目次
クアトロテスト陽性=ダウン症?確率の正しい見方と羊水検査へ進む前の「次世代NIPT」という選択【臨床遺伝専門医監修】
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陽性の本当の意味 → 「1/50」という結果でも、裏を返せば49人(98%)は陰性です。クアトロテスト特有の「確率」の読み解き方を解説します。 -
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タイムリミットの壁 → クアトロは16週〜。NIPTの結果待ちを含めると21週の期限に間に合うのか?院内羊水検査による「3日」のスピード判定という解決策。 -
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ミネルバ独自の検査精度 → なぜNIPTに2週間かけるのか?それは世界最高精度の検査機関を厳選しているからです。 -
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トリプルリスクヘッジ → 陽性時の羊水検査費全額カバー(上限なし)や、院内確定検査など、当院だけの安心システムについて。
1. クアトロテスト「陽性」の本当の意味を理解する
病院でクアトロテストの結果用紙を受け取り、「陽性」や「SCREEN POSITIVE」という文字、そして「1/295」より高い確率(例:1/50、1/100など)を見て、頭が真っ白になっているかもしれません。しかし、まずは落ち着いて深呼吸をしてください。クアトロテストの「陽性」は、赤ちゃんの異常が確定したという意味ではありません。
💡 用語解説:スクリーニング検査とは?
クアトロテストは「確率検査(スクリーニング)」です。集団の中から「可能性が高い人」を拾い上げるための検査であり、病気を診断するものではありません。天気予報の「降水確率」に近いイメージで捉えてください。
確率は「逆」から読んでみる
例えば、結果が「1/50」だったとします。これは「あなたと同じ条件の妊婦さんが50人いたら、そのうち1人はダウン症の赤ちゃんを妊娠している」という意味です。非常に高い確率に見えるかもしれませんが、逆の視点を持ってみましょう。
- ❌ 不安な視点:50人に1人(2%)が陽性
- ⭕ 冷静な視点:50人のうち49人(98%)は陰性
実際、クアトロテストで陽性と判定された人のうち、羊水検査(確定診断)を行って本当に染色体異常が見つかるのはわずか2〜3%程度と言われています。つまり、陽性判定の90%以上は「偽陽性(赤ちゃんは正常)」なのです。
【参考】そもそも、なぜクアトロではなくNIPTなのか?
今回のような「偽陽性によるパニック」を避けるために、現代の遺伝医学では、クアトロテストよりも最初からNIPT(新型出生前診断)を受けることが推奨される傾向にあります。
| 比較項目 | クアトロテスト(母体血清マーカー) | NIPT(新型出生前診断) |
|---|---|---|
| 感度(発見率) | 約 80% (20%は見逃される可能性) |
99%以上 (ほぼ確実に見つかる) |
| 偽陽性率 | 約 5% (正常なのに陽性と出る人が多い) |
0.1%未満 (ぬか喜びや無駄な不安が少ない) |
| 検査時期 | 15〜16週以降 (結果が出るのが遅い) |
10週以降(当院は6週〜) (早期に安心できる) |
価格面ではクアトロが安価ですが、「精度の低さ」と「結果が出る遅さ」が最大のネックです。もし今後、あなたのご友人や、あなた自身の次の妊娠の機会があれば、「無駄な不安を避けるための投資」として、最初からNIPTを選択することを強くお勧めします。
2. 羊水検査に進む前に知っておくべきリスクと選択
クアトロテスト陽性の後、医師から「次は羊水検査ですね」と淡々と案内されることが一般的です。しかし、羊水検査には無視できないリスクがあります。
⚠ 羊水検査の流産リスク
お腹に針を刺して羊水を採取するため、約1/300(0.3%)の確率で流産・破水のリスクがあります。「赤ちゃんが正常だったのに、検査のせいで流産してしまった」という事態は、何としても避けたいものです。
💡 NIPTという「第3の選択」
そこで、いきなり羊水検査に進むのではなく、採血だけで流産リスクゼロの「高精度NIPT」を挟むという選択肢があります。NIPTで陰性であれば、危険な羊水検査を回避できます。
【重要】16週からのタイムリミットとミネルバの解決策
クアトロテストは通常16週頃から行われるため、結果が出るのは17週前後になります。ここからNIPTを受けると、「中絶可能な21週6日までに間に合うのか?」という不安が生じます。
ミネルバクリニックのNIPTは、結果が出るまでに約2週間のお時間をいただいています。これには明確な理由があります。
❓ なぜミネルバのNIPTは2週間かかるのか?
それは、「何よりも正確性を最優先しているから」です。早く結果が出ても、精度が低くては見落とし(偽陰性)のリスクが高まります。当院では、世界中の検査会社の中から最も厳格で信頼できる米国の検査機関を選定し、検体を送っています。一生を左右する検査だからこそ、私たちは「早さ」よりも「確実さ」を選びました。
「じゃあ、時間が足りないのでは?」
➡ いいえ、大丈夫です。そのために「院内羊水検査のスピード判定」があります。
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17週: クアトロ陽性判明 ➡ すぐにミネルバでNIPT受検
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19週: NIPT結果判明(2週間後)。
もし陰性なら終了。もし陽性なら… ➡ その場ですぐに院内羊水検査へ -
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19週後半: 最短3日程度で主要トリソミー(13,18,21番)の確定結果が出ます。
ミネルバクリニックでは、2025年より院内で羊水検査を実施できる体制を整え、主要な疾患であれば数日で結果をお返しできるように努めています。これにより、NIPTに2週間かけても、最終的な判断は余裕を持って20週頃には完了します。「検査は慎重に、確定診断は最速で」というのが、ミネルバクリニックの戦略です。
3. 「確率」から「確定」に近づくための次世代NIPT
ミネルバクリニックが提供する「ダイヤモンドプラン」は、単なるダウン症検査ではありません。米国の4大遺伝子検査会社の一角による最新技術「COATE法」を採用した、第3世代のさらに先を行く次世代NIPTです。
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① 微細欠失症候群の陽性的中率 >99.9%:
従来のNIPTでは陽性的中率が70%台と低かった「微細欠失(染色体の微細な欠け)」ですが、COATE法の導入により99.9%以上という画期的な精度を実現しました。12か所13疾患を網羅します。 -
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② 症候性自閉症リスク(56遺伝子)をカバー:
父親の加齢とともにリスクが増える「新生突然変異(デノボ変異)」を検査します。対象の56遺伝子には、重篤な身体的特徴や合併症を伴う【重い】症候性自閉症の原因遺伝子が多く含まれています。これも陽性的中率は99.9%以上です。 -
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③ 基本トリソミー+15/16/22番も測定:
13, 18, 21番に加え、流産リスクに関連する15, 16, 22番染色体のトリソミーも測定可能です。
(図:父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)
4. ミネルバクリニック独自の「トリプルリスクヘッジ」
当院は、日本で初めて臨床遺伝専門医が開業した遺伝子検査専門クリニックとして、検査を提供するだけでなく、その後の妊婦さんの人生を支えるための万全の体制を整えています。それが「トリプルリスクヘッジ」です。
① 金銭的リスクヘッジ(互助会)
検査時に「互助会」へご入会(会費8,000円・非課税)いただくことで、万が一陽性判定が出た場合の確定検査(羊水検査)費用を、上限なしで当院が全額負担します。「15万円まで」といった制限はありません。経済的な心配をせずに、必要な次のステップへ進めます。
② 時間的リスクヘッジ(院内完結)
2025年6月より産婦人科を併設し、陽性時の確定検査(羊水検査・絨毛検査)を自院で実施可能になりました。他院へ紹介状を持って予約を取り直す手間やたらい回しを防ぎます。万が一NIPTが陽性でも、すぐに院内で羊水検査を行い、主要な結果は最短3日程度でお返しできるため、迅速な判断が可能です。
③ 心理的リスクヘッジ(専門医サポート)
臨床遺伝専門医である院長が、検査前から検査後の陽性告知、その後のフォローまで一貫して担当します。転院不要でいつもの先生に相談できる環境は、精神的な負担を大きく軽減します。
【NEW】再検査で流産してしまった場合の全額返金保証
胎児分画(血液中の赤ちゃんのDNA量)が不足して検査結果が出ず、再検査が必要になるケースが稀にあります。しかし、再検査の結果が出る前に不幸にも流産されてしまい、検体が提出できなくなることがあります。
ミネルバクリニックでは、2025年1月より、このようなケース(再検査が必要なのに流産で検体提出不可)において、診断書をご提出いただければ検査代金を全額返金する安心システムを導入しました。流産が多い時期の患者様の心と財布に寄り添う、当院だけの取り組みです。
妊娠6週からの早期NIPTと中期中絶回避
当院では、妊娠6週からの早期NIPTを臨床研究として実施しています。一般的なNIPT(10週〜)の場合、結果が出て羊水検査をする頃には妊娠中期に入り、万が一の際の中絶手術が身体的・精神的に負担の大きい「中期中絶」になってしまいます。早期に検査を行うことで、このトラウマとなる中期中絶を回避し、女性の心身を守るための選択肢を提供しています。
5. まとめ:臨床遺伝専門医より
クアトロテストの結果を見て、眠れない夜を過ごされているかもしれません。「確率」という曖昧な数字は、時に人の心を必要以上に追い詰めます。
しかし、あなたにはまだ選択肢があります。流産のリスクを冒して羊水検査へ進む前に、精度99.9%以上の次世代NIPTで、より確実な情報を安全に手に入れることができます。ミネルバクリニックは、日本で唯一の臨床遺伝専門医が開業した非認証施設として、厳しい基準で世界中から選んだ最高精度の検査と、互助会や院内確定検査などの万全のサポート体制で、あなたと赤ちゃんを守ります。
一人で悩まず、まずは私たちにご相談ください。
よくある質問(FAQ)
🏥 臨床遺伝専門医へのご相談
クアトロテスト陽性の結果に動揺されている方、より精度の高い検査をご検討の方は、ミネルバクリニックへご相談ください。
あなたの不安を安心に変えるお手伝いをいたします。
参考文献
- [1] American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Practice Bulletin No. 226: Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. 2020. [PubMed]
- [2] Benn P, et al. Position statement from the Chromosome Abnormality Screening Committee on behalf of the Board of the International Society for Prenatal Diagnosis. Prenat Diagn. 2015. [PubMed]
- [3] Kong A, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012. [PubMed]
- [4] 日本産科婦人科学会 (JSOG). 出生前検査認証制度等運営委員会. [JSOG]

