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NIPT(新型出生前診断)は、妊娠初期に赤ちゃんの染色体異常を調べるスクリーニング検査です。特に双子を妊娠した場合、それぞれの赤ちゃんの健康状態を知ることは、非常に重要な意味を持ちます。
本記事では、初めての妊娠で二卵性双生児を授かったAさんが、NIPTで陽性結果を受け、羊水検査を経て双子のうち1人がダウン症と確定したものの、その後の医療機関の対応に苦しんだ体験をお伝えします。
初めての妊娠—二卵性双生児とNIPTの受検
Aさんは東北地方の日本医学会認証施設(基幹施設)で、初めての妊娠時にNIPTを受けました。
妊娠初期のエコー検査で、二卵性双生児であることが判明。双子の妊娠はリスクが伴うため、慎重に経過を見守ることになりました。
そして、NIPTを受検。数日後、「陽性」という結果が届きました。
陽性結果—羊水検査で確定診断へ
Aさんは、すぐに遺伝専門医のもとで詳しい説明を受け、羊水検査を受けることを決意しました。
羊水検査の結果、双子のうち1人がダウン症(トリソミー21)であることが確定。もう1人の赤ちゃんは正常でした。
確定診断を受けたAさん夫婦は、深く悩みました。どんな選択をするにせよ、慎重に考える必要がありました。
「中絶はダメ」—医師の一方的な価値観の押し付け
そんな中、遺伝専門医BはAさんにこう言いました。
「僕はね、中絶はダメなことだと思っているので、この病院では中絶をすることは出来ない。」
この言葉にAさんは衝撃を受けました。
日本医学会の施設認定基準では、基幹施設は「妊婦の希望による妊娠中断の可否の判断及び処置を自施設において行うことが可能であること」と定められています。
しかし、Aさんの担当医は、自身の倫理観を理由に、中絶を一切認めないという対応を取りました。
これは、患者の選択肢を狭め、精神的に追い詰める「医療者の価値観の押し付け」にほかなりません。
300km離れた病院へ—Aさんの決断
Aさんは、医師の対応に涙しながら、ネットで必死に中絶を受け入れてくれる病院を探しました。
そして、ようやく見つけたのは、300km以上離れた関東の病院でした。
「どうして、こんなにも遠くまで行かないといけないの?」
認証施設でありながら、適切な対応が受けられないことに、Aさんは憤りを感じました。しかし、他に選択肢はなく、Aさんは遠方の病院で手術を受けることになりました。
日本医学会の基幹施設の基準とは?
日本医学会が定める基幹施設の要件には、次のように記載されています。
基幹施設は、妊婦の希望による妊娠中断の可否の判断及び処置を自施設において行うことが可能であり、現に行っていること。
つまり、認証施設であるならば、NIPT陽性の妊婦に対して適切な遺伝カウンセリングを提供し、妊婦自身が納得できる選択をサポートする義務があるのです。
しかし、Aさんの担当医は、それを放棄し、個人の価値観を押し付ける形でAさんを追い詰めました。
2回目のNIPT—別の施設で受検
この経験から、Aさんは「次は絶対に認証施設には行かない!」と決意しました。
そして、2回目の妊娠では、遺伝専門医が在籍し、検査後のサポート体制が整ったミネルバクリニックでNIPTを受検。
結果は「陰性」。
ようやく安心して妊娠生活を送ることができました。
まとめ—NIPT陽性後の対応こそ重要
今回のAさんのケースから、以下のことがわかります。
- **NIPT陽性後の対応**は、施設によって大きく異なる。
- **基幹施設でも適切な対応が受けられるとは限らない**。
- **医師の個人的な価値観によって選択肢が狭められるケースがある**。
- **NIPTを受ける際は、検査後のフォロー体制まで確認することが重要**。
NIPTは、単なる検査ではなく、**結果を受け取った後のサポートが最も重要**です。
ミネルバクリニックでは、「検査を受けるだけで終わらない」、適切な遺伝カウンセリングとサポートを提供しています。
「どこでNIPTを受けるか?」——この選択が、妊婦さんの未来を大きく左右することを知っていただければ幸いです。

ミネルバクリニックでは、NIPT検査を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度、かつ、ご希望に合わせてたくさんの疾患検査を提供してくれる確かな技術力のある検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。