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カリオセブン症例集・欠失例

カリオセブン症例集・欠失例|7症例すべて羊水検査で確定|ミネルバクリニック

カリオセブン症例集・欠失例
7症例すべて羊水検査で確定した実績

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🔬 NIPT・染色体部分欠失
臨床遺伝専門医監修

Q. カリオセブンで染色体の部分欠失は見つかりますか?

A. はい、カリオセブンは全染色体で7Mb以上の欠失・重複を検出できます。
本記事では、カリオセブンで検出され羊水検査で確定診断された7つの実症例を、検査画像とともに臨床遺伝専門医が詳しく解説します。


  • 症例1・45p-症候群(猫鳴き症候群):34Mbと30.7Mbの欠失を検出

  • 症例218番染色体の短腕・長腕2箇所同時欠失:複雑な構造異常を検出

  • 症例3X染色体短腕58.5Mb欠失:家族性ターナー症候群の原因

  • 症例7ウォルフ・ヒルシュホーン症候群:4番染色体21Mb欠失を検出

  • 従来のNIPTとの違い → 基本NIPTでは染色体の部分欠失は検出不可能

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※オンライン診療で全国対応可能です

1. カリオセブンとは:全染色体の構造異常を検出するNIPT

【結論】 カリオセブンは、現在最も技術的に進歩した全ゲノム対応のNIPTです。従来のNIPTでは検出できなかった染色体構造異常(7Mb以上の欠失・重複)を全染色体の全領域で検出できます。

カリオセブンは、母体血漿から検出されるセルフリー胎児DNA(cfDNA)を分析し、染色体の異数性(トリソミーなど)だけでなく、染色体の一部が欠けている「部分欠失」も検出できる次世代のNIPTです。

🔬 カリオセブンの検出対象
  • 全染色体の異数性(トリソミー・モノソミー)
    21、18、13トリソミーはもちろん、全22対の常染色体+性染色体の異常を検出
  • 染色体構造異常(7Mb以上)
    全染色体の全領域で7Mb(700万塩基対)以上の欠失または重複を検出 ← 本記事の症例
  • 9種類の微細欠失症候群
    日本で最多の9疾患微細欠失症候群を検出

💡 なぜ「部分欠失」の検出が重要なのか

基本的なNIPTは「21トリソミー」「18トリソミー」など染色体の数の異常(異数性)しか検出できません。しかし、染色体の数は正常でも、一部が欠けている「部分欠失」があると、重篤な疾患の原因となります。本記事で紹介する7症例は、すべて染色体の数は正常だが、一部が欠失しているケースです。

2. 症例1:5番染色体短腕部分欠失(34Mb)

【症例概要】 カリオセブン(cfDNA解析)で5番染色体短腕の約34Mb欠失を検出し、羊水のアレイCGHで確定診断された5p-症候群(猫鳴き症候群)の症例です。

5番染色体短腕部分欠失(34Mb)の検出例

左側:カリオセブン(cfDNA解析)

  • 検出領域:del5p15.33p13.2 – 34Mb
  • グラフの見方:灰色波形がcfDNAのリード深度
  • 所見:短腕部分で波形が下に落ち込む→DNA量減少=欠失を示唆

右側:アレイCGH(羊水検査)

  • 確定結果:del5p15.33p13.2 – 34Mb
  • グラフの見方:ドットの偏位で欠失を確認
  • 診断:真陽性確定

🏥 5p-症候群(猫鳴き症候群)とは

5番染色体短腕の欠失により生じる疾患で、新生児期に猫のような高い泣き声を特徴とすることから「猫鳴き症候群(Cri du chat syndrome)」とも呼ばれます。知的障害、成長障害、特徴的顔貌などを伴います。欠失サイズにより症状の重症度が異なります。

3. 症例2:18番染色体の短腕・長腕2箇所同時欠失

【症例概要】 18番染色体に短腕(3.8Mb)と長腕(21.3Mb)の2箇所同時欠失が検出された複雑な構造異常の症例です。長腕の欠失領域には発達に重要なTCF4遺伝子が含まれています。

18番染色体短腕・長腕2箇所欠失の検出例

欠失部位 領域 サイズ 臨床的意義
短腕(p) Del18p11.32-p11.31 3.8 Mb 比較的小さな欠失
長腕(q) Del18q21.32-q23 21.3 Mb TCF4遺伝子領域を含む

✅ この症例のポイント

  • 同一染色体に2箇所の欠失という複雑な構造異常を検出
  • 基本NIPTでは「18トリソミーなし」としか判定されない → この部分欠失は見逃される
  • TCF4遺伝子欠失はPitt-Hopkins症候群などの原因となる重要領域

4. 症例3:X染色体短腕欠失(58.5Mb)

【症例概要】 X染色体短腕のほぼ全域にわたる58.5Mbという巨大欠失が検出された症例です。この欠失は家族性ターナー症候群の原因となります。

X染色体短腕欠失(58.5Mb)の検出例

検出された異常

  • 領域:delXp22.33p11.1
  • サイズ:58.5Mb(短腕ほぼ全域)
  • 含まれる遺伝子:SHOX遺伝子(低身長の原因)

臨床的意義

  • 家族性ターナー症候群の原因
  • 完全なターナー(45,X)vs 部分欠失では予後が異なる
  • カリオセブンは「どこが欠けているか」まで特定可能

💡 通常のNIPTとの違い

通常のNIPTの性染色体検査では「モノソミーXの疑い」としか判定できません。しかし、カリオセブンは「X染色体短腕の58.5Mb欠失」と具体的な異常の場所とサイズを特定できるため、羊水検査前により正確な情報で遺伝カウンセリングを行うことができます。

5. 症例4〜7:その他の欠失症例

【概要】 カリオセブンは全22対の常染色体+性染色体すべてで7Mb以上の欠失を検出できます。以下に残り4症例をまとめて紹介します。

症例4:5p-症候群(30.7Mb)

症例1と同じ5p-症候群ですが、欠失サイズが30.7Mbとやや小さい症例です。同じ疾患でも一人ひとり欠失範囲が異なることを示しています。

5p-症候群(30.7Mb)の検出例

比較項目 症例1 症例4
欠失領域 del5p15.33p13.2 del5p15.33p13.3
サイズ 34Mb 30.7Mb
疾患名 5p-症候群 5p-症候群

症例5:20番染色体短腕部分欠失(6Mb)

約6Mbという比較的小さな欠失を検出した症例です。この領域にはJAG1遺伝子が含まれ、アラジール症候群の原因となります。

20番染色体短腕部分欠失(6Mb)の検出例

📌 アラジール症候群:肝臓の胆管形成異常、先天性心疾患(肺動脈狭窄など)、特徴的顔貌、椎骨異常などを特徴とする疾患。6Mbはカリオセブンの検出下限(7Mb)に近いサイズですが、正確に検出されました。

症例6:8番染色体短腕部分欠失(17Mb)

Del8p23.3p22 – 17Mbの欠失を検出した症例です。この症例はアレイCGHではなく従来の染色体検査(G分染法)で確定されました。

8番染色体短腕部分欠失(17Mb)の検出例

💡 確定検査の選択肢:17Mbは比較的大きな欠失のため、従来のG分染法でも視認可能です。確定検査はアレイCGH以外にも選択肢があることを示す症例です。核型表記:46,XX, -8, der(8)(p22→ter)

症例7:4番染色体短腕部分欠失(21Mb)-ウォルフ・ヒルシュホーン症候群

Del4p16.3p15.31 – 21Mbの欠失を検出した症例です。この欠失はウォルフ・ヒルシュホーン症候群(Wolf-Hirschhorn syndrome / 4p-症候群)の原因となります。

4番染色体短腕部分欠失(21Mb)の検出例

🏥 ウォルフ・ヒルシュホーン症候群とは

4番染色体短腕(4p16.3領域)の欠失により生じる疾患です。主な特徴:

  • 特徴的顔貌:「ギリシャ兜様顔貌」(広い鼻根、眉間の突出)
  • 成長障害:子宮内発育遅延、出生後の成長障害
  • てんかん:約90%に発症
  • 知的障害:中等度〜重度

染色体の部分欠失まで検査したい方へ

トリソミーだけでなく、染色体の一部が欠けている
「部分欠失」も検査できるカリオセブンをご検討ください。


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6. 7症例のまとめと従来検査との違い

【結論】 本記事で紹介した7症例すべてが羊水検査で真陽性と確定されました。これは、カリオセブンが高い精度で染色体部分欠失を検出できることを実証しています。

症例 染色体 欠失サイズ 疾患名 確定検査
1 5番短腕 34Mb 5p-症候群(猫鳴き症候群)
2 18番短腕+長腕 3.8+21.3Mb 18番染色体部分欠失
3 X短腕 58.5Mb X染色体短腕欠失
4 5番短腕 30.7Mb 5p-症候群(猫鳴き症候群)
5 20番短腕 6Mb アラジール症候群関連
6 8番短腕 17Mb 8p欠失症候群
7 4番短腕 21Mb ウォルフ・ヒルシュホーン症候群

従来のNIPTとカリオセブンの比較

検出項目 基本NIPT カリオセブン
21、18、13トリソミー
全染色体の異数性
7Mb以上の欠失・重複
5p-症候群(猫鳴き症候群)
ウォルフ・ヒルシュホーン症候群
9種類の微細欠失症候群
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【7症例から見えるカリオセブンの価値】

本記事で紹介した7症例はすべて、基本的なNIPTでは検出不可能な染色体部分欠失です。これらの疾患は「染色体の数は正常」なので、トリソミー検査だけでは「異常なし」と判定されてしまいます。

特に注目すべきは、5p-症候群やウォルフ・ヒルシュホーン症候群は母体年齢とは無関係に発生するという点です。「若いから大丈夫」ということはありません。

カリオセブンで陽性と判定された場合には、必ず羊水検査による確定診断が必要です。当院では羊水検査も院内で実施でき、臨床遺伝専門医がその後のサポートまで一貫して対応いたします。

7. ミネルバクリニックのカリオセブン検査体制

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医の専門性を活かした検査体制を整えています。カリオセブンの結果説明から、陽性時の確定検査まで一貫してサポートいたします。

🔬 検査会社との連携

カリオセブンはベリファイ(Fulgent Genetics社)が提供。当院は検査会社と共同発表を行うなど、密接な連携体制を構築しています。

🏥 院内で確定検査まで対応

2025年6月より産婦人科を併設。カリオセブンで陽性の場合も、羊水検査・絨毛検査院内で実施可能です。

👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が常駐

遺伝カウンセリングから結果説明、陽性時のフォローまで、臨床遺伝専門医が一貫して対応します。

💰 互助会で費用面も安心

互助会(8,000円)加入で、陽性時の羊水検査費用を全額カバー(上限なし)。安心して検査を受けられます。

染色体の部分欠失まで検査したい方へ

本記事の7症例はすべて基本NIPTでは検出不可能でした。
より広範囲な検査をご希望の方はカリオセブンをご検討ください。


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よくある質問(FAQ)

Q1. カリオセブンで検出できる「7Mb以上の欠失」とはどのくらいの大きさですか?

7Mb(メガベース)は約700万塩基対に相当します。ヒトのゲノム全体は約30億塩基対なので、7Mbは全体の約0.2%です。この大きさ以上の欠失であれば、カリオセブンで検出可能です。本記事の症例では6Mb〜58.5Mbの範囲の欠失が検出されました。

Q2. 基本的なNIPTでは染色体部分欠失は検出できないのですか?

はい、基本的なNIPT(トリソミー検査)では染色体の部分欠失は検出できません。基本NIPTは染色体の「数」の異常(21トリソミーなど)のみを検出します。本記事の7症例はすべて染色体の数は正常だが、一部が欠けているケースなので、基本NIPTでは見逃されてしまいます。

Q3. カリオセブンで陽性だった場合、必ず羊水検査が必要ですか?

はい、カリオセブンはスクリーニング検査であり、確定診断のためには羊水検査が必要です。本記事の7症例もすべて、カリオセブンで検出された後に羊水検査(アレイCGHまたはG分染法)で確定診断されています。当院では羊水検査も院内で実施可能です。

Q4. 5p-症候群やウォルフ・ヒルシュホーン症候群は母体年齢と関係ありますか?

いいえ、母体年齢とは無関係に発生します。これがダウン症候群(21トリソミー)との大きな違いです。ダウン症候群は母体年齢が上がるとリスクが上昇しますが、5p-症候群やウォルフ・ヒルシュホーン症候群などの部分欠失は年齢に関係なく発生します。

Q5. 本記事の症例画像はミネルバクリニックの患者様のものですか?

本記事の症例画像は、検査会社(ベリファイ/Fulgent Genetics社)から提供されたパンフレットに掲載されたものです。カリオセブンの検出精度を示す代表的な症例として、検査会社の許可のもと掲載しています。

Q6. カリオセブンはいつから受けられますか?

一般的なNIPTと同様に妊娠10週以降から検査可能です。当院ではスーパーNIPTとの組み合わせにより、妊娠6週からの検査にも対応しています。

Q7. 遠方ですがカリオセブンを受けられますか?

はい、オンラインNIPTにより全国どこからでも受検可能です。臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングもオンラインで受けていただけます。

🏥 染色体部分欠失の検査をご検討の方へ

トリソミーだけでなく、染色体の部分欠失も検査したい方、
カリオセブンについて詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。

参考文献

  • [1] Mainardi PC. Cri du Chat syndrome. Orphanet J Rare Dis. 2006;1:33. [PubMed]
  • [2] Battaglia A, et al. Wolf-Hirschhorn syndrome. GeneReviews. [NCBI Bookshelf]
  • [3] Spinner NB, et al. Alagille Syndrome. GeneReviews. [NCBI Bookshelf]
  • [4] Wapner RJ, et al. Expanding the scope of noninvasive prenatal testing: detection of fetal microdeletion syndromes. Am J Obstet Gynecol. 2015;212(3):332.e1-9. [PubMed]
  • [5] Shaffer LG, et al. The use of chromosomal microarray analysis in prenatal diagnosis. Prenat Diagn. 2012;32(4):327-333. [PubMed]
  • [6] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for fetal chromosomal abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed]
  • [7] Fulgent Genetics. Verify Prenatal Test Clinical Validation Data. [Official Site]
  • [8] 日本産科婦人科学会. 出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解. [日本産科婦人科学会]


プロフィール
仲田洋美医師

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。特に遺伝カウンセリング分野では15年以上の経験を持ち、全国初のオンライン遺伝カウンセリングを確立して、地方在住の方々にも質の高い遺伝医療を提供しています。


仲田洋美の詳細プロフィールはこちら

   

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