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葉酸が多い食べ物一覧|食品別の含有量と調理で減る量、妊娠前に必要な量を解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・がん薬物療法専門医・総合内科専門医。

葉酸が多い食べ物は、100gあたりでは焼きのり・レバー・抹茶、ふだんの1食で摂りやすいのは枝豆・菜の花・芽キャベツ・ほうれん草・ブロッコリー・アスパラガス・納豆・いちごです。ただし葉酸は水に溶けやすく熱に弱いため、ゆでると100gあたりの量が大きく下がる野菜があります。そして妊娠を計画している方に大切なのは、妊娠前から1日400µgの葉酸を「ふだんの食事とは別に」サプリメントなどで摂ることが勧められているという点です。この記事では、日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の数値をもとに、食品別の含有量、1食あたりの量、調理による違い、そして食事とサプリの役割分担を、臨床遺伝専門医が解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約14分
🥦 葉酸・食品成分表・妊活
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 葉酸が一番多い食べ物は何ですか?

A. 100gあたりでは焼きのり(1,900µg)、鶏レバー(1,300µg)、抹茶(1,200µg)が上位です。ただしのりや抹茶は一度に数gしか口にしないため、1食あたりで比べると、枝豆(ゆで50gで約130µg)や菜の花(ゆで70gで約133µg)などの野菜が実用的です。レバーは葉酸が多い一方、妊娠中はビタミンAの摂りすぎに注意が必要です。

  • ➤食品別の含有量 → 野菜・果物・豆・肉・魚介・海藻・お茶の数値を一覧で
  • ➤1食あたりの量 → 「100gあたり」と「実際に食べる量」でランキングが入れ替わる理由
  • ➤調理の影響 → 生とゆでで100gあたりの量がどれだけ違うか
  • ➤妊娠前の400µg → 食事とは別枠でサプリから摂るよう勧められている理由

葉酸は、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンです。細胞が分裂するときに必要なDNAの材料づくりや、赤血球をつくる働きにかかわるため、細胞が活発に増える胎児の発育期にとくに重要になります。不足が続くと巨赤芽球性貧血などの原因になることが知られており、不足による症状や全体像は葉酸の基本と妊活での摂り方でまとめています。この記事では「どの食べ物に、どれだけ入っているか」に絞って解説します。

葉酸が多い食べ物一覧【食品群別の含有量】

葉酸は、色の濃い野菜、豆類、レバー、海藻、緑茶などに多く含まれます。以下の数値はすべて文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の可食部100gあたりの値です[1]。同じ食品でも「生」と「ゆで」で値が違うものは、両方を載せています。

野菜:菜の花・枝豆・芽キャベツ・ブロッコリー・ほうれん草・アスパラガス

野菜で葉酸が多いのは、菜の花、枝豆、芽キャベツ、ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガスなどです。ほうれん草はもともと葉酸が発見された食材として知られていますが、成分表の値で見ると、菜の花や枝豆も同じかそれ以上に多く含んでいます[1]。

🥦 葉酸が多い野菜(可食部100gあたり)

食品 生 ゆで
菜の花(和種なばな・花らい・茎) 340µg 190µg
枝豆 320µg 260µg
芽キャベツ 240µg 220µg
ブロッコリー(花序) 220µg 120µg
ほうれん草(葉・通年平均) 210µg 110µg
アスパラガス(若茎) 190µg 180µg

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年[1]。「ゆで」はゆでた後の重さ100gあたりの値です。

季節の野菜では、春の菜の花やアスパラガス、夏の枝豆、冬のほうれん草やブロッコリー、芽キャベツと、1年を通して葉酸の多い野菜を選べます。冷凍の枝豆やブロッコリーを常備しておくと、忙しい日でも取り入れやすくなります。

果物:いちご・ライチ・マンゴー・アボカド

果物で葉酸が多いのは、ライチ(100µg)、いちご(90µg)、マンゴー(84µg)、アボカド(83µg)です。果物は加熱せずに食べられるため、調理による減少を気にしなくてよいのが利点です[1]。

🍓 葉酸を含む果物(可食部100gあたり)

食品 葉酸
ライチ(生) 100µg
いちご(生) 90µg
マンゴー(生) 84µg
アボカド(生) 83µg
バナナ(生) 26µg

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年[1]

「バナナは葉酸が多い」と紹介されることがありますが、成分表では100gあたり26µgで、いちごの3分の1以下です。バナナはほかの栄養素の補給源としては役立ちますが、葉酸の主な供給源と考えるのは適切ではありません。

豆・大豆製品:納豆・きな粉

糸引き納豆は100gあたり120µg、きな粉(黄大豆・全粒)は220µgの葉酸を含みます。納豆は1パックが40〜50g前後の商品が多いため、1パックでおよそ50µg前後になります[1]。毎朝の食卓に取り入れやすく、加熱せずに食べられる点でも葉酸を摂りやすい食品です。

肉・卵:レバーは葉酸が多いが妊娠中はビタミンAに注意

肉類で葉酸がとくに多いのはレバーで、鶏レバーは100gあたり1,300µg、牛レバーは1,000µg、豚レバーは810µgです。卵では、卵黄(生)が150µg、全卵(生)が49µgです[1]。

ただし、妊娠中や妊娠を計画している時期にレバーで注意したいのは、葉酸ではなくビタミンA(レチノール)です。成分表では、鶏レバーのビタミンAはレチノール活性当量で100gあたり14,000µg、豚レバーは13,000µg、牛レバーは1,100µgと、種類によって大きく異なります[1]。鶏レバーを30g食べるだけで、ビタミンAはおよそ4,200µgになります。

⚠️ 妊娠初期のビタミンAの摂りすぎに注意

妊娠初期の高用量のビタミンA(レチノール)摂取と先天異常リスクの上昇を報告した研究があります[9]。日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人女性のビタミンAの耐容上限量は1日2,700µg RAEです[2]。鶏レバー30gでは成分表上この量を上回ります。ビタミンAのように胎児の発生に影響しうる物質は催奇形因子(テラトゲン)と呼ばれます。鶏や豚のレバーは、妊娠中に「葉酸のために」毎日食べる食品としては向いていません。葉酸はほかの食品やサプリメントから摂るのが安全です。

魚介・海藻:うに・すじこ・焼きのり・わかめ

魚介類では生うに(360µg)、すじこ(160µg)、ほたて(生・87µg)、海藻では焼きのり(1,900µg)、乾燥わかめ(素干し・320µg)が多く含みます。焼きのりは100gあたりの値が全食品のなかでもとくに高いものの、全形1枚は約3gなので、1枚でおよそ57µgです[1]。おにぎりや手巻きなどで日常的に使いやすい食材です。

🐟 豆・肉・卵・魚介・海藻の葉酸(可食部100gあたり)

食品群 食品 葉酸
豆 きな粉(黄大豆・全粒) 220µg
豆 糸引き納豆 120µg
肉 鶏レバー(生) 1,300µg
肉 牛レバー(生) 1,000µg
肉 豚レバー(生) 810µg
卵 卵黄(生) 150µg
卵 全卵(生) 49µg
魚介 生うに 360µg
魚介 すじこ 160µg
魚介 ほたて(生) 87µg
海藻 焼きのり 1,900µg
海藻 乾燥わかめ(素干し) 320µg

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年[1]

お茶:抹茶・せん茶はカフェインにも注意

抹茶は100gあたり1,200µgと、成分表の値では非常に多い食品です。ただし1杯に使う量は2g前後なので、1杯あたりではおよそ24µgです。いれたせん茶(浸出液)は100gあたり16µgにとどまります[1]。抹茶や緑茶にはカフェインも含まれるため、妊娠中は飲む量に気を配り、葉酸を摂る目的で量を増やすことはおすすめしません。

1食分で比べると?「100gあたり」と「実際に食べる量」の違い

「葉酸が一番多い食べ物」は、100gあたりで比べるか、1回に食べる量で比べるかで答えが変わります。100gあたりでは焼きのり・レバー・抹茶が上位ですが、のりや抹茶は一度に数gしか口にしません。毎日の食事で実際に頼りになるのは、1回に数十g食べる野菜や豆です。

🍽️ 1回に食べる目安量あたりの葉酸

食品 目安量 葉酸(目安)
菜の花(ゆで) 小鉢1杯 70g 約133µg
枝豆(ゆで) 可食部 50g 約130µg
芽キャベツ(ゆで) 5個前後 50g 約110µg
ほうれん草(ゆで) 小鉢1杯 70g 約77µg
ブロッコリー(ゆで) 3房 60g 約72µg
アスパラガス(ゆで) 2本 40g 約72µg
いちご 5粒 75g 約68µg
アボカド 半分 70g 約58µg
焼きのり 全形1枚 3g 約57µg
糸引き納豆 1パック 45g 約54µg
バナナ 1本(可食部)100g 約26µg
鶏卵 1個 50g 約24µg
抹茶 1杯分 2g 約24µg

※葉酸の値は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年[1]の100gあたりの値に目安量を掛けて計算しています。目安量は本記事で設定したもので、実際の量は食品の大きさや商品によって異なります。

この表からわかるように、1品で100µgを超えるのは枝豆・菜の花・芽キャベツなど一部に限られます。成人の1日の推奨量240µgをふだんの食事でまかなうには、緑の野菜・豆・果物を毎食少しずつ組み合わせるのが現実的です。たとえば、朝に納豆といちご、昼にブロッコリーのサラダ、夜にほうれん草のおひたしと枝豆、という組み合わせで、成人の推奨量240µgを十分に上回ります。

インターネット上の「葉酸が多い食べ物ランキング」には、100gあたりで並べたものと、1回量で並べたものが混在しています。のりや抹茶、レバーが上位に来ているランキングは、多くの場合100gあたりの比較です。ランキングを見るときは、どちらの基準で並べているかを確認すると、毎日の献立に生かしやすくなります。

葉酸は調理でどれくらい減る?

葉酸は水に溶けやすく熱にも弱いため、ゆでると100gあたりの量が大きく下がる野菜があります。成分表で生とゆでを比べると、その差は食品によってかなり違います[1]。

生とゆでの比較(100gあたり)

🔥 生とゆでの葉酸(可食部100gあたり)

食品 生 ゆで 差
菜の花 340µg 190µg −150µg
ブロッコリー 220µg 120µg −100µg
ほうれん草 210µg 110µg −100µg
枝豆 320µg 260µg −60µg
芽キャベツ 240µg 220µg −20µg
アスパラガス 190µg 180µg −10µg

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年[1]。「ゆで」はゆでた後の重さ100gあたりの値で、ゆでる前の食材に含まれていた量のうち何%が残るかを直接示すものではありません。

葉がやわらかく表面積の広いほうれん草や、つぼみの集まったブロッコリー・菜の花では、ゆでると100gあたりの値がおよそ半分近くまで下がります。一方、さやに包まれた枝豆や、芽キャベツ、アスパラガスでは差が比較的小さくなっています。同じ「緑の野菜」でも、調理による違いは一様ではないことがわかります。

葉酸を減らしにくい食べ方

葉酸をなるべく逃がさないには、「ゆで汁に溶かさない」「加熱しすぎない」ことがポイントです。具体的には、次のような工夫が役立ちます。

  • いちご・アボカド・ライチなど、生で食べられるものは生で食べる
  • 野菜はたっぷりの湯で長くゆでるより、蒸す・電子レンジで加熱する
  • スープや味噌汁にして、溶け出した分も汁ごといただく
  • ゆでたあと水にさらす時間は短くする
  • 買った野菜は早めに使い切る(冷凍の枝豆・ブロッコリーも活用する)

ただし、どの方法で何%残るかは食品や調理条件によって異なります。数字にとらわれすぎず、生の果物と加熱した野菜を組み合わせるなど、無理なく続けられる方法を選ぶのが大切です。

食べ物の葉酸とサプリの葉酸の違い

食べ物に含まれる葉酸と、サプリメントに使われる葉酸は、化学的な形も体への取り込まれ方も異なります。食品中の葉酸は、さまざまな還元型葉酸が主にポリグルタミン酸の形で存在します。これに対して、一般的なサプリメントや栄養強化食品に使われる合成葉酸(folic acid、プテロイルモノグルタミン酸)は安定性が高く、食品中の葉酸より利用効率が高いとされています。

食品中の葉酸は、腸で吸収される前に分解される必要があり、食品の種類や一緒に食べるものの影響も受けます。そのため、食品の葉酸が体で利用される割合は、サプリメントの葉酸より低いと考えられてきました。どのくらい低いかについては研究によって幅があり、従来の目安では約50%とされてきた一方、食事全体で比べた研究では約80%という報告もあります[7]。いずれにしても、食品からの葉酸は、同じµg数のサプリメントの葉酸よりも体で使われる量が少なくなるという点は共通しています。

食品の葉酸ポリグルタミン酸型
▶
調理で減る水に溶ける・熱に弱い
▶
利用される割合が低め研究により約50〜80%
▶
妊娠前の400µgは別枠サプリなどから摂る

「活性型葉酸でないと効かない」は本当?

インターネットでは、「MTHFR遺伝子のタイプによっては普通の葉酸が働かないので、活性型葉酸(メチル葉酸)を選ぶべき」という情報を目にすることがあります。MTHFR遺伝子多型は葉酸の代謝にかかわる体質の違いで、日本人でも珍しいものではありません。

しかし米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、MTHFR多型の検査には臨床的な有用性を示す根拠が乏しいとして、血栓傾向やくり返す流産の評価などで検査を行うことを推奨しない立場を示しています[8]。また、神経管閉鎖障害の予防について米国予防医学専門委員会(USPSTF)が推奨しているのも、通常の葉酸(folic acid)です[6]。MTHFR多型の有無にかかわらず、通常の葉酸を推奨量どおり摂ることが基本と考えられています。サプリメントを選ぶときに、遺伝子のタイプを調べてから選ぶ必要はありません。

葉酸は1日にどれくらい必要?(日本人の食事摂取基準2025年版)

成人の葉酸の推奨量は、男女とも1日240µgです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、妊娠中期・後期の女性は240µgを上乗せして480µg、授乳中の女性は100µgを上乗せして340µgとされています[2]。

成人・妊娠中・授乳中の推奨量

📋 葉酸の食事摂取基準(2025年版・女性)

区分 1日の推奨量 補足
成人女性(18歳以上) 240µg 男性も同じ240µg
妊娠初期 240µg(付加量なし) 別枠で食事以外から400µgが望まれる(下記)
妊娠中期・後期 480µg 240µg+付加量240µg
授乳中 340µg 240µg+付加量100µg
妊娠を計画している女性・妊娠の可能性がある女性 240µg(食事) 別枠で食事以外から400µgが望まれる

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」[2]をもとに作成。推奨量は食事から摂る葉酸についての値です。

妊娠中期・後期に推奨量が増えるのは、胎児や胎盤の成長にともなって細胞の分裂がさかんになり、赤血球をつくる量も増えるためです。授乳中は、母乳に分泌される分を補う目的で上乗せされています。妊娠初期は食事からの推奨量には上乗せがありませんが、その代わりに次に説明する「別枠の400µg」が設けられています。付加量の分も含めて、妊娠中も授乳中も、緑の野菜や豆、果物を意識した食事を続けることが基本になります。

妊娠を計画している人は「食事とは別に」400µgが必要な理由

妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを下げるために、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸を1日400µg摂ることが望まれるとされています。ここでいう「通常の食品以外の食品」とは、サプリメントや葉酸を強化した食品のことです[2]。つまり、ふだんの食事からの240µgに加えて、別枠でサプリメントなどから400µgを摂る、という考え方です。

神経管閉鎖障害は、脳や脊髄のもとになる「神経管」がうまく閉じないことで起こる先天性の病気で、二分脊椎や無脳症などが含まれます。神経管は妊娠のごく初期に閉じるため、妊娠に気づいてから葉酸を飲み始めたのでは間に合わないことがあります。これが、「妊娠前から」摂ることが勧められる理由です。

葉酸の予防効果は、ランダム化比較試験で確かめられています。英国を中心とした研究では、神経管閉鎖障害の子どもを出産したことのある女性で、葉酸をとった群は再発のリスクが約72%低下しました[3]。ハンガリーの研究では、葉酸0.8mgを含む総合ビタミンを妊娠前後に摂った女性2,104人では神経管閉鎖障害が0例だったのに対し、対照群2,052人では6例でした[4]。これらを含めたコクランの系統的レビューでも、葉酸の補給は神経管閉鎖障害のリスクを下げる(リスク比0.31)と結論づけられています[5]。米国予防医学専門委員会(USPSTF)も2023年に、妊娠を計画しているか妊娠の可能性がある人に1日0.4〜0.8mgの葉酸を摂るよう勧める推奨を改めて確認しています[6]。

💡 葉酸で防げること・防げないこと

葉酸で下げられるのは、神経管閉鎖障害の「リスク」です。葉酸を摂っていてもリスクがゼロになるわけではありません。また、ダウン症候群などの染色体の数の違いを葉酸で防げるという根拠はありません。この点は葉酸を飲んでいたのにダウン症?で詳しく解説しています。

食事だけで400µgを上乗せするのが難しい理由

妊娠前に勧められている400µgは、もともと「食事以外から」摂ることを前提にした数字です。日本の食事摂取基準がこの400µgを「通常の食品以外の食品」から摂るよう示しているのには、食品葉酸と合成葉酸の利用効率の違いや、神経管が妊娠の非常に早い時期に閉鎖することなどが背景にあります。

1つ目は、食品の葉酸は体で利用される割合が低いことです。前の章で見たように、食品の葉酸はサプリメントの葉酸より利用される割合が低いため、同じ摂取量(µg)でも、食品葉酸と合成葉酸では体内で利用される割合が同じではありません[7]。

2つ目は、調理で減ることです。ほうれん草やブロッコリーは、ゆでると100gあたりの葉酸がおよそ半分近くになります[1]。

3つ目は、400µgは通常の食事とは別枠の推奨だという点です。これは食品中の葉酸を400µg余分に食べれば、そのまま置き換えられるという意味ではありません。神経管が閉じる時期は妊娠に気づく前に訪れるため、妊娠前から一定量の合成葉酸を確実に摂取できる方法として、サプリメントや葉酸強化食品が位置づけられています。

これらの理由から、葉酸を多く含む食事は妊娠前も妊娠中も大切にしながら、妊娠を計画している時期からは、食事とは別にサプリメントで400µgを摂るという役割分担が勧められています。いつから・いつまで・どう選ぶかは、葉酸サプリはいつからいつまで飲む?でまとめています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「食事で頑張る」と「サプリで備える」は両立できる】

食事から摂る葉酸と、神経管閉鎖障害のリスク低減を目的とした合成葉酸の付加摂取は、役割が異なります。どちらか一方だけを選ぶという関係ではありません。

通常の食事は葉酸を含むさまざまな栄養素を摂る基盤です。一方、日本の食事摂取基準では、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性および妊娠初期の妊婦について、神経管閉鎖障害のリスク低減を目的に、通常の食品以外から葉酸400µgを摂ることが望まれるとしています。食事と付加的な葉酸摂取を、それぞれの目的に沿って組み合わせることが重要です。

食べ物で葉酸を摂りすぎることはある?

ふだんの食べ物からの葉酸については、摂りすぎを心配する必要はほとんどありません。日本人の食事摂取基準では、葉酸の耐容上限量(過剰摂取による健康障害を未然に防ぐための指標)は、通常の食品以外、つまりサプリメントや強化食品から摂る葉酸について設けられています[2]。成人女性では18〜29歳で1日900µg、30〜64歳で1,000µgです。

注意が必要なのは、複数のサプリメントを重ねて飲む場合や、ビタミンB12が不足している場合などです。サプリメントの摂りすぎや副作用、上限量の考え方は、葉酸の摂りすぎと副作用で詳しく解説しています。なお、レバーの食べすぎで気をつけたいのは葉酸ではなくビタミンAである点は、前述のとおりです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 納豆1パックにはどのくらいの葉酸が含まれていますか?

糸引き納豆は100gあたり120µgの葉酸を含みます。1パック45gなら約54µg、40gなら約48µgが目安です。商品によって1パックの重さが違うため、パッケージの内容量で計算してください。

Q2. いちごは何粒でどのくらいの葉酸が摂れますか?

いちごは100gあたり90µgです。中くらいのいちご5粒(約75g)で約68µgが目安になります。生で食べられるので、調理による減少がない点も利点です。

Q3. バナナは葉酸が多い果物ですか?

成分表ではバナナの葉酸は100gあたり26µgで、いちご(90µg)やライチ(100µg)、マンゴー(84µg)、アボカド(83µg)と比べると少なめです。葉酸を目的に果物を選ぶなら、いちごやアボカドが向いています。

Q4. コンビニで買える葉酸の多い食べ物はありますか?

枝豆、ブロッコリー入りのサラダ、納豆巻き、のりを巻いたおにぎり、カットいちごなどは、成分表で葉酸の多い食品を使ったものです。商品ごとの葉酸量は表示があれば確認してください。妊娠を計画している方の400µgは、食事とは別にサプリメントで摂るよう勧められています。

Q5. 鉄分やビタミンB12も一緒に摂れる食べ物はありますか?

レバーは葉酸・鉄・ビタミンB12をまとめて含みますが、鶏や豚のレバーはビタミンAも非常に多いため、妊娠中や妊娠を計画している時期に、葉酸を摂る目的で頻繁に食べる食品には適しません。枝豆や納豆などの大豆製品、卵、貝類などを組み合わせると、無理なくバランスよく摂れます。

Q6. 男性も葉酸を摂ったほうがいいですか?

葉酸の推奨量1日240µgは男女共通で、男性も食事からしっかり摂ることが大切です。一方、食事とは別に400µgを摂るよう勧められているのは、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦です。

まとめ

葉酸が多い食べ物は、100gあたりでは焼きのり・レバー・抹茶が上位ですが、1回に食べる量で比べると、枝豆・菜の花・芽キャベツ・ほうれん草・ブロッコリー・アスパラガス・納豆・いちごなどが実用的な供給源になります[1]。葉酸は水に溶けやすく熱に弱いため、ゆでると100gあたりの量が大きく下がる野菜があり、生で食べる、蒸す、汁ごと食べるといった工夫が役立ちます。

成人の推奨量は1日240µgで、ふだんの食事で緑の野菜・豆・果物を組み合わせれば十分届く量です。一方、妊娠を計画している方は、神経管閉鎖障害のリスクを下げるため、食事とは別にサプリメントなどから1日400µgを摂ることが望まれています[2][5]。食事の葉酸は毎日の土台、サプリメントの葉酸は妊娠前の備えとして、役割を分けて考えましょう。妊活中の食事全体については妊活中の食事|必要な栄養素とおすすめの食材、妊娠してからの食事については妊娠初期におすすめの食べ物・食べてほしくない食べ物もあわせてご覧ください。

📘 ご家族に神経管閉鎖障害の方がいる場合

この記事は、葉酸を含む食べ物についての一般的な情報をまとめたものです。ご本人やご家族に神経管閉鎖障害のお子さんを出産された方がいる場合などは、葉酸の量を含めて個別の対応が必要になることがあります。妊娠前のご不安は、主治医や遺伝カウンセリングでご相談ください。

参考文献

  • [1] 文部科学省. 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年. 食品成分データベース. [食品成分データベース]
  • [2] 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書. 2024年. [厚生労働省]
  • [3] MRC Vitamin Study Research Group. Prevention of neural tube defects: results of the Medical Research Council Vitamin Study. Lancet. 1991. [PubMed 1677062]
  • [4] Czeizel AE, Dudás I. Prevention of the first occurrence of neural-tube defects by periconceptional vitamin supplementation. N Engl J Med. 1992. doi:10.1056/NEJM199212243272602. [PubMed 1307234]
  • [5] De-Regil LM, Peña-Rosas JP, Fernández-Gaxiola AC, Rayco-Solon P. Effects and safety of periconceptional oral folate supplementation for preventing birth defects. Cochrane Database Syst Rev. 2015. doi:10.1002/14651858.CD007950.pub3. [PubMed 26662928]
  • [6] US Preventive Services Task Force. Folic Acid Supplementation to Prevent Neural Tube Defects: US Preventive Services Task Force Reaffirmation Recommendation Statement. JAMA. 2023. [PubMed 37526713]
  • [7] Winkels RM, et al. Bioavailability of food folates is 80% of that of folic acid. Am J Clin Nutr. 2007. [PubMed 17284745]
  • [8] Hickey SE, Curry CJ, Toriello HV. ACMG Practice Guideline: lack of evidence for MTHFR polymorphism testing. Genet Med. 2013. [PubMed 23288205]
  • [9] Rothman KJ, Moore LL, Singer MR, Nguyen US, Mannino S, Milunsky A. Teratogenicity of high vitamin A intake. N Engl J Med. 1995. doi:10.1056/NEJM199511233332101. [PubMed 7477116]

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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