目次
胎児ドックはいつから?
NIPTとの併用がおすすめな理由【医師監修】
Q. 胎児ドックとNIPT、何が違うの?
A. 検査の対象が異なります。
NIPTは血液でダウン症などの染色体異常を調べます。一方、胎児ドックは超音波で心臓や手足(多指症など)の形態異常を調べます。両方受けることで、より包括的な安心が得られます。
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胎児ドックの時期 → 妊娠11-13週(初期)が最も重要、中期・後期も可能 -
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併用のメリット → 染色体と形態、両方のリスクをカバーできる -
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ミネルバクリニックの強み → 臨床遺伝専門医による一貫サポートと、万が一の確定検査も自院で完結
1. そもそも「胎児ドック」とは?
【結論】 胎児ドック(胎児スクリーニング)は、高性能な超音波(エコー)機器を用いて、お腹の中の赤ちゃんの「かたち(形態)」や「発育」に異常がないかを詳しく調べる専門的な検査です。
「胎児ドックはいつから受けられる?」「NIPTとどっちを受ければいいの?」と疑問に思う方も多いでしょう。まずは胎児ドックがどのような検査なのか、基本を押さえましょう。
通常の妊婦健診で行われるエコー検査は、赤ちゃんの大きさや羊水量、心拍などを確認するのが主な目的です。これに対し、胎児ドックはより高性能な機器を使用し、専門的な技術を持つ医師や検査技師が時間をかけて全身を詳細にチェックします。これにより、NIPT(血液検査)では分からない身体の構造的な異常を発見することが可能です。
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心臓の構造:先天性心疾患(心室中隔欠損、ファロー四徴症など)
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脳・脊髄:無脳症、水頭症、脊髄髄膜瘤など
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顔面:口唇口蓋裂など
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消化器:食道閉鎖、十二指腸閉鎖など
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四肢:多指症、欠損など
2. 胎児ドック・胎児スクリーニングの最適な時期
【結論】 胎児ドックは、いつ受けるかによって検査内容と検出精度が大きく変わります。特に妊娠初期(11-13週)は染色体異常のリスク評価に重要であり、受検できる期間が非常に限られているため注意が必要です。
| 時期 | 妊娠週数 | 主な検査内容 | 検出率 |
|---|---|---|---|
| 妊娠初期 | 11-13週 | NT測定、心臓初期構造、脳構造 | 約80% |
| 妊娠中期 | 18-20週 | 臓器詳細、心臓構造、四肢(指など) | 約90% |
| 妊娠後期 | 28-31週 | 成長確認、最終チェック | 約95% |
妊娠初期(11-13週):胎児スクリーニングで最も重要な時期
妊娠初期の胎児スクリーニングは最も重要な時期です。この時期の胎児ドックでは、NT(Nuchal Translucency:首の後ろのむくみ)を測定し、染色体異常のリスクを評価します。その他、心臓や脳の初期構造、四肢の基本確認なども行います。
⚠️ 重要なポイント:13週6日までの壁
NIPTは10週以降いつでも受けられますが(ミネルバクリニックでは6週から)、初期胎児ドック(NT測定)は13週6日までと時期が厳格に決まっています。この時期を過ぎるとリンパ液が吸収されてしまい、正確なリスク評価ができなくなります。
妊娠中期(18-20週):詳細な胎児スクリーニング
妊娠中期では、臓器の形成が進むため、より詳細なスクリーニングが可能になります。心臓の構造、脳の詳細、消化器系、そして手足の指(多指症など)といった細かな形態異常もこの時期に確認しやすくなります。
🩺 院長コラム【胎児ドックの「時期」を逃さないために】
「胎児ドックはいつ受けたらいいですか?」という質問を日々いただきますが、最も大切なのは「初期ドック(11-13週)を逃さない」ことです。NT測定は13週6日を過ぎると意味がなくなります。
私のお勧めは、まず妊娠6-10週でNIPTを受け、その後11-13週で胎児ドックという流れです。これにより、染色体と形態の両方を効率よくカバーできます。「妊娠がわかったらすぐ相談」を心がけてください。
3. NIPTを受けても胎児スクリーニングが必要な理由
【結論】 NIPTと胎児ドックは検査対象が全く異なります。NIPTは「染色体」、胎児ドックは「形態」を調べる検査です。両方を受けることで、より包括的な診断が可能になり、安心感につながります。
「NIPTを受けたから胎児ドックは不要では?」と考える方もいらっしゃいますが、実際にはNIPTでは分からない重要な異常がたくさんあります。
NIPTでは発見できない「かたちの異常」
NIPTは染色体異常の検出に特化した優れた検査ですが、以下のような「かたち(形態)」の異常は検出できません。これらは胎児ドック(エコー)でのみ発見可能です。
🔍 胎児ドックで見つかる主な異常
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先天性心疾患:全先天性疾患の約30%を占める最も頻度の高い異常
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脳・脊髄の構造異常:無脳症、水頭症、脊髄髄膜瘤など
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口唇口蓋裂:お口周りの形成異常
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消化管の異常:食道閉鎖、十二指腸閉鎖など
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四肢・指の異常:多指症、欠損など
NIPTで陰性(正常)と判定された妊婦さんでも、胎児ドックで重要な異常が発見される例は決して珍しくありません。特に心疾患は出生後すぐに治療が必要になるケースもあるため、事前の発見が重要です。
Q. エコーで「多指症」が見つかったら、ダウン症の確率は上がりますか?
A. エコーで「多指症(指が多い状態)」が見つかった場合、染色体異常との関連を心配される親御さんが多くいらっしゃいます。
確かに、13トリソミーなどの一部の染色体異常では多指症を合併することがありますが、多指症の多くは遺伝子変異や偶発的なものであり、染色体は正常であるケースも少なくありません。「多指症がある=ダウン症」と直結するわけではありませんが、エコーで何らかの形態的な特徴(ソフトマーカー)が見つかった場合は、NIPTや羊水検査などで染色体を確認することが推奨される場合があります。
NIPTと胎児ドック、どちらを受けるべき?
個別の状況やリスクについては、記事を読むよりも
臨床遺伝専門医と直接お話しするのが最も確実な解決策です。
※オンライン診療も対応可能です
4. 「胎児ドック vs NIPT」どっちを受けるべき?
【結論】 「どっちか片方だけにしたい」という場合、検査の目的と特徴を理解して選ぶ必要があります。不安要素をなくすなら「併用」がベストです。
胎児ドックとNIPTの違い早見表
| 項目 | 胎児ドック(エコー) | NIPT(血液検査) |
|---|---|---|
| 何がわかる? | 身体の形態・構造異常 | 染色体の数的異常 |
| いつからいつまで? | 11-13週(厳格) 18-20週、28-31週 |
妊娠10週以降いつでも (ミネルバは6週から) |
| ダウン症検出精度 | 約80%(NT測定時) | 99%以上 |
| 流産リスク | なし | なし(採血のみ) |
| 費用相場 | 3-5万円 | 10-20万円 |
✅ NIPTがおすすめな方
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ダウン症などの染色体異常を高い精度で調べたい
- •
検査による流産リスクを避けたい
- •
妊娠6週(ミネルバの場合)または10週を迎えている
✅ 胎児ドックがおすすめな方
- •
心臓病や口唇口蓋裂などの形態異常を調べたい
- •
NIPTよりも費用を抑えてスクリーニングしたい
- •
実際に動く赤ちゃんの様子を詳しく見たい
💡 最もおすすめの選択:「両方受ける」
「染色体異常」と「形態異常」は別物です。片方だけでは見落としが生じる可能性があります。NIPTで染色体を、胎児ドックで形態をカバーすることで、より包括的な安心を得ることができます。
5. ミネルバクリニックの胎児スクリーニング+NIPT併用プラン
【結論】 ミネルバクリニックでは、最新のCOATE法NIPTと、経験豊富な臨床遺伝専門医によるサポートで、質の高い出生前診断を提供しています。妊娠6週からの早期NIPTにも対応しており、万が一の確定検査も自院で完結します。
🔬 COATE法NIPT
最新の次世代NIPT技術により最高精度を実現(微細欠失症候群の陽性的中率70%台→99.9%)
👶 妊娠6週からの早期NIPT
ミネルバクリニックでは、臨床研究として妊娠6週からの早期NIPTを実施しています。早期に結果を知ることで、今後の判断にゆとりを持つことができます。
👩⚕️ 臨床遺伝専門医常駐
専門医による遺伝カウンセリングで、どの検査を受けるべきか親身にアドバイスします。
🏥 確定検査対応
2025年6月より産婦人科を併設。万が一の確定検査(羊水検査・絨毛検査)も自院で完結します。
🩺 院長コラム【検査を受ける前に知っておいてほしいこと】
胎児ドックやNIPTは「受けるか受けないか」だけでなく、「結果が出た後にどうするか」まで考えておくことが大切です。異常が見つかった場合の選択肢、精密検査の流れ、そして何より「お子さんとご家族にとって最善の道は何か」を一緒に考える必要があります。
私のクリニックでは、検査前の遺伝カウンセリングで、検査の意味、結果の解釈、その後の選択肢について十分にお話しします。どんな結果であっても、お子さんの人生とご家族の幸せを一緒に考えていきましょう。
よくある質問(FAQ)
🏥 一人で悩まないでください
胎児ドックやNIPTについて心配なこと、検査を受けるかどうか迷っていること、
どんなことでもお気軽にご相談ください。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。
参考文献
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