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出生前診断はいつからいつまで受けられる?実施時期と検査内容を紹介
出生前診断 いつ妊娠が判明した直後は赤ちゃんが生まれた後のことを想像して胸がいっぱいになりますが、出生前診断を受けて赤ちゃんの健康状態を確かめる妊婦さんはたくさんいます。
出生前診断は妊娠健診で行われている超音波検査やこの数年で需要が高まってきているNIPT(新型出生前診断)などがありますが、実施時期をしっかり把握しておく必要があります。
そこでこの記事では、出生前診断はいつからいつまで受けられるかをご説明した後、検査内容を詳しくご紹介していきます。
妊婦さんは自分の体調管理で大変かと思いますが、出生前診断を受けて赤ちゃんの出生後の育児環境を整えることも大事なので、この記事の情報を是非お役立てください。
出生前診断はいつからいつまで受けられる?
胎児に染色体異常症などの先天性疾患がないかを調べられる出生前診断は、検査によって実施時期が決まっており、正しい知識を入れておかないと希望する検査が受けられないという事態にもなりかねません。
出生前診断は全6種類あります。
- 胎児超音波検査
- NIPT(新型出生前診断)
- 母体血清マーカー検査(クアトロテスト)
- コンバインド検査
- 絨毛検査
- 羊水検査
それぞれの検査がいつからいつまで受けられるのか気になる皆さんに、実施時期と検査内容をご説明していきます。
胎児超音波検査
エコー検査とも呼ばれる超音波検査は定期的な妊娠健診で用いられる検査ですが、胎児の染色体異常を調べる目的でも実施されています。
実施期間
妊婦さんなら誰でも受ける超音波検査ですが、染色体異常を対象とした検査は妊娠10週頃〜13週頃の妊娠初期、妊娠18週頃〜30週頃の妊娠中期以降の2回に分けて実施されるのが一般的です。
胎児超音波検査は胎児の成長に伴って現れる身体の異常も含めて調べる検査のため、妊娠初期と妊娠中期では観察できる箇所が異なります。
検査内容
妊娠初期の胎児超音波検査は、胎児の頭からお尻までの長さが45mm~84mmの時期に行われます。赤ちゃんの首の後にあるむくみの厚さ(NT)や心拍数、血流などを計測することで染色体異常症であるダウン症候群・18トリソミー・13トリソミーが発生している可能性を調べることができます。その際、NTの長さが6.5mm以上であった場合、65%の確率で染色体異常を持っていると診断されます。
妊娠中期以降では、赤ちゃんの身体的特徴や臓器の異常を調べることが可能になります。検査に用いる超音波機器は2D・3D・4Dによって観察できる箇所が異なり、4Dでは赤ちゃんの動きをリアルタイムで観察することも可能となります。
NIPT(新型出生前診断)
出生前診断の中で最も新しい検査であり、この数年で実施施設も増えているのがNIPT(新型出生前診断)です。妊婦さんの需要も高まっている検査のため、いつから受けられる検査なのかしっかり把握しておきましょう。
実施期間
NIPTの場合、認可施設と無認可施設で実施時期が異なります。
日本産婦人科医会に認定されたNIPT認可施設では妊娠10週から検査を実施しており、その他の無認可施設では早い所で妊娠9週から実施しています。
施設の検査条件を満たしていれば、妊娠週数に関係なくいつでも検査を受けることが可能です。
検査内容
母体採血をした後、血漿成分の中に含まれる胎盤由来のセルフリーDNAの分析を行います。セルフリーDNAの断片を集めてDNAの遺伝子配列を解読することによって、特定の染色体に異数がないかどうかを調べることができます。
染色体数が1本多いトリソミーという状態が確認された場合は、染色体の番号に応じてダウン症候群(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミーといった染色体異常症を持つ可能性が高いと診断されます。
検査精度は99%と他のスクリーニング検査よりもダントツで高い確率となっています。陰性だった場合は胎児が染色体異常症を持つ確率は0.1%以下となるため、結果で陰性と伝えられた時は大きな安心感を得られる検査です。
あくまで非確定的検査のため、検査結果で染色体異常症の有無を確定することはできません。NIPTを受けて陽性が出た場合は、絨毛検査、または羊水検査を受けることが一般的です。
母体血清マーカー検査(クアトロテスト)
NIPTが日本で実施できるようになるまではスクリーニング検査の中で最も精度が高かったのが母体血清マーカー検査(クアトロテスト)です。
実施期間
非確定的検査の中では遅めとなる妊娠15週頃〜妊娠18週頃に実施されています。
NIPTよりも実施時期は遅いですが、検査費用が安いというメリットがあります。
- NIPT:15万円〜20万円くらい
- 母体血清マーカー検査:2万円〜3万円くらい
検査内容
母体採血をした後、胎盤から分泌されるタンパク質の分析を行います。
胎盤由来の「AFP」「hCG」「uE3」といった成分の増減と、母親の年齢・妊娠週数などの要素を掛け合わせることで染色体異常症を持っている確率を割り出すことが可能です。
クアトロテストではさらに「Inhibin A」という成分を含めた検査が可能となり、検査精度は約83%となります。
コンバインド検査
母体血清マーカー検査よりも検査精度はやや落ちるものの、胎児超音波検査よりも高い確率で染色体異常を発見に繋がるのがコンバインド検査です。
実施期間
妊娠初期にあたる妊娠11週頃〜妊娠13週頃に実施されています。
検査内容
コンバインド検査は、胎児超音波検査と2種類のタンパク質成分を対象とした母体血清マーカー検査の両方を実施して染色体異常症を持つ可能性を調べます。
超音波検査で胎児の向きや状態を確認した上で検査が行われますが、当日の状態によっては検査が行えない可能性もあります。
検査精度は約80%であり、母体血清マーカー検査(3種類のタンパク質を分析)やクアトロテスト(4種類のタンパク質を分析)よりも精度は低くなります。
絨毛検査
胎児超音波検査・NIPT・母体血清マーカー検査・コンバインド検査は非侵襲的検査に分類され、検査を受けることで流産や早産が誘発されるリスクは全くありません。
絨毛検査は確定的検査に分類され、流産や早産のリスクが伴う検査です。検査内容と一緒に受検する目的もしっかりと理解しておきましょう。
実施期間
妊娠10週頃〜妊娠14週頃に実施されています。確定的検査は絨毛検査と羊水検査しかありませんが、妊娠14週以降は羊水検査を受けられるようになります。
検査内容
まず、絨毛検査は侵襲的検査であり、約100人に1人の割合で流産や早産など胎児が死に至る可能性があることを理解しておかなければなりません。
絨毛は胎盤組織に含まれるもので、絨毛を採取するために母親のお腹に穿刺針を刺し、子宮内の胎盤まで挿入します。この際、胎児を傷つけないように胎児の位置や状態を超音波検査で事前に確認します。
胎児の死亡に至らなくても、子宮内感染・破水・出血などのリスクが伴う検査のため、検査前には十分な知識が共有されるカウンセリングを受けることが必須となります。
確定的検査のため、染色体異常が見つかった場合はほぼ確実にダウン症候群などの疾患を持っていると診断されます。
羊水検査
確定的検査に分類される羊水検査は、古くから医療施設で実施されている染色体検査です。侵襲的検査ではありますが、出生前診断の中で最も高い検査精度となっています。
実施期間
羊水検査は妊娠14週以降に実施されています。NIPTと同じく実施期間になれば妊娠週数に関係なく受けることができますが、検査結果に応じて人工妊娠中絶を考えている場合は、妊娠17週までに受けることが推奨されます。
検査内容
子宮内には胎児を包み込むように羊水が存在していますが、その羊水を穿刺針を用いて採取します。超音波検査で針を刺しても安全な場所を特定した後、子宮内まで穿刺針を挿入して羊水を10ml〜20ml採取して羊水細胞の培養を行って染色体異常があるかどうかを調べます。
絨毛検査と羊水検査はほぼ確実に染色体異常を発見することが可能であり、染色体異常によって引き起こされる疾患の全てが検査対象となっています。
羊水検査は絨毛検査を受けられなくなった後でも受検が可能となっていますが、約1,000人に3人〜4人の割合で流産や早産など胎児が死に至る可能性があることを理解した上で検査を受けるかどうかを検討しなければなりません。
まとめ
出生前診断はいつからいつまで受けられるか、詳しい検査内容をご紹介しましたが参考になりましたか?
複数ある出生前診断をいつ受けたらいいかを悩んでいる方は、まずは妊娠9週〜10週以降から実施されているNIPTから受けることをおすすめします。
NIPTは検査精度99%のスクリーニング検査であり、安全が保証されているため妊婦さんも安心して受検することができます。
東京の「ミネルバクリニック」は国内でも例を見ない臨床遺伝専門医が在籍するNIPT無認可施設であり、妊娠9週0日目からNIPTを実施しております。
通常のNIPTよりもさらに精度の高い第2世代NIPTを導入しており、遺伝カウンセリング体制もしっかり整っている遺伝子専門のクリニックです。
出生前診断の中でNIPTを受けることを考えていらっしゃる方は、この機会に是非「ミネルバクリニック」までお気軽にご相談ください。