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つわりいつからどんなふうに始まる?先輩ママの体験談を紹介

つわりとはなにか

妊娠初期の症状として現れることが知られているつわりですが、一体いつから始まり、どのような症状が訪れるのでしょうか?まずは、つわりがどんなふうに始まるかをご紹介します。

つわりが始まる時期

つわりは妊娠5~6週頃から始まる方が多く、体調の変化から妊娠に気がつく方もいるほど、妊娠初期の段階で起こります。冒頭でお伝えした通り、妊婦さんの50~80%に見られる症状のため、つわりを感じずに出産を終える方もいれば、妊娠後期までつわりが続くという方もいらっしゃいます。

このように、つわりには個人差がありどのような原因でつわりが起こるのかは、解明されていませんが、妊娠したことによるホルモン分泌量の増加やストレスなどが関係しているのではないかとされています。

つわりのピーク

つわりは妊娠8~10週目頃がピークとなり、その後は徐々に落ち着いていく方が多いようです。トイレに吐きに行く以外はほとんど横になっているという方もいるほど、つわりが重症化することもあります。食べても飲んでも吐いてしまい、脱水症状や栄養失調を起こしてしまうと、妊娠悪阻(にんしんおそ)と呼ばれる病気と診断されます。

妊娠悪阻はつわりがひどくなった状態で、めまいや頭痛を感じたり、体重が5%以上減少したりすると危険と判断され、入院が必要になることもあります。

つわりの原因

つわりが起きる原因はホルモンバランスの変化と言われています。妊娠によって活性化されるホルモン物質が、脳幹と小脳に挟まれた空間にある第4脳室底によって嘔吐中枢を刺激してしまい、吐き気や様々な不快感が起きるのです。

また、黄体ホルモンであるプロゲステロンが増加することで吐き気をもよおしたり、体内にガスが溜まりやすくなったりします。

つわりの症状

つわりの症状はさまざまで、以下のような種類があるとされています。

  • 吐きづわり
  • 食べづわり
  • においづわり
  • 眠りつわり
  • よだれづわり

さまざまな場面で吐き気を催すことが多い吐きづわりが代表的ですが、そのほかにも食べていないと気持ち悪くなってしまう食べづわりや、においに敏感になり、特定のにおいがすると吐き気がするにおいづわりなどがあります。さらに、常に眠気が襲ってくる眠りつわりや、よだれがたくさん出るよだれづわりなどもあり、時間帯や時期によって全てのつわりを経験する方もいます。

つわりは、このような症状のほかにも、妊娠初期には気分が落ち込み、理由もなく泣いてしまったり、些細なことにイライラしてしまったりと、気持ちに変化を感じることもあります。

先輩ママのつわりの始まり

妊娠中のママとお腹に耳を当てる子ども
さまざまな種類があるつわりですが、先輩ママたちはどのようにつわりが始まったことを自覚したのでしょうか。ここからは、先輩ママのつわりの始まりをご紹介します。

急に気持ち悪さを感じ「これがつわりか!」と実感

「妊娠してから仕事をセーブしていました。お昼を食べる前に家でソファに座ってのんびりしている最中に、急に胃のムカムカを感じてなんとなく気持ちが悪いという状態に…。『あ、つわりがきたんだ』と感じた瞬間でした!吐き気がずっと続いていて、二日酔いのときのような胃のムカムカがあるけれど、吐けずに苦しかった覚えがあります。そのあとはずっとベッドで横になっていました。『気持ち悪いよー』と唸りながら体勢を変えたりしてみましたがどんな体勢でも気持ち悪さは変わらず、つらい思いをしました。」

吐きづわりを経験した方は、急に気持ち悪さを感じてつわりを実感したという方が多く、吐き気だけではなく実際に吐いてしまったという方もいます。実際に、普段感じることのない吐き気を感じてから妊娠に気がついたという方もいて、典型的な吐きづわりから、つわりの症状がはじまるという方が多いようです。

食べづわりで胃がムカムカ

「妊娠してすぐの頃、お腹が減ると気持ち悪くなって吐き気と戦っていました。6ヵ月くらいまでその症状は続き、仕事中も何か口に入れていないと気持ち悪さがあったのですが、なかなか思うように食事をできずにつらいときもありました。とくに朝の空腹時の吐き気がひどくて、朝起きてすぐ食べられるようなものを用意して寝るようにしていました。」

妊娠初期に食べづわりの症状が出たという方もいれば、妊娠後期に急に食べづわりがはじまったという方もいて、その時期はさまざまです。

つわりは、朝方に空腹になり症状が起こることが多いため、英語では「morning sickness(モーニングシックネス)と呼ばれています。食べづわりがつらいときには、先輩ママのようにすぐ食べられるものを用意しておいたり、飴やガムを持ち歩いたりすることで、吐き気の症状が起こらないように準備しましょう。

ある日急に食の好みが変わりました!

「それまで全く好きではなかったトマトにハマりました!ある日急に美味しく感じて、それ以来トマトを毎日食べまくる日々…つわりの症状もトマトを食べると落ち着く気がしていました。しかし、出産後はあまり食べなくなったので、あれはつわりの一種だったのかな?と感じました。友達は妊娠中、柑橘系の果物にハマったと聞いたことがありますが、私の場合は柑橘系の果物には興味がなく、トマトが異常に欲しくなっていました。」

妊娠中にトマトや柑橘系の果物、スイカなどを欲する理由は、カリウムが豊富だからといわれています。妊娠することで血中のカリウムとマグネシウムは不足し、無意識のうちにトマトのようにカリウムが豊富な食べ物を食べたいと思うようになります。

さらに、トマトや果物などのさっぱりしたものはつわりの症状を緩和させやすいため、つわり時期に好まれる食べ物です。

いくら寝ても眠い…あとで考えてみたらつわりでした

「睡眠時間は変わっていないのに、仕事中にいきなり眠くなり居眠りをしてしまいました…。妊娠していることはわかっていたので「妊娠中は眠くなるって言うからね」と周りの同僚は理解してくれましたが、仕事中に眠気が襲ってくるのはつらかったです。あとで、眠りづわりという言葉を知り、自分がそれだということに気がつきました。それからは対策として眠くなったら立ち上がって歩いて眠気を紛らわすようにしましたが、休みの日は一日中寝ている生活がしばらく続いていました。」

眠りつわりは、寝ればよいと思われがちですが、このように仕事中に眠くなってしまうのは困ってしまいます。

眠りすぎることによって頭痛や体のだるさを感じることもあり、眠りがストレスになることもあります。ガムを噛む、冷たい炭酸飲料を飲むなど、口を動かしたり刺激を与えたりすることで、眠気を予防することもできるのでおすすめです。

些細なことにイライラしはじめ喧嘩が増えた

「普段は気にならないような小さいことにイライラすることが増えました。夫の行動が普段通りでも優しくしてくれてもイライラ…。喧嘩が増えてどうなることかと思いましたが、つわりが落ち着くと同時にイライラも解消されてきて、そのときのことを夫に謝り理解してもらえました。吐きづわりもあったので、自分が思うように動けないこともイライラにつながっていたのだと思います。今思うと恥ずかしいようなことで怒っていました。」

些細なことでイライラしてしまうというママも多く、パパと喧嘩になってしまったり、自分を責めてしまったりしているようです。

つわりがあることで気持ち悪さや嘔吐が続くと、普段のように動けないことにイライラを感じるママも多いのですが、妊娠中はプロゲステロンの影響によって、イライラしやすくなることもあるため、イライラしてしまったら深呼吸をして一息ついて物事を考えるようにしましょう。

つわりをどう乗り切るか

つわりの症状は人それぞれですけど、どれもつらいものばかりです。この時期をどうやって乗り切ったらいいのか対処法をご紹介します。

  • ◯軽く食べられるものを用意しておく
  • つわりになると食欲不振や食べられるものに偏りが出てきます。つらくて食事ができない場合は、空腹時の気持ち悪さを和らげるためにはクッキーやおにぎりといった軽く食べられるものを寝る前に枕元へ置いておいたり、出かけるときにバックの中に忍ばせておきましょう。温かい食事はにおいに敏感な人は食べられないので冷たくてにおいがしないものがおすすめです。栄養バランスについては考えなくて構いません。食べられるものだけを食べてください。

  • ◯水分はしっかりと摂る
  • 食事をするのもダメなときは無理をして食べる必要はありません。ただし、水分が不足してくると、脱水症状を起こしたり、尿の濃度が濃くなったりするので水分摂取だけは忘れずにしましょう。スポーツドリンクがおすすめですけどにおいが気になる場合は水でも構いません。

  • ◯疲れたら無理をせずに休む
  • つわりが起きる時期は身体が出産するための準備をしているので変化が起きています。そのため疲れも出やすい時期です。仕事や家事を無理してすることはありません。疲れたらすぐに身体を休めるようにしましょう。家事はパートナーや家族にやってもらうのがいいでしょう。仕事は職場の直属の上司に妊娠している旨を伝えておくといいでしょう。理解ある人なら調整してくれるはずです。もし仕事量が変わらない場合は、その上の上司に伝えてください。

つわりのぶり返しが起きたら

つわりは個人差があるものの妊娠中期(12週から16週)くらいになると収まっていくのが一般的です。ところが、稀に収まったはずのつわりがまた始まることがあります。

これを”つわりのぶり返し”といい、吐き気やむかつきなどつわりのような症状が出ます。おなかの赤ちゃんの成長とともに大きくなった子宮が、胃などの内臓を圧迫するのが原因と言われていますが、はっきりしていません。

対策としては妊娠初期のつわりと同様に食べられるものを食べたり、無理をせずに休んだり、こまめに水分補給をしたりしてください。つわりのぶり返しが原因で胎児の成長に影響は出ませんので安心してください。

まとめ

つわりの始まりは、急に吐き気を感じた、眠気を感じたという方が多く、妊娠に気がついていなかった方は、つわりによって妊娠が発覚することもあるほどです。つわりにはさまざまな種類があり、それぞれに対処方法も異なりますが、消化器に異常が現れることが多く、気持ち悪さが続いたり、嘔吐を繰り返したりすることによってつらい時期が続きます。

さらに、つわりが悪化すると妊娠悪阻となり、入院や点滴が必要なほど脱水症状に苦しむ方もいます。

しかし、ピークは妊娠8~10週頃といわれ、多くの方はその後徐々に症状が落ち着いていきます。妊娠後期になるまでつわりと戦っているママもいるため、仕事や家事など周りに頼めることはお願いして体を休ませるようにすることも重要です。先輩ママのつわりの経験や対処法を参考に、生まれてくる赤ちゃんのことを考えたり、ストレスを発散させたりしながらつらいつわりを乗り切りましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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