目次
NIPTの費用は海外ではどうなっているのか
NIPTの費用は何が規定しているのでしょうか?
検査プロバイダーのNIPT受託サービスにかかる原価に含まれるもの
1.専用採血管
2.検体輸送
3.分析・評価、報告書の作成
4.販促費
などが含まれると考えられます。
NIPTが他の出生前診断のための検査と比較して高コストになる理由
他の出生前検査と比較して高コストとなる理由は、ずばり、分析・評価のプロセスにかかる費用が大きな原因を占めています。
例えば、イルミナのVeriseq2を導入しようとすると2億円弱の初期投資が必要となるでしょう。
世界一の包括的NIPT検査を提供している第3世代のスーパーNIPTを検査可能な設備投資の初期費用は実に5億円です。
海外の世界的NIPTアンケート調査結果から
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5065727/
こちらの研究論文からみていきましょう。
NIPTの費用として妊婦さん本人の負担額としては、13トリソミー・18トリソミー・21トリソミーの基本検査だけで、大体米ドルに換算して350ドル~2900ドルの幅があり、平均では874ドルと報告されています。
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4303457/
こちらの研究報告では13トリソミー・18トリソミー・21トリソミーの基本検査だけで、ヨーロッパの国々では631ユーロから858ユーロ、アメリカでは795ドルから3000ドルと報告されています。
アメリカ国内での費用負担のばらつきの原因とは?
アメリカという同じ国内でも費用負担に差があるのはなぜでしょうか?
検査項目や検査会社の違いではありません。
これらの研究報告が出た頃は、まだ微小欠失症候群などへの拡張はなされていませんでした。
したがって、これらの研究報告の対象ははあくまでも13トリソミー・18トリソミー・21トリソミーという基本検査の費用に限られています。
なのにどうしてこんなにNIPTの費用に幅があるのでしょうか?
これは、アメリカでは保険は聞くのですが、妊婦さんが加入している医療保険により償還する費用に違いがあるからです。
アメリカでは同じ検査会社の同じメニューでも保険会社により償還価格が異なっています。
NIPTの流通経費による費用への影響
NIPTでは試料(サンプル)である妊婦さんの末梢血を検査提供会社(プロバイダー)まで運ぶ輸送網が必須となります。
検査所から医療機関への検査結果の報告は、郵送ではなくインターネット報告でなされるのが今風ですが、安全性を担保するため、海外の検査会社では医療機関ごとに専用のポータルサイトを提供しており、こうしたインターネットによるページ閲覧システムの開発や、センシティブな個人情報を含むサイトとなるため外部からの攻撃にたえられるように設計せねばならず、そのための保守費用などにシステム開発や実際に保守する人出も必要ですので、そうした専門的技術をもった人材の採用などの経費も大きくかかることになります。こうしたインフラの整備、人員の整備もNIPTを検査会社が提供する費用に反映されています。
そして検査会社でNIPT受託が可能な状態になったとしても、妊婦さんと検査会社ダーの間には必ず医療者が存在し医療の一環として行われるため、 こうした人的・設備的経費もNIPTの費用に加味されることとなるでしょう。
NIPTの広告経費による費用への影響
国によっては一般に向けた医療の広告・宣伝活動が制限されていますが、妊婦さんがNIPTについて知る機会はたくさんあります。
検査会社は、説明資料を電磁的に一般向け、医療従事者向けにそれぞれ作ったり、複数の言語に対応したりしています。わが国ではみなさまご存じの通り広告も可能であるため、たくさんのクリニックの広告が出てくることでしょう。
たとえば NIPT 東京 というキーワードのクリック単価は3000円程度で、広告費は高騰していると想像できます。こうした広告費用もまた、NIPTの費用に加味されることとなります。
NIPT・新型出生前診断(新型出生前検査)関連記事|NIPTとその費用
NIPTは医療費控除の対象?初検査で知っておきたい5つのポイント
NIPTの費用は医療費控除できるのか?