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NIPTのメリットとデメリット|陰性でも安心じゃない新型出生前診断の15のデメリットとは?

NIPTのメリットとデメリットNIPTの一番のデメリットと言えば、陰性でも安心じゃない、つまり偽陰性があることでしょう。新型出生前診断の15のデメリットをお伝えします。このページでは新型出生前診断の15のデメリットをお伝えします。生命の選択につながる検査ですので、是非、メリットとデメリットをきちんと理解して受けられることをお勧めします。

NIPTのデメリット

NIPTのデメリット1.陰性でも安心じゃない、その上結果が出ないこともある

技術的には、
1.偽陽性・偽陰性がある
2.結論が出ないことがある(判定不能)
があります。
検査の精度は100%ではありません。99%は100%と誤認されやすいのですが、99と100の間には大きな違いがあります。偽陰性(陰性が間違っている)や偽陽性(養成が間違っている)の結果が出たり、検査で結果が出なかったりすることもあります。したがって、この検査は感度の高い「スクリーニング検査」であることを再確認することが重要です。
結果が出ないという検査結果の割合は会社によりまちまちですが、1.9~6.4%と引用されています。
※初期の頃は多かったのですが、技術改良がすすみ、少なくなりました。SNPを使う方式では多い印象があります。

NIPTのデメリット2.品質管理(QC)基準の違い

特に問題となるのは検査会社ごとの、品質管理(QC)基準の違いです
これは、基準のゆるい研究では低品質のサンプルで偽陰性または偽陽性の結果が報告されるのに対し、基準の厳しい研究では結論の出ないサンプルまたは「不合格」のサンプルとして報告されることを意味しています。検査の精度データを評価する際には、偽陽性や偽陽性の結果率は非常に重要であり、特に検査がバックグラウンドリスクに関係なく妊娠女性集団全体に提供される可能性がある場合には重要である。
誤判定や結論の出ない結果の最も一般的な原因は以下のようになっています。
1.血液サンプル中の胎児DNAの割合(胎児フラグメント)が低い
胎児DNAの特定のマーカーやシークエンシングデータに適用されるアルゴリズムによって測定されます。
2.女性が超音波検査を受けて妊娠が確定する前に消えてしまった「消えた」双子で、非一卵性の場合、偽陽性の結果が出る可能性があります。これは、技術が進歩しても問題となる可能性があります。
3.胎児と胎盤が2つの異なる系統を持っている場合、つまり限局性胎盤モザイク症。胎児のDNA断片は胎盤に由来するため、NIPTはこの場合、胎児の情報を正しく得ることができません。これも検査技術の進歩が続いているにもかかわらず、克服できそうにありませんが、これは侵襲的な胎盤サンプリング(絨毛検査CVSなど)をしても克服できない問題でもあることに注意が必要です。胎盤に経腹または経腟で細い針を刺して絨毛の組織を採るこの検査は、採取できた場所の情報しかわからないため、モザイクがあっても正常の場所だけを採取してしまう可能性がある、または、モザイクなのに異常な場所だけを採取してしまいモザイクという結果が得られないという2通りのパターンで、検査の侵襲性をあげてもこの問題を克服できないという結果となります。
4.NIPTは母体の癌や母体のコピーナンバーバリアントを検出することができますが、これはNIPTの偽陽性を招き、倫理的な別の問題も発生します。

NIPTのデメリット3.産婦人科医師の技術習得への影響

米国でNIPTが導入されて以来、臨床データに基づいて実施される侵襲的検査の数は、羊水穿刺で1/2、絨毛検査で約8割も減少していると報告されており、NIPTが導入された先進国はどこも似たような状況であると考えられています。そうすると、依然と異なり、産婦人科医師たちが羊水検査や絨毛検査といった侵襲的かつ確定的な出生前検査を技術習得できにくくなることが予想されています。

NIPTのデメリット4.採血だけなので簡便

これは、メリットでもありますが、ピンチがチャンスであるようにメリットはデメリットでもあります。しかし、アクセス性の高さは「どういう検査かちゃんと理解せずに受けて、陽性=赤ちゃんが病気と決定する事と思い込みいきなり中絶する」という危険性が非常に高いことも意味しています。そういう意味でこれは大きなデメリットでもあるのです。

NIPTのデメリット5.圧倒的に高い陰性的中率ではあるが偽陰性もある

妊婦さんたちは 『わたしの赤ちゃんは大丈夫ですか?』という問いを持ち、『安心したくて』 NIPTを受けようと考えるのですが、特に第1世代では検査精度がよくなかったので偽陰性があります。
第2~3世代では現時点では偽陰性の報告はありませんが、それでも理論的には偽陰性はゼロではありません。

このあたりをちゃんと理解して検査を受けないと、実際に偽陰性だった場合、本当に混乱します。ミネルバクリニックでも今までに1例の偽陰性がありました(ベリナタ(イルミナ))が、偽陰性があることをしっかりわかっていても、いざ現実になったときは計り知れない衝撃を受けます。

NIPTのデメリット6.不安が全部払拭されるわけではない

NIPTのデメリット7.検査項目に含まれていない異常を知ることができない

ミネルバクリニックでも、産まれてみたら珍しい遺伝子の変異による疾患だった、ということがありました。
現在ではこの疾患は、マルチNIPTデノボで知ることができるものですが、当時はイルミナしか扱っていなかったのでできませんでした。
ミネルバクリニックでは日本一豊富な非侵襲的出生前検査の項目を扱っており、世界に後れを取ってはいませんが、それでも遺伝子の病気自体はたくさんあり、全部を知ることは出来ません。順次技術開発が進んでいますが、追い付かないのが現状ですし、追い付くのが良い事とも思えないのもまた現状でもあります。
生命倫理の大きいかつ深刻な問題を内包するため、出生前診断は殊にきちんとトレーニングされた専門医が扱うべきであり、日本の美容外科や皮膚科でできてしまう現状は本当に嘆かわしいと感じています。

NIPTのデメリット8.出産時の事故的状況は誰も回避できない

赤ちゃんが先天的に障害を抱える原因の約半数は出生時の事故です。
いわゆる脳性麻痺とかです。
染色体の異常は赤ちゃんの先天疾患の10~15%程度です。
その1/3のやく7割が13/18/21トリソミーです。
そうすると、NIPT基本検査陰性により取れる不安は約1割となります。
知ることのできる最も大きなものではありますが、すべてが払しょくされるわけではありません。

NIPTのデメリット9.50人に一人くらいが陽性になる

陽性になることを想定してドキドキしながら検査を受けても想像と現実はなんでも開きが大きいですね?
どんなに覚悟して受けても、やっぱり『疑い』でしかないと説明を受けてわかっていたとしても、やはりショックは大きいです。
これってなんでもそうですよね?
たとえばがん健診。
がんかもしれない、と言われただけで取り乱すでしょう。
NIPTの場合は、ご自身のからだではなくても、やはり赤ちゃんの障害はその後の人生を左右するような出来事ですので、ご自身ががんの疑いをかけられるのとショックの大きさは大差ないかもしれませんし、それ以上かもしれません。

あなたがNIPTを受ける医療機関は、そうしたショックを受ける時期をちゃんと支えてくれるところなのでしょうか?

 

NIPTのデメリット10.NIPTは非確定検査です

NIPTで陽性になっても、確定できません。どれほど精度が高くても。
理由については こちら をご覧ください。
陽性になったら、羊水検査を受けないと、実際にあかちゃんが疾患を持っているかどうかがわからないのです。

陽性確定、その先に。。。。

NIPTのデメリット11.羊水検査は15週以降

結果が出るのに、NIPTをしてターゲットが決まってからFISH法で確定することができるため、基本検査(13/18/21トリソミー)で陽性になった場合は、羊水検査で確定できるのも1週間くらいあれば可能です。
しかし。13/18/21以外のトリソミーの場合は、昔ながらの染色体検査をやらないとわからないので培養含め、3週間くらいかかります。
NIPTの場合、10週から(ミネルバクリニックでは9週から)受けられて、結果を早く知ることができるのはいい事なのですが、実際に羊水検査を受けるまでには時間があるため、この間が不安だ、おちつかないというデメリットもあります。

NIPTのデメリット12.妊娠中絶を決定するまでの期間が十分とれるのか?

これは、いきなり羊水検査で決めないといけない場合に比べ、NIPTで陽性が出ている場合には羊水検査を受けるまでの間に時間が取れるので、向き合う時間は羊水検査だけの場合に比べて長めに確保できる、というメリットがNIPTにはあります。
しかし。やはり、ここでたとえば夫は産んでほしくない、妻は産みたい、となったとき、本当に筆舌に尽くせない苦悩を抱えることとなるため、大きなデメリットとなってしまいます。また、これくらいの週数での中絶になると、お産と変わりません。だからこそ、最初から夫婦でしっかりと話し合って受ける必要があるんです。
決して、『簡単だから』 『便利だから』 『安心だから』 と安易に受けるべきではないのです。

NIPTのデメリット13.どういう赤ちゃんだったら産まないという線引きはどこで?

産む、産まないの判断を どこまでの異常なら産みます どれくらいの異常なら産みません と明瞭に区別できるものでしょうか?
たとえば、ダウン症候群。非常に重症度に幅があります。実はあなたの赤ちゃんはダウン症候群でも実際生まれてみると非常に軽症でほかのお子さんたちと変わりなく小学生くらいまで過ごせるかもしれませんし、寿命も平均的に60歳と長くなっているので全然産んでも大丈夫かもしれません。
たとえば微細欠失症候群。DiGeorge症候群では双子でも症状に全く差があり、微細欠失があるとわかってもどういう症状が本当におこるかわかりません。
こういう染色体異常があれば、こういう症候群になる、と一対一対応していても、重症度は予測できないのです。

そのとき、あなたは何を根拠に決断するのでしょうか?
こうした問題を
しっかり話し合える専門家が周囲にいることも重要ではないでしょうか?

NIPTのデメリット14.NIPTの倫理的問題

NIPTは多くの倫理的問題を提起しており、世界中で激しい議論が行われています。
トリソミー21、18、13の検査は2011年から世界で市販されていて、日本でも2013年より研究という形で臨床導入されました。しかし。臨床現場への導入が早すぎて、倫理的な意味合いが十分に検討されていないという意見は根強くあり、国民的議論がなされないまま現場は混乱し続けています。それが美容外科や皮膚科が出生前診断を提供するという事態を招いている点もNIPTのデメリットと言えるでしょう。

NIPTのデメリット15.理解不足でも受けられる

これはズバリ、検査を受ける女性とその家族が検査に続いておこる物語が潜在的にあることを理解していないことと言えるでしょう。検査が「ただの日常的な出生前血液検査」とみなされているのではないかという懸念があります。
臨床医の優先順位(検査の正確性)と患者の優先順位(胎児に対する検査の安全性)が異なることを理解した上で、検査前の適切な遺伝カウンセリングを受けることが重要となるのです。
同様の懸念は、妊娠中のあらゆるスクリーニング検査、例えばダウン症のための複合スクリーニングに存在します。

尚、海外では専門医制度がしっかりしているので、まったく研鑽したことがない医師が突然、『出生前検査の専門家』を名乗り、この深刻な問題が横たわる分野に参入するなどということは考えられません。
日本には専門医制度が根付いておらず、自由標榜制を医師会が堅持しようとするため、専門医を持っていなくても、研鑽したことがなくても突然思いついて【〇〇の専門家】として大々的に広告を打って集患することが可能となっていて、結局は国民の利益にならない状態が続いています。

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この記事の著者 仲田洋美(総合内科専門医、がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医