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葉酸を含む食べ物とは?妊娠期1日の必要量や注意点

葉酸はビタミンB群に含まれており、私たちが生きていく上で欠かせない栄養素の一つです。
ただ、葉酸と聞いてもどのような食べ物に含まれているのかピンとこない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は葉酸が含まれる食べ物や必要摂取量、妊娠中・妊活中に葉酸を摂るべきなのかなどを紹介します。
葉酸が多く含まれる食べ物を知って、日々の食事に葉酸を取り入れていきましょう。

葉酸はどのような栄養素?

葉酸はビタミンB群に分類される水溶性ビタミンで、元々はほうれん草から発見されました。
ただ、ほうれん草などの野菜にしか含まれていない栄養素ではなく、動物性食品にも葉酸が含まれている食品はあります。

葉酸が体にもたらす効果

葉酸が含まれる食べ物や必要な摂取量を詳しく紹介

葉酸は妊娠中・妊活中の人から注目を集める栄養素ですが、男性でも女性でも年齢に関わらず積極的に摂取したい栄養素です。
葉酸には赤血球の生成をサポートする働きがあり、葉酸が不足すると貧血になってしまいます。

また、代謝を活発にする効果もあるため、美肌や美しい髪を維持するためにも欠かせません。
代謝を促してくれるので、疲労を回復しやすい体づくりもできます。

その他、狭心症や心筋梗塞、動脈硬化などの循環器系の病気を予防する効果、うつ病予防効果、認知症予防効果もある栄養素です。

そして葉酸は核酸の合成を促す効果もあります。
核酸とはDNARNAのことで、葉酸が核酸の生成を促してくれると、細胞の生成がスムーズに行われるため、胎児にいい影響があります。

葉酸不足で起きてしまう症状

葉酸不足で起きてしまう病気が葉酸欠乏症です。

葉酸欠乏症になると貧血が引き起こされて、めまいや動悸、息切れが起きたり、疲労を感じやすくなってしまうでしょう。
また、葉酸欠乏症が悪化すると、うつや認知症を発症したり、下痢や味覚の低下が引き起こされたりしてしまうこともあります。

妊娠中に葉酸欠乏症になると、胎児に脊髄や脳の異常が起きてしまう危険性が高まるため注意が必要です。

葉酸が多く含まれる食べ物

老若男女問わず必要な栄養素である葉酸。
葉酸はどのような食品に多く含まれているのでしょうか。

葉酸が多く含まれる野菜類・果物類・肉類・魚類などを紹介します。

野菜類

葉酸が多く含まれる野菜は以下のとおりです。

食品 100gあたりに含まれる葉酸
枝豆(ゆで) 260µg
芽キャベツ(ゆで) 220µg
アスパラガス(ゆで) 180µg
ブロッコリー(ゆで) 120µg
ほうれん草(ゆで) 110µg

野菜類には葉酸が含まれる食品がたくさんあり、菜の花・ニンニクの芽・オクラ・モロヘイヤなどにも含まれています。
枝豆やアスパラガス、ブロッコリー、ほうれん草などは普段の食事にも取り入れやすいでしょう。

果物類

葉酸が多く含まれる果物類は以下のとおりです。

食品 100gあたりに含まれる葉酸
ライチ 100µg
イチゴ 90µg
アボカド 83µg

他の食品群に比べると100gあたりの含有量はそれほど多くありませんが、果物にも葉酸が含まれる食品はあります。
ライチやイチゴをデザート代わりに取り入れてみるのもおすすめです。

肉類

葉酸が多く含まれる肉類は以下のとおりです。

食品 100gあたりに含まれる葉酸
鶏レバー(生) 1300µg
牛レバー(生) 1000µg
豚レバー(生) 810µg
卵黄(ゆで) 140µg

レバーには豊富な葉酸が含まれています。
ただし、レバーを食べすぎると過剰摂取になる可能性が高いので注意しましょう。

卵黄は葉酸を多く含みますが、食べすぎると飽和脂肪酸の過剰摂取につながってしまいます。

魚類

葉酸が多く含まれる魚類は以下のとおりです。

食品 100gあたりに含まれる葉酸
うなぎの肝 380µg
ウニ 360µg
すじこ 160µg
ホタテ 87µg

なかなかうなぎの肝を日常的に食べるのは難しいかもしれませんが、ミネラルなども豊富なので機会があれば積極的に食べましょう。
魚類で葉酸を含む食品の中では、ホタテが普段の食事に取り入れやすいです。

その他

他にも葉酸が多く含まれているものがあります。

食品 100gあたりに含まれる葉酸
焼き海苔 1900µg
抹茶 1200µg
素干しワカメ 440µg
青のり 270µg

焼き海苔には豊富な葉酸が含まれますが、ご飯のお供や料理のアクセントに取り入れてみましょう。
抹茶の葉酸含有量は高いですが、カフェインが多いため妊娠中には控えるようにしてください。

葉酸の必要摂取量

葉酸の必要摂取量は、18歳以上の男女で1日あたり240µgと言われています。

ただし、妊活中の女性や妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の女性は通常の640µg、妊娠中期・後期の女性は480µg摂取するのが望ましいです。
また産後で授乳している間は、340µgの葉酸摂取が好ましいと言われています。

葉酸を摂りすぎるとどうなる?

食事のバランスが取れている人であれば、葉酸を過剰摂取しても健康への心配はありません。
しかし、ビタミンB12を十分に摂取できていない人が葉酸を摂りすぎると、ビタミンB12欠乏症による症状が隠れて、重大な病気の発見が遅れてしまう可能性があります。

また、妊娠中の場合に葉酸を摂りすぎている人がビタミンB12欠乏症になると、貧血になっているかどうかが見極めにくいです。
貧血に気付かないままでいると、赤ちゃんに必要な酸素が届けられなくなったり、切迫早産の危険性が出たりしてしまいます。

そのため、男女ともに一日の葉酸の摂取量上限は以下のとおり定められています。

  • ・18~29歳:900µg
  • ・30~64歳:1000µg
  • ・65歳以上:900µg

葉酸は必要不可欠な栄養素ですが、必ず摂取量上限を守るようにしましょう。

葉酸は妊娠中・妊活中に取るべき?

先進国で行われた調査では、妊娠初期に葉酸不足になると、先天異常である神経管閉鎖障害を発症しやすいということが分かりました。
また、その他の先天性異常も妊娠7〜10週未満に起きやすいことも分かっています。

その結果を踏まえて、日本でも厚生労働省が妊活中から妊娠初期の葉酸摂取を推奨しています。

先天性異常を予防するためには、妊娠初期の状態で十分に葉酸が体内になければいけません。
そのため、妊娠した女性だけでなく、妊活中の女性が葉酸を摂取することは非常に重要です。

妊娠に気づいてから葉酸摂取を始めても、必要な葉酸濃度に満たない可能性があります。

また、妊娠後期になると貧血を引き起こしてしまう妊婦さんは多いです。
赤血球の生成を促進する葉酸は、貧血予防にも効果があります。

妊娠中に貧血を起こさず、トラブルなく出産するためにも葉酸を摂取して貧血予防をしましょう。

必要な葉酸を食事だけで摂取することは難しい

葉酸が多く含まれる食品はありますが、葉酸は加熱したり水洗いしたりすると分解されてしまいやすく、食事だけで必要な葉酸を摂取することは難しいです。
また、食事で摂取した葉酸のうち、体内で利用されるのは半分程度と言われています。

食事だけで必要な葉酸量をキープすることは難しいため、サプリを取り入れて効率よく摂取するのがおすすめです。

【まとめ】葉酸は食事とサプリで効率よく摂取しよう

葉酸は私たちが健康に生きていくために欠かせない栄養素ですが、特に妊活中や妊娠中は厚生労働省が推奨しているほど重要な栄養素です。

葉酸が多く含まれる食事を把握しておき、日頃の食事に取り入れてみてください。
ただし、妊活中から妊娠初期に必要な葉酸量を食事だけで摂取することは難しいので、食事とサプリを組み合わせて効率よく葉酸を摂取しましょう。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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