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赤ちゃんの染色体異常を調べる新型出生前診断のNIPTが気になっている方で、NIPTに年齢制限や、受けられる妊婦さんに条件があるイメージをお持ちの方も多いでしょう。
そこで今回は、NIPTの受検に際した条件の有無について確認してみましょう。
NIPTとは
NIPT(新型出生前診断)とは、母体の血液採取によって胎児の染色体疾患が非確定的に判断できる検査をいいます。採血検査をしてから1〜2週間程度で結果がわかり、料金は認証施設で約20〜25万円、非認証施設の場合は5万円〜25万円ほどです。
羊水検査などの確定的検査よりも流産の可能性が低く、妊婦さんにも赤ちゃんにも負担が少なく検査ができるのが特徴です。
NIPTに条件はある?35歳以下でも受けられるのか
NIPTでダウン症が発覚する確率についてまとめた記事でもご紹介しましたが、出産年齢が上がるとダウン症などの染色体異常の確率が高くなることは周知の事実です。
そのため、赤ちゃんの染色体異常を調べるNIPTは高齢妊婦さんだけが受けられる検査として認識されているケースも多いです。そこでNIPTに年齢制限はあるのかどうか確認しましょう。
NIPTでダウン症が発覚する確率については以下の記事で詳しく解説しています。
NIPTでダウン症が発覚する確率はどれくらい?年齢別データを元に解説
35歳以下でも受検可能!NIPTの年齢制限は撤廃されました
NIPTを受けられる施設には認証施設と非認証施設がありますが、2022年の2月に日本医師会から指針が出るまで、認証施設には年齢制限があり、医学的リスクのない35歳未満の妊婦さんはNIPTを受けることができませんでした。
指針が出た以降の現在は認証施設でも年齢制限なく、若い妊婦さんでもNIPTが受けられるようになり、NIPTの認知度も高まっています。
年齢制限が撤廃された背景
認証施設でNIPTの年齢制限が廃止された背景には、産婦人科と関連のない美容系などの非認証施設で受検する妊婦さんが増加したことが挙げられます。これまでは年齢制限があったことから、35歳以下の妊婦さんは非認定施設で受けざるをえませんでした。
認証施設と非認証施設で検査の精度に違いはありませんが、非認証施設には産婦人科医や認定遺伝カウンセラーなどの専門家が在籍していない場合があります。 これにより、検査について必要な情報提供を十分に受けられず、混乱したり、不安に感じたりする妊婦さんが増えているという問題がありました。
NIPTは検査の結果によって判断が難しい事例もあり、その場合は専門家からの情報提供やこころのサポートが必要になります。 こうした背景から認証施設でも35歳以下の妊婦さんに対応すべく、年齢制限が廃止されました。
NIPTの対象疾患やわかることについて
NIPTは認証施設を選ぶか、非認証施設を選ぶかによって検査できる疾患や遺伝子検査の内容が変わります。自身の調べたいことはどちらの施設で受けられるのか、どちらでも対応可能なのか以下で確認してみてください。
認証施設のNIPTでわかること
認証施設では、NIPTの基本検査のみを取り扱っています。認証施設のNIPTで調べられる基本的な染色体異常とは、21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)の3種類です。
21トリソミーは、21番目の染色体が3本になることで起こる染色体異常のことで、ダウン症とも呼ばれます。平均寿命が他の染色体疾患に比べて長く、症状の重さに大きく個人差があるのが特徴です。 手厚い支援を受けなければ日常生活を送れないという方もいれば、大学を卒業し就職して自活できる方もいます。
18トリソミーは、18番目の染色体が3本になることで起こる染色体異常のことで、エドワーズ症候群とも呼ばれます。発症した場合は、ほとんどが自然流産してしまい、もし誕生できたとしても半数以上は生後1週間以内で亡くなってしまいます。 1年後まで生存する割合は10%未満です。
13トリソミーは、13番目の染色体が3本になることで起こる染色体異常のことで、パトウ症候群とも呼ばれます。18トリソミーと同様に発症した場合の多くは自然流産してしまい、誕生できる赤ちゃんはごく稀です。病気の重さに個人差があるものの、1年後まで生存する割合は10%未満にとどまっています。
非認証施設のNIPTでわかること
非認証施設では基本検査に加えて、「全染色体検査」「微小欠失症候群」「性別」などを調べることができます。
NIPTの全染色体検査では、通常の基本検査が21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを検査するのに対し、1~22番のすべての常染色体とXY染色体(性染色体)を検査することができます。そのため、全部の染色体のトリソミー、モノソミーといった数の異常があるかどうか調べることができるのです。
微小欠失症候群は、染色体の一部の小さな断片がなくなることが原因で起こる疾患群です。ほとんどは両親からの遺伝ではなく突然変異で起こります。症状として、心疾患などの形態異常や、精神発達遅滞などの複数の合併症が出現します。
条件なしのNIPTで特に受検がおすすめな人
条件がないNIPTは誰でも受けやすくなりました。そんな中、自分は受けるべきなのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでNIPT受検を積極的に検討してほしい人の特徴を以下で挙げます。当てはまる人はNIPTを提供しているクリニックに相談するとよいでしょう。
遺伝的な疾患や染色体異常の家族歴を持つ人
遺伝的な疾患や染色体異常の家族歴がある場合は、3つのトリソミーの発生頻度が高くなります。そのため、高齢出産ではなくても、検査を受けることをおすすめします。
前回の妊娠で染色体異常や遺伝的疾患のリスクが高かった人
これまでの妊娠で染色体異常や遺伝的疾患のリスクが高い場合は、お腹の中の赤ちゃんに染色体異常がみられる可能性が通常より高いと考えられています。遺伝カウンセリングにて、前回妊娠に染色体異常のリスクがあったことを必ず伝えるようにしましょう。
異常な超音波検査結果がある人
胎児超音波検査で異常を指摘された場合は、NIPTの検査を受けることをおすすめされることがあります。超音波検査でNT(胎児の首のむくみ)の値が大きくなると、染色体疾患のリスクが高くなるためです。ただし、NTの測定は誤差がある場合もあります。胎児ドッグなど、精密な検査とともにNIPT検査を勧める場合が多いでしょう。
NIPTは何歳から?何周がベストなのか?
年齢制限が撤廃されたNIPTでは何歳から受けられるのか、また何周に受けるのがベストなのかご紹介します。
NIPTは何歳から受けられる?
NIPTは20代での受検が可能です。20代でNIPTを受けた方の体験談をご紹介します。
【BさんのNIPT受検体験談】
初めての妊娠でしたが、NIPTのことはずっと前から知っていて、妊娠したら受けようと思っていました。結果は21トリソミーでした。結果を聞いたら、お母さまとパートナーの双方から、体に負担がない時期に中絶するよう勧められ、私もそうしたいと思い、初期で中絶しました。まだ若いので、次の妊娠を希望しています。 |
妊娠初期の中絶であれば身体の負担は少なくて済み、20代であれば次の妊娠の影響もほとんどありません。そのため、人生設計やこれからの将来を考えて20代でも妊娠初期にNIPT受検することをおすすめします。
NIPTは何週に受けるのがベストなの?
NIPTを受ける場合、日本ではほとんどの施設で妊娠10週〜とされています。中にはそれよりも早い週数で検査できる機関もあります。ミネルバクリニックでは妊娠6週からNIPTを受けていただくことが可能です。
NIPTは何歳に受けるべきなどの決まりはありませんが、早期に受検することがベストであるといえます。なぜなら、赤ちゃんに染色体異常があった場合に、家族やパートナーと相談できる時間を十分に持つことができるためです。
ミネルバクリニックで妊娠6週から検査可能なのは、第3世代のスーパーNIPTによる精度の高さが理由です。第1世代と第2世代では行えない「母子のDNAをメチル化により区別し測定する」ことができるようになり、DNAが胎児由来のものなのか、母体由来のものなのかを区別できるようになりました。この技術によって胎児分画(胎児DNAの比率)を上げることができ、より精度の高い検査を可能としています。もしも胎児のDNA比率(胎児分画)が足らない場合は、再検査を無料で受けることもできます。
ミネルバクリニックではオンライン受験が可能
東京のミネルバクリニックではオンラインNIPTを実施しています。
偽陰性・判定保留ゼロ、陽性的中率100%で高い精度を誇る、まさに大学病院レベルのNIPTがオンラインで受診可能です。地方にお住まいの方も自宅から質の高いNIPTを受けることができます。ミネルバクリニックで提供しているNIPTメニューのすべてがオンラインNIPTの対象です。受けたかったNIPTを自宅から気軽に受けられるでしょう。
移動リスクを避けることで妊娠によるつわりなどの体調不良だけでなく、新型コロナウイルス感染症などの感染症への罹患リスクを避けられるのもポイントです。
まとめ
NIPTは妊婦さんにも赤ちゃんにも負担が少ない検査です。年齢制限がなくなりましたが、検査を受けるかどうか決めるのはご夫婦です。
年齢やリスクに関わらず、妊婦さんとパートナーで話し合い、決めることが大切です。
検査を受けるか悩む場合や、検査について詳しく知りたい場合は遺伝カウンセリングを受けることがおすすめです。ミネルバクリニックでは、オンラインでのカウンセリングにも対応しておりますのでぜひご相談ください。