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妊娠出産は、女性にとって大切な人生の節目です。現代は仕事でキャリアアップしたい女性も多く、赤ちゃんが欲しいと思いつつも、もう少し仕事を頑張りたいと思っているうちに30代になり、気がつけば40代に突入してしまったという方もいます。
昨今の晩婚化により、不妊症を疑ってクリニックを受診する患者数は増加傾向にあるため、不妊治療を受けることがめずらしくなくなってきました。
不妊治療というと、体外受精や顕微受精のように体外で受精する特別な方法だと思われがちですが、自然妊娠に近いタイミング法や人工授精などの方法もあります。
タイミング法は、男性の精子数や運動率などが正常であることももっとも大切な条件のひとつです。そのため、40代を過ぎたカップルが治療を受けたときの成功率は低く、なかなか妊娠に結びつかないケースが目立ちます。
その点人工授精は、軽度の男性不妊でも女性が自然妊娠可能な状態であれば行えるので、タイミング法からステップアップされるカップルも多い方法です。
この記事では、人工授精の詳しい情報と人工授精で妊娠したい40代がしてはいけない3つのことについてご紹介します。
40代でこれから人工授精治療を検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
人工授精とは
妊娠と年齢の関係は深く、一般的に年齢が上がるにつれて自然妊娠する確率は下がっていきます。
しかし、昔なら年齢的に妊娠できないだろうと諦めていたカップルでも、不妊治療の進歩により妊娠できるケースが増えています。
人工授精は、タイミング法では妊娠できなかったけれど、できるだけ自然に近い状態で妊娠したいカップルにおすすめの治療です。
ここでは、人工授精についての詳しい情報をご紹介します。
人工授精とはどんな治療?
人工授精とは、事前に採取した精液の中から質のよい精子を分離し、排卵のタイミングに合わせて子宮内に人工的に注入する方法です。
人工授精は、精子を子宮内に注入することで移動距離を短縮し、卵管へ到達しやすくするのが目的です。
自然妊娠では、腟内に射精された精子は自力で卵管へと移動しなければいけませんが、人工授精では卵管の入り口付近に精子を注入するため、精子の数や運動性がよくない場合でも卵子にたどり着く精子数が多くなります。
治療を受けたあとは、自然妊娠と同様の過程を経て受精し着床します。そのため、人工授精は自然妊娠に近い状態での妊娠を目指す一般不妊治療のひとつに振り分けられているのです。
不妊治療の3つのステップ
不妊治療クリニックでは、不妊を疑い受診したカップルに対し、徐々に治療法をステップアップさせていく治療計画が行われるケースも多いです。
不妊治療は、大きく分けると3種類の治療法があります。
タイミング法
医師のアドバイスにより、排卵日付近に性行為のタイミングを取る方法です。男性の精子が正常であることが大前提となります。
若い女性だと排卵誘発剤の使用で1周期あたりの妊娠率は4〜8%ほどになりますが、40代に入ると残念ながらあまり効果が期待できなくなります。
人工授精
人工授精はAIHとも呼ばれ、タイミング法の次のステップとして行われる治療です。
この方法での妊娠率は、5〜10%程度だといわれています。ある論文によると、40代以上の人工授精における妊娠率は3〜7%と若干低くなるという結果になっています。
体外、顕微受精
体外、顕微受精は卵巣から採取した卵子に、男性から採取した精子を体外で受精させる方法です。
精子に問題がない場合は、容器の中に入れた卵子に精子を加えて受精を行い、精子の状態がよくない場合は、顕微鏡下で卵子にニードルを刺して精子を注入し受精させます。
体外受精での妊娠率は35歳までで30%程度、40代に入ると途端に下がり10〜18%になります。
一般的に、より自然に妊娠したいカップルはタイミング法や人工授精を行いますが、事前の検査結果やなかなか妊娠にいたらない場合は、体外受精や顕微受精にステップアップするケースが多いです。
人工授精で妊娠するのは何回目の治療が多い?
人工授精の治療を行って妊娠にいたった方の9割は、5回目までに妊娠しています。
一般的に人工授精は6回以上繰り返しても妊娠率が上がらないといわれており、治療期間は約3〜6ヶ月を目安にするケースが多いです。
しかし、これはあくまでも一般的な例であって10回人工授精を行って赤ちゃんを授かった方もいますので、治療をいつまで続けるのかについては、医師やパートナーとよく話し合って決めましょう。
人工授精で妊娠したかを知る方法
人工授精の治療後、妊娠したかどうか気になるのは当然です。
しかし人工授精で妊娠したかを知る方法は、人工授精後14日目に行う妊娠検査のみです。
これより前に自宅で妊娠検査薬を使用して検査する方も多くいますが、検査結果が陰性だった場合かえってストレスになってしまうので、治療を受けたあとは14日間できるだけリラックスして過ごすように心がけましょう。
人工授精で妊娠したい40代がしてはいけない3つのこと
人工授精は、タイミング法では妊娠できなかったが、自然に近い形で妊娠したいと思っている方が行う治療法です。
40代に入ると、自然妊娠できる確率はただでさえグッと下がるもの。人工授精を検討している方は、治療の成功を妨げるようなことは避けるべきです。
ここでは、人工授精で妊娠したい40代がしてはいけない3つのことについて、ご紹介します。
体を冷やさない
人工授精に限らず、妊活中は体を冷やすと妊娠率が下がってしまいます。
これは、妊娠の成立にはホルモンが大きく関わっており、体が冷えることで血流が悪くなってしまうと、卵巣に十分酸素や栄養が届かなくなってしまうためです。
酸素や栄養が届かないと卵巣機能を低下させてしまうため、妊活に悪影響を及ぼしてしまうのです。
お腹はもちろん全身に気を配り、腹巻や厚手の靴下などで体を冷やさないようにしましょう。
夏場に職場などエアコンが効いた室内では、カーディガンを羽織るなどの工夫をするのも大切です。
また、シャワーで済まさずに毎日湯船にしっかりと浸かるようにすると、冷え性を解消できるのでおすすめです。
タバコやお酒などの嗜好品
妊娠後にタバコやお酒などの嗜好品を摂取していると、流産や早産、低出生体重児の可能性が高まることはよく知られている事実ですが、不妊治療にも影響を及ぼす可能性が懸念されています。
とくにタバコは、精子の数や勃起不全のリスクを高めることが報告されているため、妊活や不妊治療を検討されているカップルは控えた方がよいでしょう。
女性にとっても卵母細胞の減少を早め、流産のリスクを高めることが報告されているので、妊娠したい方はすぐに禁煙することをおすすめします。
アルコールについても、不妊リスクを上昇させるという報告もあるので、過度な摂取は避けた方がよさそうです。
ストレスを溜めてはいけない
仕事をしながら人工授精の治療を受けるカップルにとって、ストレスを感じずに生活するのは不可能かもしれません。
しかし、過剰なストレスはホルモンの分泌を阻害するため、妊娠しにくい体になってしまいます。
そもそも妊活や不妊治療は、焦りや周りからの何気ない一言でストレスを感じやすいものです。ストレスを感じると、アルファミラーゼという物質が妊娠確率を下げてしまいます。
男性もストレスが溜まると、精子を作る能力に影響を及ぼしてしまう可能性があるので注意が必要です。
ストレスを溜めないようにするには、適度な運動や趣味などの時間をとるとよいでしょう。ただし激しい運動は、受精の成功を妨げる可能性があるといわれているので、ウォーキングなどの軽い運動を継続して行うのがおすすめです。
まとめ
人工授精の詳しい情報と人工授精で妊娠したい40代がしてはいけない3つのことについてご紹介しました。
妊活は、30代後半を境に時間との戦いになってきますが、現在は芸能人などが高齢出産したニュースをみているため、自分も平気だと思いがちです。
しかし、自然妊娠でも不妊治療でも年齢を重ねるごとに妊娠率は低下しますし、無事出産にいたる確率も低下してしまいます。
そのため、40代で妊娠を望んでいるカップルは、早めに病院を受診して検査を受けてみることが大切です。
医師の診断によっては、タイミング法を飛ばして人工授精を提案されることもあります。
人工授精は、体外受精や顕微受精と比べると妊娠率は低いですが、40歳をすぎるとそこまで大きな差はありません。
費用の面から考えても、まずは人工授精で妊娠を目指すのもよいでしょう。
40代で人工授精を検討している方は、本記事を参考に日頃の生活を見直してみてください。
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