりものの量は徐々に減り、粘り気が強く、白く濁るのが特徴です。おりものに白い塊状のおりものがつくなら、黄体期である確率が高いでしょう。下着について時間が経つと、黄色く変色するため、おりものシートの使用をおすすめします。
また、生理が近づくにつれてニオイが酸っぱくなります。痩せにくくなったり、お肌のトラブルが増えたりするなどボディイメージの変化が著しいため、ブルーな気持ちになる時期と感じる方も多いようです。
生理直前〜生理
生理直前〜生理のおりものの特徴は、以下のとおりです。
- ・白く粘り気が強い
- ・血が混じる
- ・量は変わらない
- ・ニオイが酸っぱく強い
生理直前は黄体期と同じように白く粘り気が強いのが特徴です。
一方で妊娠しなかった場合は、不要になった子宮内膜が剥がれ落ちて出血します。これは生理(月経)であり、おりものに混ざるため、見た目は血液と変わりません。生理に伴う出血であり、3〜5日程度で治るため、ご安心ください。
また、生理前から酸っぱいニオイが強くなる傾向にあります。ただし、ニオイの程度には個人差があるので、必ずしも強くなるとは限りません。
年齢によるおりものの変化
おりものは生理周期以外にも年齢によっても変化します。
この章では以下の3つの年齢に分けて、おりものの変化について詳しく解説します。
- ・初潮~10代
- ・20代~閉経
- ・閉経後
あなたのおりものが年齢相応かを確認するヒントにしていただけると嬉しいです。
初潮~10代
初潮〜10代のおりものの特徴は、以下のとおりです。
- ・初潮前にで始める
- ・白〜クリーム色
- ・量は安定しない
初潮前から徐々に分泌量が増えます。白〜クリーム色であり、ニオイはそれほど気にならないでしょう。
ただし、この時期は女性ホルモンの分泌が不安定であるため、おりものや生理周期が安定しません。おりものを初めて経験するうえに、量やニオイなどが予測しにくいため、ストレスを感じやすいでしょう。
また、初潮の時期は人それぞれであるため、お友達の理解が追いつかないこともあります。そこで、周りの大人がデリケートな時期であると理解したうえで、サポートしてあげることが重要です。
20代~閉経
20代〜閉経のおりものの特徴は、以下のとおりです。
- ・10代に比べて量が増える
- ・周期的な変化で安定する
- ・40代以降は徐々に減る
20代になると女性ホルモンの分泌が安定するため、周期的な変化に安定します。また、20〜30代は女性ホルモンの分泌量に比例しておりものの量も増えるため、小まめなケアが必要です。
30代後半〜40代になると女性ホルモンの分泌が徐々に減るため、おりものの量も減り、50代で閉経を迎えるのが一般的です。ただし、閉経の時期は個人差があり、一般的には「50±5歳」と言われています。
おりものの分泌量が減ると自浄作用が弱くなるため、感染症や膣粘膜が傷つきやすくなります。そのため、常に清潔を保っておくことが重要になるでしょう。
閉経後
閉経後も女性ホルモンが分泌されていることに変わりはないため、2〜3年ほど出ることがあります。徐々に分泌量は減り、最終的には出なくなります。
一方で、女性ホルモンが減るにつれて更年期障害になるのもこの時期です。
この時期のおりものの特徴は、以下のとおりです。
- ・無色透明〜白く濁る
- ・ニオイは気にならない
自浄作用がなくなり膣内が乾燥するため、膣炎(萎縮性腟炎)や感染症にかかりやすくなります。また、陰部のかゆみの原因にもなるため、女性器トラブルが気になる方は、婦人科に相談すると良いでしょう。
参考資料:厚生労働省 e-ヘルスネット/更年期障害(こうねんきしょうがい)
【妊娠初期】おりものの変化と危険サイン|当てはまるなら要受診
「妊娠したからおりものがいつもと違うのでは?」と感じている方もいらっしゃると思います。
もちろん妊娠をきっかけにおりものが変化することは十分考えられます。それと同時に病気や体調不良でおりものが変化することもあります。
そこで、妊娠初期のおりものの変化と危険サインについて詳しく知りたい方は「【妊娠初期】こんなおりものの変化は危険?受診すべき変化やセルフケアについて解説」の記事が参考になります。ぜひ、ご覧ください。
妊娠かも?|今すぐにやるべき2つの行動
「妊娠かも?」と感じた方が次にすべき行動は、以下のとおりです。
- ・妊娠検査薬の使用
- ・産婦人科を受診
確定診断をしてもらうためには、産婦人科の受診が必須です。そこで、まずは妊娠検査薬を使って妊娠の可能性があるかを確認してみましょう。正しく妊娠判定ができるコツについてもこの章で解説しているため、ぜひご覧ください。
妊娠検査薬で陽性判定(妊娠中)だった場合は、すぐに産婦人科を受診しましょう。
では、これらの流れや実際にすべき行動について詳しく解説します。
妊娠検査薬の使用
まずは妊娠検査薬で確認しましょう。
妊娠検査薬は、妊娠後に分泌される尿中のhCGホルモン(ヒト絨毛生ゴナドトロピン)を検知して妊娠しているかを確認します。
検査時期の目安は「次回生理開始予定日の1週間後」で、この時期にhCGホルモン(ヒト絨毛生ゴナドトロピン)の分泌がピークを迎えるからです。
妊娠検査薬はドラッグストアなどで市販されており、お値段も1,000円前後で購入できます。10分程度あれば検査できるため、気軽に試せるメリットもメリットでしょう。
具体的な使用方法と注意点について詳しく知りたい方は「妊娠検査薬以外で妊娠は見抜ける?初期症状や妊娠の予感がしたら注意するべきこと」の記事が参考になります。ぜひ、ご覧ください。
産婦人科を受診
妊娠検査薬で陽性判定なら、早めに産婦人科を受診しましょう。
産婦人科で確定診断を受ければ、妊娠生活の始まりです。確定診断をするために行う検査は以下のとおりです。
- ・問診・内診
- ・血液・尿検査
- ・エコー(超音波)検査
これらの検査結果から妊娠しているかを総合的に判断します。ただし、受診する時期が早いと胎児心拍が確認できないため、妊娠自体が確定していても役所に妊娠届を出すことをできません。
胎児心拍が確認できる時期は「妊娠5〜6週目」です。1回目の受診で胎児心拍が確認できなければ、もう一度受診するように勧められます。
また、受診時の注意点や持参物・服装などについて詳しく知りたい方は「妊娠検査薬以外で妊娠は見抜ける?初期症状や妊娠の予感がしたら注意するべきこと」の記事が参考になります。ぜひ、ご覧ください。
排卵日・後のおりもののお悩みと解決方法
排卵日によくあるおりものの悩みは、以下のとおりです。
- ・お悩み①:排卵日だけのおりものの変化はありますか?
- ・お悩み②:排卵日のおりもののケアってどうすればいいですか?
- ・お悩み③:排卵後におりものが多い時はどうすればいいですか?
この章ではこれらのお悩みについて具体的な解決方法をお伝えします。
では、1つずつ解説します。
お悩み①:排卵日だけのおりものの変化はありますか?
おりものの変化から正確な排卵日を予測して、妊娠率を高めたいとお考えの方も多くいます。
実際、排卵日前後のおりものは、以下の変化をします。
- ・透明でゼリー状
- ・よく伸びる
- ・量がピーク
- ・たまに出血が混じる
- ・ニオイは気にならない
ただし、これは排卵日前後である目安にすぎず、正確な排卵日を特定することはできません。
そこで、おすすめの方法が排卵検査薬を使って確認する方法です。排卵検査薬について詳しく知りたい方は「今すぐ妊娠したい方へ!排卵検査薬の正しい使用方法や注意点・よくある質問に回答」の記事が参考になります。ぜひ、ご覧ください。
すぐにでも妊娠したい方にとって非常に有効な方法ですので、参考になるかと思います。
お悩み②:排卵前後のおりもののケアってどうすればいいですか?
排卵前後のおりもののケアでは、以下のことを心がけましょう。
- ・洗いすぎない
- ・通気性の良い下着を着用する
膣内まで洗うと常在菌が死滅し、炎症や感染症の原因になります。その結果、おりものの量が増えたり、ニオイがキツくなったりします。そこで、おりものが気になったとしても、強く洗ったり、膣内までこすったりはしてはいけません。
また、通気性の良い下着を着用すると適度な乾燥状態を維持でき、最近の繁殖を抑えられます。
詳しくは「【妊娠初期】こんなおりものの変化は危険?受診すべき変化やセルフケアについて解説」の記事で解説しているため、ぜひご覧ください。
お悩み③:排卵後におりものが多い時はどうすればいいですか?
おりものが多い時におすすめのセルフケアの方法は、以下のとおりです。
- ・ナプキン(パンティライナー)を小まめに交換する
- ・ウェットシートやふき取り用の泡状整髪剤で拭き取る
- ・デリケートゾーンのパックをする
基本的には不快感の原因であるおりもの自体と接触する時間を減らすのが、最も不快感を減らす方法です。
そのためにも、まずはナプキンを小まめに交換することから始めましょう。出先ではウェットシートやふき取り用の泡状整髪剤を活用すると良いでしょう。
また、お風呂でデリケートゾーンのパックを使ってみるのもおすすめです。デリケートゾーンに付着したニオイの原因を洗い流せるため、不快感を減らすだけでなく、清潔な状態を保ち細菌の繁殖を防げます。
まとめ:おりものの変化から妊娠率を高めよう!
おりものの変化を観察することで排卵日を予測でき、妊娠率を高められます。
排卵日のおりものの特徴は以下のとおりでしたね。
- ・透明でゼリー状
- ・よく伸びる
- ・量がピーク
- ・たまに出血が混じる
- ・ニオイは気にならない
おりものには「自浄作用」と「受精をサポート」の2つの働きがありました。精子が卵子のいる卵管に行きやすいように、排卵日が近づくとおりものの分泌量が増えたり、粘り気が強くなったりします。
また、生理周期や年齢により変化することも、おりものを観察するうえで重要です。この記事で解説した内容なら、 あなたのおりものの状態と正常なものを比較できます。忘れた方は、この記事を読み直してみましょう。
この記事があなたのおりものの変化を正しく観察するために役立てば嬉しいです。