目次
NIPTの費用相場は?
料金の仕組みと「33,000円分」のカウンセリング価値【専門医解説】
Q. NIPTは安いクリニックで受けても同じですか?
A. いいえ、全く違います。
「検査手法(精度)」と「医師のサポート体制」に決定的な差があります。
多くの施設で使われる汎用キット(Veriseq2など)には「微細欠失症候群の検出ができない(7Mb以上の大きな欠失しか分からない)」という決定的な弱点がありますが、ミネルバクリニックのCOATE法はその弱点を克服したハイブリッド技術です。
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技術の決定的な差 → イルミナの汎用機 vs ミネルバのCOATE法(ターゲット×SNP法)。 -
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33,000円の価値 → 陽性時は何度でも相談無料。安心の原価が違います。 -
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見かけの安さの罠 → 「性別判定不能」は検査失敗のサイン?報告書のカラクリ。
1. NIPTは「どこで受けても同じ」ではありません
「NIPTなんて、どこのクリニックで採血しても結果は同じでしょ?」
もしそう思われているなら、それは大きな間違いです。
現在、多くの施設(認可・非認可問わず)で導入されているのは、イルミナ社の「Veriseq2」というシステムです。これは機器さえ購入すれば誰でも検査ができるため普及していますが、「ワイドゲノム法」という手法を用いており、実は微細な異常を見逃してしまうという構造的な弱点があります。
💡 検査の違いを知るための「4つのキーワード」
① ワイドゲノム法(他院で主流)
全染色体を「浅く広く」読む手法。
(例えるなら:全体写真は撮れるが、遠すぎて細かいホクロやシミまでは写らないカメラ)
② ターゲット法
調べたい染色体や遺伝子だけを「狙い撃ち」して深く読む手法。精度が高い。
(例えるなら:特定の場所を拡大して鮮明に写すズームレンズ)
③ SNP(スニップ)法
個人の遺伝子の微妙な違いを見分ける技術。お母さんと赤ちゃんのDNAを明確に区別できる。
(例えるなら:指紋認証のように、個人を特定する技術)
④ COATE法(ミネルバ独自)
「②ターゲット法」と「③SNP法」を組み合わせたハイブリッド技術。
狙った場所を高精度で読み取りつつ、母子のDNAも正確に区別するため、微細な異常も見逃しません。
🏆 ミネルバの「COATE法」はここが違う
上記のように、ミネルバクリニックが採用しているのは、「ターゲット法」と「SNP法」のいいとこどりをしたハイブリッド技術、COATE法です。
| 比較項目 | 汎用型:ワイドゲノム法 (Veriseq2など他院で主流) |
新世代:COATE法 (ミネルバクリニック) |
|---|---|---|
| 検査原理 | 広く浅く読む | ターゲット法 × SNP法 (いいとこどり) |
| 微細欠失の検出 | 不可能(7Mb以上の大きな欠失のみ)[1] ※微細欠失(<5Mb)は見えません |
高精度(99.9%以上) |
| GCリッチ領域の 判定 |
偽陽性リスクあり (増幅バイアスによる)[2] |
正確に判定可能 |
| 必要な胎児分画 (FF) |
一般に4%以上推奨 (低FFだと性別不明などのリスク大) |
3%あれば安定検査 (再検査・保留リスクが低い) |
⚠️ GCリッチ領域とは?
DNAの中で「G(グアニン)」と「C(シトシン)」が多い部分のことです。Veriseq2などの一般的なシーケンス手法では、この部分がうまく増幅されず(GCバイアス)、結果として「欠失がある」と誤判定(偽陽性)されやすいという弱点があります。
[1] VeriSeq NIPT Solution v2 Package Insert: Detects CNVs ≥ 7 Mb.
[2] Sensitivity of Noninvasive Prenatal Detection… using Shotgun Sequencing Is Limited… by GC bias (PMC2862719).
2. NIPTの費用相場と内訳(認可・格安・ミネルバ比較)
現在、日本国内でNIPTを受ける場合の費用相場は、おおよそ10万円〜20万円です。
しかし、前述の「技術の差」に加え、「医師のサポート」が含まれているかどうかで、その価値は全く異なります。
| 施設タイプ | 費用相場(税込) | 特徴・注意点 |
|---|---|---|
| 認可施設 (大学病院など) |
約15万〜20万円 +別途カウンセリング料 |
検査費とは別に、初診料や遺伝カウンセリング料(1〜3万円)が毎回加算されることが多いです。検査項目は「3つのトリソミー」に限定されます。 |
| 格安・美容系 (非専門クリニック) |
約8万〜12万円 | とにかく安価ですが、多くは「採血して送るだけ」です。遺伝カウンセリングが含まれていない(または別料金)ケースが大半で、陽性時のフォロー体制に不安が残ります。 |
| ミネルバクリニック (遺伝専門医在籍) |
17.6万円〜 (基本プラン) |
検査費の中に「33,000円相当の専門医カウンセリング料」が含まれています。陽性時の相談は何度でも無料です。 |
3. ミネルバの料金に含まれる「33,000円」の価値
ミネルバクリニックのNIPT費用は、一見すると格安クリニックより高く見えるかもしれません。しかし、そこには明確な理由があります。
当院の料金に含まれる「33,000円相当」の遺伝カウンセリング料には、以下のような重要な意味があります。
💰 実質価格と「陽性時のサポート」
🏥 ミネルバクリニックの場合
表示価格 17.6万円(税込19.36万円)
この費用には「33,000円相当」のカウンセリング料が含まれています。
【重要】陽性判定が出た場合、その後のカウンセリングは何度でも無料です。
「一番つらい時期に、お金の心配をして相談をためらってほしくない」
という臨床遺伝専門医としての配慮から、追加料金は一切いただいておりません。
「遺伝専門医」と「遺伝カウンセラー」の決定的な違い
一部のクリニックでは「認定遺伝カウンセラー」が在籍していることを売りにしていますが、医師である「臨床遺伝専門医」とは役割も権限も大きく異なります。
| 比較項目 | 臨床遺伝専門医 (ミネルバ院長) |
認定遺伝カウンセラー (他院に多い) |
|---|---|---|
| 資格 | 医師 (MD) | 非医師 (コメディカル) |
| 診断 | 可能 (医学的診断を下せる) |
不可 (診断権がない) |
| 責任範囲 | 全医学的責任を持つ | 心理支援・情報提供のみ |
「命に関わる重要な検査だからこそ、すべての責任を持てる医師が直接担当すべき」
それがミネルバクリニックの信念です。
4. なぜNIPTの費用は高いのか?「3つの原価」
「採血するだけなのに、どうしてこんなに高いの?」と疑問に思われるかもしれません。NIPTが高額になる背景には、検査精度の維持に不可欠なコストがあります。
① 解析機器・試薬のコスト
正確な判定を行うためには、数億円規模の次世代シーケンサー(解析装置)や、非常に高価な専用試薬が必要です。例えば、ミネルバクリニックが採用しているイルミナ社の「Veriseq2」などは、初期投資だけで約2.5億円、スーパーNIPT用の設備なら5億円規模の投資が必要です。
② 医療用検体の厳格な輸送コスト
NIPTの検体は、冷蔵や冷凍をしてしまうと溶血(血液が壊れる)して検査ができなくなるため、厳密な常温管理が必須です。
また、9.11以降のバイオテロ対策により医療用検体の国際輸送規制は非常に厳しくなっています。一般の輸送手段は使えず、感染性がないことを証明する書類を作成し、厳格な税関手続きを通過できる専門のメディカルクーリエを利用する必要があり、そのロジスティクス費用がコストに含まれています。
③ 専門家の技術料(人件費)
これが最も重要です。単に採血する看護師の人件費だけでなく、出てきた複雑な遺伝子データを読み解き、妊婦さんに正しく伝える「臨床遺伝専門医」の高度な専門知識に対する対価が含まれています。
5. 「格安NIPT」のリスク|安さの裏側にあるもの
インターネット広告などで見かける「NIPT 8万円〜」といった格安クリニック。なぜそこまで安くできるのでしょうか?
その理由は、海外の厳格な検査機関では再検査となるようなデータでも、コスト削減のために独自の基準でそのまま結果を出しているケースがあるからと考えられます。
【1】胎児分画(FF)の記載がない
検査精度に直結する「胎児分画(FF)」の数値を、あえて報告書に記載しないクリニックがあります。これでは、検査の信頼性を判断する最も重要な情報が開示されておらず、十分な情報提供がなされているとは言えません。
【2】低FF時の「性別判定不能」の真実
本来なら「再検査」とすべき低いFF(2%台など)でも、無理やり結果を出すケースがあります。しかし、性別判定などは1/2の確率で外れてしまうため、自信がないデータの場合は「性別判定不能」として報告されているようです。
ダウン症などのトリソミーは頻度が低い(例:1/700)ため陰性と出しやすいですが、性別のような高確率なものは誤判定を恐れて判定を避ける傾向があると考えられます。
【3】紹介状すら出ない「検査難民」リスク
「検査結果はメールで通知」という手軽さを謳っていても、いざ陽性が出た場合に正式な紹介状(診療情報提供書)が発行されないケースが後を絶ちません。結果報告書に「異常があれば産婦人科へ」と書かれているだけでは、大学病院などで受け入れてもらえず、「検査難民」になってしまうリスクがあります。
6. ミネルバクリニックの「トリプルリスクヘッジ」体制
ミネルバクリニックでは、検査費用の中に「検査結果を出す」以上の価値を込めています。それが、患者様をあらゆるリスクから守るトリプルリスクヘッジです。
① 金銭的リスクヘッジ(互助会)
検査時に「互助会(カトレア会)」へご入会(会費8,000円・非課税)いただくことで、万が一陽性判定が出た場合の確定検査(羊水検査・絨毛検査)費用を、当院が全額負担します(上限なし)。
② 時間的リスクヘッジ(院内完結)
2025年6月より産婦人科を併設し、陽性後の確定検査を自院で行えるようになりました。羊水検査や絨毛検査の結果は、マイクロアレイでなければ約3日程度で出るように配慮しています。結果までが長く感じる一番つらい時間を、何とか短くしたいという想いからです。
③ 心理的リスクヘッジ(専門医サポート)
臨床遺伝専門医である院長が、検査前から結果説明、そしてその後の意思決定まで一貫してサポートします。
陽性時は何度相談しても無料です。「つらい時にお金がかかるから相談を控える」ということがないよう配慮しています。
💡 安心の結果保証制度
「再検査が必要とわかったのに、流産等で検体が提出できなくなった」という稀なケースでも、検査代金を全額返金する制度をご用意しています(任意加入)。
NIPTの費用に関するよくある質問(FAQ)
🏥 「一生を左右する検査」だからこそ、後悔しない選択を
ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医の責任とプライドを持って、
最高品質の検査と万全のサポート体制を、適正価格で提供します。
参考文献
- [1] Illumina. VeriSeq NIPT Solution v2 Package Insert. [PDF]
- [2] Chiu RW, et al. Noninvasive prenatal diagnosis of fetal chromosomal aneuploidy by massively parallel genomic sequencing of DNA in maternal plasma. Proc Natl Acad Sci U S A. 2008 Dec 23;105(51):20458-63. [PubMed]
- [3] Fan HC, et al. Sensitivity of Noninvasive Prenatal Detection of Fetal Aneuploidy from Maternal Plasma Using Shotgun Sequencing Is Limited by GC Bias. PLoS One. 2010;5(5):e10439. [PMC]
- [4] American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities. Practice Bulletin No. 226. 2020. [ACOG]
- [5] American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Noninvasive prenatal screening for fetal aneuploidy, 2016 update: a position statement of the American College of Medical Genetics and Genomics. Genet Med. 2016;18(10):1056-65. [ACMG]
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