目次
つわりは50~80%の妊婦さんが経験するつらい症状ですが、なかにはつわりを感じずに妊娠期間を終える方もいらっしゃいます。
「つわりがないと赤ちゃんに影響があるの?」「つわりがないから妊娠が継続しているか不安」という声もよく聞きますが、つわりがあるから赤ちゃんが順調に成長しているということでもないため、心配することはありません。
しかし、最初はあったつわりが急になくなったようなときは、注意が必要なケースもあります。
この記事では、つわりがない場合の対応とつわりの原因や症状について詳しくご紹介します。
つわりがないことを心配している妊婦さんは、ぜひ参考にしてみてください。
つわりがない場合の対応
つわりがない場合は、最初からつわりがない場合と急につわりがなくなった場合で対応方法が変わってきます。
まずは、つわりがない場合の対応をご紹介します。
最初からつわりがない場合
冒頭でもご紹介した通り、つわりは50~80%の妊婦さんが経験するとされていため、残りの20~50%の妊婦さんはつわりを経験しないということになります。
主に消化器系の不快な症状をつわりといい、妊娠5~6週頃からはじまり、妊娠12~16週頃に症状が落ち着いていきます。
最初からこの時期につわりを感じなかったという方は、とくに心配することはありません。
妊婦検診でしっかり赤ちゃんが育っていることを確認できれば、つわりがないからといって特別な治療が必要なわけでもありません。
そのため、つわりがないことをあまり気にしすぎないようにしましょう。
ママの心配事はストレスを感じることにつながり、赤ちゃんへの悪影響も心配されます。つわりがなくてよかったという気持ちで過ごすようにしましょう。
急につわりがなくなった場合
妊娠初期にあったつわりが急になくなったと感じても、赤ちゃんの成長に問題ないケースがほとんどですが、稀に化学流産や流産の可能性もあるため、注意が必要な場合もあります。
化学流産とは、妊娠超初期に受精卵が着床したころ、早い段階で起こる流産で、流産の数としてはカウントされませんが、初期につわりを感じているケースもあり突然つわりがなくなります。
妊娠初期につわりがなくなって流産してしまった場合は、不正出血や下腹部痛も同時に起こります。多少の出血は妊娠期間中に起こる可能性もありますが、症状がひどく続いているときは産婦人科を受診しましょう。
一方で、前述したように、妊娠12~16週頃につわりは落ち着くため、そのころに急につわりがなくなったとしても心配いらないケースがほとんどです。しかし、心配で眠れないなど、不安な方は産婦人科を受診するとよいでしょう。
つわりの原因や症状
つわりは経験しない方もいて、なぜつわりがない方がいるのかも明らかになっていませんが、つわりの原因はある程度推測されています。
ここからは、つわりの原因や症状をご紹介します。
つわりの原因
つわりの原因は正確にはわからないとされていますが、以下のような原因がつわりを引き起こしているのではないかと考えられています。
- 胎盤から分泌されるhCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が脳の嘔吐中枢を刺激している
- プロゲステロン(黄体ホルモン)が増加するため、体内にガスがたまりやすくなる
- 妊娠したことによる環境の変化などへのストレスで自律神経が乱れる
hCGホルモンは、妊娠して着床すると分泌されるホルモンで、妊娠10週頃にピークを迎えその後は徐々に減少していきます。
このhCGホルモンが分泌される時期とつわりの時期が重なっていることから、hCGホルモンが脳の嘔吐中枢を刺激しているのではないかと考えられています。
さらに、プロゲステロンも妊娠することによって分泌されるホルモンの一つですが、プロゲステロンの分泌が高まると筋肉が緩み、消化活動が低下することによって消化器にガスがたまり、つわりを引き起こすともいわれています。
他にも、妊娠したことによるストレスもつわりに関係しているとされていて、このようにさまざまな原因がつわりを引き起こすと考えられています。
つわりの症状
つわりの症状は吐き気を催すだけではなく、他にも食べていないと気持ち悪くなってしまったり、眠くてどこでも寝てしまったりと、人によってさまざまです。
つわりはひどくなると妊娠悪阻(にんしんおそ)と呼ばれ、点滴や入院が必要になるケースもあります。
以下の症状が出たら妊娠悪阻と診断されます。
- 強い吐き気によって食事がとれない
- 体重が5~10%減少した
- 尿の量が減り、トイレに行かなくなった
- 脱水症状を起こしている
- ケトン体が検出された
このうち1つでも当てはまる場合は、妊娠悪阻と診断されます。日常生活に支障をきたすほどつわりがつらい状態になると、点滴治療が行われます。
つわりに気がついていないケースも
つわりにはさまざまな種類があるため、つわりがないと感じている方は、つわりに気がついていないことも考えられます。
以下のようなケースでは、つわりに気がつかないことがあります。
- 眠い時にいつでも眠れる環境にある
- 妊娠前もかわらず食べたいときに食べていた
- 食の好みが変わった程度で気がつかない
- つわりに対するイメージが吐きづわりだけで他のことに気がついていない
このように、妊娠前も眠いときは寝て、食べたいときは食べるという生活をしていたという方は、今までの生活とあまりかわらないことからつわりに気がつかないこともあります。
さらに、上記でご紹介したようにつわりにはさまざまな種類があり、よくドラマで見るような吐き気を催すものだけがつわりというわけではありません。
そのため、食の好みが変わった、苦手なにおいがあるなどのつわりの症状がでていても、つわりだと気がつかずに妊娠期間を終え、出産後に「よく考えたらあれはつわりだったのかも」と感じる方もいます。
つわりがない方の特徴
つわりの原因や、つわりがなぜない方がいるのかは解明されていませんが、つわりがない方はホルモンの変化や環境の変化に順応できる方といえます。
つわりの原因の一つとされているhCGホルモンは、妊娠初期に数値が低いと流産の可能性が高いため、hCGホルモンの数値が低いからつわりがないとも考えにくいのです。
そのため、hCGホルモンやプロゲステロンの増加、ストレスに強い体質の方がつわりを感じないという可能性があります。
しかし、つわりは症状がつらいときには、改善させるために必要な日常生活での注意点などを医師から指導されますが、症状がなければ「よかった」と判断されるため、結局なぜつわりがないのかということは解明されていないのです。
つわりがなくても妊娠している意識で行動することが重要
つわりがない妊婦さんは、妊娠前に比べて体調の変化がみられないことから、普段と同じ行動をしてしまいがちです。
しかし、つわりがなくても妊娠しているという意識をもち、以下のことに注意しましょう。
- たばこやお酒はやめる
- 激しい運動は避ける
- 市販薬を服用しない
- 感染対策をする
- 人ごみを避ける
- ストレスを溜めない
妊娠したことがわかったら、即たばこやお酒はやめて、薬は医師が指示したもののみ服用するようにしましょう。
妊娠初期は赤ちゃんの各器官がつくられる大事な時期です。たばこやお酒は直接赤ちゃんに届いてしまうため、妊娠が判明したらすぐにやめることをおすすめします。
さらに、人ごみに行くようなことも避け、電車やバスに乗るときにはしっかり感染対策をするようにしましょう。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、感染対策は妊婦さん以外でも当たり前に行っていることですが、風邪やインフルエンザへの感染も避けたい妊婦さんの場合は、より一層の感染対策を行う必要があります。
ストレスは血流を停滞させ、赤ちゃんへ栄養が送られなくなってしまいます。妊娠中のストレスはできる限り取り除き、ゆったりした気持ちで過ごせるようにしましょう。
まとめ
つわりがないと「本当に妊娠している?」「赤ちゃんは無事に育っている?」と心配になってしまいますが、つわりがないことは赤ちゃんの成長とは無関係なので、気にしすぎないようにしましょう。
周りから「つわりがなくて大丈夫?」と聞かれることもあるかもしれませんが、つわりがないから赤ちゃんに影響があるという医学的根拠はないため、問題ありません。
しかし、つわりがないことによって妊婦だという自覚も失ってしまうのは危険です。
記事内でご紹介したような内容にはとくに気をつけ、赤ちゃんがおなかの中で育っていることを妊婦検診で確認するようにしましょう。
つわりがないと心配している妊婦さんは、ぜひ参考にしてみてください。
東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設であり、たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から受けられる赤ちゃんの健康診断である「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、是非、お気軽にご相談ください。妊娠初期からの出生前診断を受ける医療機関にお悩みの方は、知識・経験・実績とも「第三者から認証されている」臨床遺伝専門医が診療している「ミネルバクリニック」まで是非、ご相談ください。