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ミネルバクリニックのダイヤモンドコースとは?
ミネルバクリニックのダイヤモンドコースは、最も包括的なNIPT(新型出生前診断)を提供する検査です。一般的なNIPTでは13、18、21トリソミーの3種類に特化していますが、ダイヤモンドコースではさらに幅広い遺伝子異常を対象としています。
出生前診断で最も頻度が高い染色体・遺伝子疾患として、以下のものが知られています。
- ダウン症候群(21トリソミー):出生頻度 約1/700
- ヌーナン症候群(Rasopathyの一つ):出生頻度 約1/1000~2000
- 22q11.2欠失症候群:出生頻度 約1/2000~4000
ミネルバクリニックのダイヤモンドコースでは、これらの主要な疾患に加え、さまざまな遺伝的異常を網羅的に検査できます。具体的には、以下のような割合で出生時に見られる遺伝子異常を解析します。
- 13/18/21トリソミー:染色体・遺伝子異常全体の約43%
- 単一遺伝子疾患(優性・劣性遺伝病含む):約38%
- 微小欠失症候群(22q11.2欠失症候群など):約7%
- XY染色体異数性(ターナー症候群、クラインフェルター症候群など):約13%
特に、ミネルバクリニックのNIPTで検査できる単一遺伝子疾患は約1/600の頻度で出生時に発生することが分かっています。これは、ダウン症候群(1/700)よりも高い頻度であり、従来のNIPTでは検出が難しかった疾患群です。単一遺伝子疾患には、ヌーナン症候群、コステロ症候群など、多様な病気が含まれます。
つまり、一般的なNIPTでは発見が難しい単一遺伝子疾患や微小欠失症候群まで検査可能であり、胎児の遺伝子異常をより精密に解析できるのがダイヤモンドコースの大きな特徴です。
ママに見つかったRasopathyの可能性がある遺伝子変異
今回のケースでは、Rasopathyを引き起こす可能性のある病的変異がママの遺伝子に見つかりました。Rasopathy(ラソパチー)とは、細胞の増殖や分化を調節する「RAS/MAPK経路」に関与する遺伝子の異常によって引き起こされる疾患群の総称です。この疾患群には、ヌーナン症候群、コステロ症候群、CFC症候群(心臓・顔・皮膚症候群)などが含まれています。
Rasopathyは常染色体優性遺伝の形態をとることが多く、親から子へ50%の確率で遺伝する可能性があります。しかし、優性遺伝の特徴として、親にはほとんど症状が見られなくても、子どもには強く発現することがあります。これは、遺伝子の変異がどの程度発現するかが個々のケースで異なる「表現型の多様性」によるものです。
ママにこの病的変異が見つかった段階では、彼女自身に明確な症状がなかったため、「自分がこのような遺伝子異常を持っているとは思わなかった」と大きな驚きと不安を抱えていました。しかし、赤ちゃんにこの遺伝子変異が受け継がれているかどうかを確認することが重要であり、追加の確定検査が必要となりました。
優性遺伝のため、赤ちゃんがこの変異を受け継いでいれば、症状が強く出る可能性があります。特にRasopathyに関連する疾患では、心疾患、発達の遅れ、特徴的な顔貌などの症状が現れることがあるため、早期発見と適切な医療サポートが重要になります。
しかし、胎児の遺伝子検査では、母体と胎児のDNAが混じっているため、ママと赤ちゃんの遺伝子を区別することができません。そのため、赤ちゃんが実際にこの変異を受け継いでいるかどうかを明確にするには、羊水検査や新生児の遺伝子検査などの追加検査が必要となります。
このような背景のもと、私たちは慎重に検体を採取し、DNAを抽出。スムースに検査結果を確認できるよう、世界最速レベルの対応を行いました。
なぜ世界最速を目指したのか?――患者さんの不安を少しでも減らすために
どうして私たちは世界最速で検査結果を出すことにこだわるのか? それは、患者さんたちが結果を待つ間の不安な時間を、少しでも減らしたいと心から思っているからです。
NIPT(新型出生前診断)を受ける方々は、検査結果が出るまでの時間がとても長く感じるものです。陰性ならホッとするでしょう。しかし、陽性だった場合、そこからが本当に長い時間との闘いになります。確定検査が終わるまで、不安と緊張が続く――その時間は、きっと耐え難いほど長く感じるはずです。
特に、赤ちゃんの遺伝子に関わる検査は、ご家族にとって人生の中でも最も重大な瞬間の一つです。「うちの子は大丈夫なのか?」という問いに答えが出るまでの間、ただ待つしかできない時間は、本当に辛い。もし可能なら、一分一秒でもその時間を短くしてあげたい。それが私たちの願いでした。
結果が出た後、どんな内容であったとしても、次に踏み出すべき一歩をすぐに示してあげたい。悩み、迷い、心を痛める時間をできるだけ短くし、「これからどうすればいいのか」を明確に伝えてあげること。それが私たちの役割だと考えています。
だからこそ、世界最速レベルでの検査結果通知を目指して、徹底的にスピードを追求しました。迅速な検査体制を整え、正確性を維持しながらも最短時間で結果を出せるように努力を重ねました。
患者さんにとって、検査結果は「知るためのもの」ではなく、「未来への指針」となるもの。次のステップへ進めるように、一日でも早く、少しでも安心を届けたい。その思いが、私たちの原動力になっています。
赤ちゃんの遺伝子検査の流れ
ママと赤ちゃんの遺伝子は区別がつかないため、赤ちゃんが本当に遺伝子変異を受け継いでいるかを調べるには追加の検査が必要でした。
検査の流れは以下の通りです。
- 慎重に検体を採取
- DNAを抽出
- 可及的すみやかに検査結果を確認
迅速な対応により、患者さんを長期間不安にさせることなく、できるだけ早く結果をお伝えできました。
検査結果とご夫婦の反応
赤ちゃんの検査結果をお伝えする際、ご夫妻はまるで裁判の判決を待つかのような緊張した様子でした。診察室に入ってきた瞬間から、張り詰めた空気が伝わってきました。奥さまは小さく震える手でご主人の袖を握りしめ、ご主人もまた、ぐっと拳を握りしめながら沈黙していました。おそらく、ここに来るまでの道のりも、言葉少なにお互いを支え合う時間だったのだろうと想像できました。
私は、少しでも場の空気を和らげたいと思い、「また裁判官みたいに思われてるな」と冗談めかして言いました。けれども、そんな一言ではとてもほぐれるような状況ではありませんでした。ご夫妻は表情を変えることなく、ただまっすぐにこちらを見つめていました。その目には、不安と恐怖、そして一縷の希望が入り混じっているように感じられました。これは、笑えるような状況ではない。それは私自身、十分に理解していました。
そして、私は深呼吸をして、はっきりとお伝えしました。「赤ちゃんには病的変異は見つかりませんでした。大丈夫です。」
その瞬間、奥さまはまるで弾けるように涙を流し、嗚咽をこらえきれず、ご主人の肩に顔を埋めました。ご主人もまた、ゆっくりと深く息を吐き出しながら、目元を覆いました。しばらくの間、言葉にならない感情があふれ出て、診察室の中にはすすり泣く音だけが響いていました。
「よかった……本当によかった……」
奥さまが何度もそう繰り返しながら、ご主人の手をぎゅっと握りしめました。ご主人もまた、優しくその手を包み込みながら、静かにうなずいていました。この日のためにどれほどの不安を抱え、どれほどの夜を眠れぬまま過ごしてきたのだろう――そう思うと、私の胸も熱くなりました。
私たちが世界最速で検査結果を出せる体制を整えたのは、まさにこの瞬間のためでした。長く続く不安な時間を、少しでも短くするために。そして、どんな結果であっても、患者さんが次の一歩を踏み出せるようにするために。今回、その思いがほんの少しでも役に立てたのだとしたら、こんなに嬉しいことはありません。
NIPTで引っかかってからの確定検査の重要性
NIPT(新型出生前診断)は、胎児の染色体異常の可能性を非侵襲的に調べることができる画期的な検査ですが、あくまで「スクリーニング検査」であり、確定診断ではありません。つまり、NIPTで陽性が出た場合でも、実際には問題がないケースもあります。そのため、確定検査(羊水検査や絨毛検査など)を受け、正確な診断を行うことが非常に重要です。
しかし、NIPTで陽性の結果が出てから確定検査の結果が出るまでの期間は、患者さんにとって耐えがたいほど長く、不安な時間となります。「うちの子は本当に大丈夫なのか」「どんな未来が待っているのか」と考えれば考えるほど、時間はゆっくりと過ぎていくように感じられるでしょう。特に、妊娠期間は限られており、決断を急がなければならないケースも少なくありません。
私たちが世界最速レベルの検査体制を整えたのは、この不安な時間を可能な限り短縮し、患者さんが次のステップへ進めるようにするためです。迅速かつ正確な検査結果を提供することで、「結果を待つ時間=不安な時間」を少しでも減らしたいという思いで取り組んでいます。
今回のケースでも、ご夫妻は確定検査の結果を待つ間、想像を絶する不安と緊張の中で過ごしていました。しかし、最速で検査結果をお伝えすることで、その不安を早く解消することができました。赤ちゃんに病的変異が見つからなかったとお伝えしたとき、ご夫妻が涙を流して喜んでくださった姿を見て、「迅速な検査が患者さんにとってどれほど大きな意味を持つのか」を改めて実感しました。
遺伝子検査は、ただ結果を知るためのものではありません。その結果をもとに、次の一歩をどう踏み出すかを決めるためのものです。だからこそ、私たちはこれからも「速さ」と「正確さ」の両方を追求し、患者さんが安心して未来へ進めるサポートをしていきたいと思います。
まとめ
ミネルバクリニックのダイヤモンドコースでは、遺伝子変異の詳細な解析と迅速な結果通知が可能です。今回のケースでは、NIPTで異常が指摘されたわけではなく、ママにRasopathyを引き起こす可能性のある病的変異が見つかったことが発端でした。
NIPTは、ママと胎児のDNAが混ざったものを検査するため、胎児のDNAだけを直接分析しているわけではありません。胎児のDNA断片(胎児分画)は血液中にごくわずか(通常3~10%程度)含まれており、主にサイズの違いによってある程度ママのDNAと区別することができます。しかし、それでも完全にママと胎児のDNAを分離できるわけではないため、NIPTの結果だけでは、胎児が特定の遺伝子変異を持っているかどうかを断定できないことがあります。
特に、今回のようにママに遺伝子変異があった場合、その変異が胎児にも受け継がれているかどうかを判断するのが困難になります。もしパパ側の遺伝子に変異があれば、ママのDNAには存在しないため、比較によって赤ちゃんがその変異を持っているかどうかを推定できます。しかし、ママ側の変異の場合、NIPTではママ由来のDNAと区別がつかないため、赤ちゃん自身の検査を行わなければ確定できません。
このような状況を踏まえ、私たちは迅速に検体を採取し、DNAを抽出。翌日には検査結果を確認できる体制を整え、可能な限り早く結果をお伝えしました。
結果として、赤ちゃんには病的変異が見つからなかったことが確認でき、ご夫妻は大きな安堵の涙を流されました。患者さんにとって、検査結果を待つ時間は非常に長く感じられるものです。その時間を最小限にし、できるだけ早く次のステップへ進めるようにすることが、私たちの使命です。
出生前診断や遺伝子検査について不安を感じている方は、ぜひミネルバクリニックの専門家にご相談ください。最先端の技術と迅速な対応で、皆さまの大切な選択を全力でサポートいたします。

ミネルバクリニックでは、「健やかなお子さまを迎えてほしい」という想いを持つ臨床遺伝専門医の院長のもと、東京都港区青山にてNIPT検査を提供しています。少子化が進む現代において、より健康なお子さまを望むのは自然なことです。そのため、当院では世界最先端の特許技術を活用し、高精度かつ多様な疾患の検査を提供できる信頼性の高い検査会社を、遺伝専門医が厳選しています。さらに、全国どこからでもオンライン診療に対応し、採血はお近くの提携医療機関で受けることも可能です。
ミネルバクリニックでは、NIPTに関する無料カウンセリングを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。
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