NIPTのメリットとデメリット。このページではNIPTの13のメリットについて、ほかの出生前検査のメリットとともにお伝えします。

目次

NIPTのメリットとデメリット|新型出生前診断の13のメリットとは?

NIPT(新型出生前診断/非侵襲的出生前検査)のメリットとは?

NIPTのメリット1|より早期から受けられる

他の検査に比べてより早期から可能です。NIPTは9週目から可能なのに対し、統合スクリーニング検査は最終段階であるクワトロテストは15週目か16週目まで待たないといけません。出生前診断を妊娠中の重要な節目と考えているかたは、早くできるチャンスがあるというのは大きなメリットです。また、より早期から受けられるということは、妊娠中の不安をたとえその一部でも払しょくできる期間をより長くもてるということであり、これも大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

NIPTのメリット2|胎児リスクがない

従来の絨毛検査・羊水検査のような侵襲的な検査では赤ちゃんの流産のリスクがありましたが,NIPT(新型出生前診断/非侵襲的出生前検査)は母体の採血だけなので、検査を受けることによる流産するリスクがゼロになったというのが大きなメリットです。赤ちゃんにとって安全です。羊水穿刺や絨毛検査のような侵襲的な検査では、赤ちゃんに染色体の問題があるかどうかを確実に知ることができますが、流産のリスクがあります。NIPTにはこのようなリスクはないことが大きなメリットです。

NIPTのメリット3|偽陽性が少ない

従来のスクリーニング検査では,21トリソミーの検出感度の偽陽性率が5%程度と報告されていました.しかし,NIPT(新型出生前診断)では21トリソミーの検出感度の偽陽性率が<1%と少なくなっているのが大きなメリットです。研究では、NIPTの偽陽性率が低いことが示唆されています。昔ながらの従来型検査を受ける100人の女性では6人は染色体に問題があると言われているのに正常であるというデータがあります。NIPTでは10,000人に5人の女性だけが、問題があると誤診(偽陽性)されることになります。不必要に心配しなければならない可能性はまだありますが、その可能性は低くなります。偽陽性が少ないというのは不必要な心配が少ないということで大きなメリットでしょう。

NIPTのメリット4|検査が簡便

”簡便”というと,少し語弊がありますけど,『妊婦さんの採血だけで検査可能』ということもまた大きなメリットです。羊水検査しかなかった時代の侵襲性の大きさや手技の煩雑さを考えてみたら、どれほど大きなメリットなのかが理解できるでしょう。

簡便というメリットはつまり、採血に関して何か特殊な手技や装置が必要になるわけではない、という意味です.
もちろん、それは受ける人であって、検体は特殊なシークエンサーにかけられて
コンピューターで解析されますので、決して本当に簡便ではありません。
簡単な血液検査で、超音波検査と2回の血液検査を含む統合スクリーニングとは異なり、NIPTは1回の簡単な血液検査です。
そのため、統合スクリーニングとは異なり、超音波検査をする医師のトレーニングに多少左右されることはありません。

 

NIPTのメリット5|検出率が高い

従来のスクリーニング法を組み合わせても21トリソミーの検出率(感度)は約95%だったのですが、NIP(新型出生前診断)Tでは21トリソミーの検出率(感度)は>99%と非常に高くなっているのが大きなメリットです。
最も一般的な染色体障害に対して高い精度を持っています。これらには、ダウン症候群(トリソミー21)、エドワーズ症候群(トリソミー18)、パタウ症候群(トリソミー13)などがあります。例えば、ダウン症の100例中90例を検出するシーケンシャルスクリーニングに比べて、NIPTでは少なくとも99%のダウン症が検出されます。

 

NIPTのメリット6|:早い時期に結果がわかり、落ち着いて選択できる

NIPT(新型出生前診断)は9週から受けられ、結果も1週間とはやいので、もしも陽性になっても、そこから先、落ち着いて選択できる、というお声を頂戴しておりますがこれも大きなメリットだと考えています。
つまり、羊水検査だけを16週で受けると、そこから2-3週間結果が出るまでにかかるため、中絶できるのが21週6日までなので、あまり十分な時間がなくて追い立てられるようにして決断しないといけないが、NIPTで陽性とわかってから羊水検査で確認する間に、どうするかとか、そういう気持ちで赤ちゃんと過ごせる時間を長くとれるのが、結果的に中絶を選んだけど、大事な赤ちゃんと毎日かけがえのない時間をそうやって過ごしたので
よかったです、ということなんです。
気持ちの整理をするのに人は時間を要するものです。時間軸で検査が前倒しになることにより、つらい決断をしないといけない場合でも十分な時間を取れるということは大きなメリットではないでしょうか。

NIPTのメリット7|:陰性の場合は残りの妊娠期間安堵して過ごせる

陰性の場合は、落ち着いてその後の妊娠期間を過ごせるのも大きなメリットです。
長い妊娠期間中には、いろいろと気になることが出てきたりしますが、そういう時にミネルバで受けた検査結果が陰性なんだからということで心を強く持てた、というお声を頂戴するのも大きなメリットだと感じています。

NIPTのメリット8|陰性は陰性とすっきりする

陰性が外れる(偽陰性)はあるのですが、5千~1万人に一人と非常に少ないので 陰性は陰性でスッキリするのが何よりのメリットだと思います。また、第2世代・第3世代のNIPT(新型出生前診断)では、現在まで3年以上の長きにわたり偽陰性が報告されていないということもメリットですよね。

NIPTのメリット9|性別をより早期から知ることができる

性別を早く知ることができます。簡単な血液検査で、16~20週頃に超音波検査で性別を知る機会を得るのを待つのではなく、10週目という早い段階で赤ちゃんの性別を知ることができるのもまた、NIPTの大きなメリットでしょう。赤ちゃんの名前を早くから決めて話しかけたり。考えただけで楽しくなりますね。

NIPTのメリット10|特別なニーズのある赤ちゃんのための出産計画を立てることができる

たとえ陽性のテスト結果であっても、親御さんと赤ちゃんのために意味があるかもしれません。
先天性疾患のある赤ちゃんを迎えることは、多くの親御さんにとっては、できるだけ早く知っておいた方が良い情報といえるでしょう。
医療的ケアが必要だという潜在的な状況を早期に知ることで、特別なニーズのある赤ちゃんのために準備をしたり、母体と赤ちゃんの健康上のニーズにすぐに対応できる施設での出産の計画を立てたりすることができることは大きなメリットでしょう。
実際、ミネルバクリニックでもターナー症候群がNIPTで陽性となり、羊水検査を経て確定され、そのまま出産に至りましたが、生後すぐ心臓の手術が必要な状態だったので、大学病院級の整った医療機関で出産し、心臓の手術を受けて無事にすくすく大きくなっている例があります。
大事なお子さんの健康状態をチェックできることは大きなメリットと言えるでしょう。

NIPTのメリット11|NIPTが最初のスクリーニング検査であれば、ほぼ全ての胎児ダウン症候群症例を検出する

他のスクリーニング検査とちがい精度が高いですので、ダウン症候群はほぼ100%見つけることができるというのも大きなメリットでしょう。
他の妊娠初期スクリーニング検査と比べて高い検出力を誇ります。

NIPTのメリット12|10週目のNIPTは妊娠初期の女性を安心させる

10週目のNIPTは妊娠初期の女性を安心させることが研究報告されています(下記)。
早期から受けて長い期間を安心して過ごせるのはよいですね。
もちろん、NIPTで陰性でもほかの疾患を赤ちゃんが持っていないと保証するものではないのですが。
今わかることを知ることができて、それに関して安心して産めるということは大きなメリットでしょう。

NIPTのメリット13|13週目のNIPTは自然流産による不必要な検査を防ぎ、羊水穿刺による迅速な確認を可能にする

13週目のNIPTは、それまでに流産することが多いのを考えると、不必要かもしれないNIPTを防ぐと同時に、陽性結果がでてから羊水検査まで期間があまり長くないので不安を抱えながら待つ期間が少ないのがメリットかもしれません。
しかし、10週などでNIPTを受けて陽性結果が返ってくるまでにたとえ流産していても、原因がわかってすっきりしたというおこえもおおく、原因がわかることはメリットでしょう。女性にとって流産は本当に辛く、原因がわかることはいずれにしても大きなメリットでしょう。

その他の出生前診断のメリット

羊水検査のメリット

胎児と子宮壁の間の水を羊水と言います。羊水には胎児の皮膚の細胞が剥がれて落ちているので、胎児の細胞を直接的に採取して培養し、細胞分裂のときに見える染色体を染色して検査します。胎児の細胞を直接培養して見れるというのが一番のメリットです。
穿刺自体は超音波画像で胎児の状態を確認しながら細い針を使って刺しますので危険性は高くはないのですが、流産の可能性が0.3%程度あります。メリットとしては染色体異常のほかにも遺伝性疾患などの検査も可能となる点が挙げられます。つまり、NIPT(新型出生前診断)では難しい脆弱X症候群などの検査も行おうと思ったら可能というのが非常に大きなメリットです。

絨毛検査

妊娠11~14週に胎盤の一部である絨毛を採取して、胎児の染色体異常や遺伝子の異常の有無をを調べる検査です。メリットとしては、羊水検査が16週で行われるのに対し、より早期に行えることですが、流産リスクが1%と羊水検査より高くて難易度が高いため、検査可能な医療機関が羊水検査に比べて少なくなっています。また、針の当たった部分だけをとるため、モザイクがあった場合、正常な部分だけを採取してしまって本当は異常がある胎児だったということが発生します。
関連記事:羊水検査  絨毛検査

母体血清マーカー検査

クアトロテストとも呼ばれています。母体の血液に含まれる成分を測定することで胎児の染色体異常の有無や神経管閉鎖不全があるかどうかを調べられるメリットがありますが、妊娠15~16週から受けられるとけっこう遅い時期であるのと、結果は確率のみであることに注意が必要です。神経管閉鎖不全は超音波検査で検出可能です。
関連記事:クアトロテスト

超音波画像診断

母体の腹壁から超音波を当てて、胎児状態を3D画像で確認します。3Dで見れるようになってからは胎児やその臓器の細部が鮮明に描出できるようになったため、異常を見つけやすくなった点が大きなメリットです。しかし、12週くらいでみるNTが陰性であっても染色体異常を否定できるわけではなく、むしろNIPTで陽性になる胎児たちはNT陰性の場合が多いことに注意が必要でしょう。
関連記事:NT

ダウン症候群スクリーニングプログラムにおけるNIPTの実施戦略の違いの利点と欠点

ダウン症候群スクリーニングプログラムにおける非侵襲的出生前検査(NIPT)の実施には、他の検査との併用および妊娠におけるそのタイミングについて考える必要があります。
異なるNIPT実施戦略の定量分析を行うことにより、健康政策決定者を援助する目的で行われた研究があります。

概略

この研究では5つのスクリーニングプログラムを10万人の妊婦に行いました。
1.第一三半期複合検査(FCT)による古典的スクリーニング 注意:FCTは超音波所見と血液検査
2.FCTによるNIPT前の高リスク女性を事前に選びだす(事前選択)
3.10週での最初のスクリーニング検査としてのNIPT、
4.13週での最初のスクリーニング検査としてのNIPT
5.NIPTと第一三半期複合検査FCTの同時施行

結果

1.NIPT前に第一三半期複合検査(FCT)で事前に確率の高い人を選び出すことは、偽陽性NIPT結果を減少させる、羊水穿刺の数を最小限に減らす。
2.NIPTが最初のスクリーニング検査であれば、ほぼ全ての胎児ダウン症候群症例を検出する。
3.10週目のNIPTは妊娠初期の女性を安心させる。
4.13週目のNIPTは自然流産による不必要な検査を防ぎ、羊水穿刺による迅速な確認を可能にする。

考察

1.NIPT前に第一三半期複合検査(FCT)で事前に確率の高い人を選び出すことは、もともと超音波で異常所見がある赤ちゃんなのでNIPT陽性の確率が上がっているため、陽性的中率を上げることができます。これはベイズの定理とよばれ、どの検査にも普遍の定理です。
しかし、NIPT前に第一三半期複合検査(FCT)で事前に確率の高い人を選び出すことが必ず必要なのだ、ということにすると、実際にNIPTで陽性になる赤ちゃんたちの大半は超音波で異常がないことをミネルバクリニックでは経験しているため、この方法では生まれるまで診断がつかない赤ちゃんがたくさん出ると思います。
2.NIPTが最初のスクリーニング検査であれば、ほぼ全ての胎児ダウン症候群症例を検出する、という結果については、上で述べましたが、実際にNIPTで陽性になる赤ちゃんたちの大多数は超音波で何の所見も指摘されていないので、NIPTを最初にスクリーニングとして行うことで、『NIPTが最初のスクリーニング検査』であれば『ほぼ全ての胎児ダウン症候群症例を検出』ということになるのです。
3.10万人のアンケート調査の結果からも『10週目のNIPTは妊娠初期の女性を安心させる』ことがちゃんと明らかになっています。「わたしはこう考えてます」ではなく、こうやって研究結果として示されていることが本当に素敵ですね。
4.『13週目のNIPTは自然流産による不必要な検査を防』ぐというのは、10週で受けると13週までに流産する症例も含まれてしまうため、そういう「流産する症例」がNIPTを受ける「経済的損失」が防がれるということを言っています。しかし、ミネルバクリニックで受けた女性たちは例え流産しても、どうして流産したかを知れて良かったという意見のほうが圧倒的に多いです。この研究自体は保健医療政策のために何が一番いいのかを考える目的だったのでこういう言い方になっているのでしょう。
関連記事:ベイズの定理

結論

どの実施戦略にも利点と欠点があるのでそれぞれよく考えてご自身で選ぶべきであるということです。

関連記事
NIPTの15のデメリットとは?

この記事の著者 仲田洋美(総合内科専門医、がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医