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新生児の無呼吸発作とは?どのような赤ちゃんに起こりやすい?対処法も解説!

新生児の無呼吸発作とは、生後数週間から数カ月の赤ちゃんが突然呼吸を停止する現象を指します。いくつかの要因が関与していると言われていますが、ここでは無呼吸発作の特徴や起こりやすい赤ちゃんについて掘り下げ、赤ちゃんに発作が発生した際の適切な対処法についても解説します。

新生児の無呼吸発作とは

新生児の無呼吸発作には閉塞性と中枢性の2つのタイプがあり、感染症や低血糖、低酸素症などが原因です。臨床症状や検査で診断し、高頻度な症状として呼吸窮迫症候群(RDS)、胎便吸引症候群(MAS)があります。赤ちゃんに無呼吸の発作が見られる場合、原因を突き止める必要があります。
正常な新生児の呼吸は毎分40〜60回とされますが、時折呼吸が無くなってしまうことがあります。この現象は閉塞的無呼吸と、中枢性無呼吸の2種類に分類されるといわれています。閉塞的無呼吸は、筋肉の緊張不足や首の前屈によって気道が閉塞し、低酸素症になることで迷走神経反射が生じ、徐脈を引き起こすといわれています。その一方で、中枢性無呼吸は未熟児によく見られ、原因は多岐にわたります。
新生児の無呼吸にはさまざまな理由が存在し、それを明らかにするには慎重な精査が不可欠です。また、気管支肺異形成症(BPD)といった慢性肺疾患も未熟な乳児や肺疾患のある乳児に見られ、人工呼吸器や酸素治療が必要になります。
治療には妊娠中のコルチコステロイド投与や生後の措置が含まれ、予後は一般的に良好ですが、一部の症例では合併症が生じる可能性があります。

無呼吸発作に伴う症状とは?

発作の長さに応じ、無呼吸発作には特有の症状が現れます。
長時間の無呼吸はチアノーゼや皮膚の蒼白を引き起こしますが、これは血液中の酸素濃度の低下によるものです。血液中の酸素濃度が低下すると、心臓がより酸素の供給を求めるため1分間の拍動が60回以下と少なくなってしまう、徐脈という症状を引き起こす場合があります。この症状は呼吸障害の一環であり、臨床的な観察と酸素濃度のモニタリングをすることが、発作の発見において重要です。無呼吸発作の早期発見と適切な治療は、赤ちゃんの健康を維持する上で不可欠になります。

無呼吸発作が起こる原因とは?

無呼吸発作が起こる原因はさまざまです。未熟児の場合や、先天性疾患による呼吸器系の発達の遅れであったり、血液の感染症、血糖値の低下、体温の低下なども無呼吸発作の原因になります。無呼吸発作が起こる原因を詳しく見てみましょう。

未熟児の場合

未熟児において無呼吸発作が起こる主な原因は、人間の呼吸を司る脳の一部である呼吸中枢が完全に成長していないことです。脳の呼吸中枢が発達するにつれ、無呼吸発作の発生頻度は減っていき、最終的には見られなくなるといわれています。現在のところこの原因は解明されていませんが、低酸素症や高炭酸ガス血症への異常な応答が関係している可能性があると言われています。
また、気管支肺異形成症(BPD)などの肺疾患が、未熟児の無呼吸発作を引き起こす要因となります。BPDは非常に未熟な乳児や肺疾患のある乳児が、人工呼吸器や酸素治療を受けた結果として発症する慢性肺疾患で、呼吸困難が特徴です。

先天性疾患による呼吸器系の発達の遅れ

染色体異常による先天性疾患も、無呼吸発作を引き起こす可能性があります。例えば、筋肉の緊張が弱くなるトリソミー症例では閉塞性無呼吸が起こりやすくなります。13トリソミーダウン症候群)では、無呼吸が主な症状として現れることがあります。

その他に考えられる原因

ここまででお伝えしてきたように、赤ちゃんの無呼吸発作は、呼吸器系の未熟性が主な原因ですが、他にもいくつかの原因があります。例えば、血液の感染症(敗血症)、血糖値の低下(低血糖)、体温の低下(低体温症)などが挙げられます。
なお、一時期は早産児の無呼吸発作において胃食道逆流症(GERD)も考えられていましたが、最新の研究では早産児の無呼吸発作の原因としては考えられていないことが示されています。無呼吸発作の診断は観察によって行われ、必要に応じてモニタリングや身体的刺激、換気などの対応が行われます。

無呼吸に対する処置とは?

無呼吸発作に対する処置はさまざまありますが、こちらでは3つご紹介します。
まず、新生児を優しく刺激したり、なでたりする方法です。この刺激だけでも、新生児が正常な呼吸に戻ることが期待されます。また、刺激剤であるカフェインを投与し、無呼吸の原因に対する治療を施すこともあります。これは中枢神経系を活性化させ、呼吸を促進する役割を果たしています。
無呼吸の発作が頻繁に起こり、特に新生児がチアノーゼを起こしている場合は、NICU(新生児集中治療室)での治療が検討されます。NICUでは、より高度な医療ケアが提供され、新生児の状態が適切に管理されることとなります。
無呼吸に対する処置は赤ちゃんの症状によって異なりますが、早期に適切な治療が行われることで、多くの場合は改善されます。

赤ちゃんの無呼吸発作を予防するためにできること

赤ちゃんの無呼吸発作を完全に予防することは難しい場合がありますが、予防するための注意事項や予防策をご紹介します。

早産を予防しよう

胎児の成長を促進し、無呼吸発作を予防するために、以下のポイントに気を付けましょう。喫煙や副流煙の影響は避けるべきです。これらは胎児の成長を遅らせ、無呼吸のリスクを高めます。同様に、アルコールやドラッグの摂取も避けるべきです。これらは先天性異常を引き起こす可能性があり、特に妊娠初期は影響が大きいと考えられています。
バランスの取れた食事も重要です。適切な栄養を摂ることで胎児の発育がサポートされ、早産のリスクが低減します。また、服薬についても慎重になりましょう。抗てんかん薬など一部の薬物は胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため、医師との十分な相談を行い、赤ちゃんもお母さんも安心な服薬にしましょう。 妊娠中は自身の健康管理が赤ちゃんの未来に大きな影響を与えるため、積極的なケアが必要です。

赤ちゃんを仰向けで寝かせよう

すべての新生児は仰向けで寝かせるべきです。
また、赤ちゃんが眠る場所の近くには、窒息の危険のある物を置かないようにしましょう。たとえば、柔らかい寝具やぬいぐるみなどは避けるべきです。
未発達の新生児をチャイルドシートに乗せる際は特に注意しましょう。正しい角度で設置し、移動中に呼吸困難にならないように心掛ける必要があります。チャイルドシートやバウンサーは月齢の低い早産児には不適切です。やむを得ない場合でも、医師の指導に従い、注意深く使いましょう。
早産で生まれてきた赤ちゃんに対するケアや合併症の予防や治療には、原因である器官に対しても適切なケアが行われる必要があります。早産児と両親のスキンシップや親子の絆も大切にし、退院後も発達モニタリングや必要に応じた治療を受けましょう。

無呼吸発作を伴う可能性のある先天性疾患を調べるには

無呼吸発作を伴う可能性のある先天性疾患を調べるためには、いくつかの検査や評価の方法があります。出生前診断を検討する際は、赤ちゃんやお母さんの身体へのリスクの大きさや、出生前の早期から発見可能か、検査結果の精度などの観点を踏まえておきましょう。

出生前診断の受検を検討してみては

新生児の無呼吸を誘発するトリソミー、特に13トリソミーは、出生前診断によって発見できる可能性があります。出生前診断には非確定検査確定検査の2つの種類があり、非確定検査には、母体血清マーカー検査や胎児ドッグ、NIPTなどが挙げられます。これらの検査は妊娠初期から受けることができ、赤ちゃんの染色体異常を早期に発見できる可能性があります。一方、確定検査には羊水検査絨毛検査の2つがあります。絨毛検査は妊娠11週から、羊水検査は15週からと、非確定検査よりも少し遅い時期での受検となります。しかしこれらの検査は高い精度で染色体異常を診断できます。流産のリスクが伴うものの、確定診断によって正確な情報を得ることができます。
出生前診断を受ける際には、検査精度や費用、提供される情報などを総合的に考慮し、検討してみることが重要です。これによって、将来の赤ちゃんの健康に対する不安を軽減し、準備を進める手助けとなるでしょう。

出生前診断を受けるならNIPTを

NIPTはお母さんの血液を採取して行われる出生前診断の一種で、染色体の数的な異常や欠損の有無を調べる先進的な検査です。主に18、13、21トリソミーの判定に加え、性染色体の異常や欠損も確認できます。NIPTは非確定検査の一環で、他の検査と比べて妊娠9週から(ミネルバクリニックではご希望があれば妊娠6週から)比較的早い時期に受けることが可能です。
この検査は21トリソミーの検査精度が99%と高く、お母さんの血液採取のみで行われるため負担が軽減されます。しかし、その高い検査精度から一度陽性になってしまうと検査結果にパニックになってしまう方も多い検査です。NIPTはすべての先天性疾患を調べるわけではありません。そのため、検査を受ける際には、検査の目的や提供される情報などを考慮する必要があります。

NIPTを受けるならミネルバクリニックで

ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医がNIPTを提供しています。世界の遺伝診療の重鎮を指導医にもつ院長により、最新かつ確かな診療を提供しています。遺伝診療の第一人者が在籍しているため、大学病院と同等のレベルでの診療が可能です。
NIPTは一般的には妊娠9週から利用可能ですが、希望があれば6週からも対応しています。業界随一の対象疾患の広さを誇っており、患者さんに寄り添い、笑顔になれる出産を導くのがミネルバクリニックの使命です。
安心して出産に向けて準備を進めたい方は、ミネルバクリニックでのNIPT受検を検討してはいかがでしょうか。確かな技術と温かいサポートが、新しい家族の誕生を笑顔で迎えるお手伝いをします。

まとめ

いかがでしたか。新生児の無呼吸発作には、閉塞性無呼吸や中枢性無呼吸などがあり、未熟児や先天性疾患によるものが一般的でした。治療は、なでるなどの刺激や呼吸補助などで、多くの場合正常な呼吸に戻ることが期待できる一方、重症な場合はNICUでの治療が必要となることもあります。
予防策としては、早産予防や適切な睡眠姿勢などお母さんの健康管理を積極的に取り入れるほか、出生前診断によって先天性疾患を調べることもできます。とくにNIPTは早期からの受検が可能で、その検査精度も非常に高く身体的負担が少ないのも利点です。ミネルバクリニックは遺伝専門クリニックです。臨床遺伝専門医からの適切なサポートで、新しい家族の誕生を安心して迎えられるよう準備しましょう。

この記事の著者:仲田洋美(医師)

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ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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