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ミネルバクリニックでは、コルネリア・デランゲ症候群に関連する4つの主要遺伝子(NIPBL、SMC1A、SMC3、HDAC8)をNIPTで調べることができます。一般的なNIPTでは検査できない疾患も、最新のCOATE法により高精度で検出可能です。
コルネリア・デランゲ症候群とは
コルネリア・デランゲ症候群(CdLS)は、出生1万〜3万人に1人の頻度で発症する希少な先天性疾患です。1933年にオランダの小児科医コルネリア・デ・ランゲにより報告されました。
この疾患は重症度に幅があり、古典的(重度)な場合は早期死亡を伴うこともありますが、軽症例では比較的良好な予後が期待できます。IQは30未満から102まで幅広く、平均は53とされています。
原因遺伝子について
コルネリア・デランゲ症候群は、複数の遺伝子の変異により引き起こされる遺伝性疾患です。現在まで主要な6つの遺伝子がコルネリア・デランゲ症候群の原因遺伝子として報告されています:
- NIPBL遺伝子(5番染色体)- 症例の約60%以上
- SMC1A遺伝子(X染色体)- 症例の約4-6%
- SMC3遺伝子(10番染色体)- 数%
- HDAC8遺伝子(X染色体)- 数%
- RAD21遺伝子(8番染色体)- 稀
- BRD4遺伝子(19番染色体)- 稀
さらに、ANKRD11遺伝子なども類似した表現型を引き起こすことが報告されています。
コヒーシンの詳しい機能と重要性
これらの遺伝子は、すべて「コヒーシン」という細胞内のタンパク質複合体の機能に関わっています。コヒーシンは、姉妹染色分体の接着に中心的な役割を果たすタンパク質複合体で、4つのサブユニット(SMC1A、SMC3、RAD21、STAG)から構成されるリング状の構造をとります。
コヒーシンの主な機能:
DNA複製後に姉妹染色分体が分離するまで、染色体をつなぎとめる重要な役割を担います。この機能により、細胞分裂時に遺伝情報が正確に分配されます。
コヒーシンはゲノムの立体構造制御や遺伝子発現制御に重要な役割を果たします。DNAの離れた領域同士をループ状に結合させることで、遺伝子とその調節配列の相互作用を促進し、適切な遺伝子発現を可能にします。
TAD(トポロジカルドメイン)の境界にコヒーシンが局在し、クロマチン構造を区画化することで、遺伝子の適切な発現パターンを維持します。
2本鎖DNA切断などの重篤なDNA損傷の修復に必須のプラットフォームとしても機能し、遺伝情報の維持と継承に不可欠です。
胎児発達におけるコヒーシンの重要性
コヒーシンは転写制御と染色体高次構造を連動させ、胎児の発生分化に寄与します。特に:
- • 遺伝子発現の精密制御:発達段階に応じた適切な遺伝子の発現を調節
- • 細胞分化の促進:幹細胞から各種臓器細胞への分化を支援
- • 形態形成の調節:顔面、四肢、臓器の正常な形成に必要
- • 成長制御:胎児期から出生後の成長パターンを調節
コヒーシンやその制御因子をコードする遺伝子の変異がヒトの遺伝疾患を引き起こすことが明らかになり、これらはコヒーシン病(cohesinopathy)と総称されています。コルネリア・デランゲ症候群はこの代表例で、胎児期の発達に関わる複数の遺伝子の調節異常により、多臓器にわたる症状が現れるのです。
約99%の症例は新生突然変異(偶然起きた遺伝子の変化)によるもので、両親に責任はありません。ただし、まれに遺伝する場合もあり、その際は常染色体優性遺伝またはX連鎖遺伝の形式をとります。
主な症状と合併症
身体的特徴:
- → 特徴的な顔立ち:両眉がつながる、長いまつげ、上向きの鼻など
- → 成長障害:出生前から人生を通じて5パーセンタイル未満
- → 上肢の異常:指の欠損から前腕の完全な欠如まで様々
- → 小頭症と多毛症
重要な合併症:
- ⚠ 聴覚障害:85-90%の患者に発症
- ⚠ 胃食道逆流:致命的な反復性誤嚥のリスク
- ⚠ 心中隔欠損症
- ⚠ 呼吸器感染症
- ⚠ 自閉的で自己破壊的な傾向
- → 特徴的な顔立ち:両眉がつながる、長いまつげ、上向きの鼻など
- → 成長発達の遅れ:胎児期からの成長遅延
- → 知的障害:軽度から重度まで幅広い
- → 上肢の異常:手指の欠損や形成不全
- → その他:心疾患、難聴、消化器症状など
ミネルバクリニックのNIPTで検査可能な4つの遺伝子
ミネルバクリニックでは、56遺伝子・30種類以上の単一遺伝子疾患を検査できる最新のCOATE法を採用しています。この技術により、コルネリア・デランゲ症候群に関連する以下の4つの主要遺伝子すべてを検査することができます。
NIPBL遺伝子
頻度:症例の約60%以上
症状:古典的(重度)症状
染色体:5番染色体(5p13)
✅ ミネルバクリニックで検査可能
SMC1A遺伝子
頻度:症例の約4-6%
症状:比較的軽症
染色体:X染色体
✅ ミネルバクリニックで検査可能
SMC3遺伝子
頻度:数%
症状:軽症例が多い
染色体:10番染色体
✅ ミネルバクリニックで検査可能
HDAC8遺伝子
頻度:数%
症状:特徴的な顔貌、知的障害
染色体:X染色体
✅ ミネルバクリニックで検査可能
一般的なNIPTではこれらの遺伝子変異を検出することはできませんが、ミネルバクリニックではコルネリア・デランゲ症候群の原因となる主要な4つの遺伝子の検査に対応しています。これにより、約70%以上の症例の検出が期待できます。
一般的なNIPTでは検査できない理由
現在、認証施設でのNIPTは21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、13トリソミーの3つに限定されています。これは以下の理由によるものです:
- → 対象疾患の限定:標準NIPTは染色体数の異常のみを検査
- → 遺伝子変異の検出困難:単一遺伝子の変異は通常のNIPTでは検出不可
- → 技術的制約:従来の検査技術では精度に限界
- → 偽陽性の問題:精度が不十分だと誤診のリスク
ミネルバクリニックのNIPTなら検査可能
ミネルバクリニックの検査技術
COATE法により、56遺伝子・30種類以上の単一遺伝子疾患を検査可能。コルネリア・デランゲ症候群に関連する4つの主要遺伝子(NIPBL、SMC1A、SMC3、HDAC8)の変異を検出することができます。
ミネルバクリニックの5つの特徴
- ✓ COATE法:最新の次世代NIPT技術で最高精度を実現
- ✓ 56遺伝子検査:30種類以上の単一遺伝子疾患に対応
- ✓ コルネリア・デランゲ症候群:4つの主要遺伝子すべてを検査可能
- ✓ 微細欠失症候群:従来の陽性的中率70%台→99.9%に向上
- ✓ 臨床遺伝専門医常駐:専門医による遺伝カウンセリング
- ✓ オンライン対応:全国どこからでも受検可能
- ✓ 24時間サポート:陽性時の手厚いフォロー体制
産婦人科併設により確定検査も自院で対応
NIPT検査から陽性時の確定検査(羊水・絨毛検査)まで一貫した対応を実施いたします。非認証施設において確定検査まで対応できる体制を整備しました。
他の遺伝子検査との比較
※理論値。実際の検出率は症例により異なります。
検査を受ける際の注意点
- → 遺伝カウンセリングの重要性:検査の意味や結果の解釈について十分な説明を受ける
- → パートナーとの相談:検査結果に対する考え方を事前に話し合う
- → 検査の限界:すべての遺
- → 検査の限界:すべての遺伝子変異を検出できるわけではない
- → 確定診断の必要性:陽性の場合は確定検査が必要
ミネルバクリニックの安心サポート体制
- ✓ 院内確定検査:2025年6月より産婦人科併設、羊水・絨毛検査も自院で対応可能
- ✓ 4Dエコー:NIPT前に胎児の状態を確認(2022年11月〜)
- ✓ 検査結果保証:再検査が必要で流産により不可能な場合の返金制度(2025年1月〜)
- ✓ 互助会制度:陽性時の確定検査費用をフルカバー
- ✓ 継続的サポート:結果説明から出産まで一貫したフォロー
よくある質問(FAQ)
まとめ
コルネリア・デランゲ症候群は、一般的なNIPTでは検査できない疾患ですが、ミネルバクリニックの最新COATE法により、主要な4つの遺伝子変異を高精度で検出することが可能です。
- ✓ 他の施設では検査できない遺伝子変異の検査に対応
- ✓ 臨床遺伝専門医による専門的なサポート
- ✓ 2025年6月から確定検査も自院で対応予定
- ✓ 精度の高い検査技術を採用
- ✓ 充実したサポート体制を整備
妊娠中の不安を少しでも軽減するために、まずは専門医にご相談ください。あなたとご家族にとって最適な選択肢を一緒に考えさせていただきます。
参考文献・引用元
- • 小児慢性特定疾病情報センター「コルネリア・デランゲ(Cornelia de Lange)症候群 概要」
- • 遺伝性疾患プラス「コルネリア・デランゲ症候群」
- • GENIE希少疾患・未診断疾患支援システム「NIPBL」
- • 出生前検査認証制度等運営委員会「NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)とは」
- • CdLS Japan「コルネリア・デランゲ症候群 患者家族会」
- • GeneReviews「コルネリア デ ランゲ症候群」

