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「生理みたいな出血が妊娠超初期に発生した。これって大丈夫なの?」
「妊娠中の出血はおなかの赤ちゃんに影響あるの?」
上記のような不安や悩みを抱えている方はいませんか?妊娠中に出血が突然起こると、赤ちゃんに対する影響や流産などが気になってしまう方もいるはずです。妊娠超初期に起こる出血としては、着床出血や流産、絨毛膜下血腫、子宮がんなどさまざまな原因が考えられます。なかには危険性の高い症状もあるため、十分に注意しなければなりません。
そのため本記事では、妊娠超初期に出血が起こる原因、その場合の対処法について解説します。原因のわからない出血で不安になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。
妊娠超初期の出血は大丈夫?
妊娠超初期に出血が発生したことで、病気や流産を心配するママも多いはずです。とはいえ、妊娠中の出血が必ずしも危険なものであるとは限りません。生理現象として出血している可能性も十分考えられます。
なかでも妊娠超初期に多い出血が「着床出血」です。着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床する際に発生する出血のことです。受精卵は沈み込むように着床するため、子宮内膜が傷ついて出血する場合があるのです。この着床出血は一般的な生理現象であり、出血は1〜4日程度で収まります。妊娠した人全員に発生するわけではありませんが、妊娠超初期の出血はもしかしたら着床出血かもしれません。
ただ、妊娠超初期の出血は自身だけで判断することは困難です。耐えられないほどの痛みや、生理みたいな出血が伴う場合は病院で受診しましょう。
妊娠超初期に発生する出血の原因
妊娠超初期の出血についてお話しましたが、妊娠超初期に発生する出血の原因はいくつか考えられます。出血に対する不安を解消するためにも、自身の状況に当てはめて確認しましょう。
流産
妊娠超初期の出血は流産の可能性が考えられます。流産とは、妊娠22週までに赤ちゃんが亡くなってしまうことです。この流産は医療機関で確認された妊娠の約15%で発生しています。意外にも多くの女性が流産を経験しているのです。
特に妊娠12週未満で流産は起こりやすく、流産の約80%がこの期間に発生するとされています。なお、流産で出血するケースは、「稽留流産」「進行流産」「不全流産」の大きく3つに分けられます。
「稽留流産」は、胎児や胎芽が子宮のなかで息絶えて留まっている状態であり、痛みはほとんどありませんが少量の出血を伴うことがあります。「進行流産」は名前のとおり、流産が進行している状態です。大量の出血が起こる可能性があり、陣痛のような腹痛が発生します。一方で「不全流産」では、進行流産を経て胎児や胎芽などが子宮に残っている状態を指します。痛みや出血などの症状は長い間持続する傾向があります。
切迫流産
妊娠超初期の切迫流産でも出血は発生します。切迫流産は流産の1歩手前の状態であるため、妊娠を継続できる可能性があります。とはいえ、妊娠12週までの切迫流産については予防となる有効な薬はないとされています。
腹痛を伴わない切迫流産で発生する出血が、少量の茶色い出血や黒っぽい出血だけであれば流産の危険性が低い傾向にあります。一方、通常の生理と同じくらいの出血量や強い腹痛が伴う場合には、流産の危険性が高いと考えられています。いずれにしても、切迫流産であれば妊娠を継続できる可能性があるため、違和感を覚えたら早めに受診しましょう。
絨毛膜下血腫 じゅうもうまくかけっしゅ
絨毛膜下血腫とは、脱落膜と絨毛膜の間に現れる血腫のことです。上の図では一番左が絨毛膜下血腫となります。胎盤が作られる妊娠初期に現れやすい症状であり、多くの場合は妊娠中期までに自然消滅します。出血量が少なければ特に心配は不要で、なかには出血症状が現れないケースもあります。
しかし、妊娠中期を過ぎても出血が止まらない場合は注意が必要です。長期間の出血や血腫は胎盤の機能に悪影響であり、自然流産や死産、早産などを引き起こす危険性があります。生理と同じくらいの出血が伴う場合はすぐに診断を受けましょう。
子宮外妊娠(異所性妊娠)
妊娠超初期には子宮外妊娠が発生することが考えられます。子宮外妊娠は正常妊娠とは異なり、受精卵が子宮内膜ではない場所に着床して妊娠が進みます。最も多いとされる場所は卵管に着床するケースであり、そのほかにも卵巣や腹腔、子宮頸管などにも着床します。この子宮外妊娠は約1%の確率で発症するとされています。
子宮外妊娠の症状としては、少量の出血がみられる、下腹部が痛いなどがあげられます。なお、大量の出血が伴う場合は卵管が破裂している可能性があり、命に関わるためすぐに病院で受診しましょう。
この子宮外妊娠は妊娠検査薬で通常の陽性反応が出てしまいます。子宮外妊娠と似た症状が現れた場合は、陽性反応が出たとしても産婦人科で受診しましょう。
子宮頸がん
子宮がんの1種である子宮頸がん。この子宮頸がんは、子宮の入り口の子宮頸部といわれる部分に発生する悪性腫瘍です。子宮頸がんは正常な状態からすぐに悪性腫瘍になるわけではありません。がんになる前の異形成と呼ばれる状態から数年の期間を経て子宮頸がんとなります。
異形成の時点では特に出血や痛みはありませんが、子宮頸がんまで進行すると、少量の出血や性行為のときに出血が起こるほか、尿や便に血が混ざることもあります。がんが進行すると治療が困難になってしまうため、定期的な診断を行って予防しましょう。
胞状奇胎
妊娠超初期に出血がみられた場合は、胞状奇胎の可能性があります。胞状奇胎は、異常な受精卵や胎盤の組織が過剰に増殖する病気です。元々は「ぶどう子」と呼ばれていた疾患であり、妊娠した子宮内にぶどうの房のようなつぶつぶが多数発生します。なお、胞状奇胎は約500妊娠に1回、300分娩に1回の割合で起こる病気だとされています。
胞状奇胎の自覚症状としては、腹痛やつわり、流産に似た出血などがあげられます。超音波検査の普及によって早い時期に発見できるようになりましたが、早期発見ができたとしても胎児は成長できない、もしくは存在していないため流産と同様の手術を行います。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管ポリープとは、子宮の出口付近の頸管内に発生する突出したポリープのことです。発生原因は細菌感染による炎症や女性ホルモンの影響であると考えられており、30〜40代で出産回数の多い女性に現れる傾向があります。なお、ポリープの大きさは通常2〜5mmほどですが、まれに1cmのポリープが発生することもあります。
この子宮頸管ポリープは良性の腫瘍であり、悪化する可能性が低いとされます。自覚症状はほとんどありませんが、運動時や性行為の際に出血が起こる場合があります。
子宮腟部びらん
妊娠超初期に起こる出血の原因として、子宮膣部びらんがあげられます。子宮膣部びらんが発症すると子宮の入り口付近が赤くただれてしまいます。原因はホルモンバランスの変化によるものが多く、月経がある女性であれば誰にでもみられる可能性のある生理的な現象です。そのため危険な病気などではありません。
更年期になると女性ホルモンが少なくなるため、閉経後の女性にはほとんど現れません。なお、子宮腟部びらんの自覚症状はほとんどなく、生理以外の出血や性交時に出血が一部みられることがあります。
妊娠超初期に出血がみられた場合の対処法
ここまで、妊娠超初期に出血が起こる原因について解説しました。続いて出血がみられた場合の対処法をお話します。
妊娠超初期に出血が現れた場合、自身で原因を判断するのは非常に困難です。前項でお話したように、妊娠超初期で発生する出血は着床出血のような生理現象だけでなく、命にかかわる危険な病気も存在します。そのため、まずは出血の状況を正確に確認して受診に備えましょう。自身でチェックするポイントは以下をご参照ください。
- 出血の時期
- 出血の色(赤色、ピンク色など)
- 出血の量(生理と同じ、下着につく程度など)
- 出血の状態(水っぽい、サラサラなど)
自身だけで原因を判断せず、これら出血の状況を医師に伝えて正確な判断をしてもらいましょう。なお、出血や痛みに異常性が感じられた場合はすぐに病院で受診してください。
まとめ
本記事では、妊娠超初期に出血が起こる原因、その場合の対処法について解説しました。
妊娠超初期の出血は必ずしも危険な病気であるとは限りません。受精卵が着床する際に発生する着床出血などの生理現象である可能性もあります。その着床出血を含め、本記事では以下の原因を解説しました。
- 流産
- 切迫流産
- 絨毛膜下血腫
- 子宮外妊娠(異所性妊娠)
- 子宮頸がん
- 胞状奇胎
- 子宮頸管ポリープ
- 子宮腟部びらん
これらはあくまで妊娠超初期に起こる可能性がある症状です。そのため自身の考えだけで判断せず、出血や痛みに違和感があればすぐに病院やクリニックで受診しましょう。
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