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NIPT事例|上のお子さんがプラダー・ウィリ症候群

上のお子さんがプラダー・ウィリ症候群でうまれたAさん。お子さんは可愛くて仕方がないのですが、次のお子さんを妊娠した時にやはり、また障害のあるお子さんだったらどうしようと不安でたまらなくなりNIPTを受けることを決断しました。

プラダー・ウィリ症候群PWSは生まれる赤ちゃんの約10,000から15,000人に1人という疾患です。
新生児期から筋肉の緊張が低下が見られ、哺乳障害があります。幼児期になると過食や肥満、発達障害、低身長などの症状がでてきます。
プラダー・ウィリ症候群は年齢と共に変化するのが特徴で、成長とともに頑固でこだわりが強くなり、トラブルが多くなります。

Aさんは妊娠中から胎動を殆ど感じなかったそうです。そのことを不安に思ったAさんは何度も産婦人科医に訴えました。「上の子の時と全然違う。胎動がないんです。」
でも。エコー所見では異常がありません。「たいしたことない」と言われて耳を傾けてもらえませんでした。
ママの不安は的中しました。うまれたお子さんはフロッピーインファント
生まれつき、筋肉の緊張が低下していました。
哺乳力も低下していて。

あんなに言ったのに全然聞いてくれなかった、と産婦人科医に対する怒りが湧きました。

1歳近くなってもあまり動かないし大声で泣くこともないので、すごく育てやすいお子さんではあるそうです。静かでニコニコしていて本当にかわいいお子さんです。
なによりうまれてきたお子さんって本当に障害があってもなくても、とにかくかわいいんですよね。親としては。

でも。次に妊娠したのでやはり、お腹の赤ちゃんの出生前検査をしたくなりました。もう一人、障害のあるお子さんは育てられないというお気持ちからです。
竹の子の会というプラダー・ウィリ症候群のお子さんをもつ親御さんの会の資料によると、専門的に診療してくれる医療機関も医師もかなり限られています。
Aさんは、お子さんを良い専門の先生に診てもらいたいと、遠い隣の都道府県まで足を運んで頑張っています。

妊娠するのは嬉しいことなのですが。やはり前の出産の経緯を考えると不安でしかありません。

現在ではNIPTでプラダー・ウィリ症候群も調べることが出来ます。Aさんは一番多くプラダー・ウィリ症候群のような微小欠失症候群と言われる疾患たちが多く含まれている検査メニューをお選びになりました。

検査結果が出るまでの間、すごく不安だったようですが、検査結果は陰性で、安心して妊娠期間をお過ごしになり、無事に出産しました。

今はこういう検査があるので、不安を払しょくしつつ妊娠を継続できるのですが、一昔前ならこういう検査はなかったので、Aさんも不安から中絶を選んでいたかもしれません。

出生前検査のことをいろいろ言う人たちがいるのですが、NIPTがなければそのままあきらめられてしまう命もあるという現実もあることを、是非知っていただきたくて記事にしました。

みなさまお健やかにお育ちになりますよう願っています。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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