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絨毛検査と羊水検査、どっちを受けるべき?違い・時期・リスクを臨床遺伝専門医が徹底比較【2025年最新版】

絨毛検査と羊水検査、どっちを受けるべき?違い・時期・リスクを臨床遺伝専門医が徹底比較【2025年最新版】

「NIPTで陽性判定が出た。次はどうすればいい?」
「絨毛検査と羊水検査、名前は聞くけれど、結局どちらを選べばいいの?」

NIPT(新型出生前診断)で陽性や判定保留となった場合、確定診断のために侵襲的検査(絨毛検査または羊水検査)を検討する必要があります。しかし、この2つには実施時期やリスク、そして「検査で見つけられる異常の範囲」に決定的な違いがあります。

この記事では、臨床遺伝専門医であるミネルバクリニック院長の仲田洋美が、絨毛検査と羊水検査の違いを医学的根拠に基づいて徹底比較し、あなたが「後悔しない選択」をするための判断基準をお伝えします。

この記事でわかること
📖 読了時間:約8分
臨床遺伝専門医監修


  • どっちがおすすめ?(結論) → 早く知りたいなら絨毛検査、確実性なら羊水検査。専門医が使い分けを解説。

  • 【最新】ミネルバの体制 → 2025年6月より自院で確定検査(羊水・絨毛)が完結。転院不要のメリットとは?

  • 羊水検査の盲点 → 「羊水=100%安心」ではない?見落とされがちな外胚葉バイアスについて。

  • トリプルリスクヘッジ → 金銭・時間・心理的負担をゼロにするミネルバ独自の保証制度。

1. 【一覧表】絨毛検査と羊水検査の違いを比較

まずは、両者の主な違いを表で確認しましょう。「いつ受けられるか」「リスクはどれくらいか」が最大の相違点です。

項目 絨毛検査(CVS) 羊水検査(Amnio)
実施時期 早い
妊娠11週〜14週頃
遅い
妊娠16週〜18週以降
結果判明 数日〜2週間 2週間〜3週間
検査対象 胎盤の絨毛細胞 羊水中の胎児細胞
流産リスク 約1%(1/100)
※やや高い
約0.3%(1/300)
※比較的低い
痛み チクっとする程度〜鈍痛 採血と同程度
精度・注意点 胎盤性モザイクの可能性あり
(偽陽性リスク約1-2%)
確定的検査の王道
※ただし外胚葉バイアスあり

💡 用語解説:胎盤性モザイク(CPM)

受精卵が分裂する過程で、「赤ちゃんになる細胞」は正常なのに、「胎盤になる細胞」にだけ染色体異常が起きる現象です。絨毛検査は胎盤の細胞を調べるため、この場合に「偽陽性(赤ちゃんは元気なのに陽性)」と出てしまうリスクが約1〜2%あります。これを避けるには羊水検査が必要です。

2. ミネルバクリニックの「トリプルリスクヘッジ」とは?

一般的に、NIPTを受ける施設と、陽性になった時に確定検査を受ける施設(大学病院など)は別々であることが多く、患者さんは「陽性告知」を受けた直後に、自分で転院先を探さなければならないという大きな負担を強いられてきました。

ミネルバクリニックでは、患者さんの不安を徹底的に取り除くため、3つのリスクヘッジ(安心の仕組み)をご用意しています。

1. 金銭的リスクヘッジ(互助会)

当院の羊水検査互助会にご加入いただくと、陽性時の確定検査(羊水検査・絨毛検査)の費用を、上限なしの実費で全額負担します。多くの施設にある「上限15万円」のような制限がないため、自己負担の心配がありません。

2. 時間的リスクヘッジ(院内完結)

2025年6月より、非認証施設では希少な産婦人科の併設を開始。これにより、当院の院内で確定検査(羊水・絨毛)が実施可能になりました。紹介状を持って他院へ行く待機時間がゼロになります。

3. 心理的リスクヘッジ(転院不要)

「知らない先生にまた一から説明しなければならない」という精神的ストレスを解消。いつもの場所で、臨床遺伝専門医の院長が検査まで責任を持って担当します。

【New!】安心結果保証制度

「再検査が必要」となったものの、検査結果が出る前に残念ながら流産されてしまい、検体の再提出ができない場合、検査費用を全額返金いたします。(2025年1月開始)
流産のリスクが高い時期だからこそ、患者さんの気持ちに寄り添うための制度です。

3. 臨床遺伝専門医が教える「羊水検査の死角」

「羊水検査さえ受ければ100%安心」と思っていませんか?実は、羊水検査にも「見逃してしまう異常」が存在することを、ほとんどの医師は説明しません。

羊水細胞の多くは「皮膚から剥がれ落ちた細胞」

羊水の中に浮いている細胞は、赤ちゃんの体から均等に集まったものではありません。その内訳には大きな偏り(バイアス)があります。

  • 🟥 外胚葉由来(皮膚・羊膜など):約60〜70%(圧倒的多数)
  • 🟨 中胚葉由来(尿路系など):約20〜30%
  • 🟦 内胚葉由来(消化管・肺など):10%未満(ごく少数)

羊水中の細胞の大部分は、赤ちゃんの皮膚(外胚葉)から自然に剥がれ落ちた古い細胞などです。これが何を意味するかというと、もし赤ちゃんが「皮膚(外胚葉)の細胞は正常だが、内臓(内胚葉・中胚葉)の細胞にだけ染色体異常がある」という特殊なモザイク状態だった場合、羊水検査では正常な細胞ばかりを拾ってしまい、異常を見逃す(偽陰性となる)可能性があるのです。

「羊水検査はゴールドスタンダード」ですが、万能ではありません。だからこそ、検査結果を鵜呑みにせず、専門医が超音波所見などと合わせて総合的に判断することが極めて重要なのです。

💡 専門医コラム:膀胱の発生について

教科書的には「膀胱三角部は中胚葉由来」と習うことがありますが、最新の発生学では、成長過程で内胚葉性の細胞に置き換わり、最終的には膀胱の内壁すべてが内胚葉由来になると考えられています。このように、医学の常識は常にアップデートされています。

4. スーパーNIPTとダイヤモンドプランの違い

ミネルバクリニックでは、世界中で採用されている高度なNIPTプランを提供しています。よくご質問いただく2つのプランの違いを明確にします。

🧬 スーパーNIPT(第3世代NIPT)

6年前に導入したプランで、当時の最新技術「NIPTgenetics」を採用したものです。現在当院で提供している「ライトプラン」「スタンダードプラン」がこれに該当します。

💎 ダイヤモンドプラン(COATE法・次世代NIPT)

米国の4大遺伝子検査会社の一角が開発した、さらに新しい「COATE法」という技術を用いた最上位プランです。詳細はこちら(ダイヤモンドプラン)

  • 微細欠失の精度向上: 従来法では陽性的中率が70%台でしたが、COATE法では>99.9%へと飛躍的に向上しました。
  • 56種類の遺伝子検査: 父親の加齢とともにリスクが増える「常染色体優性疾患」を含む56遺伝子を検査します。
  • 症候性自閉症のカバー: この56遺伝子の中には、重い身体的特徴や合併症を伴う「症候性自閉症」の原因遺伝子が多く含まれています。
    ※いわゆる「発達障害(非症候性自閉症)」とは異なり、遺伝的要因が明確で重篤なものが対象です。

5. 父親の加齢リスクと「デノボ変異」

「高齢出産のリスク」というと母親の年齢ばかりが注目されますが、実は父親の年齢も赤ちゃんの健康に大きく影響します

精子は細胞分裂を繰り返して作られるため、父親の年齢が上がるとともに「コピーミス」が起こる確率が高まります。これを「新生突然変異(デノボ変異)」と呼びます。

父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ

(図:父親由来の遺伝子変異が子へ伝わるイメージ)

ダイヤモンドプランでは、このデノボ変異についても、陽性的中率>99.9%という極めて高い精度で検出が可能です。米国の4大検査会社が責任を持って分析を行うため、信頼性が違います。

また、自閉症スペクトラム障害(ASD)のリスクに関しては、父親が20代の場合と比較して、40代以上では約1.2倍(オッズ比)に上昇するというデータもあります。

6. 【早期NIPT】妊娠6週から検査が可能に

ミネルバクリニックでは、臨床研究として妊娠6週〜8週の早期NIPTを実施しています。

通常のNIPT(10週〜)を待って陽性となり、そこから確定検査を受けると、結果が出る頃には妊娠中期(12週以降)に入ってしまうことがあります。中期中絶は身体的負担が大きく、役所への届出や火葬が必要になるなど、精神的トラウマも計り知れません。

「もしもの時に、少しでも早く判断材料が欲しい」「中期中絶だけは避けたい」と願う女性のために、私たちは早期検査の選択肢を提供しています。
オンラインNIPTなら、つわりの時期に外出することなく、全国どこからでも検査が可能です。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 絨毛検査は痛いですか?

A. 針を刺す場所(お腹からか、膣からか)や個人差によりますが、採血より少し強い痛みや生理痛のような鈍痛を感じることがあります。羊水検査よりも針が太いため、一般的には羊水検査より痛みを感じやすいと言われています。

Q2. 確定検査で流産する確率は?

A. 一般的な目安として、羊水検査は約0.3%(300人に1人)、絨毛検査は約1%(100人に1人)のリスクがあるとされています。

Q3. ミネルバクリニックで陽性だった場合、他院を探す必要がありますか?

A. いいえ、必要ありません。2025年6月より、当院の院内で確定検査(羊水・絨毛)を受けていただけるようになりました。いつものクリニックで、院長が最後まで担当しますのでご安心ください。

Q4. 4Dエコーは受けられますか?

A. はい。2022年11月より最新の4Dエコーを導入しました。NIPT検査の当日に赤ちゃんの状態(NTの厚さや鼻骨など)を確認してから検査に進めるため、より納得して検査を受けていただけます。

Q5. 羊水検査互助会の上限額はいくらですか?

A. ミネルバクリニックの互助会には上限額はありません。検査にかかった実費を全額カバーいたしますので、費用の心配をせずに検査を受けていただけます。

Q6. 遠方に住んでいますが検査できますか?

A. はい、可能です。オンラインNIPTをご利用いただければ、事前の遺伝カウンセリングをビデオ通話で行い、採血は最寄りの医療機関で行えます。

🏥 臨床遺伝専門医へのご相談

NIPT、羊水検査に関するご不安は、専門医が常駐するミネルバクリニックへお気軽にご相談ください。
最新の遺伝医学と、温かい心であなたをお迎えします。



プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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