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胎児ドックとNIPTどっちがいい?違いと選び方を専門医が解説【2025年最新】

胎児ドックとNIPTどっちがいい?違いと選び方を専門医が解説【2025年最新】

? この記事の要点
  • 高精度な染色体異常検査を求める方:NIPT(感度99%以上)
  • 形態異常もチェックしたい方:胎児ドック(形態異常に強み)
  • 費用を抑えたい方:胎児ドック(3-5万円 vs NIPTの10-20万円)
  • 検査時期:NIPT(妊娠10-18週)、胎児ドック(妊娠11-13週推奨)
  • 新技術COATE法:ミネルバクリニックなら微小欠失症候群まで陽性的中率99.9%と飛躍的に向上

胎児ドックとNIPTの基本的な違い

妊娠中に「お腹の赤ちゃんは大丈夫だろうか」と心配になることは、多くの妊婦さんが経験することです。そんな不安を解消する出生前診断として、胎児ドックNIPT(新型出生前診断)という2つの検査があります。

どちらも赤ちゃんの健康状態を調べる検査ですが、検査方法や得られる情報、費用などに大きな違いがあります。ここでは、それぞれの特徴を詳しく解説し、あなたにとって最適な選択ができるよう情報をお伝えします。

胎児ドックとは

胎児ドック(胎児精密超音波検査)

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)とは超音波を用いて、妊娠中に胎児の健康状態を調べるために行う出生前診断の一つです。妊婦健診でも超音波検査を行いますが、こちらは胎児の成長の様子や母体の健康状態など、妊娠の経過をモニターするための基本的な検査です。胎児ドックはより精密な超音波機器を用いてある程度の時間をかけて行い、胎児の見た目で分かる形態異常や、染色体異常の可能性について調べることができます。

胎児ドックでは鮮明な超音波画像により、胎児の外見や内臓に起こる形態異常に加えて、ダウン症や18トリソミーといった染色体異常がある可能性についても調べることができます。

NIPTとは

NIPT(新型出生前診断)

NIPT(新型出生前検査)は、母体血のみを用いて胎児(胎盤)に、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13 トリソミー(パトゥ症候群)などがないかを調べる検査です。

NIPTは妊婦さんの血液中に含まれる胎児のDNA断片を分析することで、特定の染色体異常の可能性を高精度で検出できる検査です。採血のみで行えるため、母体や胎児への負担が非常に少ないのが特徴です。

項目 胎児ドック NIPT
検査方法 超音波(エコー)検査 母体血液検査(採血)
検査時期 妊娠11〜13週(推奨) 妊娠10〜18週
得意分野 形態異常の検出 染色体異常の検出
ダウン症検出精度 70〜80%程度 99%以上
費用相場 3〜5万円 10〜20万円
結果判明 当日 1〜2週間後

詳細比較:検査時期の違い

1
妊娠10週〜

NIPT検査開始可能
妊娠9週0日〜妊娠17週6日(18週以降は要相談)で実施できます。早期から検査可能なのがNIPTの大きなメリットです。

2
妊娠11週〜13週

胎児ドック最適時期
胎児ドックは妊娠11〜13週、特に妊娠11週0日〜13週6日が実施時期として最も適しており、ダウン症候群についての精度(感度)は約80%です。これを過ぎると、精度は約50%に下がります。

3
妊娠15週〜

羊水検査可能時期
もしスクリーニング検査で陽性になった場合、確定診断のための羊水検査はこの時期から可能になります。

検査精度の違い

NIPTの精度

  • ダウン症候群についての精度(感度)は、99%程度
  • 18トリソミー、13トリソミーも高精度で検出
  • 偽陽性率が低い
  • 陰性の場合はほぼ確実に安心できる

胎児ドックの精度

  • ダウン症候群についての精度(感度)は約80%(最適時期)
  • 最適時期を過ぎると、精度は約50%に下がります
  • 形態異常の検出は得意
  • NT(首の後ろの厚み)測定による評価

費用の違い

胎児ドック

胎児ドックの費用は一般的に3〜5万円

  • 比較的手軽な費用
  • 妊婦健診の延長として受けやすい
  • 追加検査は別料金

NIPT

NIPTにいたっては20万円程度の費用が必要

  • 高精度な分、費用も高額
  • 施設により10〜20万円程度
  • 陽性時の確定検査費用が含まれる場合もある

どっちを選ぶべき?判断基準

⚠️ 検査選択の重要なポイント

費用、時期、その他いろいろな要素が絡んできますが、やはり着目したいのは精度ではないでしょうか。しかし、検査の目的や個人の状況によって最適な選択は変わってきます。

NIPTを選ぶべき人

こんな方にNIPTがおすすめ
  • ある程度費用がかかってもよいから染色体や遺伝子異常の可能性を把握したい方
  • 高精度な検査結果を求める方
  • 早期(妊娠10週から)に検査を受けたい方
  • 採血のみの簡単な検査を希望する方
  • 染色体異常に対する不安が強い方

胎児ドックを選ぶべき人

こんな方に胎児ドックがおすすめ
  • 妊婦健診だけでは心もとないけど、費用はかけられない方
  • 形態異常(体の構造の異常)についても詳しく知りたい方
  • 超音波で赤ちゃんの様子を直接見たい方
  • 当日に結果を知りたい方
  • 染色体異常以外の先天性疾患も心配な方

両方受けることは可能?

胎児の異常は染色体異常によらないものもたくさんあります。(染色体異常は胎児の異常の4分の1です)NIPTの結果が陰性でも、胎児の形態異常が見つかることがあります。

併用受検のメリット

NIPTと胎児ドックは補完的な関係にあるため、両方受けることでより包括的な情報を得ることができます:

  • NIPT:染色体異常を高精度で検出
  • 胎児ドック:形態異常や構造的な問題を検出

経済的に可能であれば、両方の検査を受けることで、より安心して妊娠期間を過ごすことができるでしょう。

ミネルバクリニックの最新NIPT技術

? ミネルバクリニックの特徴
  • COATE法最新の次世代NIPT技術により自院採用検査のなかで最高精度を実現(微細欠失症候群従来検査の陽性的中率70%台➡>99.9%)
  • 臨床遺伝専門医常駐:専門医による遺伝カウンセリング
  • オンライン対応:全国どこからでも受検可能
  • 24時間サポート:陽性時の手厚いフォロー体制
  • 国内最大12か所13疾患の微小欠失症候群を検査可能(2025年8月2日ミネルバクリニック調べ)
  • 確定検査を自院で可能:2025年6月より産婦人科を併設し、確定検査(羊水・絨毛検査)を自院で行えるようになりました

ミネルバクリニックでは、従来のスーパーNIPTからさらに進化したCOATE法による最新のNIPTを提供しています。これにより、より高精度な検査が可能になっています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 胎児ドックとNIPTはいつから受けられますか?

胎児ドック:妊娠11〜13週(推奨期間)。この時期が最も精度が高くなります。

NIPT:妊娠10〜18週。妊娠10週から検査可能で、早期診断が可能です。

Q2. どちらの検査も痛みはありませんか?

NIPT、胎児ドックいずれもスクリーニング検査ですので、母体や胎児への身体的負担はほとんどありません。

胎児ドック:超音波検査のため、お腹にゼリーを塗って器具を当てるだけです。

NIPT:採血のみで、通常の血液検査と同程度の負担です。

Q3. 陽性が出た場合はどうなりますか?

どちらの検査もスクリーニング検査のため、陽性の場合は確定診断が必要になります:

  • 羊水検査:妊娠15〜18週頃に実施
  • 絨毛検査:妊娠11〜14週頃に実施(より早期)

ミネルバクリニックでは、NIPT陽性時の確定検査の費用はNIPTに含まれています。

Q4. 費用はどのくらい違いますか?

胎児超音波検査の費用は3万円前後である一方、NIPTの費用は10〜20万円です。どちらも自費診療になります。

費用対効果を考える際は、検査精度も含めて総合的に判断することが重要です。

Q5. 年齢制限はありますか?

胎児ドック:年齢制限などもないため、実際にさまざまな妊婦さんが受けている検査です。

NIPT:年齢は問いません。以前は35歳以上の制限がありましたが、現在は希望すれば年齢に関係なく受検可能です。

NIPTと遺伝カウンセリングのご相談はミネルバクリニックへ

ミネルバクリニックでは、NIPT(新型出生前診断)を専門に提供しています。検査前後の遺伝カウンセリングでは、検査の内容や意味、結果の解釈について詳しくご説明します。不安やご質問があれば、専門医にご相談ください。

まとめ

胎児ドックとNIPTは、それぞれ異なる特徴を持つ出生前診断です。どちらの検査を選ぶかは、妊婦の個々の状況やリスク評価、さらには個人的な不安や希望によって異なります。

? 選択の指針
  • 高精度な染色体異常検査を重視するなら:NIPT
  • 形態異常も含めた包括的検査を希望するなら:胎児ドック
  • 費用を抑えつつ基本的な検査を受けたいなら:胎児ドック
  • 最高水準の検査を求めるなら:ミネルバクリニックのCOATE法NIPT

最終的には、医師との相談を通じて、個々のニーズに最も適した選択をすることが大切です。どちらの検査も、妊娠中の赤ちゃんの健康状態に関する重要な情報を提供し、安心した妊娠期間を過ごすための助けとなるでしょう。



プロフィール

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。


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