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【医師監修】NIPT vs クアトロテスト徹底比較|費用・精度・時期で選ぶ出生前診断

この記事のポイント
  • 出生前診断には非確定的検査と確定的検査があり、NIPTとクアトロテストは非確定的検査に分類される
  • NIPTはクアトロテストより精度が高く、検査可能時期も早いが費用は高額
  • クアトロテストは比較的安価で受けられるが、検査精度や実施可能時期に制限がある
  • ミネルバクリニックでは最新のCOATE法による高精度NIPTを提供
  • 検査選択には精度、費用、検査時期、検査対象疾患を考慮する必要がある

出生前診断を検討するにあたり、どの検査を選ぶべきか悩まれている方は多いのではないでしょうか。特に「NIPT(新型出生前診断)」と「クアトロテスト」は、どちらも母体血液から検査を行う非侵襲的な方法ですが、精度や費用、検査時期などに大きな違いがあります。

本記事では、出生前診断の主要な検査である「NIPT」と「クアトロテスト」の違いを、費用・精度・検査時期・診断対象など様々な角度から徹底比較します。ミネルバクリニックの臨床遺伝専門医が監修し、あなたに最適な選択をサポートします。

出生前診断の種類と位置づけ

出生前診断とは、妊娠中に胎児の先天的な疾患や染色体異常を調べる検査のことです。検査の種類は大きく分けて「非確定的検査」と「確定的検査」の2つに分類されます。

非確定的検査

  • 胎児の染色体異常の可能性を確率で示すスクリーニング検査
  • 母体への負担が少ない非侵襲的な方法
  • 確定診断ではないため、陽性の場合は確定的検査が必要
  • 例:NIPT、クアトロテスト、NT検査、コンバインド検査など

確定的検査

  • 胎児の染色体異常を直接確認できる検査
  • 少なからず流産リスクを伴う侵襲的な方法
  • 最終的な診断として位置づけられる
  • 例:羊水検査、絨毛検査など

重要ポイント

出生前診断は義務ではなく、希望によって任意で行われる検査です。検査を受けるかどうかは、検査の特性や限界を十分に理解した上で、ご夫婦でよく話し合って決めることが大切です。出生前診断を検討される方には、検査前に専門家による遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。

NIPTとクアトロテストの基本的な違い

NIPTとクアトロテストはどちらも母体の血液を採取して行う非侵襲的な検査ですが、検査方法や原理、精度などに大きな違いがあります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

比較項目 NIPT(新型出生前診断) クアトロテスト
検査原理 母体血液中の胎児由来DNA断片を分析して染色体の数的異常を調べる 母体血液中の4つのバイオマーカー(タンパク質・ホルモン)の値を測定
検査精度 ダウン症の検出率(感度):99%以上
偽陽性率:0.1%未満
ダウン症の検出率(感度):約80%
偽陽性率:約5-7%
検査時期 妊娠10週〜(当院は6週から可能) 妊娠15〜20週(16〜17週が推奨)
検査費用 約10〜20万円 約2〜3万円
検査対象 基本:13、18、21トリソミー
オプションで他の染色体異常も検査可能
21トリソミー(ダウン症)
18トリソミー
開放性神経管奇形
結果通知方法 陽性/陰性 確率(例:1/〇〇〇)
結果判明まで 約1〜2週間 約1週間

検査原理の違い

1
NIPT(新型出生前診断)

母体の血液中に存在する胎児由来のDNA断片(セルフリーDNA)を高精度に分析し、染色体の数的異常(トリソミーなど)を検出します。最新のCOATE法では、より精密な分析が可能になっています。

2
クアトロテスト

母体の血液中の4つのバイオマーカー(αフェトプロテイン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、エストリオール、インヒビンA)を測定。これらの値と妊婦の年齢、体重などから疾患リスクを統計的に算出します。

検査精度の違い

NIPTとクアトロテストの最も大きな違いは検査精度です。

NIPT

  • ダウン症の検出率(感度):99%以上
  • 偽陽性率:0.1%未満
  • 陰性的中率:99.9%以上
  • 当院のCOATE法では更に高精度

クアトロテスト

  • ダウン症の検出率(感度):約80〜87%
  • 偽陽性率:約5〜7%
  • 陰性的中率:約99.9%
  • 確率で結果が示される

要注意

クアトロテストでは、ダウン症の子どもの約13%が見落とされる(偽陰性)可能性があります。また、クアトロテストの偽陽性率は約5〜7%と高く、実際には染色体異常がないのに陽性と判定されることも少なくありません。そのため、クアトロテストで陽性の結果が出た場合でも、羊水検査などの確定検査の前に、より精度の高いNIPTを受けるケースも増えています。

検査時期の違い

検査可能な時期も両検査で大きく異なります。

NIPT

  • 一般的には妊娠10週から検査可能
  • ミネルバクリニックでは妊娠6週から検査可能(臨床研究として)
  • 妊娠初期に結果が分かるため、その後の選択肢が広がる
  • DNAフラクションが十分に得られれば検査が可能

クアトロテスト

  • 妊娠15〜20週に検査可能(16〜17週が推奨)
  • 検査時期が限られている
  • 検査結果が出るまでに時間がかかる
  • 15週未満では検査できない

ミネルバクリニックからのお知らせ

ミネルバクリニックでは、最新のCOATE法による高精度NIPTを提供しています。この検査法は従来の方法より更に精度が高く、妊娠早期の段階から安心して検査を受けることができます。また、当院では妊娠6週から検査が可能な臨床研究を実施しており、早期に検査結果を知りたい方におすすめです。詳しくはCOATE法についての詳細記事をご覧ください。

費用の違い

検査費用も大きく異なります。NIPTは高度な技術を使用するため、クアトロテストと比較すると費用が高くなります。

NIPT

  • 検査費用:約10〜20万円
  • 医療機関によって異なる
  • 検査項目が増えるとさらに費用増加
  • 自費診療(保険適用外)

クアトロテスト

  • 検査費用:約2〜3万円
  • 費用は比較的安価
  • 医療機関によって多少の差がある
  • 自費診療(保険適用外)

費用に関する注意点

クアトロテストは費用が安価ですが、偽陽性率が高いため、陽性の結果が出た場合は追加で羊水検査(約15〜20万円)が必要になることがあります。総合的なコスト面を考慮することも大切です。

ミネルバクリニックでは、万が一NIPTで陽性の結果が出た場合、羊水検査の費用を全額負担するサポートも行っています。

検査対象疾患の違い

疾患 NIPT クアトロテスト
ダウン症(21トリソミー) ○(検出率99%以上) ○(検出率約80〜87%)
18トリソミー ○(検出率99%以上) ○(検出率約60〜70%)
13トリソミー ○(検出率91〜99%) ×
開放性神経管奇形 ×
性染色体異常 ○(オプション) ×
微小欠失症候群 ○(オプション) ×
その他の染色体異常 ○(オプション) ×
ミネルバクリニックのNIPT検査

ミネルバクリニックでは、基本の3トリソミー検査に加えて、性染色体異常、微小欠失症候群、全染色体検査、100種以上の単一遺伝子疾患など、より広範囲の検査オプションをご用意しています。これにより、より多くの先天性疾患のリスクを把握することが可能です。詳細はNIPT検査ページをご確認ください。

最新技術:COATE法によるNIPT検査

NIPTの検査技術は進化を続けており、ミネルバクリニックでは最新のCOATE(コーテ)法を採用しています。この技術は従来の方法と比較して、さらに高精度な結果を提供します。

COATE法の特徴

  • 従来の方法より高精度で偽陽性率が低い
  • 検出精度の向上により判定保留がほぼゼロ
  • より少ない胎児DNAフラクションでも正確な結果
  • より詳細な染色体異常の検出が可能

従来法との違い

  • 従来法:DNAを約50回読み取り
  • COATE法:DNAを約500回読み取り
  • 読み取り精度が10倍に向上
  • 妊娠早期でも高い検出率

COATE法の詳細

COATE法について詳しく知りたい方は、ミネルバクリニックの「COATE法とは?従来のNIPT検査法との違いを解説」をご覧ください。また、「NIPT技術の進化とミネルバクリニックの取り組み(2017-2024)」では、NIPT技術の進化についても詳しく解説しています。

NIPTとクアトロテスト、どちらを選ぶべきか

「NIPT」と「クアトロテスト」のどちらを選ぶべきかは、それぞれの方の状況や希望によって異なります。以下の観点から検討してみましょう。

NIPTがおすすめの方

  • 精度の高い検査結果を求める方
  • 早い時期に検査結果を知りたい方
  • より多くの染色体異常を調べたい方
  • 検査費用よりも精度を重視する方
  • 高年齢(35歳以上)での妊娠の方

クアトロテストがおすすめの方

  • 費用を抑えて検査を受けたい方
  • NIPT実施可能時期を過ぎてしまった方
  • 開放性神経管奇形のリスクも知りたい方
  • スクリーニング検査として受けたい方
  • 基本的なリスク評価で十分と考える方

検査選択の注意点

クアトロテストは費用が安価ですが、偽陽性率が高いため、結果が陽性だった場合に不必要な不安を抱える可能性があります。また、検査可能時期が限られており、検査結果が陽性の場合、確定検査や胎児への対応などの判断までの期間が短くなることも考慮すべき点です。

総合的に見ると、検査精度と早期検査の観点からはNIPTがおすすめです。特に出生前診断で確実な結果を求める方や、早い段階で判断したい方には、NIPTの方が適しています。ミネルバクリニックでは、最新のCOATE法による高精度NIPTを提供しており、より確かな検査結果を得ることができます。

出生前診断を検討される方へ

出生前診断はあくまでも個人の選択です。検査を受けるかどうかは、検査の特性や限界を十分に理解した上で、ご夫婦でよく話し合って決めることが大切です。ミネルバクリニックでは、検査前に臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを実施しています。検査に関する疑問や不安について、専門家に相談することをお勧めします。

出生前診断検査の選び方 – 総括

出生前診断検査を選ぶ際は、ご自身の状況や価値観に合わせて検討することが大切です。下記のポイントを参考に、最適な検査を選択しましょう。

1
精度を重視する場合

より高精度な結果を求める場合は、検出率99%以上、偽陽性率0.1%未満のNIPTがおすすめです。特に高齢出産(35歳以上)の方や、より確実な情報を求める方に適しています。

2
早期検査を希望する場合

妊娠初期から検査を受けたい場合は、妊娠10週(ミネルバクリニックでは臨床研究として6週)から検査可能なNIPTが適しています。早期に結果が分かることで、その後の選択肢や心の準備に余裕が生まれます。

3
検査費用を抑えたい場合

費用面を考慮する場合、クアトロテスト(約2〜3万円)はNIPT(約10〜20万円)より安価です。ただし、陽性結果が出た場合の追加検査費用も考慮しましょう。

4
検査目的を明確にする

NIPTは染色体異常を広範囲に検査できます。一方、クアトロテストは開放性神経管奇形のリスクも検査できる特徴があります。どのような疾患リスクを知りたいかによって選択が変わります。

検査前の遺伝カウンセリングの重要性

出生前診断検査を受ける前に、検査の意義や限界、結果が陽性だった場合の選択肢などについて、専門家による遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを提供しています。検査に関する疑問や不安を解消し、より納得のいく選択をサポートします。

まとめ:あなたに最適な出生前診断検査

NIPTとクアトロテストはどちらも母体血液から行う非侵襲的な出生前診断検査ですが、精度・費用・検査時期・検査対象などに大きな違いがあります。

NIPTは高精度・早期検査が可能な一方、費用が高額です。クアトロテストは費用が安価ですが、精度がやや低く、検査可能時期も限られています。

検査選択にあたっては、精度重視か費用重視か、検査時期の希望、知りたい疾患のリスク、自身の妊娠リスク(年齢など)を総合的に考慮することが大切です。

ミネルバクリニックでは、最新のCOATE法によるより高精度なNIPT検査を提供しています。また、遺伝カウンセリングや丁寧なアフターフォロー体制も整えていますので、出生前診断をご検討の方はぜひご相談ください。

安心の出生前診断をミネルバクリニックで

ミネルバクリニックでは、最新技術を用いた高精度NIPT検査と専門医による丁寧な遺伝カウンセリングを提供しています。出生前診断に関するご質問やご不安がございましたら、お気軽にご相談ください。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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