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近年、卵子提供による非配偶者間体外受精は世界的に見ると、不妊治療のひとつの選択肢となりつつあります。一般的に日本で行われている不妊治療はタイミング法からはじまり、人工授精、体外受精や顕微授精へと徐々にステップアップしていきますが、これらの方法はそもそも女性の卵子が妊娠可能である状態でしか効果がありません。
自分の卵子で子どもを授かることができない女性が妊娠出産をするには、第三者から卵子の提供を受け、体外受精を行う以外に方法がありません。
日本でも昨今の晩婚化に伴い、30代後半以降に妊娠を希望するカップルが増加傾向にあるため、不妊治療を受ける方もめずらしくなくなってきており、第三者からの卵子提供を検討するカップルも増えてきています。
しかし、周りに卵子提供を体験している方がおらずなかなか相談先もないという理由で、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、卵子提供を日本で受けるための方法と実際に体験した方のブログをご紹介します。
卵子提供による非配偶者間体外受精に興味のある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
卵子提供を日本で受けるための方法
卵子提供による非配偶者間体外受精は、第三者から提供された卵子と夫の精子を受精させたのち、妻の子宮内に受精卵を移植して妊娠、出産を行います。
そのため代理出産で起こりがちな生まれた子どもの母親が誰かという問題も起こりにくいですが、ひとりの女性が一生のうちに放出する卵子の数には限りがあるうえ、卵子の採取は提供する側である女性の体に負担を強いる行為でもあることから、卵子の収集については現在世界的に議論が起こっています。
実は日本では、体外受精についての法整備がされていません。卵子提供による非配偶者間体外受精は、体外受精の技術なしには不可能です。
では、現在の日本において卵子提供を受けるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、卵子提供を日本で受けるための方法についてご紹介します。
JISART(日本生殖補助医療標準化機関)認定施設で治療を受ける
JISART(ジスアート)は、生殖補助医療を実施している施設によって結成された団体です。
日本に生殖補助医療を行っているクリニックは約600余りありますが、JISARTの認定を受けている施設はそのうちの30施設程度しかありません。
JISART(ジスアート)の卵子提供ガイドラインが適応されれば、卵子提供による非配偶者間体外受精を実施している会員施設にて治療を受けられます。
詳しくは、JISART会員施設における精子・卵子の提供による非配偶者間体外受精実施施設一覧をご覧ください。
卵子バンクでドナーを探す
卵子バンクとは、卵子を収集したのち管理体制の整った施設で適正なアプローチを経て凍結保存し、依頼者のもとへ卵子を出庫するために創られた組織です。
卵子バンクには、第三者へ卵子を提供するドナーの卵子を収集し凍結保存している組織や、妊娠可能な女性が将来のために自分の卵子を採取し、凍結保存しておく組織があります。
第三者へ卵子提供を行っている組織については、ドナーを登録し、卵子提供を求めるカップルや医療機関との仲介を行っているところも含まれます。
日本初の卵子バンク「OD-NET」では、2015年に国内ではじめて第三者からの提供卵子による体外受精が行われ、2017年には第三者が提供した卵子を体外受精させて移植した女性が出産したと発表されました。
OD-NETでは、レシピエント登録を行いドナーとのマッチングが成立すると卵子の提供を受けられます。
ただし、OD-NETはあくまで自分の力で排卵できない女性を対象としていることを知っておく必要があります。
※現在レシピエント登録の受付は停止されているのでご注意ください。
卵子提供を日本で受けない選択も
国内で第三者からの卵子提供が認められるケースは、早発閉経や卵巣摘出などの場合と限られています。
しかし実際に卵子の提供を希望している女性のほとんどは、不妊治療を受けたにもかかわらず妊娠には至らなかった40歳以上の方であるため、海外での卵子提供に希望を見出すカップルが多いのも事実です。
以下は、卵子提供による非配偶者間体外受精が認められている国の例です。
- アメリカ
- マレーシア
- 台湾
- タイ
- 韓国
- ロシア
日本では法的に問題ないものの、体外受精についての法整備がなされていないことや、卵子提供を受けられる条件の厳しさから、なかなか治療を受けることができません。
一方アメリカでは、第三者から卵子の提供を受けて生まれた子どもでも、実子として当たり前に出生届を出すことが可能です。
海外で卵子提供を受けて妊娠し日本に帰国した方々の多くは、その事実を公表せずに普通の妊娠として出産し育児をしていますが、近年ではブログやSNSなどの発達により、自らの体験を不妊に苦しむカップルに知ってもらおうと公表する方も増えています。
実際に卵子提供を受けた方のブログ紹介
卵子提供による非配偶者間体外受精は、自分の卵子で妊娠、出産することが不可能な女性にとって非常に興味深い治療法です。
しかし、日本では法的に問題がないとしても、卵子を提供してもらうと実子といえないのではないかという偏見もあり、なかなか踏み出せない方法でもあります。
そんな方におすすめなのが、実際に卵子提供による非配偶者間体外受精を体験した方のブログです。
ここでは、実際に卵子提供を受けた方のブログをご紹介します。最後に卵子提供者になった方のブログもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
卵子提供を日本で受けた方のブログ
不妊治療8年の間に自己採卵21回を行ったのち、卵子提供でお子さんを授かったpisanchiさんのアラフォー不妊治療記録です。
日本国内で卵子提供を受けており、卵子提供エージェントを決める際にpisanchiさんが面接でどのような質問をしたかなど、国内での卵子提供を希望する方にとっては参考になることが書かれています。
第一子を姉妹からの卵子提供で出産したことや、国内で卵子提供を受ける難しさも語られており、海外での卵子提供とはまた違った苦難や葛藤など、実際に経験をされた方だからこそ感じる点を知ることができます。
国内での卵子提供を検討している方は、ぜひご一読ください。
卵子提供を海外で受けた方のブログ
37歳で結婚しすぐに不妊治療をはじめて約9年のnami-273さんが、卵子提供に特化して投稿しているブログです。
nami-273さんが台湾で治療を受けると決めた理由や、費用の話など海外での卵子提供を検討している方にとって気になることがたくさん書かれています。
現在コロナ禍で台湾への渡航ができない状況にある中で、なかなか卵子提供を受けられずにいるnami-273さんの不安な気持ちなども感じられるため、不妊治療でお悩みの方は共感できる部分もあるのではないでしょうか。
海外での卵子提供を検討されている方は、ぜひnami-273さんのブログを読んでみてください。
卵子提供者になった方のブログ
卵子提供者(エッグドナー)になったERIKA emusicaさんの体験記です。
卵子提供についてだけ書かれているブログではないですが、卵子提供者になることを決めた心境や自身の考え、卵子提供までの過程などが赤裸々に綴られているため、どのようにして卵子提供がされているかを知ることができます。
自身をファンタ並みに弾けた女だと自称するERIKA emusicaさんが体験した、リアルな卵子提供に興味のある方はぜひ読んでみてください。
まとめ
卵子提供を日本で受けるための方法と実際に体験した方のブログをご紹介しました。
日本は、既婚女性の6人に1人の割合で不妊治療を受けているといわれる不妊治療大国です。大きな都市では不妊治療の専門クリニックなどの看板も目につきますが、現在日本で行われている通常の不妊治療は段階的に行われるものである上に、体外受精による出生率はかなり低いのが現状です。
自分の卵子で子どもを授かることができない女性にとって、卵子提供は養子縁組以外で最後の希望となる治療法ですが、法整備が行われていないこともあり、国内で卵子提供を受けることは難しい状況にあります。
しかしブログを読むとわかるように、卵子提供の道へ一歩踏み出し結果無事に子どもを授かった方もいることは、卵子提供を受けるか悩んでいる方の背中を押すきっかけにもなるのではないでしょうか。
国内の卵子提供については症例数の少なさに伴って情報があまりないため、なかなか有益な情報は出てこないとお悩みの方も多いですが、今回ご紹介したブログを参考にして、卵子提供についてカップルでよく話し合ってみてくださいね。
東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。