目次
📊 約5,500文字
- ➤ 「38歳の壁」の正体 → 卵子の質が急変する分岐点。正常胚率は30%まで低下します。
- ➤ ダウン症の確率は? → 38歳での確率は約1/180。35歳(1/365)と比較して約2倍に倍増します。
- ➤ 二人目不妊のリアル → 30代後半は「妊孕性障害」の割合が急増する時期。一人目が自然でも注意が必要です。
- ➤ NIPTの活用戦略 → 染色体リスクが加速する今だからこそ、高精度なスクリーニングが重要になります。
38歳妊娠の現実:「35歳の延長」ではない
「35歳を過ぎて高齢出産になったけれど、まだ40歳ではないから大丈夫」
そう考えている方は少なくありません。しかし、生殖医学のデータは、38歳という年齢がリスクの「加速地点」であることを明確に示しています。
35歳から緩やかに始まった変化が、37〜38歳を境に急激なカーブを描き始めるのです。
卵子の残り数を示す「卵巣予備能(AMH)」が低下している割合(DOR)は、37歳から38歳にかけて劇的に増加します。
- • 37歳:55.8%
- • 38歳:64.0%(1年で8.2ポイント急増)
たった1歳の差ですが、この時期に卵子の枯渇が加速し始めることがデータから読み取れます。
ダウン症の確率は35歳の「約2倍」に倍増
卵子の質の変化は、染色体異常の発生率に直結します。特にダウン症候群(21トリソミー)のリスクは、35歳時点と比較して38歳では約2倍に跳ね上がります。
※数値は出産時(Live Birth)の確率です。流産率が高まるため、妊娠初期(NIPTを受ける時期)の胎児における発生率はこれより高く、1/125程度と推定されます。
正常胚率は30%へ低下:流産率上昇の主因
「なかなか妊娠しない」「妊娠しても流産してしまう」
38歳でこの悩みが急増する原因は、卵子の染色体異常率の上昇にあります。体外受精(IVF)のデータによると、染色体が正常な「正倍数性胚(Euploid)」の割合は、35歳以下と比較して38歳ではほぼ半減してしまいます。
- • 35歳以下:約58%
- • 37〜38歳:約30%
つまり、38歳で妊娠したとしても、その受精卵の約7割は染色体異常を持っている可能性があります。これが、38歳での流産率(25〜30%)の高さを招く最大の要因です。
「二人目不妊」とNIPTの重要性
38歳での妊娠希望者の多くは、すでに一人のお子様がいる経産婦さんです。「一人目は自然にすぐできたから」と油断しがちですが、ここにも年齢の壁が存在します。
データによると、35〜39歳の女性における妊孕性障害(妊娠しにくさ)の割合は21.5%に達し、30代前半(13.4%)と比較して約1.6倍に増加します。
さらに、上のお子様がいる場合、「下の子に障害があった場合、上の子の将来や生活はどうなるのか?」という、初産とは異なる切実な悩みが生まれます。
【当院の強み】将来のリスクまで見通す検査
38歳のリスクはダウン症だけではありません。自閉症スペクトラム障害(ASD)などの発達障害リスクも、両親の年齢とともに上昇します。
ミネルバクリニックの「ダイヤモンドプラン(COATE法)」は、一般的なNIPTではわからない微細な遺伝子異常まで検査可能です。
🧬 ダイヤモンドプランでわかること
- 全染色体検査:ダウン症以外のすべての染色体数の異常をチェック。
- 微小欠失症候群:症候性自閉症や発達遅滞の原因となる微細な遺伝子欠失を高精度に検出。
- 父方のリスク:精子の老化に起因する遺伝子変異リスクもスクリーニング可能。
38歳からの戦略的ロードマップ
38歳は、まだ妊娠の可能性が十分に高い年齢ですが、同時に「時間の価値」が非常に高い時期でもあります。漫然と過ごすのではなく、戦略的に行動することが成功への鍵です。
🏥 ミネルバクリニックの安心体制
👨⚕️ 臨床遺伝専門医が直接担当
アルバイト医師ではなく、院長の臨床遺伝専門医が責任を持って監修します。陰性の場合は、待ち時間を減らすためマイページで速やかに結果をご確認いただけます(メッセージ機能でいつでも質問可能)。万が一「陽性」の場合は、見逃さないよう強調表示され、改めて専門医によるカウンセリング予約をお取りいただき、詳細な説明とサポートを行います。
💰 陽性時の費用を全額カバー
万が一NIPTで陽性が出た場合、確定検査(羊水検査など約15〜20万円)の費用を、当院独自の「互助会」システムで全額負担します(※一部対象外となる検査もございます)。追加費用の心配なく、必要な検査に進めます。
🆕 確定検査までワンストップ
2025年6月より産婦人科を併設し、陽性時の確定検査を自院で実施可能になりました。検査を受けて終わりではなく、診断がつくまで一貫してサポートします。
まとめ:38歳は「迷っている時間」がない分岐点
38歳での妊娠は、医学的なリスクが35歳の頃から加速し始める、まさに「分岐点」と言える時期です。しかし、これは「怖い」ということだけではありません。「まだ大丈夫」と油断せず、この変化を正しく認識し、早期に行動することで、リスクを管理し、健康な赤ちゃんを迎えるための準備ができるということです。
- • 自分の体を過信しない:「35歳の延長」ではなく、卵子の質が変わり始めている現実を受け入れましょう。
- • NIPTでリスクを可視化する:染色体異常のリスクが2倍になる今、精度の高い検査で赤ちゃんの状態を知ることは、将来への一番の備えになります。
- • 専門家を頼る:一人で悩まず、臨床遺伝専門医によるカウンセリングを受け、あなたとご家族にとって最善の選択をしましょう。
よくある質問(FAQ)
🏥 まずは専門医にご相談ください
38歳は、不安と希望が交差する大切な時期です。後悔のない選択をするために、私たち遺伝子のプロフェッショナルにご相談ください。
📚 引用文献・信頼できる情報源
本記事は、以下の医学的根拠および公的ガイドラインに基づき作成されています。
-
AMH levels by age and how it relates to diminished ovarian reserve (DOR) – Remembryo
www.remembryo.com/amh-levels-by-age-and-how-it-relates-to-diminished-ovarian-reserve-dor/ -
Understanding Your Fertility in Your 30’s – Pinnacle Fertility
www.pinnaclefertility.com/blog/understanding-your-fertility-in-your-30s/ -
NSFG- Listing I – Key Statistics from the National Survey of Family Growth – CDC
www.cdc.gov/nchs/nsfg/key_statistics/i.htm -
Maternal Age-Specific Rates for Trisomy 21 and Common… – NIH
pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5094691/ -
Female Age and Miscarriage – Spontaneous Abortion – Advanced Fertility Center of Chicago
www.advancedfertility.com/patient-education/causes-of-infertility/age-and-fertility -
P-253 Clinical efficacy of PGT-A according to maternal age… – Human Reproduction
academic.oup.com/humrep/article/38/Supplement_1/dead093.611/7203425 -
Positive Predictive Value of Cell Free DNA Calculator
www.med.unc.edu/mfm/nips-calc/

