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妊娠初期におこるめまいとは?原因や対処法を解説!

多くのめまいは一時的なもので適切に対処すれば大事には至りません。しかし、中には重篤な問題のサインとして現れているものもあるため、今一度、めまいについての知識を確認しておきましょう。
本記事では、めまいについての基本的な知識から、妊娠初期のめまいの原因や対処方法まで詳しく解説しています。

めまいとは?

「めまい」というと、“ふらふらする”、“くらくらする”、“目がくらむ”といった症状をイメージされる方も多いかもしれませんが、実はめまいには明確な定義のようなものがありません。というのも、めまいというと、ある人には“気が遠くなる感じ”だったり、ある人には“視界が回っているような感じ”だったりと、人によってめまいの感覚や認識に大きな差があるためです。人や、その時々の症状によって曖昧に変わる表現であるため、明確な定義が難しいと考えられています。

【めまいと表現される代表的な症状】
・気を失う寸前のような感覚
・ふらつき
・平衡感覚の異常
・頭がくらくらする感覚
・回転する感覚
⇒原因は神経障害から心因性によるものまでさまざま

そこで、診察の際には、めまいを「回転性のめまい」と「浮遊性のめまい」に種類を分け、治療を行っています。

よくみられるめまいの種類

先述のとおり、めまいには回転性めまいと浮動性めまいがあり、どちらのタイプのめまいかによって、原因や対処方法をある程度絞り込むことができます。また、両方のタイプのめまいが同時に起こることもあります。
さらに、この2つのタイプのめまい以外に、立ちくらみも、めまいと表現されることが多い症状です。以下に回転性めまい・浮動性めまい・立ちくらみの特徴を整理しまとめています。
【回転性めまい・浮動性めまい・立ちくらみの違い】

回転性めまい 浮動性めまい 立ちくらみ
感覚 自分や周囲が回転しているような感覚 ふわふわと身体が浮くような感覚 頭がくらくら、目がくらむ、気が遠くなるような感覚
症状 悪心、嘔吐、歩行困難、耳鳴り、耳閉感、難聴、眼振など 姿勢を保てない、まっすぐ歩けない、嘔吐、手足のしびれなど 転倒、湿疹、短時間のけいれんなど
その他 耳に何らかの原因があることが多い 中枢、全身、薬剤、心因など幅広い原因が考えられる 血圧や血の巡りに原因があることが多い(起立時、風呂上がり時などによく起こる)

めまいの原因で多く挙げられるもの

回転性のめまい、浮動性のめまい、立ちくらみでは、めまいを起こしている器官や原因が異なっています。原因によって、対処方法も大きく変わってくるため、原因と主な対処方法を以下にまとめています。
【回転性めまい・浮動性めまい・立ちくらみの原因と対処方法】

回転性めまい 浮動性めまい 立ちくらみ
原因 ・良性発作性頭位めまい症
・メニエール病
・前庭神経炎
・内耳炎
・前庭性片頭痛
・脳機能の異常
・低血圧
・低酸素血症
・貧血
・低血糖
・ホルモンの変化(月経や妊娠など)
・薬の副作用
・心因によるもの
・自律神経の機能不全
・心臓が血液を送り出す力の低下
・血液量の減少
・薬剤の影響
・副腎の機能低下
・加齢
原因となる場所 ・耳周辺や、三半規管をつかさどる神経の異常や炎症
・その他の疾患や原因不明であることも
原因は多岐にわたり、不明であることも少なくない 主に血圧が影響しており、心臓から脳に送り出す血液量が減少することで起こる
対処方法 ・原因疾患の治療
・原因薬剤の中止、減量、変更
・投薬
・原因疾患の治療
・原因薬剤の中止、減量、変更
・投薬
いったん座ってゆっくりと立ち上がる、横になるなどで快方に向かうが、重篤な場合は受診を

妊娠中のめまいの原因は?

妊娠中は、普段見られない症状に見舞われることが多く、めまいもその中のひとつです。妊娠が関係しているめまいの種類には、浮動性めまいや立ちくらみなどが挙げられますが、原因にはいくつかの可能性が考えられます。よくみられるものとしては、次のようなものがあります。

貧血

貧血になると血液内の酸素が少なくなってしまうため、脳や身体が酸欠状態になり、めまいや立ちくらみが起こりやすくなります。妊娠中の妊婦さんは、胎児に鉄分を積極的に送らなければいけないことから、通常時よりも血が薄くなってしまい、貧血になりやすい状態です。
特に胎児が大きくなる妊娠後期に貧血は起こりやすく、妊娠後期の妊婦さんの3分の1ほどの方が貧血による症状に悩まされるといいます。また、妊娠中の貧血の95%は鉄分不足によるものです。対策としては、鉄分や葉酸を含む食事を積極的に摂るほか、サプリメントを摂取する方法もあります。(サプリメント摂取時は必ず医師と相談してください。)
特に葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害を予防する効果も認められており、厚生労働省からも積極的な摂取が推奨されています。

ホルモン量の変化

妊娠初期には、hCGホルモン・卵胞ホルモン・黄体ホルモンが多く分泌されるため、ホルモンバランスが崩れることがあり、これがめまいを誘発させる原因になってしまうことがあります。
特に妊娠4〜5週目から16週目にかけては上記のホルモン量が活発に増える時期であるため、ホルモンバランスが不安定になりやすく、めまいが起こりやすいと言えます。また、ホルモンバランスの乱れは、自律神経の働きを乱してしまうこともあり、自律神経の乱れによる立ちくらみが起こる妊婦さんもいらっしゃいます。ホルモンバランスが安定するまでは安静にし、心穏やかに過ごすなどしましょう。

脱水

妊娠初期にはつわりが起こりやすく、つわりによる嘔吐や水分摂取不足の脱水がめまいを誘発することがあります。妊娠初期のつわり自体は、妊婦さんの50〜80%の方が経験するとも言われており、比較的よく見られる症状です。
しかし、頭痛をともなうめまいが起こっている場合は、妊娠悪阻(にんしんおそ)と呼ばれる治療や入院が必要な段階に入っている可能性があるため、注意が必要です。もし、以下のような症状が見られる場合は妊娠悪阻の可能性があるため、病院を受診しましょう。

【妊娠悪阻が疑われる症状】
・頭痛やめまいが起こる
・体重が5%以上減った
・吐き気や嘔吐がひどく食べられない、飲めないが続く
・トイレの回数が減った
・ケトン体が検出された(市販のチェッカーがあります)

脱水によるめまいや、つわりの悪化を防ぐ方法には、こまめな水分補給を心がける、水分の多い食事(汁物や果物)をとるなどが挙げられます。

めまいの他に挙げられる妊娠初期症状とは?

妊娠初期には、めまいだけではなく、他にもさまざまな症状が起こります。起こる症状や度合いには個人差がありますが、よく見られるものをいくつかご紹介します。

食欲の変化

妊娠初期に食欲にまつわる変化を感じる方は多く、その多くはホルモンバランスに関係していると言われています。

【妊娠初期に感じる食欲の変化例】
・食欲が増す
・つわりによる食欲不振
・つわりの影響で食べられないものがある
・食の好みが変わった(酸っぱいものなど)

食欲の変化には個人差があるものの、いずれにしても大切なのは「食べられるものを食べられる時に食べる」ということです。特につわりがひどい時期には、気持ち悪さで何も食べられなくなる方も少なくなく、栄養不足や脱水の懸念もあることから、次のような工夫も有効です。

【食べられない時の工夫】
・小分けにして食べる
・食べやすいものを常備しておく
・水分の多い野菜や果物を食べる
・ゼリーやアイスでもよい

空腹時に胃がムカムカすることで食べ物を食べ続けてしまう“食べづわり”の場合は、カロリー過多を防ぐため、医師と相談しながらカロリーを計算するなどしましょう。

情緒不安定

妊娠初期には、ホルモンバランスの影響や身体や環境変化、親になることの不安などで精神的な負担を感じ、情緒不安定になりがちです。些細なことで傷ついてしまったりイライラしてしまったりしやすくなるほか、ホルモンバランスの変化による自律神経の乱れで精神的な悩みを感じてしまう方も少なくありません。
こういった時期には、できる限り身体と心に負担をかけないようにし、良質な睡眠・バランスのとれた食事・適度な運動を心がけるとよいでしょう。あまり気負いすぎず、完璧を求めすぎないようにしてください。自分なりの気分転換方法を見つけ、日々を楽しく過ごせる工夫をする試みも有効でしょう。

腰痛

妊娠することによって分泌が促進されるプロゲステロンやエストロゲンというホルモンには、筋肉や靭帯を緩める性質を持ちます。その結果、腰周辺の筋肉や靭帯が急に伸びたり縮んだりしてしまい、腰痛を引き起こしてしまうことがあります。
また、妊娠で子宮が大きくなることや、骨盤が広がる際の痛みを腰痛のように感じる方もいらっしゃいます。いずれの腰痛も、お風呂やカイロなどで腰まわりを温める・妊婦向けのストレッチやエクササイズ・マタニティベルトやサポートウェアを利用することである程度改善できます。ですが、あまりに強い痛みを感じる場合は、疾患の可能性もあるため、医師に相談するようにしてください。

めまいが起きたときの対処法

妊娠の影響によるめまいが起きた場合には、次のような対処法をとることを心掛けるとよいでしょう。

水分をこまめにとる

つわりとめまいが同時期に起こっている方は、つわりによる脱水症状がめまいを起こしている可能性があるため、こまめな水分補給を心がけるようにしましょう。しかし、つわりがひどい方の中には、水分をとっただけで気持ち悪くなってしまう方もいます。
水は飲めないけれど、味がついているジュースや炭酸飲料であれば飲める場合もあるため、自分の飲みやすい味のついているものを飲んでいただいてかまいません。また、スポーツドリンクや経口補水液で栄養や電解質を補ったり、比較的飲みやすいとされる柑橘系炭酸水を飲んだりするのもおすすめです。

バランスのとれた食事を心がけよう

妊娠中は赤ちゃんの身体をつくるために、妊婦さんは普段以上に栄養バランスに気を付けて食事をとるようにしなければいけません。病院では、どのような栄養素をどれくらい摂取すればよいのか、どんなメニューを食べればいいのかなどの食事指導も行ってくれます。献立作りに不安がある方は気軽に相談してみましょう。
基本的には、良質なたんぱく質を中心に、ビタミンやミネラルを幅広く摂取することを心がけます。また、良質な脂肪であるDHAやEPAなどの必須脂肪酸は体内で生成できないため、魚やサプリからの摂取を意識しましょう。
ただし、妊婦中には避けるべき食品や摂りすぎに注意しなければいけない栄養素がある点には注意が必要です。以下に、厚生労働省が発行している妊娠中の食事に関する資料をいくつかご紹介します。

【妊娠中の具体的な食事に関する資料】
妊娠前からはじめよう!健やかなからだづくりと食生活BOOK-厚生労働省 子ども子育て支援推進調査研究事業
妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
妊娠中・産後ママのための食事BOOK-厚生労働省 子ども子育て支援推進調査研究事業

貧血を改善していこう

妊娠中には、赤ちゃんに栄養や酸素を十分に送るため、通常の2倍の鉄分が必要になると言われています。そのため、普段と同じような栄養の摂り方をしていると、鉄分不足になり、貧血状態に陥ってしまう可能性が高くなります。
貧血はめまいを誘発させるだけでなく、早産や低出生体重児、分娩後の感染症リスクを高めるなど、あらゆるトラブルを招く要因となるため、早急に改善しておきたいところです。対策としては、鉄分を多く含む食品を食事に積極的に取り入れるほか、鉄分を含むサプリを摂取するなどします。(サプリを摂取する際には、医師に相談しましょう。)

【鉄分を多く含む食品】
赤肉、まぐろ、ひじき、大豆、小松菜、ほうれん草、高野豆腐、納豆
⇒動物性鉄分は植物性鉄分に比べて吸収率が高いため、両者を上手く組み合わせて取り入れるのがおすすめ

妊娠初期を乗り越えたら、赤ちゃんを迎える準備を始めよう

めまいや吐き気などのつらい症状が重なる妊娠初期ですが、この時期を乗り越えたら本格的に赤ちゃんを迎える準備を始めるといいでしょう。ベビー服やベビーカーなどを購入したり、胎動を感じたりとわが子を迎える準備は心が躍ることでしょう。
しかし、「わが子が健康に生まれてきてくれるか」という心配事もパパママにはあることと思います。こういった心配を解消したり、生まれてくる赤ちゃんと向き合う心構えをしたりすることに繋がる、出生前診断を受けることを検討してみてはいかがでしょうか。

出生前診断を検討してみては

出生前診断とはその名のとおり、赤ちゃんが生まれてくる前に染色体異常が原因の先天性疾患の有無を調べる検査のことを指します。出生前診断には大きく分けて確定検査と非確定検査がありますが、多くの場合非確定検査で陽性判定が出たあとに確定検査を受検し、赤ちゃんに染色体異常があるのかを確定させます。
非確定検査は比較的早い時期から、そしてお母さんの体に負担が少ない形で検査を受けることが出来ることが特徴です。確定検査が絨毛検査と羊水検査に限定されているのに対し、非確定検査はNIPT(新型出生前診断)や母体血清マーカー検査、胎児ドッグなどさまざまに種類があるため、お母さんの体調や予算などに合わせて選択できることがメリットです。ですが、非確定検査となっているために、陽性と判定されても陰性であったり、判定がでなかったりと不確定的であるため、どの検査を選択するかは検討が必要だといえるでしょう。

出生前診断を受けるならNIPTを

NIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液を採取し、おなかの中にいる赤ちゃんの染色体に異常がないか調べる検査のことを指します。18、13、21トリソミーの有無や、性染色体の異常、染色体に欠損がないかなど多岐に渡って検査できることが特徴で、他の非確定検査よりも比較的早い時期である妊娠9週から(ミネルバクリニックではご希望があれば妊娠6週から)検査を受けることができます。より早い時期から不安を解消したり、赤ちゃんと向き合うことのできる検査です。
NIPTは精度が99%と高いことがメリットですが、検査精度の高さからパニックになってしまう方も多い検査のため、検査する機関などをよく選ぶ必要があるといえます。また、NIPTですべての先天性疾患を調べることが出来るわけでないことも覚えておいてください。

NIPTを受けるなら、臨床遺伝専門医のいるミネルバクリニックで!

東京の「ミネルバクリニック」は臨床遺伝専門医が在籍するNIPT実施施設です。たくさんの妊婦さんの悩みや不安と真摯に向き合い、笑顔になれる出産に導いてきました。ミネルバクリニックでは、妊娠9週から(ご希望の方は妊娠6週から)受けられる赤ちゃんの健康診断「NIPT」を業界最新の技術と業界随一の対象疾患の広さで行っております。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が出生前診断を提供しておりますので、安心してご相談ください。

まとめ

妊娠中のめまいの原因の多くは、貧血・ホルモン量の変化・脱水によるものです。また、自律神経の乱れが原因で起こる立ちくらみをめまいと感じるケースもあります。妊娠中の貧血の95%は鉄分不足により起こるため、積極的な鉄分摂取によりめまい症状の改善や予防が期待できます。貧血はめまいだけではなく、胎児の発育にも悪影響となる可能性があるため、早急に改善するようにしましょう。
ホルモン量の変化によるめまいは、妊娠によるホルモン分泌がさかんになる妊娠16週未満に起こりやすく、自律神経の乱れによる立ちくらみや、情緒不安定が起こりやすいのもこの時期です。ホルモンバランスが安定するまでは安静に過ごすほか、気分転換により心をリフレッシュさせることも有効です。
脱水によるめまいは、妊娠初期のつわりによる水分の排出や水分摂取不足で起こりやすくなります。脱水がひどくなると、治療や入院が必要になる妊娠悪阻に発展するおそれがあるため、悪化しないように、こまめに水分を補給するようにしましょう。
めまいやつわりなど、妊娠初期の症状が落ち着いてきた際には、赤ちゃんを迎える準備をはじめる妊婦さんや家族が増えます。赤ちゃんが健康に生まれてこられるかどうかを調べる方法のひとつには出生前診断というものがあり、中でもNIPTは母子へのリスクが無く、スピーディーかつ精度が高い検査として注目されています。
NIPTを行っている病院は全国に数多くありますが、東京のミネルバクリニックでは、業界随一の対象疾患の広さと、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けられる点を強みとしています。遺伝のエキスパートである臨床遺伝専門医が対応しているため、興味のある方は、一度ご相談ください。

この記事の著者:仲田洋美(医師)

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ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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