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ドラッグストアで簡単に手に入る妊娠検査薬は、妊娠を待ち望んでいる方にとって妊娠の有無をいち早く知ることができるアイテムです。
妊娠検査薬には適切な使用時期がありますが、早めに検査をするフライング検査をしてもよいものなのでしょうか。
生理のたびに「まただめだった……」という気持ちになりたくないという理由で、フライング検査をするという方もいらっしゃいますが、フライング検査をすることはメリットだけではなくデメリットもあるということを知っておく必要があります。
フライング検査をしようと考えている方は、フライング検査のメリットやデメリットを知って、慎重に妊娠検査薬の使用を検討しましょう。
この記事では、妊娠検査薬のフライング検査について、フライング検査のメリット、デメリットをご紹介します。
妊娠の有無を早く知りたいと考えている方、フライング検査を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
妊娠検査薬のフライング検査とは?
妊娠検査薬は、検査スティックに尿をかけるだけで妊娠の有無がわかる試薬です。検査をするには適切な時期がありますが、フライング検査とはどの時期のことを指すのでしょうか?
まずは、妊娠検査薬のフライング検査についてご紹介します。
フライング検査と呼ばれる時期は生理の何日前?
妊娠検査薬は、妊娠している女性の体内でのみつくられるhCGホルモンの分泌量を測定します。hCGホルモンは着床した受精卵を取り巻く絨毛から分泌されていて、妊娠4週から尿中に検出され、妊娠8~10週ころにピークを迎えます。
一般的な妊娠検査薬は「生理予定日の1週間後以降」に使用するアイテムとなり、それ以前の検査のことをフライング検査と呼びます。
妊娠検査薬は、尿中のhCGホルモンの量が50UI/Lで陽性反応が出る仕組みになっているため、あまり早く測定しても正確な結果が出ない可能性もあります。
しかし、尿中のhCGホルモンの量が25UI/Lで陽性反応が出る「早期妊娠検査薬」であれば通常の一週間前である生理予定日から使用することができます。
そのため、フライング検査を検討している方は、一般的な妊娠検査薬ではなく、早期妊娠検査薬を選ぶことをおすすめします。
産婦人科を受診するタイミングは?
妊娠検査薬で陽性反応が出たら、産婦人科を受診して超音波で胎嚢や赤ちゃんの心拍を確認し、正常に妊娠しているか、赤ちゃんの心臓は動いているかの確定診断をする必要があります。
胎嚢は妊娠5週頃から、心拍は妊娠6週頃から確認できるため、早期妊娠検査薬で陽性が出ても、すぐには受診できないケースも。
早く病院で妊娠を確定させたいと焦ってしまう方もいらっしゃいますが、妊娠5週未満では胎嚢が確認できず、結局は1週間後に再検査となることもあるため、産婦人科の受診時期をゆっくり待つようにしましょう。
フライング検査のメリット
妊娠の有無が通常の妊娠検査薬に比べて早くわかるフライング検査ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここからは、フライング検査のメリットをご紹介します。
早めに妊娠を知ることで備えができる
早めに妊娠を知ることで、赤ちゃんの脳や心臓などが形成される大事な時期に体調管理に努めることができます。
具体的には、飲酒や喫煙をやめることや、服用している薬の精査、食生活に気を配る、睡眠不足に気を付けるなどです。
とくに飲酒や喫煙、カフェインなどは妊娠中に控えた方がよいとされているため、妊娠がわかったらすぐにやめたほうがよいでしょう。
服用している薬についても、妊娠が確定ではなくても医師にすぐに伝えることで、赤ちゃんに影響が出ないような薬に変えてもらったり、服用をやめたりという判断ができます。
精神的に落ち着ける
妊娠を待ち望んでいる方にとって、生理前は「もしかしたら妊娠しているかも……?」「まただめかもしれない……」と精神的に不安定な状態になっています。
結果が陽性であっても陰性であっても、早く妊娠の有無を知れるという意味では精神的に落ち着ける材料となります。
期待を持ちすぎないように早めにフライング検査をするという方もいて、早めに検査をしておくことで、生理がきて妊活が失敗していたという事実を受け入れる準備をしやすいという意見もあります。
体調の変化に気が付きやすい
妊娠初期はホルモンバランスの変化によってさまざまな変化が訪れます。代表的なものでつわりがありますが、つわり以外にも着床出血やおりものの変化、下腹部の痛みなどその変化には個人差があります。
フライング検査で早めに妊娠の有無がわかっていれば、それらの体調の変化が妊娠によるものだと気が付きやすいため、安易に市販薬を服用することがありません。
また、体調が悪いのが妊娠初期症状だということがわかれば、安易に薬を服用しないだけではなく、原因のわかっている体調不良に対して向き合い、身体をしっかり休ませようという意識も働きます。
フライング検査のデメリット
フライング検査をすることでいくつかのメリットがあるとわかりましたが、反対にデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか?
デメリットを把握しておくことで、検査の時期を検討する際の参考になるため、しっかり把握しておきましょう。
ここからは、フライング検査のデメリットをご紹介します。
妊娠確定までの時間が長い
前述したように、病院で妊娠したことが確定できるのは早くて妊娠5週頃からとなります。そのため、妊娠3週でフライング検査をしてしまうと、陽性反応が出たとしても2週間ほどはモヤモヤした状態で過ごさなければいけないのです。
2週間というと短い時間と感じる方もいれば、妊娠を待ち望んでいる方からするととてつもなく長い時間に感じてしまうこともあるでしょう。
妊娠5週未満では検査をしてくれない病院もあるほどなので、もし早めに病院で超音波検査をしてもらったとしても、胎嚢が確認できず「また妊娠5週以降に来てください」と言われてしまいます。
受精卵が着床していればhCGホルモンが分泌されて陽性反応が出ますが、赤ちゃんがそのまま順調に育ってくれることばかりではありません。胎嚢と心拍が確認できてはじめて安心できるため、そこまでの期間が長くなってしまうのは精神的にもつらい日々となることもあるでしょう。
偽陰性の確率が高くなる
妊娠検査薬の精度は、正しく使用すれば99%だといわれていますが、フライング検査の場合は偽陰性が出る可能性が高くなります。
一般的に早期妊娠検査薬が使用できる生理予定日には、0~50IU/LのhCGホルモンが尿中に含まれるとされていますが、hCGホルモンの分泌量にも個人差があり、検知できるレベルではない可能性もあるのです。
また、使用方法が間違っていたり、検査前に大量に飲み物を摂取していて尿中のhCGが薄まっていたりする場合も偽陰性が出る可能性があります。
そのため、フライング検査で陰性が出たあとにも妊娠初期症状があるなどの場合は、再度通常の妊娠検査薬で検査をして妊娠の有無を確かめるようにしましょう。
化学流産がわかってしまうことがある
化学流産とは、着床する前、もしくは着床しても受精卵が定着せずに出血とともに流れてしまうことを言います。
実は化学流産はよくある現象で、ほとんどの方が通常の生理だと勘違いして気が付かずにいることが多いのですが、フライング検査をすると、陽性反応が出るため化学流産してしまったことがわかってしまうのです。
陽性反応が出て「嬉しい!」と喜んだあとに生理のような出血が続くことになるので、ショックもより大きくなってしまいます。
化学流産のほとんどは遺伝子異常などが原因で、胎児側の理由となるため、ママが悪いわけではないのに自分を責めてしまうことにもなりかねません。
フライング検査で陽性反応が出ても、必ずしも順調に着床して成長してくわけではないということは、理解しておく必要があります。
まとめ
妊娠検査薬のフライング検査について、フライング検査のメリット、デメリットをご紹介しましたが、参考になりましたか?
フライング検査は生理予定日に妊娠検査薬を使用することを指します。通常の妊娠検査薬では生理予定日に使用することはできませんが、早期妊娠検査薬であれば生理予定日にフライング検査をすることができます。
しかし、フライング検査には、早めに妊娠を知ることでさまざまな事態に備えることができるというメリットがある反面、化学流産がわかってしまうという重大なデメリットもあります。
これから妊娠検査薬を使用したいと考えている方は、メリットとデメリットの両方を把握したうえで、検査の時期は検討するようにしましょう。