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今すぐ妊娠したい方へ!排卵検査薬の正しい使用方法や注意点・よくある質問に回答

排卵日を予測して少しでも妊娠率を高めたいと考える妊活中の方も多いのではないでしょうか?

性行為には夫婦のタイミングもあります。しかし、排卵日の直前・後に性行為を行わない限り妊娠する可能性は低いのも事実です。

そこでこの記事では今すぐにでも妊娠したい方向けに、排卵検査薬に関する以下の内容をお伝えします。

  • ・そもそも排卵検査薬とは?
  • ・排卵検査薬の正しい使用方法と注意点
  • ・排卵検査薬に関するよくある質問

正しい検査結果をもとに妊娠率を高める性行為のタイミングが計画できるようになりましょう。

排卵検査薬とは?

排卵検査薬とは、排卵日を予測するための検査キット薬のことです。妊活中のカップルにとって排卵日を予測できることは、少しでも妊娠率を上げるチャンスに繋がります。

具体的には、尿中に含まれるLH(黄体形成ホルモン)を感知して排卵反応を検知します。妊娠する可能性の高い排卵1日前を教えてくれるため、性行為のスケジュールを立てやすいのがメリットです。

陽性反応があった場合はできるだけ早い段階で性行為を行うようにしましょう。

また、ドラッグストアで購入できることからも気軽に検査できます。産婦人科に受診するのはハードルが高いと感じる方は、排卵検査薬から始めてみると良いでしょう。排卵日が近くなったら陽性反応が出るまで検査し続けましょう。

排卵検査薬の使用上の4つの注意点

排卵検査薬

簡単に排卵日を予測できる排卵検査薬ですが、使う場合はいくつかの注意点があります。

そこでこの章では排卵検査薬の使用上の注意点について、以下の4つをお伝えします。

  • ・毎日同じ時間で検査すること
  • ・陰性の場合は陽性になるまで継続
  • ・採尿部分に尿をかけすぎない
  • ・判定時間は検査5分後

注意点を守らないと正しい検査結果を得ることができませんので、ぜひ押さえておきましょう。

注意点①:毎日同じ時間で検査すること

あなた自身の排卵サイクルを把握するためにも、毎日同じ時間で検査をしましょう。

排卵サイクルを把握しておかないと、いつ・どのタイミングで性行為を行えば良いかわからなくなります。

ただし、朝起きて2時間以内の検査は避けましょう。というのも、LHホルモンは朝一番で急上昇して、尿中に反映され始めるまでに2〜4時間程度かかるからです。

排卵が近づくとLHホルモンの分泌量が急激に上昇します。排卵のタイミングをより細かく知るためにも、1日に2〜3回、同じ時間で測定しましょう。検査を忘れていた場合は2時間程度なら測定に差が出にくいため実施して、次回からはいつも通りの時間に戻しましょう。

汗を伴う激しい運動後は尿中のLH濃度が濃くなる可能性があり、判定に影響が出ることがあります。また、出産や流産後に使用する場合は、生理が始まってからにしましょう。

 

注意点②:陰性の場合は陽性になるまで継続

陰性判定だったからと言って一度で諦めるのはまだ早いため、陽性が出るまで繰り返し行いましょう。

生理周期は人によって違います。妊娠検査薬を使い始めるタイミングによっては、数日間検査し続けないと陽性反応がでないことも十分考えられます。いつのタイミングで排卵が起こるか分からない生理不順でない限り、最低1ヶ月弱続ければ1回は陽性反応になるはずです。

また陽性反応は2日続き、始めの陽性反応から3日目に排卵が行われます。毎日同じ時間で習慣的に検査できることに越したことはありませんが、仕事や家庭の事情で検査できない日があります。陽性反応は2日間に渡り続くため、1日飛んだからと言って検査自体を諦める必要はないのです。

 

注意点③:採尿部分に尿をかけすぎない

採尿部分に尿をかけすぎると試薬が洗い流され、正確な検査結果(偽陰性)が出ないことがあります。

正確な検査結果を出すための具体的な方法は、以下の通りです。

  • ・採尿部分に2〜5秒で尿をかける
  • ・上記手技に自信がないなら、紙コップに尿を溜めて2〜5秒間浸す

紙コップは新品かつ乾いた清潔なものを使用してください。不純物が混入していると検査結果に影響が出る可能性があります。

また、尿が少なすぎると試薬部分まで尿が届かず、本来陽性だとしても陰性判定(偽陰性)されることもあります。各種メーカーの使用方法に沿って検査を行うことで正確な判定ができるようにしましょう。

 

注意点④:検査時間は検査5分後

検査結果を確認する時間は必ず守りましょう。というのも、長時間放置すると誤判定になる可能性があるからです。

例えば、市販されている検査薬の多くは、検査実施から5分後の結果を確認するように説明があります。結果を確認するまでの時間が極端に短いと尿が試薬部分まで届かず偽陰性になったり、長時間放置すると尿が浸透しすぎることで偽陽性になったりします。

そのため、各種メーカーで説明している時間を厳守して検査しましょう。

【3つの特徴】当てはまる方は産婦人科医に相談してから排卵検査薬を使おう

女医と患者

排卵検査薬は誰にでも有効という訳ではありません。特に以下の3つの特徴に当てはまる方は、排卵検査薬を使う前に産婦人科医に相談することをおすすめします。

  • ・適切な時期に性生活を行っても、1年以上妊娠しない方
  • ・生理周期に異常がある方
  • ・不妊治療中の方

各特徴に最も有効な排卵日の予測方法を見つけるために、参考にしていただけると幸いです。

 

特徴①:適切な時期に性行為を行っても、1年以上妊娠しない方

不妊症について公益社団法人 日本産科婦人科学会は以下のように定義しています。

妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないもの

「一定期間」とは一般的に「1年間」としています。適切な時期に性行為を行っても1年以上妊娠しない方は、不妊症の可能性があります。そのため、排卵検査薬を使う前に産婦人科医に相談しましょう。

不妊症の原因は、以下の通りです。

  • ・排卵障害
  • ・卵管閉塞・狭窄・癒着
  • ・子宮筋腫、子宮内膜ポリープ
  • ・子宮頸管炎
  • ・抗精子抗体
  • ・造精機能障害
  • ・精索静脈瘤

不妊症は自然治癒が期待できず、適切な治療を受けなければ妊娠をする機会を失います。

しかし不妊治療は、不妊症であることを認め、高額な治療費も必要であるため治療開始のハードルが高いと感じる方もいます。治療費に関しては、令和4年4月から保険適応となったため、経済的負担は軽減されるでしょう。

その他、不妊症について詳しく知りたいかたは「排卵から着床までの流れ!妊娠に関する基礎知識」の記事が参考になります。ぜひ、ご覧ください。

※引用資料:公益社団法人 日本産科婦人科学会/不妊症
※参考資料:厚生労働省/不妊治療に関する取組

 

特徴②:生理周期に異常がある方

生理不順の方は排卵日を予測しにくく、市販の排卵検査薬を闇雲に使うだけでは期待した結果が得られません。

そこで、以下の2つを行いましょう。

  • ・基礎体温を記録
  • ・産婦人科に相談

基礎体温の観察は、生理不順の方が排卵日を予測するために最も有効な方法です。排卵が近づくと妊娠準備のために黄体ホルモン(プロゲステロンン)が分泌され、高温期になります。

高温期は基礎体温が平常時の体温からおよそ0.3〜1℃ほど高くなり、排卵日が近いサインになります。そこで、基礎体温の記録をもとに産婦人科医に排卵日の予測をしてもらいましょう。

また生理不順の原因には、無排卵月経や子宮・卵巣疾患、黄体・甲状腺機能の異常などの病気が隠れていることもあります。生理不順の原因を探り、上手く付き合っていくためにも産婦人科で相談しておいて損はありません。

無排卵月経について詳しく知りたい方は「無排卵が原因?基礎体温がガタガタな人に考えられる原因と対処法」の記事が参考になりますので、ぜひご覧ください。

 

特徴③:不妊治療中の方

不妊治療中の方は治療担当中の医師の指示が最優先になります。排卵検査薬で排卵日を特定して自己判断で治療と違う行動をすると、医師に管理してもらいながら治療する意味がありません。

不妊治療中で自分でも排卵日を把握したい方は、かかりつけ医に相談してから排卵検査薬を使いましょう。

またタイミング法など不妊治療の種類によっては、産婦人科で行う検査で排卵検査薬が含まれていることもあります。病院という徹底した環境下で行う検査結果を教えてもらえれば、二重に検査をする必要もなくなります。

不妊治療中はセンシティブになっているため気になる気持ちも分かります。一方で最大の目的はあなた自身が妊娠できることです。かかりつけ医と二人三脚で妊娠を目指しましょう。

※参考資料:公益社団法人 日本産科婦人科学会/不妊症

【陽性判定】排卵日に合わせた性行為のタイミング

排卵検査薬で陽性判定が出たら以下の内容を意識した性行為をしましょう。

  • ・40時間以内
  • ・できるだけ早いタイミング
  • ・複数回

一般的に排卵検査薬で陽性判定が出ると40時間以内に排卵が行われると言われています。そして卵子の生存期間は24時間、精子は射精後48〜72時間です。つまり、排卵から受精可能な期間は、排卵検査薬で陽性判定が出て最長で64時間ということになります。

陽性判定後、できるだけ早いタイミングで複数回にわたり性行為を行うことで妊娠率を高められます。

また、以下の理由で排卵検査薬は陰性判定が出るまで使い続けましょう。

  • ・排卵が行われたことを確認するため
  • ・排卵の周期を確認するため
  • ・陽性判定が続くと不妊の原因が隠れている可能性がある

特に3つ目の陽性判定が続くなら内分泌障害、閉経などの可能性を否定できません。また、分娩・流産後や不妊治療の薬剤投与による影響によっても同様に陽性判定が続くことがあります。怪しいと感じたら早めに産婦人科へ相談することをおすすめします。

排卵検査薬に関するよくある5つの質問

この章では、排卵検査薬に関するよくある5つの質問にお答えします。

  • ・生理周期が不規則な人は、どのタイミングで排卵検査薬を使い始めるべきか?
  • ・検査時間がズレた場合はどうすれば良いですか?
  • ・排卵検査薬を避妊目的で使用する方はいますか?
  • ・内服やお酒・タバコは検査結果に影響しますか?
  • ・長期間使用しても妊娠しない場合はどうすれば良いですか?

正しい検査結果を得られるためにも、これらの疑問を解消しておきましょう。

 

質問①:生理周期が不規則な人は、どのタイミングで排卵検査薬を使い始めるべきか?

生理不順の方は排卵検査薬を使うタイミングが分かりませんよね。実際、いつになるか分からない排卵日のために検査し続けるのは不毛にも感じます。

そこで、生理不順の方は排卵検査薬を使用する前に、以下の2つの観察をしましょう。

  • ・基礎体温
  • ・おりものの変化

排卵前から妊娠の準備のために徐々に分泌量が増える黄体ホルモン(プロゲステロン)は、着床しやすいように子宮内膜を温めるため基礎体温を高めます。この時期を高温期と呼び(排卵が近いサイン)、体温は平均で0.3〜1℃上昇します。

そのため、基礎体温を毎日記録しつつ高温期になったタイミングで性行為を行うと妊娠率を高められます。また排卵が近くなると急激に分泌量が増える卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響で、おりものはサラッと粘り気のない状態に変化します。

これらの観察をしつつ排卵検査薬を使うことで性行為のタイミングを考えると良いでしょう。それでも妊娠兆候が見られないなら、早めに産婦人科に相談することをおすすめします。

 

質問②:検査時間がズレた場合はどうすれば良いですか?

ズレた時間にもよりますが、2時間程度であればすぐに検査しましょう。それよりも長いなら、次回から通常のタイミングに沿って検査を再開してください。

排卵検査薬で重要なのは、毎日同じタイミングで測り続けて経過的な記録をすることです。

しかし、仕事や生活の状況によっては、毎日同じタイミングで測れません。同じ時間で測り続けることに越したことはありませんが、2時間程度のズレであれば多めに見つつ検査継続を優先しましょう。

 

質問③:排卵検査薬を避妊目的で使用する方はいますか?

大前提として排卵検査薬は排卵日を見極めて、妊娠率を高めるためのものです。安全日・危険日を探るための使用は推奨されていません。

また、排卵検査薬の判定が全てではありません。使用方法が違ったり、内分泌異常などの病気が隠れていたりすると誤判定になることも十分考えられます。

そこで、妊娠を望まない方は排卵検査薬で危険日を予測するよりも、確実な避妊を優先しましょう。

 

質問④:内服やお酒・タバコは検査結果に影響しますか?

排卵検査薬はお酒やタバコの影響は受けません。というのも排卵検査薬は尿中のLHホルモン(黄体形成ホルモン)を検知して判定するからです。ただし、内服など不妊治療中の投与薬の影響で偽陽性になることは考えられます。

例えば、黄体形成ホルモン(LH)やヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)を含む不妊治療薬は、排卵検査薬で検知するホルモンと同様であるため、影響する可能性は否定できません。

その他にも、以下の状況が判定に影響します。

  • ・すでに妊娠している
  • ・分娩・流産からあまり経過していない
  • ・人工妊娠中絶
  • ・内分泌障害
  • ・排卵検査薬の使用手技の問題

これらの状況が影響を及ぼすことを覚えておきつつ、正しい使用方法で検査をしましょう。

 

質問⑤:長期間使用しても妊娠しない場合はどうすれば良いですか?

長期間使用しても妊娠しない場合は、不妊症やその他病気にかかっている可能性も考慮して産婦人科へ相談しましょう。

例えば、卵管炎や子宮筋腫や子宮の先天的な形態異常など症状が乏しく、気づきにくい病気が隠れていることがあります。また男性不妊の可能性も十分考えられます。男性不妊の原因として、以下が考えられます。

  • ・精子の産生能力が弱い
  • ・精子の活動性が低下している
  • ・精子の通り道が塞がっている・狭くなっている
  • ・精索静脈瘤
  • ・勃起不全
  • ・射精障害

男女とも加齢とともに生殖機能が低下します。男性側に不妊の原因が隠れていることも考慮して、一度産婦人科や生殖医療科のある専門機関に相談しましょう。

また、排卵検査薬を正しく使用できているかについても確認が必要です。検査自体が正しく行われていないといつまで経っても正確な結果を得ることはできません。

※参考資料:公益社団法人 日本産科婦人科学会/不妊症

まとめ: 排卵検査薬を正しく使えば妊娠率を高められる

医師がカルテに書き込む

以上、排卵検査薬の使用上の注意点や性行為のタイミングなど、排卵検査薬を活用して妊娠率を高める方法について詳しく解説しました。

排卵検査薬で正しい検査結果を得られるように、以下の4つに注意する必要がありましたね。

  • ・毎日同じ時間で検査する
  • ・陽性反応が出るまで実施
  • ・採尿部分に尿をかけすぎない
  • ・判定時間は検査5分後

検査で陽性が出た場合、40時間以内に性行為を複数回行うことで妊娠率を高められます。一方で、排卵検査薬で性行為のタイミングを確認しているにも関わらず、妊娠兆候が見られないなら、産婦人科医に相談しましょう。

病気や生活習慣など不妊症の原因が隠れているかもしれません。そしてこれら不妊症の原因の多くは無症状や症状に乏しいケースが多く、気づかないうちに妊娠の機会を失っている可能性があります。

正しい使用方法で排卵検査薬を活用できれば、何もしないよりも妊娠率を格段に高められるため、ぜひ挑戦してみてください。

無事妊娠するためにこの記事を活用していただけると嬉しいです。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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