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CADASIL(カダシル)のNOTCH3遺伝子検査|若い年齢の脳梗塞・片頭痛と遺伝、わかったあとにできること

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

CADASIL(カダシル)のNOTCH3遺伝子検査|若い年齢の脳梗塞・片頭痛と遺伝

CADASIL(カダシル)は、NOTCH3遺伝子の変化によって脳の細い血管が傷み、片頭痛・脳梗塞・認知機能の低下などが起こる遺伝性の脳小血管病です。日本では指定難病124に指定されています。親から子へ2分の1の確率で伝わる病気なので、「若いのに脳梗塞を起こした」「MRIで白質病変を指摘された」「親が若くして脳梗塞になった」という方が、原因を知るために遺伝子検査を考えることがあります。根本の治療はまだありませんが、わかれば、脳卒中の危険因子を減らす・気をつけたい治療を主治医と共有する・ご家族やこれからの妊娠を考える、といった次の一歩が具体的になります。このページでは、CADASILの症状と遺伝、NOTCH3遺伝子検査でわかること、わかったあとにできることを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

CADASIL(カダシル)の原因遺伝子であるNOTCH3遺伝子に、病気の原因となる変化があるかどうかを調べます。遺伝子の配列の変化に加えて、欠失・重複も料金に含まれています。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

危険因子が少ないのに若い年齢で脳梗塞を起こした方、前兆のある片頭痛があってMRIで白質病変を指摘された方、親やきょうだいがCADASILと診断された方です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込275,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜などで、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因の変化が見つかれば、お子さんに受け継がれる確率は2分の1です。ご家族の検査や、意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

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1. CADASIL(カダシル)とは:NOTCH3遺伝子の変化で起こる遺伝性の脳小血管病

CADASIL(カダシル)は、19番染色体にあるNOTCH3遺伝子の変化によって脳の細い血管(小血管)が傷み、片頭痛・脳梗塞・気分の変化・認知機能の低下が起こる遺伝性の病気です[1][2]。原因がNOTCH3遺伝子の変化であることは、1996年に報告されました[2]。

難病情報センターは、CADASILを常染色体顕性(優性)遺伝の病気で、親から子へ50%の確率で伝わると説明しています。高血圧・糖尿病・脂質異常症などの、よく知られた脳卒中の危険因子がない方もいます(2026年10月時点で確認)。

正式名称と読み方

CADASILは、英語の Cerebral Autosomal Dominant Arteriopathy with Subcortical Infarcts and Leukoencephalopathy の頭文字で、「カダシル」と読みます。日本語では「皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体顕性(優性)脳動脈症」といいます。名前のとおり、脳の深いところ(皮質下)の小さな脳梗塞と、MRIで白く写る白質の変化(白質病変)が特徴です。

主な症状と、症状が出やすい年齢

遺伝性疾患の解説書GeneReviewsによると、片頭痛はCADASILの方の30〜75%にみられ、そのうち80〜90%は目の前がチカチカするなどの前兆を伴います。片頭痛の最初の発作は平均26〜29歳、脳梗塞や一過性脳虚血発作は平均47歳(20〜70歳)で起こるとされています[1]。

  • ●片頭痛:若いころから始まることが多く、前兆(閃輝暗点など)を伴いやすい[1]
  • ●脳梗塞:脳の細い血管がつまるラクナ梗塞が多く、歩きにくさ・話しにくさ・手の動かしにくさが出る(難病情報センター)
  • ●気分の変化:うつなどの精神症状は多くの研究で約3分の1の方に、意欲の低下(アパシー)は40%の方にみられたと報告されています[1]
  • ●認知機能の低下:早い方では35歳ごろから始まることがあります[1]

日本人の特徴:片頭痛が少なめで、日本に多いNOTCH3の変化がある

日本の全国調査(88人)では、症状が始まった年齢は平均49.5歳(20〜76歳)、片頭痛は28.4%、前兆のある片頭痛は13.6%で、欧州の報告より少ない結果でした[7]。MRIで小さな出血の跡(微小出血)が見つかった方は47.7%でした。見つかったNOTCH3の変化は34種類で、p.R141C・p.R182C・p.R133C・p.R153Cが多く、60.3%が4番目のエクソンにありました[7]。難病情報センターも、日本では脳出血が目立つ型がみられると説明しています。

日本には、システインという部品の数が変わらないタイプの変化p.Arg75Pro(R75P)もあります。鹿児島・沖縄のCADASILの方を中心に調べた研究では、R75Pをもつ24人全員に微小出血があり、典型的な所見とされる側頭極(側頭葉の先端)の白質病変は16.7%にとどまりました(ほかの変化の8人では100%)[9]。ラクナ梗塞で入院した方を調べた国内の研究では、選ばれた85人のうち3人(3.5%)がR75Pをもっており、3人とも側頭極の病変はありませんでした[8]。典型的なMRIの所見がなくても、CADASILを否定できないことがある、ということです。

どのくらいの人がいる病気か

GeneReviewsは、欧州の登録からみた最低限の有病率を人口10万人あたり2〜4人としています[1]。日本の全国調査では、成人10万人あたり1.20〜3.58人と推定されました[7]。難病情報センターは、以前は約1,200人と推定されていたものの、最近の遺伝子の研究から、数万人以上いる可能性があるとしています。

実際、公開されている約6万人の遺伝子データでは、CADASILに関係するタイプのNOTCH3の変化が1,000人あたり3.4人に見つかりました。その多くは、症状が軽く気づかれにくい可能性のある場所の変化でした[5]。「変化をもつ人」と「CADASILを発症する人」は同じではないので、数字はこの違いを踏まえて受け取ってください。

経過・寿命・予後は人によって大きく違う

ドイツの411人の研究では、亡くなった年齢の中央値は男性64.6歳、女性70.7歳で、男性は一般の平均余命より有意に短く、女性では有意な差はありませんでした[4]。GeneReviewsは同じ研究から、介助なしで歩けなくなる年齢の中央値を約60歳、寝たきりになる年齢の中央値を64歳とまとめています[1]。亡くなる原因で最も多かったのは肺炎(38%)でした[4]。

ただし、これは診断がついた方の集団の数字で、一人ひとりの見通しではありません。NOTCH3の変化が遺伝子の前のほう(EGF様リピートの1〜6番目)にある方は、それより後ろ(7〜34番目)の方に比べて、脳梗塞が約12年早く、平均の生存年齢は68.5歳と76.9歳だったと報告されています[1][6]。難病情報センターも、脳梗塞の再発を防げれば数年にわたって安定している方もいる、としています。

CARASIL(カラシル)との違い

名前が似た病気に、CARASIL(禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体潜性〔劣性〕白質脳症)があります。原因はHTRA1遺伝子で[11]、両親から1つずつ変化を受け継いだときに発症する常染色体潜性(劣性)遺伝です。指定難病の資料では、若いうちからの脱毛(確定例の約69%、平均16.7歳)や変形性脊椎症(平均30.4歳)を伴うことが特徴とされています。CARASILはNOTCH3ではなくHTRA1を調べないとわからないので、この検査の対象外です。HTRA1も一緒に調べたいときは、下の「別の検査が向いている場合」をご覧ください。

2. CADASILは遺伝する?お子さんに伝わる確率と「どこまで遺伝するか」

CADASILは常染色体顕性(優性)遺伝で、親がCADASILの場合、お子さん1人あたり2分の1の確率で原因の変化を受け継ぎます。性別には関係しません[1]。親がCADASILなら、きょうだいもそれぞれ2分の1の確率で同じ変化をもっています[1]。

常染色体顕性遺伝:親から子へ2分の1

常染色体顕性(優性)遺伝では、2本ある遺伝子のうち1本に原因があれば発症しうるため、親から子へ伝わる確率はお子さん1人ごとに2分の1です。上のお子さんが受け継いだかどうかで、下のお子さんの確率は変わりません。受け継がなかった方から、その子どもへ伝わることはありません。

「どこまで遺伝するのか」という疑問には、「変化をもつ人から、その子どもへ2分の1ずつ」が答えです。祖父母・おじ・おば・いとこなど血縁者の誰がもっているかは、家系の中で誰が変化をもっているかによって変わります。新しく起きた変化(親はもっていない変化)によるCADASILはまれとされています[1]。

同じ変化でも、症状の重さや始まる年齢は人によって違う

同じ原因でも症状の重さが人によって違うことを「表現型の多様性」といいます。CADASILでは、変化のある場所によって重さが違うことに加え、遺伝子の後ろのほうの変化では、症状が出ない方もいる可能性が指摘されています[1][5]。また、高血圧と喫煙は、CADASILの方の脳卒中のリスクに関わると報告されています[10]。

⚠️ 「親が軽いから、自分も軽い」とは言えません

同じ家族の中でも、症状の出方や始まる年齢は人によって違います。親御さんの経過がそのままお子さんに当てはまるとは限りません。だからこそ、ご家族の誰かがCADASILとわかったときは、見た目の印象だけで判断せず、知ったうえで計画することに意味があります。

「脳梗塞は遺伝する?」家族に若い脳梗塞や認知症の人が多いとき

ほとんどの脳梗塞は、高血圧・糖尿病・喫煙・加齢など多くの要因が重なって起こり、1つの遺伝子だけで決まるものではありません。CADASILは、1つの遺伝子の変化で脳梗塞が起こりやすくなる、数少ない病気の一つです。

欧州神経学会の専門家の合意(2020年)は、ほかに説明のつかない左右対称の白質病変があり、家族に前兆のある片頭痛の人がいる場合にはCADASILを考えるべきとしています。一方で、片頭痛の家族歴がない場合や、高血圧などのよくある危険因子がある場合でも、CADASILは否定できないとしています[3]。ご家族に、若い年齢での脳梗塞や認知症の方が何人もいるときは、遺伝の病気が隠れていないか、一度考えてみる価値があります。

3. どんな人がCADASILの遺伝子検査を受けるとよいか

CADASILの遺伝子検査は、若い年齢の脳梗塞や白質病変の原因を知りたい方、親やきょうだいがCADASILと診断された方、結婚や妊娠を考えて自分の状態を知っておきたい方に向く検査です。見た目や家族歴だけでは判断できないことが多いので、迷ったら、まず遺伝カウンセリングで状況をお聞かせください。

危険因子が少ないのに、若い年齢で脳梗塞を起こした方

若い年齢で、ラクナ梗塞のような細い血管の脳梗塞を起こした方、一過性脳虚血発作をくり返す方は、検査を考えるきっかけになります。ただし、欧州神経学会の専門家の合意が示すように、高血圧などの危険因子があってもCADASILは否定できません[3]。国内の研究でも、ラクナ梗塞で入院した方の中から、R75Pをもつ方が見つかっています[8]。

前兆のある片頭痛があり、MRIで白質病変を指摘された方

脳ドックや頭痛の検査で、若いのに大脳の白質病変を指摘された方もいます。白質病変そのものは年齢とともに増える、よくある所見ですが、若い年齢で広い範囲にあり、とくに側頭極に病変がある場合は、CADASILを強く疑う手がかりになります。ただし、側頭極の病変はないこともあります[3][9]。また欧州神経学会の専門家の合意は、CADASILを多発性硬化症と見分ける必要がある病気の一つに挙げています[3]。

親・きょうだいがCADASILと診断された、症状のない方

ご家族の原因の変化がわかっていれば、症状のない方も、その変化を受け継いでいるかを調べられます。これは将来の発症を予測する「発症前の検査(予測的検査)」にあたります。GeneReviewsは、症状のない親御さんの検査を、正式な遺伝カウンセリングのうえで行うことを勧めています[1]。当院の考え方は、第9章でご説明します。

「自分もなるかもしれない」という不安を抱えて暮らしている方へ

親やきょうだいがCADASILと診断された方の中には、ちょっとした物忘れや頭痛、手足のしびれがあるたびに「始まったのでは」と不安になりながら暮らしている方もいます。そうした気持ちを抱えるのは、決してめずらしいことではありません。

ご家族の原因の変化を受け継いでいないとわかれば、その変化によるCADASILについて、ご家族と同じ2分の1の確率を心配し続ける必要はなくなります。ただし、脳梗塞は多くの要因で起こるため、ほかの原因による脳梗塞まで起こらなくなるわけではありません。受け継いでいるとわかった場合も、危険因子を減らす・気をつけたい治療を主治医と共有する・人生の計画を立てる、といった次の一歩があります(第8章)。

一方で、知らないでいることも、同じように大切な選択です。検査を受けるかどうかは、検査の前に臨床遺伝専門医と時間をかけて考えてから決めていただけます。

この検査より別の検査が向いている場合

CADASILを疑う理由がはっきりしている方や、ご家族の原因がNOTCH3とわかっている方は、この検査が向いています。反対に、似た症状を起こすほかの遺伝性の病気も一緒に調べたいときは、NOTCH3を含むパネル検査などのほうが向いていることがあります。比べる相手は検査の種類です。

🔍 症状に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
CADASILを疑う、またはご家族の原因がNOTCH3とわかっている このページの検査(NOTCH3遺伝子1つ)
片頭痛が中心で、遺伝性の片頭痛を広く調べたい 片頭痛遺伝子パネル検査(19遺伝子・NOTCH3を含む)
脳卒中・片麻痺があり、CARASIL(HTRA1)やファブリー病なども一緒に調べたい 片麻痺・脳卒中遺伝子検査(15遺伝子・NOTCH3、HTRA1、COL4A1、COL4A2、GLAなどを含む)
白質病変が中心で、白質脳症を起こす病気を広く調べたい 白質脳症NGS遺伝子検査(69遺伝子・NOTCH3を含む)
脳梗塞はなく、物忘れが中心 アルツハイマー・認知症NGS遺伝子検査パネル(NOTCH3は含まない)
脳以外の症状も多く、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※遺伝子数は、それぞれの検査ページに書かれている数です。脳の細い血管の遺伝性の病気には、ほかにグールド症候群(COL4A1・COL4A2)、PADMAL、ファブリー病などがあり、欧州神経学会の専門家の合意でも一緒に扱われています[3]。どの検査が合うかは、遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

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原因の変化がわかれば、ご両親・きょうだい・お子さんは、その変化だけをピンポイントで調べられます。

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4. CADASILの診断基準と、遺伝子検査の位置づけ

CADASILの診断は、NOTCH3遺伝子に、CADASILの原因となる病的変異または病的である可能性が高い変異が見つかることで確定します[1]。欧州神経学会の専門家の合意(2020年)は、診断のための検査として遺伝子検査を最初に行うべきとしています[3]。

MRIで見られる特徴

CADASILでは、MRIで大脳の白質に左右対称の病変が広がります。側頭葉の前の部分(側頭極)の白質病変は、CADASILを強く疑わせる特徴ですが、ないこともあります[3]。日本の全国調査では、微小出血も約半数の方に見られました[7]。MRIだけでは、ほかの原因の白質病変と区別しきれないことがあるため、遺伝子検査で確かめます。

遺伝子検査で確定する:システインの数が変わる変化と、皮膚生検との違い

NOTCH3遺伝子は33個のエクソンからなり、CADASILの原因となる変化は2〜24番目のエクソンに集まっています。このエクソンが作るのは、タンパク質の中の34個のEGF様リピートという部分です[1]。原因の変化の約95%は、アミノ酸が1つ入れ替わるミスセンス変異で、多くはシステインを増やしたり減らしたりする変化です[1]。GeneReviewsは、2〜24番目のエクソンを読む検査で、厳しい基準を当てはめた場合に原因の変化の95%以上が見つかると推定しています[1]。

遺伝子検査のほかに、皮膚の一部を取って電子顕微鏡で調べ、血管の壁にたまるGOM(オスミウム好性顆粒)を探す方法(皮膚生検)もあります。GOMが見つかればCADASILに特徴的な所見ですが、見つかる割合は報告によってばらつきがあります[1]。欧州神経学会の専門家の合意は、遺伝子検査で意義がまだわからない変化が見つかったときに、皮膚生検を使うことを支持しています[3]。

指定難病124と医療費助成(2026年10月時点)

CADASILは指定難病124です(難病情報センター・厚生労働省の資料で2026年10月に確認)。指定難病の診断基準では、家族歴(常染色体顕性遺伝)とMRIの白質病変(側頭極を含む)があり、NOTCH3遺伝子にEGF様リピートのシステインが入れ替わる変化が見つかるか、皮膚などの電子顕微鏡でGOMが見つかると「確実例(Definite)」とされます。システインの変化ではない場合は、家系の解析で原因と確かめる必要があるとされています。

医療費の助成を受けるには、診断基準に加えて重症度の基準(日常生活の障害の程度など)を満たし、申請する必要があります。くわしい条件や申請の方法は、難病情報センターやお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

5. 調べる遺伝子:NOTCH3遺伝子と、関係する病気

この検査で調べるのは、NOTCH3遺伝子1つです。NOTCH3は19番染色体(19p13.12)にあり[1]、細胞どうしが情報をやりとりするNotchシグナルに関わるタンパク質の設計図です。NOTCH3の変化のしかたによって、CADASILのほかにも、まれな病気が起こることがあります。

🧬 NOTCH3遺伝子と、関係する病気

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
NOTCH3 CADASIL(皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体顕性脳動脈症) 常染色体顕性(優性)遺伝。2本とも変化がある方の報告もある
側方髄膜瘤症候群(背骨の横に髄膜の袋ができる、まれな病気。最後のエクソンの変化による) 常染色体顕性(優性)遺伝

※CADASILはGeneReviews[1]、側方髄膜瘤症候群は米国国立医学図書館のMedlinePlus Geneticsによる。GeneReviewsは、NOTCH3の別の場所の変化が乳児の筋線維腫症に関わった報告も挙げています[1]。

6. 検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、NOTCH3遺伝子の配列の小さな変化と、遺伝子の一部または全部がなくなったり増えたりする変化(欠失・重複)です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

わかること

遺伝子の配列は次世代シークエンサー(NGS)で読みます。調べる場所の99%以上を、それぞれ20回以上読み取ることを目安にしています(カバレッジ ≥99% at 20x)。同じ場所を何度も読むほど、読み間違いを減らせます。読み取りの質が十分でない場所は、サンガー法という別の方法で確かめます。

欠失・重複は料金に含まれています。遺伝子まるごとの欠失・重複(頬の粘膜・血液)と、隣り合う2つ以上のエクソンの欠失・重複(血液のみ)を見つけられます。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。

わからないこと

  • ●エクソン1つだけの欠失・重複:見つかることはありますが、決まって見つけられるわけではありません。
  • ●染色体の組み替わり:染色体の一部が入れ替わる・向きが逆になる変化(転座・逆位)は調べられません。
  • ●遺伝子のスイッチの部分や、エクソンから離れた場所:遺伝子の働きを調節する部分(プロモーター)の多くや、エクソンから20塩基以上離れた深部イントロンの変化は調べられません。
  • ●体の一部の細胞だけにある変化(モザイク):この検査は、モザイクを見つける目的では作られていません。
  • ●NOTCH3以外の病気:CARASIL(HTRA1)など、ほかの遺伝子の病気は調べていません。

陰性でもCADASILを否定できない場合と、VUS

原因の変化が見つからなくても、「CADASILではない」と言い切ることはできません。上に書いた調べられない種類の変化が残っている可能性や、NOTCH3以外の病気の可能性があるためです。また、病気の原因かどうかまだ判断できない変化(VUS)が見つかることがあります。

7. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。陽性・陰性・VUSのそれぞれで、次にできることが違います。

結果の受け取り方

報告書の言葉の意味(病的バリアントなど)は、遺伝子検査結果の見かたでも解説しています。結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

調べる目的とは別の病気の原因が見つかったときの扱い(二次的所見)は、当院の二次的所見の開示方針のとおりです。

陰性だったとき

NOTCH3に原因の変化が見つからなかった場合は、CADASILの可能性は低くなりますが、ゼロにはなりません(第6章)。症状やMRIの所見に合わせて、ほかの遺伝性脳小血管病を含むパネル検査や全エクソーム検査を考えます(第3章の表)。皮膚生検などの検査が必要かどうかは、神経内科の主治医とご相談ください。

VUSだったとき

VUSは、それだけでCADASILと診断したり、症状のないご家族が受け継いでいるかを調べる検査(発症前の検査)に使ったりはしません。一方で、病気との関係を確かめるために、ご家族の中で症状のある方とない方が同じ変化をもっているかを調べる「家系の解析」が役立つことがあります。指定難病の診断基準でも、システインの変化ではない場合は、家系の解析で原因と確かめる必要があるとされています。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。欧州神経学会の専門家の合意は、VUSのときに皮膚生検で確かめることを支持しています[3]。扱い方はVUS(意義不明変異)の臨床的取り扱いでも解説しています。

8. 病的変異が見つかったら、次にできること

CADASILには、病気そのものを治す治療はまだありません(難病情報センター、2026年10月時点)。それでも、原因がわかると、脳卒中の危険因子を減らす、主治医と治療の注意点を共有する、ご家族やこれからの妊娠を考える、といった具体的な一歩が踏み出せます。治療は、神経内科などの専門の医療機関で受けていただきます。

症状がある方:脳卒中の危険因子を減らし、気をつけたい治療を主治医と共有する

CADASILでは、高血圧と喫煙が脳卒中のリスクに関わると報告されており[10]、GeneReviewsは喫煙を避けるべきとしています[1]。難病情報センターも、高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理、禁煙、飲酒を控えることを勧めています。

治療の注意点として、欧州神経学会の専門家の合意(2020年)は次のように述べています[3]。

  • ●血栓を溶かす治療(血栓溶解療法):細い血管の急性脳梗塞では行うべきでないとしています。
  • ●抗凝固薬:脳出血のおそれがあるため、脳卒中の予防目的では勧めていません。心房細動など、ほかにはっきりした理由がある場合は使えないわけではありません。
  • ●抗血小板薬:脳梗塞を起こしていない方に使う根拠はないとしています。GeneReviewsは、脳梗塞などのあとの予防には検討してよいとしています[1]。
  • ●片頭痛の薬:トリプタンを使ってはいけないという根拠はないとしています。
  • ●手術の麻酔:脳の血流を一定に保つしくみが弱っているため、血圧が下がりすぎない麻酔の方法を勧めています。

こうした注意点は、脳梗塞で急いで受診したときや手術のときに大切になります。CADASILと診断がついていることを、主治医や救急の医師に伝えられるようにしておくことが、ご自身を守ることにつながります。急に手足に力が入らない・話しにくいときは、すぐに医療機関を受診してください(難病情報センター)。

症状のない方:危険因子の管理と、人生の計画

症状のない段階でわかった方も、血圧の管理や禁煙など、脳卒中の危険因子を減らすことから始められます。先が見えないまま過ごすより、わかったうえで、仕事・結婚や出産・住まい・ご家族の介護の準備など、これからの人生を計画したいと考える方もいます。英国でハンチントン病の発症前検査を受けた人の理由として最も多かったのは「不確実さを減らすため」(70.5%)でした[12]。病気は違いますが、「知って計画を立てたい」という思いは、CADASILのご家族にも通じるものだと思います。

治療薬と治験の今(2026年10月時点)

CADASILに承認された、病気そのものを治す治療はありません。日本では、血管を広げる働きなどをもつアドレノメデュリンという物質を点滴で使う医師主導治験(第2相、国立循環器病研究センターなど)が行われ、臨床研究の登録サイトjRCTでは募集が終わっています(jRCT2051210117、2026年10月に確認)。結果は、このページを書いた時点では確かめられていません。治験の最新の情報は、神経内科の主治医や研究班にご確認ください。

結婚・妊娠を考えるとき:お子さんへの確率と、選べること

結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。ご自身が原因の変化をもっているとわかった場合、お子さんが受け継ぐ確率は、妊娠のたびに2分の1です[1]。知ってから選べることには、次のようなものがあります。

  • ●自然に妊娠して、出生前診断を受ける:GeneReviewsは、ご家族の原因の変化がわかっていれば、出生前検査や着床前検査が可能で、多くの施設は受けるかどうかを個人の決定と考えているとしています[1]。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。大人になってから発症する病気の出生前診断をどう進められるかは、国内の考え方も踏まえて個別に判断するため、妊娠を考えている段階からご相談ください(羊水検査・絨毛検査)。
  • ●PGT-M(着床前遺伝学的検査):日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-Mが行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へで解説しています。
  • ●特別な検査をせずに妊娠・出産する:これも、そのまま選べる選択肢です。どれを選んでも、その選択は尊重されます。考え方は遺伝性疾患があっても、子供を諦めないでほしいでもお伝えしています。

GeneReviewsは、CADASILのお母さんの妊娠で、赤ちゃんの子宮内や分娩の合併症が増えるとは考えられていないとしています。一方で、出産前後に一時的な神経の症状(多くは片頭痛の前兆に近いもの)が増えたという報告と、関係がなかったという報告の両方があります[1]。妊娠・出産は、神経内科と産科の主治医にもCADASILのことを伝えて進めてください。

ご家族の検査:わかった変化だけをピンポイントで

原因の変化がわかると、ご両親・きょうだい・お子さん・いとこなどは、その変化だけを調べて、受け継いでいるかどうかを確かめられます。家系の中で順に調べていくこの方法をカスケード検査といいます。症状のないご家族の検査は発症前の検査になるため、ご本人の同意のうえで、遺伝カウンセリングを受けてから行います[1]。

当院でのその後

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明し、次にどうするかをご相談いただけます。ご家族の検査や、妊娠を考えるときの出生前診断も、当院で続けて受けていただけます。遺伝カウンセリング料は、そのつど30分22,000円(税込)がかかります(出生前診断の遺伝カウンセリングは30分33,000円・税込)。

9. 発症前の検査を考える方へ:当院の考え方

当院は、ライフステージごとに患者さんの人生をサポートするという考え方で診療しており、知りたいと願う方を拒むことはしません。遺伝カウンセリングで十分に考えたうえで、ご本人が知りたいと決めた場合は、その意思を尊重して検査まで行います。知らないでいる選択も、同じように尊重します。

結果を知ったあとの気持ちの変化は、陽性でも陰性でも起こりえます。陽性なら将来への不安が、陰性なら「自分だけ受け継がなかった」という複雑な気持ちが生まれることもあります。当院では、結果をお伝えしたあとも、遺伝カウンセリングで相談を続けていただけます。

なお、GeneReviewsは、大人になってから発症する病気について、症状のない未成年者に発症前の検査を行うことは一般に適切でないとしています(症状のある方の検査は年齢を問いません)[1]。当院でも、症状のない未成年の方の発症前の検査は原則として行っていません。お子さんのことは、ご本人が大人になって自分で決められるようになってから考える、という前提でご相談ください。

10. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込275,000円、結果までは2〜3週間です。唾液・頬の内側の粘膜・血液のいずれも、オンライン診療で受けていただけます。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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お支払い・検体の採取キットをお送りします
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
調べる遺伝子 NOTCH3(1遺伝子)。配列の変化と、欠失・重複(料金に含まれる)
検査費用 税込275,000円
結果までの期間 2〜3週間
オプション 至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります(55,000円)/VUS除外(無料)
検体 血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬の内側の粘膜、唾液(採取キットをお送りします)
オンライン診療 可能。血液の場合は、全国の提携医療機関で採血していただきます
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れです。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいた後にお送りします。検体の取り違えや品質の問題を防ぐため、ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の前の遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ご家族とこれからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

唾液・頬の粘膜・血液のいずれもオンライン診療で受けられ、結果は臨床遺伝専門医が直接ご説明してからマイページにアップします。

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11. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【治療がないから知っても仕方ない、ではない】

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

CADASILには、まだ病気そのものを治す治療がありません。それでも私は、「治療がないから知っても仕方ない」とは考えていません。危険因子を減らすこと、救急や手術のときに注意すべき治療を医師に伝えられること、ご家族がそれぞれ自分の状態を知る手がかりになること、結婚や妊娠を知ったうえで考えられること。わかって初めてできることは、たくさんあります。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. CADASIL(カダシル)は指定難病ですか?

はい。CADASILは指定難病124です(2026年10月時点、難病情報センターの情報)。医療費の助成を受けるには、診断基準と重症度の基準を満たし、申請する必要があります。診断基準では、NOTCH3遺伝子の変化か、皮膚などの電子顕微鏡で見つかるGOMが確定の手がかりになります。

Q2. CADASILは何歳ぐらいで発症しますか?

GeneReviewsでは、片頭痛の最初の発作は平均26〜29歳、脳梗塞や一過性脳虚血発作は平均47歳(20〜70歳)とされています。日本の全国調査では、症状が始まった年齢は平均49.5歳(20〜76歳)でした。始まる年齢や進み方には大きな個人差があります。

Q3. CADASILはどこまで遺伝しますか?お子さんに伝わる確率は?

CADASILは常染色体顕性(優性)遺伝で、原因の変化をもつ方から、お子さん1人あたり2分の1の確率で伝わります。性別には関係しません。受け継がなかった方から、その子どもへ伝わることはありません。祖父母・おじ・おば・いとこなど、血縁者の誰がもっているかは、家系の中で誰が変化をもっているかによって変わります。

Q4. 親がCADASILです。症状がなくても遺伝子検査を受けられますか?

受けられます。症状のない方の検査は、将来の発症を予測する発症前の検査になるため、検査の前に遺伝カウンセリングで、知ることの意味を十分に考えていただきます。当院は知りたいと願う方を拒まず、知らないでいる選択も同じように尊重します。症状のない未成年の方の発症前の検査は、原則として行っていません。

Q5. CADASILに治療薬はありますか?

2026年10月時点で、病気そのものを治す承認された治療はありません。日本ではアドレノメデュリンを使う医師主導治験が行われ、募集は終わっています。治療の中心は、血圧の管理や禁煙など脳卒中の危険因子を減らすことと、片頭痛や脳梗塞などの症状に合わせた治療で、神経内科などの専門の医療機関で受けていただきます。

Q6. CADASILの人が気をつけたほうがよい薬や治療はありますか?

欧州神経学会の専門家の合意(2020年)は、細い血管の急性脳梗塞に血栓溶解療法を行うべきでないとし、抗凝固薬は脳出血のおそれから、ほかにはっきりした理由がない限り予防目的では勧めていません。手術の麻酔では血圧が下がりすぎないことを勧めています。一方、トリプタンを使ってはいけないという根拠はないとしています。CADASILと診断されていることを、主治医や救急の医師に伝えられるようにしておきましょう。

Q7. 遺伝子検査で異常が見つからなければ、CADASILではないと言えますか?

言い切ることはできません。この検査で調べられない種類の変化や、NOTCH3以外の遺伝性脳小血管病の可能性が残るためです。症状やMRIの所見に合わせて、ほかの遺伝子をまとめて調べるパネル検査や全エクソーム検査を考えます。皮膚生検などが必要かどうかは、神経内科の主治医とご相談ください。

Q8. CADASILの遺伝子検査は保険で受けられますか?費用はいくらですか?

当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。この検査の費用は税込275,000円で、結果までは2〜3週間です。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 一度の検査で、ご自身とご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。CADASILの原因がわかれば、脳卒中の危険因子への備えだけでなく、ご家族の検査や、結婚・妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けてお受けしています。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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