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生理予定日過ぎても生理が来ないと、妊娠の可能性を考える人もいるでしょう。もしいつもと違った体調の変化が見られるなら、それは妊娠初期症状かもしれません。
この記事では妊娠初期の 22の症状と特徴をご紹介します。妊娠初期症状が表れたときの対処方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
妊娠初期に起こる22の症状
妊娠初期に起こる症状は多くあります。次から妊娠初期症状について一つひとつ解説しますが、個人差があるため、症状の有無で妊娠を判断しないようご注意ください。
おりものの量や色が変化する
妊娠初期にはおりものの量や色の変化が見られます。生理前と比べておりものの量が増えたり、色が白または黄色っぽくなったります。おりものは、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量によって変化するものです。受精するとエストロゲンが増加するため、普段と異なるおりものが出ます。
少量の出血がある
生理予定日の前後に少量の出血が見られることがあります。生理と勘違いされやすいですが、普段よりも量が少なく出血期間が短い場合は、着床出血の可能性が高いです。着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こります。妊娠初期症状のひとつとして知られていますが、出血しない人もいます。
腹痛や下腹部痛、おなかの張りがある
妊娠初期には腹痛や下腹部痛、おなかの張りが起こりやすいです。妊娠するとhGCホルモンが多く分泌されたりホルモンバランスが乱れたりするため、腸の働きが弱くなり、腹痛や下腹部痛、おなかの張りを感じやすくなります。
また、妊娠すると、収縮を繰り返しながら子宮が大きくなります。痛みの感じ方には個人差がありますが、収縮時には生理に似たおなかの痛みや張りを感じる人が多いです。
腰痛がある
妊娠すると、出産に備えて骨盤まわりの靭帯や関節が少しずつ緩み始めます。すると、骨盤が不安定になるため、腰痛を引き起こしやすくなります。また、妊娠と同時に少しずつ子宮が大きくなるのも腰痛の原因のひとつです。子宮が大きくなると姿勢が前屈みになりやすいため、腰に負担をかけやすくなります。
常に眠気がある
強い眠気を感じるのも、妊娠初期症状のひとつです。妊娠するとプロゲステロン(黄体ホルモン)が増えます。体温を上げたり眠気を強くしたりする働きがあるため、常に眠い状態が続きます。これまでにない眠気を感じるケースが多いため、我慢できない場合は無理せず横になりましょう。
食欲不振、もしくは食欲旺盛になる
食欲不振、もしくは食欲旺盛になるのも妊娠初期によく見られる症状です。つわりの一種とも考えられています。食べ物を体が受け付けない人もいれば、食欲が止まらなかったり食べないと気持ちが悪くなったりする人もいます。個人差はありますが、いずれにしても妊娠中期に入る頃に落ち着く人が多いです。
味覚が変化する
好きだった食べ物が嫌になったり、反対に嫌いな食べ物が美味しく感じたりと、味覚が大きく変化する人も多いです。特定の食べ物しか食べられなくなる場合もあります。自律神経の乱れやホルモンバランスの変化が原因だと考えられています。
めまいやたちくらみがする
妊娠すると、通常よりも多くの血液が必要になるため、貧血を起こしやすくなります。貧血が原因によるめまいやたちくらみが起こる人も少なくありません。また、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れによってふらつく人もいます。
熱っぽい状態が続く
妊娠初期の基礎体温は、高温期です。プロゲステロンの働きで普段よりも高い体温を維持しているので、熱っぽいと感じやすくなります。体のほてりが原因で汗をかいてしまい、体が冷える可能性もあります。熱っぽさが落ち着くまでは、汗をかいたらこまめに拭き取ったり、着替えを準備したりするのがおすすめです。
情緒不安定になる
妊娠中は情緒不安定になる傾向があります。プロゲステロンを始めとしたホルモンバランスの変化により、感情がコントロールできなくなります。なぜかイライラしたり、理由もないのに悲しくなって泣いたりと、自分の変化に戸惑う人も多いです。妊娠・出産の不安を感じて落ち込むケースも見られます。気分転換の時間をとったりリラックス方法を見つけたりして、自分の感情の変化と上手に付き合うことが大切です。
便秘がちになる
妊娠中は、便秘になる人が多いです。つわりで食事が偏ったり、十分な水分をとれなかったりするのが原因と考えられます。また、ホルモンの変化で腸の働きや筋力が弱まったり、自律神経が乱れたりするのも理由のひとつです。食物繊維が豊富な食べ物を積極的に食べたり、水分を多くとったりするのが望ましいです。
胸の張りや痛みがある
妊娠初期は、胸の強い張りや痛みを感じることがあります。妊娠すると母乳を出す準備をするため、エストロゲンやプロゲステロンが増えます。2つのホルモンが乳汁が通る管(乳管)や分泌する部分(腺房)を増やすときに胸の張りや痛みを感じるのです。時間の経過とともに胸の張りや痛みはおさまるのが一般的です。
吐き気や胃のムカつきがある
妊娠初期症状のひとつとして有名なのが、吐き気や胃のムカつきです。妊娠するとホルモンが子宮の収縮を抑える働きをしますが、同時に子宮周辺にある消化器官の筋肉の働きまで抑えてしまいます。すると、胃腸がうまく働かなくなるため、吐き気や胃のムカつきにつながります。症状の強さは個人差がありますが、常に吐き気がしたり胃がキリキリ痛んだりするため、つらいと感じる人が多いです。
むくみが出る
妊娠初期症状として、むくみを感じる人もいます。妊娠するとホルモンの働きによって水分をためこみやすくなるからです。むくみは妊娠高血圧症にもつながる可能性があるので、妊娠初期から塩分を控えたり体を温めたりして対策をとりましょう。
だるさがある
だるかったりやる気が出なかったりするのも、妊娠初期症状のひとつです。プロゲステロン(黄体ホルモン)が増えると、意欲が減退します。妊娠初期は、出産の準備に向けて体の変化が著しい時期です。無理に動くのも良くないので、体を休ませることに注力しましょう。
頭痛がする
妊娠するとホルモンの働きにより、血管が拡張されます。すると脳の神経を刺激しやすくなるため、頭痛が起こる人がいます。妊娠初期の薬の服用は赤ちゃんへの影響も考慮する必要があるので、飲まずに安静に過ごすのが望ましいです。ひどい痛みで我慢できないときは、医師に相談してください。
においに敏感になる
においに敏感になるのも妊娠初期症状です。今まで気にならなかったにおいが突然鮮明に感じられます。普段使いの香水や柔軟剤などがきつく感じてしまう人も少なくありません。スーパーに買い物に行くとさまざまな食べ物のにおいがして、具合が悪くなる人もいます。個人差が大きいですが、妊娠中期に差し掛かる頃には落ち着く人が多いです。
肌トラブルが起きる
妊娠によるホルモンバランスの乱れが原因で、肌が敏感になります。いつもの化粧品が合わなくなったり乾燥しやすくなったりして、肌トラブルが起きることが多いです。肌を清潔に保ったり化粧品を変えたりして様子を見ましょう。また、妊娠中はメラニン色素が増えやすいです。紫外線対策をしないとシミやそばかすが目立ちやすくなるので、日焼け止めを塗ったり帽子を被ったりしてください。
唾液や鼻水の量が増える
妊娠初期は、ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れが起きやすいです。自律神経の乱れが原因で、唾液や鼻水が出やすくなります。かぜだと勘違いする人もいるので注意が必要です。唾液や鼻水の分泌以外に喉の痛みや腫れ、発熱、せきなどのかぜ症状がなければ、妊娠初期症状だと判断できます。
頻尿になる
妊娠すると体内の血液量が増加します。血液量が増えると作られる尿の量も増えるので、頻尿になる傾向が強いです。また、妊娠によって子宮が大きくなると、膀胱を圧迫します。膀胱に尿をためておけなくなるので、トイレに行く頻度が多くなりやすいです。トイレに行きたくなったら、すぐに行きましょう。我慢すると膀胱炎を患う可能性があります。
息切れする
妊娠初期症状のひとつとして、息切れがあります。妊娠すると血流量が増えて、ポンプの役割をする心臓への負担が大きくなるため、息切れや動悸が起こりやすくなります。体の負担を減らすためにも、できるだけゆっくり行動するのが望ましいです。
生理が来なくなる
代表的な妊娠初期症状のひとつが、生理が来なくなることです。生理とは、受精卵が着床しやすいよう厚くした子宮内膜を排出する現象を指します。受精卵が着床(妊娠)すると、子宮内膜は出産まで子宮内に留まり続ける必要があるため、生理が起きなくなります。
妊娠初期症状と生理前症状の見分け方
妊娠初期症状と生理前の症状はよく似ているので、見分けにくいです。症状も人によって出たり出なかったりします。しかし、基礎体温を測っていれば、妊娠初期症状と生理前症状を見分けることが可能です。
基礎体温は通常、低体温と高体温にわかれています。生理が来た日から排卵日の2週間は低体温、排卵日後から次の生理を迎えるまでが高温期です。もし妊娠していなければ、次の生理予定日のあたりで低体温に変わります。
妊娠している場合は、生理予定日を過ぎても高温期をキープします。高温期が3週間以上続いているなら、妊娠初期症状の可能性が高いです。妊娠初期症状と生理前症状を見分けたい方は、普段から基礎体温を測っておきましょう。
妊娠初期症状はいつ頃から起こる?
妊娠初期症状は、妊娠4〜5週から起こるのが一般的です。最後に生理が来た日を妊娠0週0日と考えて計算します。次の生理予定日は妊娠4週にあたります。つまり、生理予定日を過ぎたあたりから妊娠初期症状を感じやすくなるとお考えください。
とはいえ、妊娠初期症状が始まる時期も個人差があります。早い人だと妊娠3週頃から始まりますし、なかには妊娠初期症状がない人もいます。したがって、妊娠初期症状が始まる時期は、あくまで目安として覚えておきましょう。
妊娠初期症状が起きたときの対応方法
妊娠初期症状が起きたときは、妊娠の可能性を疑いましょう。具体的な対処法を紹介します。
妊娠検査薬で検査する
まずは妊娠検査薬で検査をします。多くの妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後を過ぎてからの検査を推奨しています。生理予定日の前後に検査しても陽性反応が出る場合がありますが、正しく判定できない可能性が高いです。
生理が来ないと、またあらためて妊娠検査薬を使用する必要があります。したがって、生理予定日の1週間後に検査するようにしてください。もし生理不順で生理予定日がわからない場合は、性交渉の日から3週間を過ぎてからの検査をおすすめします。
産婦人科を受診する
妊娠検査薬で陽性が出たら、産婦人科を受診します。妊娠反応が出ても、正常に妊娠しているとは限りません。子宮外妊娠や胞状奇胎などの異常妊娠でないことを確認するためにも、必ず産婦人科でみてもらいましょう。赤ちゃん(胎嚢)が確認できるタイミングは、妊娠6週頃が目安です。胆嚢が確認できたら妊娠届出書が発行されます。
日常生活の過ごし方に気をつける
妊娠初期症状が起きたら、妊娠している前提で生活しましょう。飲酒や喫煙、カフェインの摂り過ぎは、赤ちゃんに影響をおよぼすため、控えてください。また、薬の成分も直接赤ちゃんに届いてしまうので、服用しないようにします。どうしても飲む必要があるときは、医師に相談しましょう。なお、レントゲンの撮影も控えてください。X線を受けると、流産したり、異常を持った状態で赤ちゃんが生まれてきたりするリスクがあります。
食生活を整えたり十分な睡眠をとったりして、体調管理をすることも大切です。とくに妊娠初期は、葉酸の摂取が重要です。葉酸は、赤ちゃんの障害のリスクを下げるほか、ママの貧血の予防もできます。
【まとめ】妊娠初期症状が起きたら、妊娠検査薬を使ったり産婦人科を受診したりしよう
妊娠初期症状は22個と多いです。生理が来ないこと以外に吐き気や眠気、おなかの張りなどさまざまありますが、出る症状には個人差があります。なかには症状がない人もいます。
妊娠初期症状が現れたら、妊娠検査薬で妊娠しているかを確認してください。もし陽性反応が出たら、早めに産婦人科を受診しましょう。