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NIPTと中絶における国内事情と海外の違い

【沿革】

わが国の社会は避妊の失敗など一般的な中絶(非選択的中絶)に比較的に寛容ですが、障害胎児の中絶(選択的中絶)には命の質の選別だ、などと強く反対いたします。

一方、米国社会では中絶を堕胎罪とみなして反対するpro-lifeの人たちと、中絶を女性の権利として擁護するpro-choiceの人たちの間で激しい対立があり、デモでクリニックに火炎瓶が投げられることもあったようです。

英米は、選択的中絶には寛容で、神経管欠損症 NTD(Neural Tube Defect)母体血清マーカ検査などによるダウン症(21トリソミー)(DS)スクリーニングは積極的におこなわれてきました。

関連記事:ダウン症候群(21トリソミー) スクリーニング検査とは

【日本】

2015年の我が国の出生数は約100万。これに対して人工妊娠中絶は17万、暴行脅迫による中絶が約200。それでは、それ以外は一体どういう理由で中絶されているのでしょうか???

母体保護法の条文を見ていきましょう。
母体保護法の第14条では人工中絶を認める要件として、「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」とあります。あくまでも妊娠の継続や分娩が母体の健康を著しく害するおそれであり、出産後の子育てができないという経済的理由ではないですよね?

それでは母体の妊娠継続が母体の健康を著しく害する恐れがある経済的状況とは何でしょうか?母体が餓死寸前だということしかありえないのでは?

日本には生活保護制度もあります。子供を育てていくのが経済的に無理だから中絶するというのは母体保護法ではできないようになっているんです。この法律を拡大解釈しすぎだと思います。

出産一時金や妊婦検診制度があり、出産までにかかる費用はある程度援助されますし、中絶するお金があるのなら、あと少し頑張れば出産する金も用意できるだろうということにならないでしょうか?

出産後については特別養子縁組制度があるので、育てられなくても産めないということにはならないはずです。そうすると経済的理由とはなにをさしているのかわからないですよね?そして刑法にはちゃんといまでも堕胎罪があり、中絶は犯罪なのです。

実態はどうっているかというと・・・

ところが、日本では母体保護法指定医は厚生労働省の資格でありながら、地方医師会(地区医師会(例:港区医師会)⇒地方医師会(例:東京都医師会)⇒日本医師会)が資格付与も剥奪もしているという異様な世界なのです。

麻酔科標榜医や、精神保健指定医は厚生労働省でちゃんと審査してますが、なぜこれだけ【圧力団体】と昔教科書に書かれてしまったような医師会にやらせてるんでしょうか????なんかきな臭いいびつな世界ですねえ。。。
しかーもっ!!!!
おっそろしいことに、厚生労働省母子保健課によると、都道府県医師会に資格認定や懲罰をゆだねるための法的根拠がないんですよね。一切。それで戦後74年ずっと来ちゃったらしいのね。
( ,,`・ω・´)ンンン????そんなことでいいと思っているのか厚生労働省!! って感じですね!!
大体、精神保健指定医は医道審議会で資格付与していて、5年ごとの更新も懲罰ももちろん厚生労働省。これと比べると母体保護法指定医どうなってるの?と。
俺たちにも自分たちでやらせろ、と怒れ精神科!! って感じですね。

そのうえさらに、日本の裁判所は、日本の法律では胎児条項(胎児の病気を理由にする堕胎)がないのを知りながら、その点については判断を避け続けている割に、「ダウン症(21トリソミー)の胎児だったのに羊水検査の結果を間違えて伝えてしまって生後3か月で死亡した。中絶することを決定する権利を奪われた」という訴えに対して損害賠償請求を認容いたしました。要するに、裁判所まで法律を真正面から議論しない。

裁判所が全然三権分立していない官僚組織だということは、皆様もご存知ですよね?そんななか、2013年に我が国に導入されたNIPT/新型出生前診断ですが、規制の在り方などを日本医学会の「遺伝子・社会・健康」検討委員会(通称福嶋委員会)が決めました。日産婦の指針を了承する形で。

関連記事:羊水検査とは

日産婦のNIPTにおけるいびつな状況

しかし、臨床研究として規制するといいながら、研究計画書はでたらめ、この件でわたしは2016・2017年と2回も厚生労働記者会で会見いたしました。前向きコホート研究と称して計画書を書きながら,帰無仮説も仮説検定方法もないシロモノを国立成育医療センターの佐合先生がお書きになりました(◎_◎;) びっくりしすぎて言葉もありません。

妊婦の皆様も、文系の学問をやっても、コホートくらい出てきますよね????こんなレベルなんですよ...我が国の医療業界は。それを、「どこそこという大病院のお偉い何とか先生が言っているから正しい」と,訳の分からない「空気」が支配してるんですよね、この国は。

さらに,NIPTが開始されるときに全国遺伝子診療部門連絡会議で問題になったことは,シーケノム1社しか検査に参入できないという決まりだったことです.しかも,日本法人のシーケノムジャパンがあるにもかかわらず,ジーンテックという臨床検査の実績がそれまで全くなかった会社(ジーンテック)を経由してアメリカのシーケノムに出すことになっていました.
どうしてそういうことになっているのかと,散々もめて,しばらくしてから他の会社もできるようになりましたが
ジーンテックのHPに記載されている通り,今でも国内認定施設の90%はジーンテックに出されています.

しかし。ベリナタ、アリオサ、シーケノム、ナテラという4社がイルミナのシークエンサーを使ってNIPTを行う技術開発をしたので、国際的にはシーケノムのシェアは90%ではありませんよね?
どうして日本ではこんないびつな状況なのでしょうか?

それは。NIPTコンソーシアムという団体とシーケノムを日本で検査できる権利を持っているジーンテックとの癒着に原因があると噂されています。
NIPTコンソーシアムに入れてもらうには、代表の関沢氏、佐合氏の機嫌を取らないといけませんよね?
日産婦はNIPTコンソーシアムと日産婦は関係ないと言い続けていますが、果たしてそうでしょうか?

ダミーの別会社を作って、その会社にやらせて親会社の責任追及を免れるという構図は
世間ではよく見られることであって医学の学術団体と称したらそういうことはないのか?
ということではないように思います。
(注意:コンソーシアムがジーンテックを作ったと断定するものではありません!!)

昔から、リケンの絡んだ医療現場は、白い巨塔を代表とするドラマの舞台ともなってきましたよね。

関連記事:コホートとは

当院がNIPT扱うことになった経緯でもあります

こうして日本は、受けたい人が受ける権利と規制の必要性をどう調整するかという視点を欠いたまま、規制に突き進んでいきました。こうした規制の方法は、利権の創出と保持ではないかという疑いが強く、わたしとしては、日本内科学会総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医をあわせもつ日本でただ一人の医師として、ゲノム医療の正しい推進のために、わたしの専門医を認定している内科学会・臨床腫瘍学会・人類遺伝学会の上部団体である日本医学会に反旗を翻すことといたしました。

海外では、受けたい人が受けられます。自己決定する権利は皆様方一人一人にあります。われわれ医師ができることは、正しい情報を余すことなく提供して、自己決定していただくことしかないのです。

なにを誘導するのもパターナリズム(父親が子に命令するような態度を言います)だと私は思います。パターナリズムを排除し、健全な自己決定のできる社会の実現をしたい。そのために、わたしとしてできることを一つ一つしていきたいと思います。ですので、新型出生前診断を当院で扱うことといたしました。

また、2019年6月22日に日産婦が決議したNIPTに関する内容は、基幹施設とサテライトが検査をする、しかしサテライトは陽性になった時に説明できないため基幹施設で説明する、です。それって、彼らが非難している「認定外施設が全然説明もせずに検査して妊婦が路頭に迷う」状況を、彼らの傘下であれば容認する、というおかしな仕組みではないでしょうか???

日産婦は古くから、大谷産婦人科、諏訪産婦人科を除名してきました。

しかし。彼らの規律を破っている人たちは大谷諏訪だけではありません。たくさんの生殖補助医療者たちが
水面下で破っていますが、そちらはお構いなし。通報しても「調査する機能がない」からと無視です。

そして、セムクリニックの奥野氏が「規律を乱し」て認定外でNIPTを始めたため、これを「憎し」と処分するつもりでまずは聞き取りしようと呼び出そうとしましたが、奥野氏は応じず、退会届を出しました。
そして、認定外の症例が増え、NIPTコンソーシアムの症例が減った。要するにジーンテックとNIPTコンソーシアムが本来得るはずだった「利益」が減ったのです。実は、関西のほうではNIPTは関東より安く提供されているため、認定外で奥野さんが始めても、あまり影響はありませんでした。なぜか?というと。

NIPTが始まった時、ジーンテックを通してシーケノムに出すしかなかったのですが、1年以上たってその規制は撤廃されて、ナテラ、アリオサ、ベリナタが参入できるようになりました。各社と契約した日本の検査会社が営業し、少しずつジーンテックのシェアが落ちていき、納入費用が安くなったんです。このとき、関西の認定施設たちは値下げしました。ところが、関東は値下げしなかった。
そして、認定外と費用やサービスで敗け、関東の認定施設たちは軒並み症例を減らしました。

でも。 それって認定外のせいですか?自分たちがサービスの質をあげればよいのでは???

NIPTコンソーシアムとジーンテックの癒着が強いためと推測されますが、ベリナタ、アリオサ、ナテラはシェアを伸ばすことは出来ませんでした。そして、今はまた、ジーンテック(シーケノム)がシェアを伸ばして90%台を回復し、最近、医療機関に対する納入費用を値上げしたとききました。(2019年初頭)

NIPTを行うたった1社が強くなる寡占市場は不健全である。

誰が考えてもわかることが、産婦人科医たちには分からないようですね。

彼らにとって妊婦さんたちは、本当に「ヒト」として尊重すべき存在なのか?はたまたただの「シマ」なのか?

そして、認定外施設は「シマあらし」なのか???

( ,,`・ω・´)ンンン?

なんかそっくりな集団が思いつかれるのですが、私だけでしょうか?!

そういえば。友達の乳腺外科医(裁判官とかが良く入院する由緒正しい病院の科長です)が、ある日、某組長の愛人の主治医になったのですが。彼を見て組長はこういったそうです。

「これはいい!!切った張ったクスリを全部合法的にやり、ヒエラルキーもそっくりなのに暴対法で取り締まれない。サイコー(*///∇///*) 孫は医者にするぞ!!」

そして、お孫さんは本当に医者になったそうです。
あなたの知らない世界でした!!

いずれにしても、どうして認定外に流れるのか?を考えずに、説明も出来ないサテライトに検査させて、陽性なら本院に来させるのであれば、認定外施設でやっても問題ないはずですよね?
しかも。施設要件が「中絶できること」っておかしすぎませんか?
そもそも、日本では胎児条項(お子さんの病気を理由とする中絶)は認められていませんよ?!

母体保護法指定医の認定も資格はく奪も自分たちでやってるから、何でも自分たちで決めたらやれるって思ってるみたいですね!!

NIPTの既存のルールを決めたのは?

ちなみに。わたしにも新聞記者さんの知り合い多数いて。
漏れ伝わってきた情報からすると。

NIPTの規制を決めたのは日本医学会、日本医師会、日本産科婦人科学会、日本産科婦人科医会、日本人類遺伝学会の5団体なのですが。
主には、日本医学会という内科学会、外科学会といった日本の医学の学術団体を束ねる頂点の団体の中に「遺伝子・社会・健康」検討委員会が置かれて
ここでいろいろ話し合われています。
日産婦は、実は、NIPTの枠組みを考える委員会を内部に小児科学会、人類遺伝学会、遺伝看護学会なども入れて開催していました。
日産婦の藤井理事長(当時)は、2018年夏、医学会会長に会議の部屋に続く廊下でなにやら話しかけて、医学会会が認めた、と吹聴した。
でも。こんなことありえませんよね?!普通、組織の長であっても勝手に認めることは出来ず、持ち帰って役員会や理事会に諮って決定して、日産婦に伝えることになります。
日産婦にはそうした組織論が通用しないってことですね!
そして。いろんな反発が出て、都合が悪くなったのか突然尻切れトンボでNIPTの枠組みを考える会を閉会しました。(2019年1月かな)
そのときの委員の先生たちにも寝耳に水。
日本医学会との話し合いをして、「次の指針は日産婦単独で作らない」と約束した直後に新聞にリークして新しい指針を作ったとすっぱ抜かせたんです。mainichi.jp/articles/20190302/mog/00m/040/003000c
いつも書くのが毎日新聞の人(千葉さん)です。
そして、新しい指針の原案を発表して意見公募をした。
医学会からは、枠組みは5団体で決めるべきなので、独走しないように再三にわたり申し入れられたそうです。
しかし、日産婦はこれを無視して、自分たちのことは自分たちで決める、と言ったそうです。

( ,,`・ω・´)ンンン? おかしくないですか????
もともと、NIPTの規制を一緒にやってくれと医学会に7年前お願いしてきたのは、日産婦側ですよ????
しかも。今、「子宮移植」に関する検討委員会が医学会にあるのですが、それって本来、産婦人科の内部のことなので、それこそ自分たちでやればいいのに、わからないから医学会でやってくれってお願いしてきたそうです。

( ,,`・ω・´)ンンン? あくまでも自分勝手な集団ですねっ!!!

だって。人類遺伝にとっても小児科にとってもその他診療科にとっても、子宮移植で生まれようが、借り腹で生まれようが子供は宝、ということに変わりはないので、これは純粋に日産婦マター。
NIPTや着床前診断は、疾病をもって生まれる子たちの”生まれる権利”と”妊娠を継続しないと決定する母体の権利”がぶつかるため、産婦人科医だけで議論するのが好ましくないマターなんです。

なのにどうして、日産婦は逆のことするのでしょうか??

関連記事:日本内科学会 がん薬物療法専門医、臨床遺伝専門医 ゲノム医療   大谷産婦人科諏訪産婦人科 遺伝子・社会・健康」検討委員会

医学生のみなさま、日産婦ってこんな大人ばかりです!!

産婦人科医が足らないと言って、シーリング外れてて、東京で来年シーリングにかからないのは、産婦人科と外科と整形外科と泌尿器科だけみたいですが、産婦人科に進んでいいのか、よーく考えましょう!!そういえば、専門医制度が荒れる原因になったのも、Kさんの愛人という噂が根強い福島県の当時研修医2年目だった女性医師が、東北大学医学部産婦人科に入局しようとしたのに断わられてしまって、当時の厚生労働大臣塩崎さんとKさんが仲良いことから、専門医機構や専門医制度がにらまれた、というのがきっかけで、新専門医制度のスタートが1年遅れて大混乱した原因というかきっかけを作ったのは日産婦です!!
ちなみに、某お役人(国家公務員とは限らない)からの情報ですが、全国の都道府県に複数個所の研修先を用意すること、というお触れが出ているため、「ぼくちゃんもつくっちゃおー💛」ときゃぴっとした某東北地方(岩手県だったかな?)の県立病院が応募したところ、東北大学がチャチャを入れてつぶした、とかいうタレコミもあったようですね。クワバラクラバラ。将来魑魅魍魎に取り囲まれたければ遠慮せずに産婦人科医にどうぞ。

おっと。洋美ちゃんお得意の脱線でした!
話を元に戻しましょう。

さて。妊婦のみなさまもそうでない皆様も。
本当は誰のためのNIPT規制なのか?
よーく考えてみると、この規制の在り方がおかしいってことになりませんか?!

そして。
暴走する日産婦止めようとする日本医学会。
手に汗握る攻防。
そんな中、日本小児科学会、日本人類遺伝学会、日本遺伝看護学会が声明を出しました。(2019年3-4月)

要するに、日産婦以外の側が言っていることは

既に胎児の染色体の数の異常という大きな異常ではなく、NIPTの技術で胎児のゲノムのすべてを見ることができる時代に来ており(あちらもそういっています)、胎児の遺伝子の異常が判る時代がもうすぐそこにきていて、混乱が必至と思われる中、日産婦の考えるようにたとえばダウン症(21トリソミー)の可能性があるという陽性結果すら説明できないサテライト医療機関でこうした検査を扱うことを非常に疑問に思うからです。

産婦人科専門医たちが全員ゲノムの専門家ならこうした危惧はないのですが。
そうではないことは明白ですよね?

だから反対していたんです。
そもそも、現在のNIPTだって偽陽性が出たときに、羊水検査もせずに正常の可能性があるお子さんを確認もせず堕胎しているのは日産婦の会員たちです。

堕胎するのがすなわち悪だとは思っていません。
個別の事例で検討が必要です。

しかし。堕胎の適正性が一度も検証されたことがない我が国で
日産婦がみずからそれをやらない、ということであれば、外野からするしかないのでは?

精神保健指定医は措置入院(強制入院)させるのに、2人の指定医が同じ判断をすることが必要で、そのうち一人はその医療機関に属さない指定医でないといけないと決まっています。
精神保健の分野では「身体の自由を奪う」医療をこれほど厳格に運用しているにもかかわらず、
母体保護法の分野ではなぜ、「命を奪う」医療が お電話しました、予約取りました、はいどうぞ、という簡単な流れで行えるのでしょうか?!

バランスが悪いと思うのは私だけでしょうか?
わたしは中絶を否定する考えはありませんが、簡単に行われて適正性が一度も検証されていないことが問題だ、と言っているのです。

そしてそれが日産婦が自分たちのことは自分たちだけで決めると断言する根拠となっているのであれば、変えるべきだと思います。

透明性の担保はどの分野もせねばなりません。

しかし。日本医学会の会員であるはずの日産婦はさっぱりなんも意に介さず。
2019年6月1日。日産婦は臨時理事会を開きました。医学会にどういう対応をするのかという内容だったと聞いています。
その後、日産婦苛原倫理委員長と他1名(新しい理事長)で医学会と話をしたそうです。
日産婦は日産婦案を決議したこと、22日の臨時社員総会で決議してマスコミ発表することを報告したそうですが、医学会からはずっと同じ返事、つまり、規制は5団体で了承しているので独断専行はダメだ、と言われていたそうです。
しかーし!!
日産婦はまったく意に介さず。
彼らは6月22日の社員総会で決めてそのままやるつもりだった。
ここまで、某新聞記者からの情報でした!!

関連記事:日本小児科学会日本人類遺伝学会日本遺伝看護学会 日産婦記者懇談会資料

NIPTコンソーシアムの圧力と厚労省課長通知

とーころが!!
時を同じくして、NIPTコンソが5月21日に出している声明によると、ヤフーとグーグルに認定外の広告を出さないようにという依頼をして、それに厚生労働省の課長通知を使ったwww.nipt.jp/201905yahoo_youbou.pdf

( ,,`・ω・´)ンンン?
わたしはこれを真面目に見たことはなかったが。

課長通知って法的にどういうものかというと
地方自治法第245条の2、第245条の3、第245条の4により、「地方自治体に対する技術的な助言」であり、命令は法律によらないと出来ないことが明言されています。

にゃんですとー!!! グーグルとヤフー様は、にゃにゆえそのような課長通知をもとに、わが社の広告を止める決心をなさったのか!
まさか、まさか、まさか、まさか、まさかと思うが、コンプライアンス部門がないのか?!
はたまたコンプライアンス部門はあっても法令を理解する能力がないのか?!
これに関しては推測する材料ダニもたないので言及は避けておく。(君子危うきに近寄るべからず)
一応念のため医業広告規制の所管部署である医政局総務課に確認したが、まったくミネルバクリニックは医業広告規制のガイドラインに抵触することは致していないというお返事。

そして、この課長通知の中にある文言は大変誤解を招く一文があって。

www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb9274&dataType=1&pageNo=1

課長通知はこれ。

このなかの、

1.新出生前遺伝学的検査等に関する厚生労働省の基本的考え方

○一般的に医学的検査は、必要な患者に対し、診察から検査、診断、治療に至るまでの医師が行う診療行為の一環としてなされるべきものである。

が問題。
だって、これを見たら、検査診察診断治療は一つの医療機関で行わないといけない、と知らない人には読めませんか?
ところが、厚生労働省の基本的な考え方として医療機能の適正な開示と患者さんが自ら医療機関を選定するのを妨げてはならない

というものがあります。
この根拠は健康保険法第63条第3項 「3 第一項の給付を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる病院若しくは診療所又は薬局のうち、自己の選定するものから受けるものとする。」にあります。
保険診療の基本は、患者さんが自ら医療機関を選定する、なのです。ましてや自由診療は健康保険法の対象とならない医療法・医師法にのみ規定されるものです。
保険診療で大原則として打ち立てられているものが、自由診療で規制されるはずがない。

そして。厚生労働省は 検査 診断 治療 を一つの医療機関で完結しないといけないとは言っていません。
言っていることは、医療機能、つまりその病院が何をできるのかを明らかにして、患者さんが正しく選定できるようにしなさい、ということです。出来ないことをできると言ったりという、誇大な広告はもちろんダメです。

何よりもしもこの文言通り「1か所で完結」なら、世の中の検診クリニックは存在できないし、住民基本健診も成り立たない。

お役所が出す書類として、こんなどうにでも解釈できる不適切な玉虫色の文章を載せてはならないのです。混乱が生じるので。

それと。この課長通知を盾に医業広告規制の対象となる理由が全くありません。
医業広告規制の対象は、誇大広告や公序良俗違反がありますが。
胎児のダウン症(21トリソミー)のスクリーニング行為は別に差別を助長する行為ではなく、ただの診断につながる行為なので、まったく対象外だそうです。

わたしは課長通知の訂正を求めた。

そもそも課長通知をこんな形で、善良な広告受け入れ企業相手に悪用されるなんて、前代未聞の事態。

やりすぎ。
そもそも自分たち医療業界をしばる医事法にまったく知識もなく、課長通知を錦の御旗にってどういうことなんでしょうか?

そしてついに重い腰を上げた厚生労働省母子保健課。
6月22日。日産婦の理事会で強行される。前日の21日。NIPTに関する検討会を置くので待て、と日産婦に通告。

でも。みなさん、知ってます?
検討会って、厚生労働省では局長マターなので、課長が作れるのですが、普通は関係する団体にこんなことやりますと根回ししてから作ります。
なのでそもそも、文書で送り付ける(新聞報道によると)というのがありえない。
今回、いかに急に作られたのかわかりますよね?

妊婦のことは日産婦でと彼らは言っているが、彼らにとって妊婦や妊婦になりたい女性たちは既得リケンなのか?!

いずれにしても。クワバラクラバラ。

真っ黒い巨塔だな。ぶつぶつ。。。。。。

【海外】

海外では、日本とは異なりNIPT/新型出生前診断は様々な検査会社から提供されており、アメリカやヨーロッパではすでに多くの方が検査を受けていて、年齢制限もありません。

①イギリスの場合

イギリスではダウン症候群(21トリソミー)の早期診断スクリーニング事業が実施されており、2004年以降は全妊婦が出生前検査を受けるように求められています。しかし。全妊婦が受けるのは血清マーカーであって、NIPTは自費で15万円程度支払って受けるそうです。
費用は全額国が負担、陽性が出た場合に中絶を選択した際の中絶費用も全て国が負担する仕組みになっています。
イギリスの場合は、こうした意思決定に国民が直接参加する仕組みがあり、国民が選択した結果です。

②アメリカの場合

基本的には出生前診断は当然うけるものです。州政府が補助を出しているため、保険が無くても$200程度で検査を受けられるようですし、保険に入っていればさらに自己負担は減るため自己負担はゼロの場合もあるそうです。

妊婦検診に行くと、まず全員出生前診断に関する冊子を受け取り、その冊子には以下の出生前診断の種類、選択肢とその確率、なにを検査するものなのか、ということが書かれてあります。

出生前診断で陽性と診断された場合は、まず専門医のカウンセリングを受け、フォローアップテストについて説明を受けます。出生前診断の代わりにいきなり確定診断(diagnostic testing)をする場合はカバーされないようです。

染色体異常のある赤ちゃんを出産した場合、赤ちゃんに何が必要か、受けられるサポートの紹介を受けられます。ですので、アメリカではダウン症(21トリソミー)とわかっても中絶率は60%台だそうです。

これに対して日本では、NIPT陽性ならほとんどが中絶していますよね?こうした社会の受け皿の準備がないのではないでしょうか?それをせずに、ダウン症(21トリソミー)の患者会の意向を気にしてNIPTだけを規制しても何の意味もないと私は考えます.

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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