目次
【医師監修】ダウン症は出生前診断でわかる?確率・時期・NIPTの精度を徹底解説
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出生前診断でダウン症はどれくらいわかる?
A. 従来の血清マーカーなどは確率を示す検査ですが、最新のNIPT(COATE法)は感度99%以上、陽性的中率も非常に高い精度で検出可能です。 -
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いつから検査を受けられますか?
A. 一般的には妊娠10週0日からですが、ミネルバクリニックでは妊娠6週からの早期NIPTも実施可能です。 -
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他の検査機関との違いは?
A. 当院採用の「COATE法」は微細欠失の陽性的中率が>99.9%と画期的。さらに父親由来のリスク(自閉症関連遺伝子)も検査可能です。 -
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もし陽性だったら?
A. 臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、羊水検査費用を全額負担する「互助会」や、院内での確定検査体制(2025年6月~)など、万全のトリプルリスクヘッジでサポートします。
「お腹の赤ちゃんは元気だろうか?」「高齢出産でダウン症の確率が心配…」
妊娠中、このような不安を抱くのはとても自然なことです。出生前診断にはいくつかの種類がありますが、検査によって「わかること(対象疾患)」や「精度(検出率)」は大きく異なります。
本記事では、日本で初めて臨床遺伝専門医が遺伝子検査を提供するために開業した「ミネルバクリニック」の院長が、ダウン症(21トリソミー)の検出率や、最新技術を用いたNIPT(新型出生前診断)の可能性について、医学的根拠に基づきわかりやすく解説します。
1. ダウン症(21トリソミー)の検出率:従来検査 vs NIPT
出生前診断を検討する際、まず理解しておきたいのが「非確定検査(スクリーニング)」と「確定検査」の違い、そしてそれぞれの検出率です。
通常2本ペアである21番目の染色体が、突然変異により3本になることで生じる生まれつきの体質です。染色体が1本多い状態のことを「トリソミー」と呼びます。
従来スクリーニング検査の限界
従来から行われている「母体血清マーカー検査(クアトロテストなど)」や「超音波検査(NT計測)」は、あくまで「確率」を出す検査です。複数の検査を組み合わせても、ダウン症の検出率は最大で90〜95%程度と言われています。
また、実際には赤ちゃんに異常がないのに「陽性」と判定されてしまう「偽陽性率」が5%程度存在します。これは、20人に1人の妊婦さんが、不必要な不安を抱えてしまう可能性があることを意味します。
NIPT(新型出生前診断)の圧倒的な精度
これに対し、妊婦さんの血液中に浮遊する胎児由来のDNA断片を分析するNIPTは、非確定検査でありながら極めて高い精度を誇ります。
- ✔ 感度(見逃さない確率): 99%以上
- ✔ 特異度(正常を正常と判定する確率): 99.9%以上
- ✔ 偽陽性率: 0.1%未満
つまり、NIPTは「赤ちゃんへのリスク(流産など)がない検査」の中で、最も正確に赤ちゃんの状態を知ることができる検査と言えます。ただし、これらは一般的なNIPTの数字であり、検査会社や採用している技術によって精度には差があります。
2. 検査時期と確率の推移
NIPTは通常、妊娠10週0日から受けることができます。しかし、ここで知っておくべき重要な医学的事実があります。それは「検査時期によってダウン症の確率(有病率)が変わる」ということです。
妊娠週数による確率の変化(37歳の例)
染色体異常を持つ胎児は、妊娠の過程で自然淘汰(流産・死産)される可能性が高いため、妊娠初期の方が確率は高く出ます。
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妊娠10週時点: 約1/150(0.67%)
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出産時: 約1/225(0.44%)
37歳の方の場合、妊娠10週では約150人に1人の割合ですが、無事に出生に至るのは約225人に1人となります。この差は、染色体異常による自然流産が含まれています。NIPTを受ける際は、この「時点による確率の違い」を理解しておくことが大切です。
🏥 ミネルバクリニックの早期NIPT(妊娠6週~)
通常NIPTは10週からですが、ミネルバクリニックでは臨床研究として妊娠6週〜8週の早期NIPTを実施しています。
妊娠12週を超えると、中絶手術は「中期中絶」となり、出産と同じ形式(分娩)をとるため、母体への身体的負担だけでなく、精神的トラウマも大きくなります。また、役所への死産届提出や火葬が必要となり、労働基準法上の産後休業も義務付けられます。
「少しでも早く結果を知り、精神的・身体的負担を減らしたい」という女性たちの切実な声に応えるため、当院では早期検査の選択肢を提供しています。
3. 検査会社で違う「精度」と「技術」:COATE法とは?
「NIPTの精度はどこで受けても同じ」と思っていませんか?それは大きな誤解です。解析を行う検査会社の技術力によって、結果の信頼性やわかる範囲は大きく異なります。
ミネルバクリニックは、日本で唯一の臨床遺伝専門医が運営する遺伝子検査専門クリニックとして、世界中から厳しい目で選んだ最高水準の検査を提供しています。
スーパーNIPT(第3世代)
約6年前に私が導入した際につけた名称で、当時は最新鋭でした。現在のミネルバクリニックのプランでは「ライトプラン」「スタンダードプラン」に該当します。基本検査として十分な精度を持っています。
ダイヤモンドプラン(次世代・COATE法)
米国の4大遺伝子検査会社の一角が開発した新技術「COATE法」を採用。従来のNIPT技術を凌駕する精度と網羅性を実現しました。
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重要染色体(6種)+微細欠失を高精度検出
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父親由来のリスク(デノボ変異)に対応
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判定保留リスクの低減
【革命的】微細欠失症候群の精度向上
COATE法の最大の特徴は、微細欠失症候群(染色体の微細な欠け)の検出精度です。
従来の検査法では、微細欠失の陽性的中率は70%台にとどまっていました。しかし、COATE法の導入により、陽性的中率は一気に99.9%以上へと飛躍的に向上しました。
ダイヤモンドプランでは、以下の幅広い疾患をスクリーニング可能です。
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基本トリソミー: 13, 18, 21番
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流産リスク関連: 15, 16, 22番トリソミー
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微細欠失症候群: 12か所13疾患(22q11.2欠失症候群など)
4. 父親の加齢と自閉症リスク(デノボ変異)
近年、「精子の老化」や「父親の加齢」がお子さんの健康に与える影響が注目されています。ダウン症などの染色体数異常は主に卵子の影響が大きいですが、自閉症スペクトラムなどの神経発達障害の一部には、精子由来の遺伝子変異が関与していることがわかっています。
(図:父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)
両親は遺伝子変異を持っていないのに、精子や卵子が作られる過程で遺伝子のコピーミスが起こり、お子さんに新たな変異が生じること。父親の年齢が上がると精子の細胞分裂回数が増えるため、このコピーミス(突然変異)のリスクが増加します。
症候性自閉症と非症候性自閉症
自閉症には大きく分けて2つのタイプがあります。ここを区別して理解することが重要です。
① 症候性自閉症(検査可能)
特定の遺伝子変異が原因で、自閉症の症状に加えて、顔貌の特徴や心疾患などの合併症を伴うもの。父親の加齢とともに増える常染色体優性疾患(ソトス症候群など)の多くが含まれます。
- ✅ ミネルバクリニックのダイヤモンドプランでは、これらに関連する56遺伝子のデノボ変異を、陽性的中率99.9%以上で検査可能です。
② 非症候性自閉症(検査不可)
身体的な特徴を伴わない、いわゆる一般的な自閉症。多数の遺伝子と環境要因が複雑に関わっているため、現在の医学では出生前に特定することはできません。
ダイヤモンドプランは、これまで調べられなかった「父親のリスク」もカバーできる、現在考えうる最も包括的なNIPT検査です。
5. ミネルバクリニックだけの「トリプルリスクヘッジ」
NIPTは「受けて終わり」ではありません。「もし陽性だったらどうするか」「検査結果が出なかったらどうするか」。検査後の不安やリスクにどう備えるかが非常に重要です。
ミネルバクリニックでは、患者様に真の安心を提供するために「トリプルリスクヘッジ(3つの保証)」体制を構築しました。
1. 金銭的リスクヘッジ(互助会)
検査時に「互助会」へご入会(会費8,000円・非課税)いただくことで、万が一陽性判定が出た場合の確定検査(羊水検査)費用を、上限15万円(税込16万5千円)まで当院が全額負担します。NIPT取り扱い当初から続く、安心のシステムです。
2. 時間的リスクヘッジ(院内完結)
ミネルバクリニックは非認証施設で唯一、2025年6月より産婦人科を併設し、確定検査(羊水・絨毛検査)を自院で行える体制を整えました。陽性時に他院へ転院する手間やタイムラグをなくし、ワンストップで対応します。
3. 心理的リスクヘッジ(専門医サポート)
これが最も重要です。当院では、臨床遺伝専門医である院長が、検査前のカウンセリングから検査後のフォローまで一貫して担当します。アルバイト医師やカウンセラー任せにはしません。陽性という衝撃的な結果に対面した時、事情を知らない新しい医師に一から説明する苦痛はありません。いつもの先生が、医学的根拠に基づき、そして一人の人間として、あなたの決断に寄り添い続けます。
🆕 安心結果保証制度(2025年1月〜)
母体血中の胎児DNA(胎児分画)が少ないと、正確な結果が出せず「判定保留(再検査)」となることがあります。再検査には時間が必要ですが、その間に残念ながら流産してしまうケースもゼロではありません。
そこで、「再検査が必要だが流産により検体再提出が不可能になった場合」に検査代金を全額返金する制度(加入料6,000円)を開始しました。流産が多い時期だからこそ、患者様に寄り添うための独自の保証です。
よくある質問(FAQ)
🏥 臨床遺伝専門医へのご相談
ミネルバクリニックは、日本で唯一の臨床遺伝専門医が遺伝子検査のために開業したクリニックです。
最新の遺伝医学と「トリプルリスクヘッジ」で、あなたの妊娠期間の安心をサポートします。
参考文献
- [1] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for fetal aneuploidy. Practice Bulletin No. 163. Obstet Gynecol. 2016. [PubMed]
- [2] Snijders RJ, et al. Maternal age- and gestation-specific risk for trisomy 21. Ultrasound Obstet Gynecol. 1999. [PubMed]
- [3] Kong A, et al. Rate of de novo mutations and the importance of father’s age to disease risk. Nature. 2012. [PubMed]

