目次
WFS1(ダブリューエフエスワン)遺伝子は、細胞の中の小胞体(しょうほうたい)という場所で働くタンパク質「ウォルフラミン」の設計図です。この遺伝子の2本のコピー(父由来と母由来)の両方に病的な変化があると、若いころの糖尿病と視神経萎縮から始まるウォルフラム症候群(DIDMOAD〔ディドモアド〕)が起こります。一方、片方だけの変化で、低い音から聞こえにくくなる遺伝性の難聴や、白内障・糖尿病だけが起こる型もあります。「WFS1に変異が見つかった=ウォルフラム症候群」ではありません。この記事では、1つの遺伝子から別々の病気が生まれるしくみと、遺伝のしかた、検査、治療研究の現状を臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. WFS1遺伝子とはどんな遺伝子ですか?
4番染色体の短腕(4p16.1)にある遺伝子で、小胞体の膜にあるタンパク質「ウォルフラミン」をつくります。ウォルフラミンは、小胞体にかかる負担(小胞体ストレス)が行き過ぎないよう調節する役目をもっています。
🧬 Q. ウォルフラム症候群とはどんな病気ですか?
WFS1の両方のコピーに病的な変化があると起こる病気で、16歳より前に糖尿病と視神経萎縮が始まるのが典型です。難聴、中枢性尿崩症、排尿の障害、神経の症状が加わることがあります。日本では指定難病233です(2026年10月時点)。
🧬 Q. 低音障害型の感音難聴は遺伝しますか?
多くの低音障害型感音難聴は遺伝の病気ではありませんが、WFS1の片方の変化による「DFNA6/14/38」は常染色体顕性(優性)遺伝で、お子さんに受け継がれる確率は2分の1です。生まれつきで、ゆっくり進むのが特徴です。
🧬 Q. どうやって調べますか?
血液や口の粘膜の細胞からDNAを取り出し、WFS1の配列を読みます。当院ではWFS1とCISD2の2遺伝子を調べるパネル検査(税込330,000円・結果まで2〜3週間)を行っており、結果は遺伝カウンセリングで臨床遺伝専門医が説明します。
- ➤WFS1の働き → 小胞体ストレスを抑えるブレーキ役のタンパク質をつくる
- ➤両方の変化 → ウォルフラム症候群(常染色体潜性〔劣性〕遺伝)
- ➤片方の変化 → 低音障害型の遺伝性難聴・白内障・糖尿病だけの型など(常染色体顕性〔優性〕遺伝)
- ➤寿命と治療 → 根本的な治療法はまだなく、臨床試験の結果が出始めている段階
- ➤検査 → 出生後は血液などで、家族の変化がわかれば出生前(羊水・絨毛)も調べられる

1. WFS1遺伝子とは?ウォルフラミンと小胞体の働き
WFS1遺伝子は、ウォルフラミン(wolframin)という膜タンパク質をつくる遺伝子です。遺伝子の名前は、この遺伝子が原因となる「ウォルフラム症候群(Wolfram syndrome)1型」の頭文字から付けられています。病気の原因として見つかった遺伝子が、その病気の名前で呼ばれるのは珍しいことではありません。ただし、のちに説明するように、WFS1が関わる病気はウォルフラム症候群だけではありません。遺伝子の名前が病名と同じだからといって、変化が見つかった人がその病気だとは限らない点を、最初に押さえておいてください。
遺伝子の場所と構造:4p16.1、8つのエクソン、890個のアミノ酸
WFS1遺伝子は4番染色体の短腕(4p16.1)にあり、8つのエクソンからなります。エクソンとは、遺伝子のうちタンパク質の設計情報として使われる部分のことです。8つのうち最後の8番目のエクソンがいちばん大きく、病的な変化の多くもこのエクソン8に見つかっています[1]。遺伝子はゲノム上で約33.4kbにわたっています[2]。
WFS1からつくられるウォルフラミンは、890個のアミノ酸からなる分子量約100kDのタンパク質です。9か所の膜貫通部分(膜を縫うように貫く部分)をもち、小胞体の膜に埋め込まれています。4つが集まった約400kDの複合体(四量体)として働くと考えられています[1]。全身の多くの臓器で使われていますが、とくに膵臓、脳、心臓で多くつくられています[1]。膵臓と脳で多いことは、ウォルフラム症候群で糖尿病と神経の症状が目立つことと対応しています。
💡 用語解説:小胞体(しょうほうたい)
小胞体は、細胞の中にある袋状の膜の構造で、インスリンなどの分泌タンパク質や膜タンパク質を正しい形に折りたたむ「工場」の役割をしています。カルシウムを貯めておく場所でもあります。インスリンを大量につくる膵臓のβ(ベータ)細胞のように、たくさんのタンパク質を分泌する細胞ほど、小胞体の負担が大きくなります。
ウォルフラミンの働き:小胞体ストレスのブレーキ
ウォルフラミンの大切な役目の1つは、小胞体ストレスへの反応が行き過ぎないようにブレーキをかけることです。小胞体で折りたたみ損ないのタンパク質がたまる状態を小胞体ストレスといい、細胞はこれを感知すると、生産を減らしたり折りたたみの手伝いをするタンパク質を増やしたりして立て直そうとします。この反応をUPR(アンフォールデッドタンパク質応答)と呼び、センサー役のタンパク質の1つがATF6(エーティーエフシックス)です。
2010年の研究で、WFS1はATF6αの分解を促すことで、この反応を抑えていることが示されました。WFS1はHRD1という酵素(ユビキチンリガーゼ)を安定させ、ATF6αを細胞のゴミ処理装置であるプロテアソームへ運んで分解させます[3]。WFS1を欠くマウスのβ細胞や、ウォルフラム症候群の患者さんのリンパ球では、ATF6αが多く、HRD1が少ない状態になっていました[3]。著者らは、WFS1が慢性的で解消されない小胞体ストレスを防ぎ、それがβ細胞の死を防ぐことにつながると考えています[3]。
ウォルフラミンは、小胞体とミトコンドリア(細胞のエネルギー工場)が接する部分(MAM)にも関わっています。カルシウムの量を感知するNCS1というタンパク質と複合体をつくり、小胞体からミトコンドリアへのカルシウムの受け渡しに関わることが報告されています[1]。ただし同じ総説は、WFS1の変化がミトコンドリアそのものの形を直接こわすわけではないとも述べています[1]。ウォルフラム症候群が「ミトコンドリア病」と似た症状を示すのはこのためと考えられますが、遺伝のしかたは母系遺伝のミトコンドリア病とはまったく違います。
💡 用語解説:ATF6とHRD1
ATF6は、小胞体にたまった折りたたみ損ないのタンパク質を感知して、修理用のタンパク質の遺伝子を働かせるセンサーです。必要なときには役に立ちますが、働きっぱなしになると細胞の負担が増えます。HRD1は、不要になったタンパク質に「分解してよい」という目印(ユビキチン)を付ける酵素です。ウォルフラミンはHRD1と組んで、ATF6を片づける役を担っています。
2. 1つの遺伝子から分かれる病気:片方の変化か、両方の変化か
WFS1の変化で起こる病気は、変化が「2本のコピーの両方にあるか」「片方だけか」で大きく2つに分かれます。遺伝子データベースのOMIMには、WFS1が原因となる病気として次の4つが登録されています[2]。米国の遺伝性疾患の解説集GeneReviewsは、これらをまとめて「WFS1スペクトラム障害」と呼び、両方の変化による「古典型」と、片方の変化による「非古典型」に分けています[4]。
🧬 WFS1遺伝子の変化で起こる病気(OMIM)
| 病名(OMIM番号) | 遺伝形式 | 変化の数 | おもな特徴 |
|---|---|---|---|
| ウォルフラム症候群1型(222300) | 常染色体潜性(劣性) | 両方 | 16歳より前の糖尿病と視神経萎縮。難聴・尿崩症・神経症状などが加わる |
| 常染色体顕性ウォルフラム様症候群(614296) | 常染色体顕性(優性) | 片方 | 難聴・視神経萎縮・糖尿病の一部または組み合わせ |
| 常染色体顕性難聴6/14/38(600965) | 常染色体顕性(優性) | 片方 | 生まれつきの低音域(2,000Hz未満)の感音難聴で、ゆっくり進む |
| 白内障41型(116400) | 常染色体顕性(優性) | 片方 | 先天性の核白内障。OMIMでは「?」付き(根拠が限られる) |
※病名・番号・遺伝形式はOMIM 606201[2]、特徴はGeneReviews[4]による。OMIMには、2型糖尿病との関連(125853)も登録されています。
両方の変化:ウォルフラム症候群(DIDMOAD)とは
ウォルフラム症候群は、WFS1の両方のコピーに病的な変化があると起こる、全身の神経と内分泌の病気です。中心となる症状の英語の頭文字をとって、DIDMOAD(ディドモアド)とも呼ばれます。Diabetes Insipidus(尿崩症)、Diabetes Mellitus(糖尿病)、Optic Atrophy(視神経萎縮)、Deafness(難聴)の4つです[4]。
GeneReviewsでは、16歳より前に糖尿病と視神経萎縮が始まることを古典型の特徴としています。そのうえで、難聴、中枢性尿崩症、神経の異常、神経因性膀胱、精神の症状がさまざまな組み合わせで加わります[4]。4つの症状がすべてそろうとは限らず、日本の全国調査では、4つがそろっていた人は67人中33人(49%)でした[5]。名前の頭文字がそろっていなくても、この病気は否定できません。
ウォルフラム症候群には、CISD2という別の遺伝子による「2型」もあります。若いころの糖尿病や視神経萎縮のほか、消化管の潰瘍や出血、血小板の働きの異常が報告されていますが、報告された人が少なく、全体像はまだわかっていません[4]。病気の全体像はウォルフラム症候群のページで扱います。
片方の変化:ウォルフラム様症候群・新生児糖尿病・白内障
WFS1の片方だけの変化でも、病気が起こることがあります。英国の専門外来でWFS1の病的変化をもつ100人あまりを診たところ、約15人がこの「非古典型」でした[4]。報告されているおもな型は次のとおりです[4]。
1つ目は、視神経萎縮と難聴を合わせもつ型です。デンマークの3世代の家系では、子どものころからの視神経萎縮があっても、色の見分けと実用的な視力が60代まで保たれていました。2つ目は、生まれてすぐの糖尿病(新生児糖尿病)、生まれつきの高度な難聴、白内障を合わせもつ型で、5人が報告されています。5人とも家族に同じ病気の人はおらず、本人に新しく起きた変化(新生突然変異)でした。3つ目は糖尿病だけの型で、フィンランドの4世代の家系では8人が18〜51歳で糖尿病と診断され、視神経萎縮や難聴はありませんでした。4つ目は白内障だけの型で、アイルランドの4世代の家系で11人が報告されています。
GeneReviewsによると、非古典型では今のところ進行する神経の変性は報告されておらず、古典型より症状は軽く、進みにくいとされています[4]。ただし、追跡したデータは限られています。とくに新生児糖尿病の型は、長期の経過がまだ報告されていません[4]。
💡 用語解説:新生突然変異(de novo変異)
両親のどちらももっていない遺伝子の変化が、お子さんで初めて起こったものを新生突然変異といいます。精子や卵子ができる途中、または受精してすぐに起こると考えられています。両親の血液を調べても変化が見つからないのが特徴です。家族に同じ病気の人がいなくても、顕性(優性)の遺伝性疾患が起こるのはこのためです。
低音障害型の感音難聴が遺伝で起こる場合(DFNA6/14/38)
WFS1の片方の変化は、低い音から聞こえにくくなる遺伝性の難聴「DFNA6/14/38」の原因になります。DFNAは「常染色体顕性の非症候群性難聴」の略で、6・14・38は別々に見つかった3つの遺伝子座の番号です。調べていくと、3つともWFS1の変化だったため、まとめて呼ばれています[2]。
この難聴は、目や他の臓器の症状をともなわず、2,000Hz未満の低い音域が生まれつき聞こえにくく、ゆっくり進みます[4]。高い音の聞こえは保たれるため、言葉を覚えたあとで初めて気づかれることが多いとされています[4]。両方の変化によるウォルフラム症候群の難聴は高い音から始まるのに、片方の変化による難聴はなぜ低い音から始まるのか。その理由はまだわかっていません[4]。
「低音障害型感音難聴」と検索すると、多くは大人になってから起こる型の情報が出てきます。生まれつきで家族にも同じ聞こえ方の人がいるDFNA6/14/38とは、始まり方が違います。遺伝を考えるきっかけになるのは、「子どものころから低い音が聞こえにくい」「親や兄弟にも同じ聞こえ方の人がいる」という場合です。このときは、WFS1を含む難聴の遺伝子検査で原因がわかることがあります。
「WFS1に変異が見つかった=ウォルフラム症候群」ではない
遺伝子検査でWFS1に変化が見つかっても、それだけでウォルフラム症候群とは決まりません。確かめることは3つあります。1つ目は、変化が片方か両方か。片方なら、潜性(劣性)遺伝のウォルフラム症候群の保因者である場合と、顕性(優性)遺伝の非古典型である場合があります。2つ目は、その変化が病気の原因と判定されたか(病的・病的の可能性が高い)、意義がまだわからない変化(VUS)か。3つ目は、ご本人にどんな症状があるかです。
❌ WFS1の変異=ウォルフラム症候群
両方のコピーに病的な変化があるときに起こります。片方だけなら保因者か、難聴・白内障などの非古典型です。
❌ 低音の難聴は遺伝しない
多くは遺伝ではありませんが、WFS1によるDFNA6/14/38は顕性遺伝で、お子さんへは2分の1の確率で受け継がれます。
❌ 4症状がそろわなければ違う
日本の調査で4症状がそろっていたのは49%でした。糖尿病と視神経萎縮だけでも疑われます。
❌ 寿命は30歳
これは1995年の報告にもとづく古い見方で、今は亡くなる年齢の中央値はもっと高いとされています。
症状がなく、ほかの目的の検査(保因者検査など)で偶然片方の変化が見つかった場合と、子どものころからの糖尿病と視力低下があって両方の変化が見つかった場合とでは、意味がまったく違います。結果の英語表記の読み方はVUS(臨床的意義不明のバリアント)とはで解説しています。
3. ウォルフラム症候群の症状・経過・寿命
ウォルフラム症候群の症状は、一度にそろうのではなく、年齢とともに順番に加わっていきます。どの症状がいつ出るかを知っておくと、たとえば糖尿病だけの時期に、次に起こりうる視力や聞こえの変化に早く気づくことができます。
症状が出る順番と年齢の目安
英国の45人を調べた研究では、糖尿病の始まる年齢の中央値は10歳未満(1歳未満〜17歳)で、ほぼ全員がインスリン治療を必要としていました[4]。視神経萎縮は最終的に全員に起こり、始まる年齢の中央値は10歳未満です[4]。感音難聴は約66%にみられ、始まる年齢の中央値は12.5歳でした[4]。中枢性尿崩症は72%にみられ、中央値は15.5歳です[4]。尿路の拡張や失禁、くり返す感染など神経因性膀胱の徴候は29人中16人にみられ、中央値は22歳でした[4]。
日本の全国調査では、糖尿病が最初に現れ(中央値8.7歳)、続いて視神経萎縮が現れました(中央値15.8歳)[5]。日本の難病情報センターも、典型的には10歳前後に始まるインスリン治療が必要な糖尿病が最初の症状になると説明しています[6]。
ウォルフラム症候群の糖尿病は、1型糖尿病と同じくインスリンが足りなくなる糖尿病ですが、経過はやや異なります。GeneReviewsによると、ケトアシドーシスで始まることはありますが全体の経過は穏やかで、細い血管の合併症は少なめです[4]。一方で重い低血糖を起こしやすいことが知られています[4]。難聴は高い音から始まり、何年もかけてゆっくり進みます[4]。
神経の変化は、10代までに症状のない形で始まり、30代までに症状として現れることが多いとされています[4]。英国の45人では、ふらつき(体幹や歩行の失調)が15人、脳幹の萎縮による中枢性の無呼吸が5人にみられました[4]。うつなどの精神の症状が多いことも報告されています[4]。性腺の働きの低下は男性に多く、女性は妊娠する力が保たれることが多いものの、男女とも妊娠しにくくなります[4]。
💡 用語解説:視神経萎縮と中枢性尿崩症
視神経萎縮は、目で受けた光の情報を脳に伝える視神経が細くなり、視力や色の見分けが低下する状態です。中枢性尿崩症は、脳の下垂体から出る「尿を濃くするホルモン(バソプレシン)」が足りなくなり、薄い尿が大量に出て、のどが渇く状態です。どちらも、ウォルフラム症候群で神経の細胞が弱ることで起こります。
ウォルフラム症候群の寿命
「ウォルフラム症候群の寿命は30歳前後」という情報がありますが、これは古いデータにもとづく見方です。1995年の英国の報告では、45人のうち10人がすでに亡くなっており、亡くなった原因は低血糖による昏睡、けいれんの重積、尿路感染のくり返しによる腎不全、脳幹の萎縮による呼吸不全、自殺でした[4]。
しかしGeneReviewsは、亡くなる年齢の中央値は、今では1995年の報告よりかなり高いとわかってきたと述べています[4]。英国の成人専門外来に通う40人では、年齢の中央値が37歳、最高齢は65歳でした[4]。これは「平均寿命」を測った数字ではありませんが、30歳を寿命の目安として書くのは今のデータに合っていません。
寿命に関わる原因を見ると、低血糖、尿路感染、無呼吸など、早く気づいて対応できるものが含まれています。持続血糖モニター、夜間の呼吸の補助、排尿の管理は、どれもこうした原因に向けた管理です。何歳まで生きられるかを一つの数字で示すことはできず、症状ごとの管理を早く始めることが大切だと考えています。
「1型糖尿病」と言われている人の中にいることがある
WFS1による糖尿病は、1型や2型の糖尿病と診断されていることがあります。40歳以下で糖尿病と診断された中国の690人を調べた研究では、6人(0.9%)にWFS1の病的な変化が見つかりました。この6人には、ウォルフラム症候群に典型的な症状はほとんどありませんでした[7]。著者らは、WFS1による糖尿病は2型糖尿病と誤って診断されることが多く、遺伝子検査が個別の治療に役立つと述べています[7]。
「若いころからの糖尿病に、視力の低下や多尿が加わった」という組み合わせは、WFS1を考える手がかりになります。若いころに発症する遺伝性の糖尿病には、MODY(若年発症成人型糖尿病)や新生児糖尿病など、ほかの遺伝子による型もあります。
日本での頻度と制度(2026年10月時点)
日本のウォルフラム症候群の頻度は71万人に1人で、患者さんは約200人と推定されています。この数字は、東京・大阪・東北で2010年に生存していた患者さんをもとに算出されたものです[5][6]。全国で67人が確認され、遺伝子を調べた40人のうち27人(67.5%)にWFS1の両方の病的な変化があり、11人(27.5%)ではWFS1に変化が見つかりませんでした[5]。
海外の頻度は地域によって大きく違い、イタリアのシチリア島北東部では5万4,478人に1人、イタリア全体では135万1,000人に1人、北インドでは80万5,000人に1人と報告されています[4]。
ウォルフラム症候群は、国の指定難病(告示番号233)です[6]。指定難病であっても、医療費助成の対象になるかどうかは病状などによって判断されるため、主治医に確認してください。なお、当院の検査・診療はすべて自費診療です。
4. 遺伝のしかたと家族への影響
WFS1の病気の遺伝のしかたは、両方の変化による古典型(ウォルフラム症候群)では常染色体潜性(劣性)遺伝、片方の変化による非古典型では常染色体顕性(優性)遺伝です。同じ遺伝子でも、型によってご家族に受け継がれる確率がまったく違うため、まず「どちらの型か」を確かめることから始まります[4]。
ウォルフラム症候群(潜性):両親が保因者なら4分の1
ウォルフラム症候群のお子さんのご両親は、通常どちらもWFS1の片方に病的な変化をもつ保因者です。ご両親が2人とも保因者の場合、お子さん1人ごとに、ウォルフラム症候群になる確率が4分の1(25%)、保因者になる確率が2分の1(50%)、どちらの変化も受け継がない確率が4分の1(25%)です[4]。この確率は妊娠ごとに同じで、1人目が病気だったから2人目は大丈夫、ということはありません。
GeneReviewsは、ご両親の遺伝子検査で、お二人が本当に保因者かを確かめることを勧めています[4]。片方の親にしか変化が見つからないときは、お子さんの変化の1つが新生突然変異である可能性などを考えます[4]。ご両親のきょうだいは、それぞれ2分の1の確率で保因者です[4]。
保因者の健康への影響
ウォルフラム症候群の保因者(片方に変化をもつご両親やきょうだい)が、ウォルフラム症候群の症状を起こしやすいという決定的な証拠はありません。GeneReviewsはこのように明記しています[4]。インターネット上には「保因者は精神疾患のリスクが高い」という情報もありますが、過去の報告はあるものの確立した知見ではありません。
ただし、片方の変化がどんな種類かによっては、顕性(優性)遺伝の非古典型として難聴や糖尿病などが起こる場合があります。保因者か、非古典型か。これは変化の種類と、ご本人や家族の症状をあわせて判断します。聞こえや視力、血糖に気になる点があれば、保因者とわかった時点で一度確かめておくとよいと考えています。
非古典型(顕性):お子さんへは2分の1、新しく起きた変化も多い
非古典型の人のお子さんは、1人ごとに2分の1(50%)の確率で同じ変化を受け継ぎます[4]。同じ変化をもつ家族の間でも、症状の出方に差があることが報告されています[4]。
GeneReviewsによると、非古典型と診断される人の多くは、新生突然変異によるものです[4]。両親の血液で変化が見つからなければ、次のお子さんが同じ変化をもつ見込みは低くなります。ただし、0にはなりません。親の精子や卵子のもとになる細胞の一部だけに変化がある「性腺モザイク」の可能性があるためです。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。
🩺 院長コラム【同じ遺伝子でも、確率の計算は型によって違う】
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。
WFS1は、潜性(劣性)と顕性(優性)の両方の型をもつ遺伝子です。両親がともに保因者の場合、お子さんが古典型を発症する確率は4分の1です。一方、片方の変化が顕性(優性)遺伝の病気の原因となる場合、その変化がお子さんに受け継がれる確率は2分の1です。遺伝子名だけで確率を決めず、変化の種類とご家族の症状を合わせて考えることが大切だと考えています。
妊娠を考えるとき:糖尿病・尿崩症の管理と出生前検査
WFS1の病気をもつ女性の妊娠では、ご本人の糖尿病と尿崩症の管理が重要になります。インスリンが必要な糖尿病がある妊婦さんでは、糖尿病のない人に比べて、お子さんに先天異常が起こる危険性が2〜8倍高いとされています[4]。妊娠前から妊娠中に血糖を整えることで、この危険性は下がりますが、なくなるわけではありません[4]。また、古典型の女性では妊娠中に尿崩症が現れることがあるため、注意深い観察が必要です[4]。
ご家族のWFS1の変化がすでにわかっていれば、出生前検査や着床前検査で、お子さんが同じ変化をもつかを調べられます[4]。出生前検査は、妊娠中に羊水検査や絨毛検査で胎児の細胞を採り、ご家族と同じ変化があるかを確かめる方法です。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。調べたい変化が特定されていることが前提になるため、妊娠前にご家族の変化を確かめておくことが勧められます[4]。
DFNA6/14/38の難聴のように、ご本人が大人になってお子さんを持つことを考える型では、海外での着床前検査(PGT-M)を考える方もいます。当院では着床前検査そのものは行っていませんが、海外のPGT-Mで使える英語の検査結果を、検査の際にお申し出いただければお渡しできます。詳しくは遺伝性疾患をお持ちで海外でPGT-Mを考えている方へをご覧ください。
5. WFS1遺伝子の検査:わかること・わからないこと
WFS1遺伝子の検査は、血液や口の粘膜などからDNAを取り出し、WFS1の配列を読んで病的な変化を探す検査です。GeneReviewsによると、WFS1の病的な変化の95%を超える割合が、配列を読む検査(シーケンス解析)で見つかります[4]。
どんな人が検査を考えるか
GeneReviewsでは、16歳より前に糖尿病と視神経萎縮がそろう人、またはそこに高い音の難聴、尿崩症、排尿の障害、ふらつきなどが加わる人で、古典型を疑うとしています[4]。非古典型を疑うのは、16歳以降の糖尿病や視神経萎縮、乳児期からの高度な難聴を含む低音域の難聴、新生児糖尿病・先天性難聴・白内障がある場合です[4]。
ご家族にウォルフラム症候群やWFS1の病的な変化をもつ人がいる場合も、検査の対象になります。GeneReviewsは、症状のない血縁者の遺伝子の状態を確かめ、糖尿病・視神経萎縮・難聴を早く見つけて治療を始めることが適切だとしています[4]。
検査の選び方:WFS1を狙うか、広く調べるか
症状からウォルフラム症候群が強く疑われる場合は、WFS1と2型の原因遺伝子CISD2を調べるパネル検査が向いています。症状の組み合わせがはっきりしない場合は、難聴・網膜・単一遺伝子糖尿病の遺伝子パネルや、全エクソーム検査でWFS1を含めて調べる方法もあります[4]。
ウォルフラム症候群に似た症状を示す病気には、ほかにもあります。GeneReviewsは、糖尿病と目・耳の症状が重なる病気として、アルストローム症候群、バルデー・ビードル症候群、フリードライヒ運動失調症、筋強直性ジストロフィー1型、カーンズ・セイヤー症候群、チアミン反応性巨赤芽球性貧血症候群などを挙げています[4]。視神経萎縮と難聴が重なる病気としては、OPA1、PRPS1、TIMM8Aの各遺伝子による病気が挙げられています[4]。
わからないこと:陰性でも否定できない、VUS、症状の予測
検査で変化が見つからなくても、ウォルフラム症候群を完全には否定できません。配列を読む検査では、エクソン単位で遺伝子の一部が丸ごと欠ける変化は見つけにくく、WFS1ではこうした欠失が3つ報告されています[4]。日本の調査でも、症状からウォルフラム症候群と考えられた40人のうち11人では、WFS1に変化が見つかりませんでした[5]。CISD2など別の遺伝子が原因の場合もあります。
見つかった変化が、病気の原因かどうか今の知識では判断できない「VUS(臨床的意義不明のバリアント)」と判定されることもあります。VUSは陽性でも陰性でもなく、VUSだけを根拠に診断や出生前検査は行いません。家族の検査や新しい報告によって、あとから判定が変わることがあります。
また、GeneReviewsは、古典型でも非古典型でも、変化の種類と症状の重さの関係(遺伝型と表現型の相関)はまだ確立していないとしています[4]。同じ変化をもつきょうだいでも経過は大きく異なり、変化の種類や場所から将来の症状を予測することはできません[4]。
💡 用語解説:ナンセンス変異とミスセンス変異
ナンセンス変異は、タンパク質の途中に「ここで終わり」という信号ができてしまう変化で、多くの場合タンパク質が働かなくなります。ミスセンス変異は、アミノ酸が1つ別のものに置き換わる変化で、働きへの影響は変化ごとに異なります。どちらの種類かは結果の読み方の手がかりになりますが、WFS1では変化の種類だけで症状の重さは予測できません。
当院でできること:出生後の検査と出生前診断
当院では、WFS1とCISD2の2遺伝子を調べるウォルフラム症候群遺伝子検査(NGSパネル)を行っています。費用は税込330,000円で、結果までは2〜3週間です(至急のオプションあり)。検体は血液のほか、口の粘膜や唾液でも受け付けています。遺伝カウンセリングは30分22,000円(税込)です。検査はすべて自費診療です。
結果は郵送やメールで送るのではなく、遺伝カウンセリングで臨床遺伝専門医が説明してからマイページにアップします。片方の変化か両方か、病的か意義不明か、ご家族への影響はどうかを、その場でご説明します。難聴だけが気になる方は、WFS1を含む難聴遺伝子パネル検査、白内障の方は先天性白内障の遺伝子パネル検査も選べます。どの検査にWFS1が含まれるかは、各検査ページの遺伝子一覧でご確認ください。
🩺 院長コラム【検査でしか分けられない型がある】
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。
WFS1では、両方の変化による全身の病気と、片方の変化による難聴だけの型が、症状だけでは見分けにくいことがあります。若いころの糖尿病が視神経萎縮の前触れなのか、別の型なのか。ご両親がともに保因者でお子さんが古典型を発症する確率(4分の1)を考えるのか、顕性(優性)の変化がお子さんに受け継がれる確率(2分の1)を考えるのか。これを決めるのは遺伝子の結果です。だからこそ、陰性やVUSの意味まで含めて結果を説明する体制で検査を受けることが大切だと考えています。
6. 治療と研究の現状(2026年10月時点)
2026年10月時点で、ウォルフラム症候群の根本的な治療法は確立されていません。日本の難病情報センターもGeneReviewsも、症状ごとの治療が中心であるとしています[4][6]。一方で、小胞体ストレスを標的にした薬の臨床試験の結果が出始めています。
今の治療:症状ごとの管理
糖尿病にはインスリンを使い、1日に複数回の注射かインスリンポンプで行います。重い低血糖がよく起こるため、低血糖のアラーム付きの持続血糖モニターが勧められています[4]。インスリン以外の血糖を下げる薬は、効果と安全性の根拠が不十分なため、WFS1の病気には承認されていないとGeneReviewsは述べています[4]。中枢性尿崩症にはホルモンの補充を行い、血液のナトリウムが高すぎたり低すぎたりしないよう注意します[4]。
視力の低下には弱視用の補助具、難聴には補聴器や人工内耳を使います。神経因性膀胱には薬や自己導尿、くり返す尿路感染の治療を行います。中枢性の無呼吸には、夜間の呼吸の補助が選択肢になります[4]。内分泌、眼科、耳鼻科、神経内科、泌尿器科、精神科など多くの科が関わるため、診療を取りまとめる体制が欠かせません。
臨床試験:ダントロレン・バルプロ酸・PB&TURSO
小胞体からのカルシウムの漏れを抑える薬ダントロレンは、6〜32歳の19人が6か月服用する第Ib/IIa相試験で調べられました。安全性に大きな問題はありませんでしたが、全体としてβ細胞の働きも視力も有意には改善しませんでした[8]。対照群のない小規模な試験であり、著者らはランダム化試験が必要だとしています[8]。
抗てんかん薬のバルプロ酸ナトリウムは、国際的な二重盲検ランダム化試験(TREATWOLFRAM)で、63人(バルプロ酸42人・偽薬21人)を36か月追跡しました。視力の低下の速さは両群でほぼ同じ(年0.0431LogMAR、P=0.66)で、視力低下を遅らせる効果はみられませんでした[9]。血糖管理にも差はなく、低血糖はバルプロ酸群で多くみられました(26%対19%)[9]。ここでの数字は、2025年の学会で報告された抄録にもとづいています。
フェニル酪酸ナトリウムとタウルウルソジオールの合剤(PB&TURSO、開発名AMX0035)は、17歳以上の12人が参加した第II相試験(HELIOS)の結果が2026年5月に論文として発表されました。48週の時点で、食事に対するインスリン分泌の指標(Cペプチド)とHbA1cが改善し、視力は安定する傾向にあり、重い有害事象はありませんでした[10]。ただし、対照群のない12人の試験であり、著者ら自身も解釈に注意が必要だとしています[10]。いずれも標準治療ではなく、ウォルフラム症候群の治療薬として承認されたものではありません。
遺伝子治療・ゲノム編集の研究
遺伝子の変化そのものを直す研究も進んでいます。2020年には、ウォルフラム症候群の患者さんのiPS細胞で、WFS1の病的な変化をCRISPR-Cas9で修復し、そこからつくったβ細胞をマウスに移植したところ、薬で起こした糖尿病が改善したと報告されました[11]。修復した細胞は、ブドウ糖に反応してインスリンを分泌していました[11]。
これは細胞と動物での研究段階で、人での治療として確立したものではありません。それでも、どの遺伝子のどの変化が原因かわかっていることが、将来こうした治療や臨床試験に参加するための前提になります。たとえばHELIOS試験は、遺伝子検査でウォルフラム症候群と確かめられていることを参加の条件にしていました[10]。
よくある質問(FAQ)
Q1. WFS1遺伝子とは何ですか?
4番染色体(4p16.1)にある遺伝子で、小胞体の膜にあるタンパク質「ウォルフラミン」をつくります。ウォルフラミンは、小胞体ストレスへの反応が行き過ぎないよう抑える役目をもっています。両方のコピーの変化でウォルフラム症候群、片方の変化で低音障害型の遺伝性難聴などが起こります。
Q2. WFS1に変異が1つ見つかりました。ウォルフラム症候群ですか?
片方だけの変化でウォルフラム症候群にはなりません。片方の変化は、ウォルフラム症候群の保因者である場合と、難聴・白内障・糖尿病などが起こる顕性(優性)遺伝の型である場合があります。変化の種類とご本人・ご家族の症状をあわせて判断します。
Q3. ウォルフラム症候群の寿命はどのくらいですか?
「30歳前後」という情報は1995年の報告にもとづく古い見方です。GeneReviewsは、亡くなる年齢の中央値はそれよりかなり高いとわかってきたとしており、英国の成人専門外来では最高齢が65歳でした。低血糖、尿路感染、無呼吸などは、早く見つけて管理する対象になります。
Q4. 低音障害型感音難聴は遺伝しますか?
大人になって急に起こる低音障害型感音難聴の多くは遺伝の病気ではありません。一方、WFS1の片方の変化による難聴(DFNA6/14/38)は生まれつきでゆっくり進む型で、常染色体顕性(優性)遺伝のため、お子さんへは2分の1の確率で受け継がれます。
Q5. 両親が保因者の場合、子どもがウォルフラム症候群になる確率は?
お子さん1人ごとに4分の1(25%)です。保因者になる確率は2分の1、どちらの変化も受け継がない確率は4分の1で、この確率は妊娠ごとに変わりません。ご家族の変化がわかっていれば、羊水検査や絨毛検査による出生前診断も行えます。
Q6. ミネルバクリニックでWFS1を調べられますか?
はい。WFS1とCISD2の2遺伝子を調べるウォルフラム症候群遺伝子検査(税込330,000円・結果まで2〜3週間)を行っています。検査は自費診療で、結果は遺伝カウンセリングで臨床遺伝専門医が説明してからマイページにアップします。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断も当院で承っております。
まとめ
WFS1遺伝子は、小胞体の膜でウォルフラミンをつくり、小胞体ストレスへの反応を抑えるブレーキの役をしています[3]。両方のコピーに病的な変化があると常染色体潜性(劣性)遺伝のウォルフラム症候群が、片方の変化では低音障害型の遺伝性難聴(DFNA6/14/38)や白内障、糖尿病だけの型などが起こります[2][4]。変化が見つかったら、片方か両方か、病的か意義不明かを確かめることが出発点です。
ウォルフラム症候群は、10歳前後の糖尿病から始まり、視神経萎縮、難聴、尿崩症などが順に加わります。日本では71万人に1人、指定難病233です[5][6]。根本的な治療法はまだなく、臨床試験の結果が出始めた段階です[10]。病気そのものの解説はウォルフラム症候群をご覧ください。
🧬 WFS1・CISD2の遺伝子検査と遺伝カウンセリング
ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医が常駐し、WFS1とCISD2の2遺伝子を調べるウォルフラム症候群遺伝子検査(税込330,000円・結果まで2〜3週間)を行っています。結果は遺伝カウンセリングで、片方か両方か、ご家族への確率はどうかまで説明します。ご家族の変化がわかれば、絨毛・羊水からの胎児の出生前診断も当院で承っております。検査を受けるか決める前に、検査で何がわかり、結果をどう受け止めればよいかを知りたい方は、遺伝カウンセリングとはとウォルフラム症候群の遺伝子検査を先にご覧ください。
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参考文献
- [1] Genomics of Wolfram Syndrome 1 (WFS1). Biomolecules. 2023;13(9):1346. [PMC10527379]
- [2] WOLFRAMIN ER TRANSMEMBRANE GLYCOPROTEIN; WFS1. OMIM. [OMIM 606201]
- [3] Wolfram syndrome 1 gene negatively regulates ER stress signaling in rodent and human cells. J Clin Invest. 2010;120(3):744-755. [DOI 10.1172/JCI39678]
- [4] WFS1 Spectrum Disorder. GeneReviews®. 2022(最終更新). [NBK4144]
- [5] Wolfram syndrome in the Japanese population; molecular analysis of WFS1 gene and characterization of clinical features. PLoS One. 2014;9(9):e106906. [PMC4161373]
- [6] ウォルフラム症候群(指定難病233). 難病情報センター. [難病情報センター]
- [7] The genetic and clinical characteristics of WFS1 related diabetes in Chinese early onset type 2 diabetes. Sci Rep. 2023. [PMC10241780]
- [8] A phase Ib/IIa clinical trial of dantrolene sodium in patients with Wolfram syndrome. JCI Insight. 2021;6(15):e145188. [DOI 10.1172/jci.insight.145188]
- [9] A phase II, international, randomised, double-blind, efficacy and safety trial of sodium valproate in paediatric and adult patients with Wolfram syndrome. Endocrine Abstracts. 2025;111:OC9.7. [DOI 10.1530/endoabs.111.OC9.7]
- [10] Phase II trial of sodium phenylbutyrate and taurursodiol in Wolfram syndrome. J Clin Invest. 2026;136(10):e198519. [DOI 10.1172/JCI198519]
- [11] Gene-edited human stem cell–derived β cells from a patient with monogenic diabetes reverse preexisting diabetes in mice. Sci Transl Med. 2020;12(540):eaax9106. [DOI 10.1126/scitranslmed.aax9106]



